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発熱性好中球減少症のマネジメントと血液内科ローテでレジデントが学ぶべき感染症

投稿者プロフィール
はらD

東海大学医学部付属病院

65,080

318

概要

発熱性好中球減少症のマネジメントについての解説になります。研修医向けにエッセンスを凝集しつつ、抗菌薬や抗真菌薬のレクチャーもはさんでお送りします。

youtubeに動画での解説もありますので、耳で聞いて勉強したい人はそちらをどうぞ。

https://youtu.be/kvUXGk8rD_I

2. FNの定義。

3. 経験的に治療を開始しないと、非常に死亡率が高い。起因菌は表皮ブドウ球菌が最も多いですが、死亡率が高いのは緑膿菌。必ず緑膿菌カバーを入れて治療を開始。

4. 基本的にほとんど入院適応です。

5. 血液培養を含む各種評価を行い、抗緑膿菌活性を有するβラクタムの単剤を開始します。ショック、肺炎など、抗MRSA薬を最初からいくシチュエーションもあり。

6. できるだけ早い抗菌薬投与が予後を改善。

7. 肺炎、ショックなど死亡率高いときや、MRSAなどのGPCリスクが高いときは抗MRSA薬を最初から併用していきます。

8. カテ感染のマネジメントです。絶対的なCV抜去適応の菌と、カテ温存できるかもしれない菌がいます。

9-10. 広域抗生剤、抗MRSA薬の特性の違いです。

11. T/P+VCMはAKIに注意

12. 発熱が続く場合は経験的にescalation。

13. 基本的には血球回復するまで緑膿菌カバーを継続。安定していればde-escalationできるかも

14. 予防キノロンは、FN死亡率を下げるというメタ解析の結果に基づいています。

15. 抗真菌薬の総論。実臨床でよく用いられている予防はFLCZ、ITCZ。治療としてはアスペルはVRCZ、カンジダはMCFGが1stチョイス。

16. 長期好中球減少を来す治療には予防内服。カンジダ死亡を減らせます。

17. 好中球減少が長い患者はアスペルカバーも

18. FNで解熱しない場合は予防から治療へ

19. カンジダ血症。マネジメントしっかりすると、確実に死亡率下がります。

20. 移植のときはHSV/VZVの予防が入ります。

21. まとめ

22. GNR、GPC、真菌、ウイルスのそれぞれに対して、今予防で何が入っていて、治療で何が入っていてを考えながら、予防から治療、治療から予防へと適宜切り替えます

23. 参考文献

24. おわり。youtubeでは丁寧に解説してますので、ぜひどうぞ

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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テキスト全文

  • #1.

    血液内科レクチャー for residents 発熱性好中球減少症(FN)のマネジメント 原田介斗 スライド1

  • #2.

    発熱性好中球減少症とは? 発熱:  口腔内 38.3 ℃または腋窩 37.5℃以上 好中球: 500/uL未満 / 48時間以内に500/uL未満へ減少 敗血症! 粘膜障害 カテーテル挿入 スライド2

  • #3.

    なぜ経験的(empiric)治療? 経験的治療がなされてなかった1960年代、GNR菌血症によるFNの死亡率はなんと90%を超えたという報告すらある! 2000年になって、empiric therapyが普及してきて、死亡率は10%程度 まで低下した。 しかし、今なお緑膿菌の死亡率は30-40%程度と高く、1-2日治療が遅くなると死亡率が30%も増加した。 Cancer. 2006 May;106(10):2258-66. Arch Intern Med.1985;145:1621-9. 血培結果を待たずに、 抗緑膿菌活性を有する広域抗生剤を開始する! スライド3

  • #4.

    ①FN発症時のリスク評価 ようするに、全身状態不良、血行動態不安定、高齢者などがハイリスク MASCCスコア 他のリスクとしては 高度粘膜障害(化学療法の副作用) 意識障害 カテーテル感染 肺炎 深い(<100)neutropeniaが7日以上予想される スライド4

  • #5.

    FN診療ガイドラインより抜粋 スライド5

  • #6.

    ②初期抗菌薬 基本的にまずは単剤治療。ただし肺炎や血行動態不安定は併用考慮。 発熱から60分以内の抗菌薬投与が推奨されている 血培の迅速結果や過去の感染、監視培養結果も参考にする 発熱がなくとも、感染が疑わしければ治療を開始する 30分以内の方が死亡率減らせる という報告も! Antimicrob Agents Chemother. 2014;58:3799-803. J Clin Oncol. 2016;34:2054-60. Clin Infect Dis. 2010;51:381-9. アミノグリコシドをかぶせるメリットは乏しい (が、施設毎の感受性次第であろう) 色々報告はあるが、 CFPM/TAZPIPC/MEPMの優劣は ついていない スライド6

  • #7.

    ②初期抗菌薬 抗MRSA薬を最初から投与すべきとき  ・肺炎  ・ショック  ・カテ感染疑い  ・SSTI  (・高度粘膜炎) 死亡率高い!(肺炎21倍、ショック11倍) GPCリスク高い 一般的なFNに対して 初期から抗MRSA薬併用は予後改善せず、副作用をふやす Antimicrob Agents Chemother.2019;63:e01250-19. Cochrane Database Syst Rev.2017 Jun 3;6(6):CD003914. スライド7

  • #8.

    CVカテーテル感染のマネジメント カテ感染の診断 →Differencial time to positivity  DTPがCV血培と末梢血培で2hr以上差があれば、CV感染が怪しい 黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌(カンジダ)、抗酸菌などは即CV抜去 持続菌血症やseptic emboli、ショックなども即抜去 敗血症性血栓症をきたすと長期抗菌薬投与が望ましい 表皮ブドウ球菌による場合で、抗菌薬に速やかに反応し、かつ血液培養も速やかに陰転化すればカテーテル温存できるかも 黄色ブドウ球菌菌血症持続期間と死亡率 Clin Infect Dis. 2020;70:566–73. Ann Med. 2014 May;46(3):163-8. カテーテル抜去有無での再燃率 スライド8

  • #9.

    広域抗生剤の使い分け例 広域抗生剤の使い分け TAZ/PIPCとCFPMの違い5つ ※少し難易度高いので、抗生剤の勉強すこしかじってから   の方が良いです E. faeciumは 抗MRSA薬必要 ただし、 1st choiceはMEPM JAMA. 2018;320:984–94. スライド9

  • #10.

    抗MRSA薬の長所短所 抗MRSA薬はVCMが一番エビデンスあり しかし、特に移植時は腎障害を起こす薬を複数使用するため、VCMを使いづらい場合がしばしばある スライド10

  • #11.

    組み合わせによる副作用 Clin Infect Dis. 2017;64:116-123. Clin Microbiol Infect. 2020;26:696-705. TAZ/PIPC+VCMはCFPM+VCMやMEPM+VCMよりも有意にAKIが多い スライド11

  • #12.

    ③抗菌薬の変更タイミング 臨床経過安定していても、発熱つづく場合はempiricalに変更する 抗MRSA薬は必須となる感染症が同定されなければ早めにoffも可 経過中に増悪していく場合は耐性GNRや嫌気性菌、真菌も考慮 発熱続いて熱源が同定されない場合抗真菌薬を考慮 3日以上発熱続く場合はあらためて熱源の探索をする スライド12

  • #13.

    ④抗菌薬の継続期間 熱源同定されてもされなくてもNeutropeniaから回復するまでは 抗菌薬を継続する もし十分期間の抗菌薬が投与され、臨床経過も良好であれば 予防投与にde-escalationも可 Cochrane Database Syst Rev. 2019 Jan 3;1(1):CD012184. スライド13

  • #14.

    ⑤予防キノロンの適応 深い好中球減少 7日以上で考慮 (leukemiaのケモ、リンパ腫の救援化学療法、移植など) 7日以上血球下がらない場合は予防は"ルーチンには"不要 (高齢者リンパ腫や骨髄腫などで予防投与考慮すべきときもある) 抗MRSA薬や消化管滅菌によるGPCの予防は推奨されない Cochrane Database Syst Rev. 2012 Jan 18;1(1):CD004386. キノロン内服は 感染症による死亡率を 0.51倍に減らした スライド14

  • #15.

    馴染みがない抗真菌薬のまとめ ミカファンギン キャスポファンギン ボリコナゾール フルコナゾール イトラコナゾール リポソーマル アムホテリシンB (アムビゾーム) po po Po/iv iv iv 副作用すくない 濃度上がるまで時間かかる、マズイ アゾール系→CYP3A4阻害で カルシニューリン阻害剤の 血中濃度↑ 内服は濃度上がるまで時間かかる ゆるくTDMする(2-5 µg/ml) 肝障害 点滴は保護成分による腎障害 腎障害 発熱 電解質(K Mgなど) 予防は50mg 治療は150-300mg 少し肝障害 Candida albicans Aspergillus fumigatus 耐性Aspergillus 耐性Candida Fusarium Mucor 侵襲性アスペル 1st choice カンジダ血症 1st choice FN empiric治療で適応ある スライド15

  • #16.

    ⑥予防的抗真菌薬の適応 予防的抗真菌薬投与は長期好中球減少が予測される患者で 推奨されている (e.g. 白血病の化学療法、造血幹細胞移植など) invasive fungal infection (IFI)の中でも、とりわけカンジダ血症の死亡を減らすことが目的  →FLCZ(200 or 400mg)をはじめとし、各種薬剤でエビデンスあり IFIによる 死亡率 IFI発生率 64のRCT結果のメタアナリシス (抗真菌薬あり vs なし) J Clin Oncol 2007;25:5471-89 ひし形が左によればよるほど予防群の結果がよい 白血病患者において、IFI死亡率を0.66倍に、IFI発症率を0.69倍に減らした スライド16

  • #17.

    ⑥予防的抗真菌薬の適応 アスペルギルスのリスクとしては ・アスペルギルスの既往 ・14日以上の深い好中球減少 →こういったリスクのある患者では抗アスペルギルス活性のある抗真菌薬(イトリゾール,ファンガード,ボリコナゾール)による予防を考慮する 抗アスペルギルス活性 あり vs フルコナ (おもにイトリゾール vs フルコナ) Br J Cancer. 2012;106:1626-37. HEPAフィルターによる予防(クリーンルーム)もアスペルギルス予防 実臨床ではフルコナ/イトリゾールがよく使用されている アゾール× or 内服×でMCFG(点滴) アスペル既往ある患者の二次予防ではVRCZが多い スライド17

  • #18.

    ⑦抗真菌薬による治療開始 4-7日以上の持続するFNはempirical(経験的)に真菌も考慮する 状態安定していても、CTで結節ありやβDグルカン陽性などを参考にしてpreemptive(先制)治療も考慮 肺結節あり→ボリコナ or LアムホテリシンB 発熱のみ→ミカファンギン/キャスポファンギン が選択されやすい 1970年代はFNで死亡後、解剖で播種性カンジダが判明することが多かった N Engl J Med. 2002;346:225-34. 解熱しないFNの ボリコナvsLアムホB RCT 解熱しないFNの キャスポファンギンvsリポアムホRCT N Engl J Med. 2004;351:1391-402.  スライド18

  • #19.

    特に危険なカンジダ血症 カンジダ血症の推奨項目 早期に有効抗真菌剤を投与  ショック/FNでは  キャンディン or Lアムホで治療開始 血液培養の陰性化確認 カテーテル抜去 眼科チェック 心エコー IEや播種性の場合は長期治療 死亡率30%前後。  治療の遅れは死亡率上げる Antimicrob Agents Chemother. 2005;49:3640. Med Mycol. 2019 Aug 1;57(6):659-667. マネジメントの適切さが 死亡率を大きく左右する 適切な抗真菌薬投与 ソースコントロール進展確認 スライド19

  • #20.

    ⑧予防的抗ウイルス薬の適応 HSV抗体やVZV抗体陽性の既感染移植患者は再活性化予防としてアシクロビル/バラシクロビル内服による予防を行う Ann Intern Med. 1984 Jun;100(6):823-8. Blood. 2006 Mar 1;107(5):1800-5. HSV再活性化freeの割合 VZV再活性化率 予防投与期間 予防投与期間 少なくとも1年は予防投与継続する (最近は2年投与のエビデンスもある) スライド20

  • #21.

    初期治療に反応しないFNのまとめ ・CTをとってなければCTとる ・感染源の再確認(カテは大丈夫?)→血液培養再検も考慮 ・広げる余地があればGNR and/or GPCカバーを広げる ・真菌治療を開始する(フルコナゾール予防→ファンガードなど) ①2-4日解熱せず ②4-7日解熱せず ・感染源の再確認。unstableな状態であればCTをとる  (特に肺/副鼻腔。アスペルギルスのチェック) ・GNRカバーを広げる(ESBL考慮してセフェピム→メロペネムなど)  and/or GPCカバーを広げる(VCM/TEIC/DAPTなどの追加) ・血液培養などで菌が同定されればそれに対応した抗菌薬へ 基本は血球回復まで広域抗菌薬/抗真菌薬を継続  状態安定しているようであればde-escalationも可能かも? 発熱がさらに遷延したり、一度解熱した後再度発熱するようなら しつこく血液培養をとる スライド21

  • #22.

    グラム陰性桿菌 (GNR) グラム陽性球菌 (GPC) ウイルス 真菌 ニューキノロン系 (レボフロキサシンなど) 予防はしていない (副作用と死亡率のバランス) フルコナゾール イトラコナゾール ボリコナゾール ミカファンギン アシクロビル (HSV, VZV) ST合剤 FNリスク高の場合予防 (leukemiaのケモ、lymphomaの救援化学療法、移植など) 細胞性免疫の障害 (同種移植後の免疫抑制剤) (±ALLケモ、lymphoma救援ケモ、濃厚な治療歴のmyelomaなど) 長期好中球減少 (leukemiaのケモ、移植) 長期間の細胞性免疫の障害 (同種移植後の免疫抑制剤) 血液内科医の 頭の中 治療 予防 治療 予防 予防 治療 治療 スライド22

  • #23.

    より深く勉強したい人へ スライド23

  • #24.

    Take home message ・FNとは、好中球が500/ul未満の患者に起こる発熱のこと  早期に抗菌薬治療を開始しないと死亡リスク↑ ・FNの治療 →まずは抗緑膿菌活性をもつ  セフェピム、タゾバクタム/ピペラシリン、メロペネム  のいずれかを開始する ・ショック、肺炎、カテ感染、SSTIのFNは抗MRSAカバーも  最初から加える ・解熱しないFNは経験的にescalationし、血培再検や画像チェック  4-7日以上の持続するFNは真菌も想定。 動画でのスライド解説もあります→ youtubeで「はらDちゃんねる」で検索 もしくは概要欄のリンクをチェック! スライド24

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