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造血幹細胞の原理② ドナーの選び方、造血幹細胞の取り方、血液型の理解と血液不適合移植について

投稿者プロフィール
はらD

東海大学医学部付属病院

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概要

YouTubeフル解説はこちらから

https://youtu.be/vZ-DiTUhxaY

★ドナー選択★

自分と自分以外を区別する標識がHLA。このHLAを患者とドナーで合わせます。

HLAは両親から1本ずつ染色体を引き継ぐので、兄弟同士で一致する確率は1/4です。

★ドナーの比較★

まず患者さんと兄弟のHLAを調べます。一致の兄弟がいない場合、骨髄バンクに登録したり、臍帯血を探します。臍帯血は赤ちゃんのへその緒の血液のことで、造血幹細胞が豊富に含まれています。

骨髄バンクドナーは探すのに時間がかかり、調整が難しいことがあります。臍帯血は迅速にドナーを探すことができますが、含まれる幹細胞の量が少なく、幹細胞が患者さんに拒絶されるリスクがあります。

★幹細胞の採取方法★

骨髄中には1uLあたり数万個の細胞があり、CD34陽性細胞は1%くらい。この中に造血幹細胞が含まれています。1回の移植で必要な幹細胞をだいたい1Lの骨髄が必要になります。全身麻酔をかけて手術室で採取しています。

もう一つの方法はG-CSFによる幹細胞の動員です。連日G-CSF投与により、骨髄から末梢血に造血幹細胞が出てくる現象を利用します。

★GCSFによる造血幹細胞動員の機序★

造血幹細胞は普段、骨髄の環境細胞の近くで眠っています。まわりの細胞が造血幹細胞を引き付けるケモカインを出して、骨髄の奥底に保持されています。

GCSFの好中球や単球刺激作用、骨髄マクロファージ阻害作用などによって、ケモカインが減少し、末梢血へと動員されます。

★血液型不適合移植★

A型の患者にB型の赤血球を入れると、輸血したB型赤血球のB抗原に患者の抗B抗体が結合して、溶血が起こります。血小板の輸血の場合、血漿中の抗体が一緒に輸血されます。

血液型不適合移植はこの知識を応用して考えます。

A型にO型から移植した場合、骨髄中の抗A抗体が、A抗原を持っているA型赤血球に反応して、溶血発作を起こします。そのため、血漿を取り除いて移植します。

O型患者にA型から移植すると、患者の抗A抗体がドナーA型赤血球に反応して溶血発作を起こします。なので、ドナーの赤血球を除去してから移植します。

患者が持っている抗A抗体は当分の間、体内に残存してます。移植して当分の間赤血球は壊され続けて赤芽球癆になることがあります。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

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テキスト全文

造血幹細胞移植のドナー選びとG-CSFのメカニズム

#1.

血液内科レクチャー for residents造血幹細胞移植②ドナー編 ドナーの比較! G-CSFのメカニズム! 血液型の理解!

#2.

レクチャーの内容 ・ドナーってどうやって選ぶの? ・どこからどうやって幹細胞をとるか ・血液型が違っても大丈夫?

HLA遺伝子とドナーの優先順位について

#3.

HLA(human leukocyte antigen) 自分と他人を区別する遺伝子群。HLA-A、B、C、DRB1と4種類8座を合わせる。 HLA遺伝子は6番染色体上にコードされていて、両親から1対ずつ引き継ぐため、 兄弟で一致する確率は1/4。 赤の他人だとだいたい数百~数万人に1人くらい。 A座 C座 B座 DR座

#4.

ドナーの優先順位 ①HLA一致の兄弟   ②HLA一致(8座)の骨髄バンクドナー ③臍帯血、(HLA半合致血縁) (④HLA一座不一致の骨髄バンクドナー) HLA-A、B、C、DRB1のペアそれぞれが一致

骨髄からの造血幹細胞採取とG-CSFによる動員

#5.

骨髄から造血幹細胞を直接とる 骨髄液1uLあたり数万個の細胞。 そのうち1%くらいがCD34陽性細胞 1回の移植で必要なCD34陽性細胞2x106/kg →体重50kgだと1.0x108個 1uL Total 1.0x104 CD34 1.0x102 必要量 CD34 1.0x108 1回の吸引で10mlとしても 100回も骨髄穿刺が必要! 1uLあたり1x104個の細胞とすると、 CD34陽性細胞は1%、1x102個 1.0x108÷(1x102)=1.0x106uL →1000mLの骨髄が必要。 CD34 1.0x108 Total 1000ml 全身麻酔で 手術室で採取

#6.

G-CSFによる幹細胞動員 造血幹細胞が骨髄中から末梢血に動員される G-CSF 連日投与 機械を使って リンパ球ごと大量の造血幹細胞を回収する ◎生着が早い ×リンパ球が多く混じるので GVHDが起こりやすい 1uLあたり 10~50個くらい

血液型の理解と抗原抗体の関係

#7.

G-CSFによる幹細胞動員 骨芽細胞 骨細胞 G-CSF 造血 幹細胞 マクロファージ ⑤血中に 動員! ケモカイン ケモカイン受容体 ①増加した好中球や単球がサイトカインで骨芽細胞を抑制 ③骨髄マクロファージの抑制 ③交感神経シグナルを介して骨芽細胞や骨細胞を抑制 ④骨髄に留めるケモカインが 減少

#8.

血液型と抗原抗体 A型 B型 O型 AB型 A抗原 A抗原 抗B抗体 抗B抗体 抗A抗体 抗A抗体 B抗原 B抗原 (抗原なし) (抗体なし) 赤血球輸血 血小板輸血 溶血発作 溶血発作

血液型不適合移植のリスクと対策

#9.

血液型不適合移植の場合 A型 O型 A抗原 抗B抗体 抗B抗体 抗A抗体 溶血発作 血漿 除去 O型 A型 A抗原 抗B抗体 抗B抗体 抗A抗体 溶血発作 赤血球 除去 (後天性の)赤芽球癆! 数か月~年単位で残存

#10.

Take home message ・造血幹細胞移植は、HLA適合ドナーの健康な造血幹細胞を使って  患者の造血システムをドナーのものに置き換える ・HLA一致兄弟、HLA一致骨髄バンクドナー、臍帯血が3大ドナー ・ドナーから造血幹細胞を回収する場合は、骨髄から直接採取するか、   GCSFを用いて末梢血中に動員して回収する   ・血液型不適合移植は溶血発作を起こしうるが、  移植する前に血球除去もしくは血漿除去を行えばOK

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