みんな苦手な血液内科の疾患を病態からしっかりと理解しよう
フル解説動画:https://youtu.be/0xlgn7xIg6E
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【造血システム】血液の根幹、造血幹細胞がいろいろなものに分化して多種多様な細胞を生み出しています。好中球、単球、赤血球、血小板、リンパ球、全てこの幹となる造血幹細胞から産生されます。
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【MDSの発症】
加齢、もしくは抗がん剤や放射線によって造血幹細胞のDNAに傷が入ります。長く生きていればいるほどこの傷が入る可能性は高く、高齢者に多く発症します。
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DNAの傷というのは、染色体異常、遺伝子の異常という形であらわされます。染色体を1本失うなどの異常によって、その染色体にコードされるがん抑制遺伝子の働きが落ちます。そのため、不良品ができて、不具合がおこってきます。
幹細胞に異常があるわけですから、この幹細胞から生み出される、全ての細胞に異常があるわけです。
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【病態】
不良品は異形成を呈します。さらに、骨髄という工場から外に出荷されずに、工場の中で処理され(アポトーシス)、白血球が減れば感染症、赤血球が減れば貧血、血小板が減れば出血を起こします。
機能異常も起こります。好中球は本来、細菌を貪食して、顆粒によって細菌を殺しますが、この顆粒がなくなります。顆粒がないと細菌を殺せないので、好中球の殺菌能の異常になります。MDSの患者さんは、白血球の数の低下だけでなく、functionが障害されています。
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もう一つ重要な病態があります。MDS患者の血液細胞は、がん抑制遺伝子に異常があって不具合を修正するプログラムが壊れているので、よりたくさんのDNAの傷、遺伝子異常をどんどん獲得していきます。例えば、骨髄芽球にさらなる異常が起こって、増殖するスイッチが入れば、この細胞がガンガン増えて、これは骨髄球系の白血病になります。恒常的に増殖スイッチがONになる異常が追加で起こって白血病に進展していくわけです。これがMDSのもう一つの大きな特徴になります。
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つまり、MDSは、①造血幹細胞に、②がん抑制遺伝子の機能低下などの遺伝子異常が生じて、③異形成によるアポトーシスと機能異常、さらなる遺伝子異常獲得による白血病化が起こる。そんな病気です!
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つづきはyoutubeでフル解説
https://youtu.be/0xlgn7xIg6E