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新型コロナウイルス感染症の感染対策

  • 感染症科

  • 感染症
  • 新型コロナウイルス感染症
  • COVID-19
  • 感染対策

282,630

49

2020/5/24
2020/8/18 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染対策についてまとめました。一般的な感染対策に加えて、COVID-19疑い患者の隔離解除基準、ガイドラインにはあまり記載されていない診察時の注意点、職員間感染の予防、SARS-CoV-2の感染性のある期間、病院の環境表面の汚染、術前PCR・CTの考え方、流行期のペットとの付き合い方、について説明しています。この内容は個人の意見であり、所属施設の見解ではありませんので、ご了承ください。

黒田浩一

神戸市立医療センター中央市民病院


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新型コロナウイルス感染症の感染対策

  1. Coronavirus disease 2019 (COVID-19)感染対策 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一

  2. 開示すべきCOIはありません このスライドは、作者の個人的な見解であり、所属する施設の見解を代表したものではありません 2020.5.24時点での作者の見解ですので、今後新たな知見によって、変更される可能性があります 掲載された情報に基づく判断については、利用者の責任のもとに行ってください

  3. 目次 SARS-CoV-2の感染経路 感染対策の基本 - エアロゾルとは? - 感染防止策を実施する期間 いつまで感染するリスクがある? - これまでの研究結果 - 環境表面のウイルスのviabilityがある期間 術前・入院前・検査前のPCR/CTは必要? 動物からの感染はある?

  4. 用語の確認 新型コロナウイルス =severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)  新型コロナウイルス感染症 =coronavirus disease 2019 (COVID-19)  

  5. SARS-CoV-2の感染経路 飛沫感染  くしゃみ・咳・会話(2m以内) 接触感染  痰や鼻水などの体液への接触  体液で汚染された環境への接触 空気感染?  おそらくしない(ただし、証明されていない)

  6. 感染対策の基本 標準予防策の徹底 ユニバーサルマスキング 感染経路別予防策 感染防止策を実施する期間 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/downloads/COVID-19_PPE_illustrations-p.pdf

  7. 標準予防策の徹底 適切なタイミングの手指衛生 適切な個人防護具の使用

  8. ユニバーサルマスキング COVID-19患者は - 症状出現の2-4日前からウイルス排泄あり - 症状出現前の感染伝播が50%弱 ユニバーサルマスクの目的 - 気道症状のない職員/患者から他の職員/患者への伝播を防ぐ すべての医療従事者・患者・訪問者はマスクを着用する ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/infection-control-recommendations.html#minimize Infect Control Hosp Epidemiol. 2020 May 6;1-2. doi: 10.1017/ice.2020.202.

  9. 感染経路別予防策 接触予防策 飛沫予防策 空気予防策(エアロゾル発生手技の時に必要) 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き・第2版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版.

  10. COVID-19(疑い例も含む)の感染管理 個人防護具 1. 眼・鼻・口を防護するもの  サージカルマスク or N95マスク  ゴーグル or フェイスシールド 2. 長袖ガウン 3. キャップ(必須ではない) 4. 手袋 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き・第2版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版.

  11. N95マスクを使用する状況 エアロゾル発生手技を行う場合 気道吸引 NIV 喀痰誘発 気管支鏡 胸骨圧迫 用手換気 気管挿管・抜管 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き・第2版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版.

  12. エアロゾルとは? 気体中に微粒子が多数浮遊した状態(ほこり、花粉、霧など) その微粒子の大きさは、数nmから100μm程度まで様々 「エアゾロル感染」≒飛沫感染+空気(飛沫核)感染 「エアロゾル感染」の世界的に統一された定義は存在しない 「エアロゾル感染」は、空気感染(飛沫核感染)とは異なる ※飛沫核=長径5μm未満

  13. 病室・病室の空気中のウイルス 患者の頭から4m離れた場所の空気からSARS-CoV-2がPCR検査で検出された1) 隔離病棟・人工呼吸器患者の病室の空気中のSARS-CoV-2 RNA濃度は非常に低かったが、患者ベッドから約3m以内の床はウイルスで汚染されていた2)  →「エアロゾル」は、患者から4m離れたところまで到達する可能性 実験室の環境におけるエアゾロル(この実験では、5μm未満の飛沫核)中のウイルスは、3時間以上viabilityを保持する(半減期は1.1-1.2時間)3) 1. Emerg Infect Dis. 2020 Apr 10;26(7). doi: 10.3201/eid2607.200885. 2. Nature. 2020 Apr 27. doi: 10.1038/s41586-020-2271-3. 3. N Engl J Med. 2020 Apr 16;382(16):1564-1567. doi: 10.1056/NEJMc2004973.

  14. ガウンはタイベック®がよい? 基本的に通常のガウンで問題ない。 タイベック®の利点は、全身を覆うことができることであり、気管挿管(咳がある状況)の際、術者の耳・頚部・髪・靴に飛沫が付着する可能性が指摘されているため、その際はタイベック®の使用を検討する。 JAMA. Published online April 27, 2020. doi:10.1001/jama.2020.6633.

  15. キャップは必須? キャップ装着は、必須と考えられていない ただし、髪に触れた際に、⼿指に付着したウイルスによる粘膜汚染が懸念されるため、特に髪を触りやすい人は着用したほうが安全と思われる

  16. シューズカバーは必要? 集中治療室で最重症COVID-19診療している医療従事者の靴の裏のウイルスPCRが50%で陽性であった報告がある1) COVID-19診療している医療従事者の靴の前面のウイルスPCRが陽性であった報告がある2) しかし、シューズカバーを脱ぐ際に⼿指が汚染するリスクを考慮すると、シューズカバーの着用は推奨されない3,4) 1. Emerg Infect Dis. 2020 Apr 10;26(7). doi: 10.3201/eid2607.200885. 2. JAMA. 2020 Mar 4;323(16):1610-1612. doi: 10.1001/jama.2020.3227. 3. ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第3版. 4. 国立感染症研究所. 新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 2020年5月20日改訂.

  17. 個室隔離 確定例・疑い例ともに個室隔離が必要 十分な換気が重要(可能限りこまめに行う) ただし、必ずしも「陰圧室」でなくてもよい エアロゾル発生手技を行う場合は、陰圧室が望ましい

  18. 感染防止策を実施する期間 COVID-19患者  鼻咽頭ぬぐい液PCR検査 2回連続陰性確認(間隔:24時間以上)  軽症の場合は、発症から14日間(PCR確認なし)※自治体による  ※当院:挿管例は4週間以上、感染対策を継続(2020.5.22現在) COVID-19疑い患者  COVID-19が除外されるまで

  19. COVID-19の診断 症状:発熱、咽頭痛、咳、味覚障害、嗅覚障害 曝露歴:家族内、職場、clusterが発生した場所、など 行動歴:Clusterが発生しやすい場所(ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウス、スポーツジム、大規模イベント) 画像検査:胸部レントゲン、胸部単純CT PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液) 抗原検査(鼻咽頭ぬぐい液)?

  20. 上気道検体のPCR検査の感度は不十分 PCR検査(上気道検体)は3回施行すると感度が上昇する 発症3日目の咽頭ぬぐい液PCR検査で陰性の場合、2日後に再検すると感度が95%まで上昇する 鼻咽頭ぬぐい液PCRは2回行うと95.7%が診断される(発症から8日以内の場合) PCRの感度は、BALF>喀痰>鼻咽頭ぬぐい液 ウイルス量は、喀痰>鼻咽頭ぬぐい液>咽頭ぬぐい液 Clin Infect Dis. 2020 Feb 29;ciaa199. doi: 10.1093/cid/ciaa199. Radiology. 2020 Feb 19:200432. doi: 10.1148/radiol.2020200432. Clin Infect Dis. 2020 Apr 19. doi: 10.1093/cid/ciaa459. JAMA. 2020 Mar 11. doi:10.1001/jama.2020.3786. Clin Infect Dis. 2020 Mar 28. pii: ciaa345. doi: 10.1093/cid/ciaa345. N Engl J Med. 2020 Mar 19;382(12):1177-1179.

  21. 上気道検体(鼻咽頭ぬぐい液・咽頭ぬぐい液)の PCR検査の偽陰性率は、発症4日目がもっとも低い 発症日 Annals of Internal Medicine. 2020 May 13. doi: 10.7326/M20-1495.

  22. COVID-19をどうやって除外?(1) 症状や画像所見からCOVID-19が鑑別に挙がる患者を対象 1回目のPCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)が陰性の場合 - 代替診断あり→感染対策終了 - 代替診断なし→翌日に2回目のPCR検査 - 鑑別に有用な場合、胸部単純CT検査施行

  23. 2回目のPCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)が陰性の場合 - 代替診断あり→感染対策終了 - COVID-19の検査前確率が低い場合→感染対策終了 - COVID-19の可能性が引き続き疑われる場合  3回目のPCR検査を検討する(発症から4-7日目がベスト)  PCR検査の検体は、喀痰・吸引痰/BAL(挿管患者)を考慮する  発症から10日目以降の場合は、抗体検査も検討する COVID-19をどうやって除外?(2)

  24. COVID-19疑い患者 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液) COVID-19確定 陽性 代替診断なし 代替診断あり 陰性 COVID-19除外 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)※1 COVID-19確定 陽性 代替診断なし 代替診断あり・検査前確率が高くない 陰性 COVID-19除外 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液 or 喀痰)※2・抗体検査※3 COVID-19除外 陰性 ※1:検体は喀痰でもよい ※2:発症から4-7日目が望ましい ※3:発症から10日目以降がよい 陽性 COVID-19確定 各evidenceを参考に作成した私案

  25. 参考文献:COVID-19の除外 1. Discontinuation of Transmission-Based Precautions and Disposition of Patients with COVID-19 in Healthcare Settings (Interim Guidance). https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/disposition-hospitalized-patients.html [最終アクセス2020.4.27] 2. Clinical Characteristics of Imported Cases of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in Jiangsu Province: A Multicenter Descriptive Study. Clin Infect Dis. 2020 Feb 29. doi: 10.1093/cid/ciaa199. 3. Guidance for Patients with Suspected Viral Respiratory Illness Including Suspect or Confirmed COVID-19 in Emergency Department, Inpatient, Ambulatory and Peri-procedural Locations. https://www.massgeneral.org/assets/MGH/pdf/news/coronavirus/for-patients-with-suspected-viral-respiratory-illness.pdf [最終アクセス2020.4.28] 4. Guidance on Infection Statuses and Resolution. https://www.massgeneral.org/assets/MGH/pdf/news/coronavirus/guidance-on-infection-status-and-resolution.pdf [最終アクセス2020.4.27] 5. Coronavirus disease 2019 (COVID-19): Infection

  26. COVID-19疑い患者診察時のポイント 基本は、サージカルマスク・ガウン・手袋・フェイスシールド キャップは必須ではないが、したほうが安全かもしれない 聴診は最小限にする 鼻咽頭ぬぐい液を採取する場合 - 正面に立たない(患者の右側または左側に立つ) - 患者にはマスクしてもらう(鼻だけ出す) 気管挿管/吸痰をする可能性がある場合は、N95マスクを使用

  27. COVID-19診療病棟での工夫 直接の診察は最小限にする 聴診は必要最小限にする(原則行わない) LINEやFacetimeを利用してTV通話で対応する(iPadなどを利用) 軽症の場合、バイタルサインの測定は最小限で  体温:患者本人が測定  血圧・脈拍は1日1回で十分(脈拍だけでもOK:触診)  SpO2は必須ではない

  28. レッドゾーンに入る人数は最小限にする  例:COVID-19診療チームを結成する 同じ病棟にCOVID-19患者と非COVID-19患者を入院させない  →COVID-19専用病棟を作る COVID-19病棟担当者が、グリーンゾーンに勤務する場合(例:流行が収束して専用病棟解散時)、2週間休暇をとることを検討する 個人防護具の着脱を、お互いにチェックし合う COVID-19診療病棟での工夫

  29. 手指衛生 全員マスク 3密(密閉、密集、密接)を避ける 院内の職員間感染を予防するため 国立感染症研究所. 新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 2020年5月20日改訂. 厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#sankou

  30. 厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#sankou 閉鎖空間にいる感染者は、換気できている空間の感染者より、18.7倍感染させやすいという報告がある(https://doi.org/10.1101/2020.02.28.20029272)

  31. 院内の職員間感染を予防するため 頻回の手指衛生 ユニバーサル・マスキング - 特に2m以内で会話する場合は、サージカルマスクを着用 - 休憩室・ロッカー・カンファレンスルーム・帰り道に注意! 引き継ぎは少人数で(例えば3人以下) 食事は、2m以上の間隔をあけてとる(対面はダメ) 休憩時間の分散化

  32. 微熱や軽度の気道症状がある場合 →出勤しない or 業務中なら業務を中断する COVID-19担当の医療従事者が、発熱・気道症状・嗅覚/味覚異常がでた場合の対応方法 →「2週間休む±受診してPCR検査」を行う 院内の職員間感染を予防するため ※4日以上症状が改善しない場合や症状が強い場合は、PCR検査の適応

  33. いつまで感染するリスクがある? ただしく恐れる

  34. 「感染性がある」とは? PCR陽性→× ウイルス培養陽性→? 実際に起こったoutbreakの調査結果

  35. 軽症から重症のCOVID-19患者12例の検討 ・発症から9日目でウイルス培養陽性の症例があった ・10日目以降のウイルス培養は検討されていない ・気管挿管例は含まれていない Nat Med. 2020 Apr 23. doi: 10.1038/s41591-020-0877-5

  36. 軽症COVID-19(9例の検討)発症8日目までの喀痰ウイルス培養陽性 便のウイルス培養は全例陰性(PCRのウイルス量に関連なし) Nature. 2020 Apr 1. doi: 10.1038/s41586-020-2196-x.

  37. 米国のSkilled Nursing Facilityで起こったoutbreak。重症例も含めたCOVID-19の上気道検体を使用したPCRとウイルス培養を施行。SARS-CoV-2は、発症6日前から発症9日目で培養陽性となった。ウイルス量(PCR)が多い場合に培養陽性となる傾向があるようにみえるが、発症早期にウイルス量が多いことが原因と思われる。 N Engl J Med. 2020 Apr 24. doi: 10.1056/NEJMoa2008457.

  38. 発症前(潜伏期間):45% 発症後:40% 環境接触:10% 無症状感染者:5% 感染伝播:感染(曝露)から10日頃まで Science. 2020 May 8;368(6491). doi: 10.1126/science.abb6936.

  39. COVID-19のヒト-ヒト感染77ペアを解析した研究。感染伝播は、発症2.3日前から出現し、発症前後でpeakとなり、その後発症7日目までに急速に減少する。感染伝播の44%は発症前に起こる(pre-symptomatic transmission)。 Nat Med. 2020 Apr 15. doi: 10.1038/s41591-020-0869-5.

  40. 100名の患者からの感染伝播を調査した台湾の報告。Secondary caseは、index case発症から初回曝露までの期間が5日以下までの症例のみだった。感染率が高いのは、発症前曝露(pre-symptomatic transmission)、家庭内曝露、重症例/最重症例。無症状感染者からの感染(asymptomatic transmission)はなかった。 JAMA Intern Med. 2020 May 1. doi: 10.1001/jamainternmed.2020.2020.

  41. 感染伝播する期間:文献のまとめ 発症2-4日前から発症後5-10日目までがリスクが高い - 院内感染のリスクが高い感染症である それ以降に感染伝播が起こる可能性は非常に低い - 発症から2週間以降の感染リスクは低い 最重症例(人工呼吸器管理)のdataは不足

  42. PCR検査は再度陽性になることがあるが感染伝播した例は報告されていない 2回PCR陰性確認された4名のCOVID-19患者で、5-13日後にPCRが再度陽性化した SARS-CoV-2 PCR検査2回陰性確認後退院となった患者の14.5%で再度陽性化した 韓国CDCは、COVID-19の症状が改善し、いったんPCR陰性化した患者で、再度陽性になった285名の追跡したところ、1例も感染伝播を起こさなかった(文献化未) Clin Infect Dis. 2020 Apr 8;ciaa398. doi: 10.1093/cid/ciaa398. JAMA. 2020 Feb 27;323(15):1502-1503.

  43. 感染伝播する期間:実践 小規模な研究が多いため、現時点でかなりの安全域を持たせた現在の感染対策の終了基準(24時間以上の間隔をあけてPCR 2回陰性確認)が変わることはないと思われるが、今後の大規模な研究結果によって、変更されるかもしれない(この条件で発症から2週間以内に対策終了となることはほとんどない)

  44. 病院環境からの感染の懸念

  45. どこが汚染? レッドゾーン 床(70%で陽性)・コンピューターマウス・ゴミ箱・ベッドの手すり・ドアノブ・患者マスク・排気口フィルター・テーブル・ロッカー、椅子・照明のスイッチ・聴診器・洗面台(外側・内側)・窓・シンクの上のPPE置き場・トイレのドアノブ・便器の表面。 隔離病棟のグリーンゾーン 受話器と手指衛生消毒薬のプッシュボタン Emerg Infect Dis. 2020 Apr 10;26(7). doi: 10.3201/eid2607.200885. JAMA. Published online March 4, 2020. doi:10.1001/jama.2020.3227 J Hosp Infect. 2020 Apr 15;S0195-6701(20)30195-X.

  46. JAMA. Published online March 4, 2020. doi:10.1001/jama.2020.3227

  47. 環境表面のウイルスのviabilityがある期間 いつまで生存(残存)? PCR陽性≠感染伝播 ウイルス培養のほうが感染性をより反映

  48. SARS-CoV-2の環境表面での安定性 プラスティック:72-96時間以内(半減期6.8時間) ステンレス:48-72時間以内(半減期5.6時間) 銅:4-8時間(半減期1時間未満) ダンボール:24-48時間以内(半減期3-4時間) N Engl J Med. 2020 Apr 16;382(16):1564-1567. doi: 10.1056/NEJMc2004973.

  49. 4℃の環境で安定(14日以上感染性が確認された) 70℃の環境では5分以内に不活化される ウイルス培養が陽性となる期間  紙・ティッシュペーパー:3時間以内  木・布:2日以内  ガラス、紙幣:4日以内  ステンレス、プラスティック、サージカルマスク内層:7日以内  サージカルマスク外層:14日以上 SARS-CoV-2の環境表面での安定性 Lancet Microbe 2020 Published Online April 2, 2020. https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30003-3https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30003-3

  50. 環境表面のウイルスのviability 汚染された物品はいつから触れることができるか? 紙・ティッシュペーパー・ダンボール:24-48時間以内 木・布:2日以内 ガラス:4日以内 ステンレス・プラスティック:3-7日以内

  51. 潜伏期間:曝露から発症までの期間 中央値:4-5日(IQR:2-7日) 曝露後2-14日の間で発症する N Engl J Med. 2020;382(13):1199-1207. N Engl J Med. 2020;382(18):1708-1720. Lancet. 2020;395(10223):514-523. Ann Intern Med. 2020;172(9):577-582.

  52. 術前・入院前・検査前のPCR/CTは必要? PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液) 胸部CT ※無症状であることが前提 ※検査:消化管内視鏡、気管支鏡、肺機能検査など

  53. スクリーニング検査の目的は2つ 院内感染予防 患者のoutcomeの悪化を防ぐ(術前)

  54. 潜伏期間中の手術/全身麻酔はリスク高い COVID-19の潜伏期間に外科的手術(全身麻酔)を行った場合の予後が悪いことを示した中国武漢で行われた観察研究(N=34) 術前は全員COVID-19の症状なし ICU入室44% ARDS 32.4% 死亡20.5% EClinicalMedicine. 2020 Apr 5:100331. doi: 10.1016/j.eclinm.2020.100331.

  55. 悪性腫瘍患者のCOIVD-19は予後不良 悪性腫瘍患者のCOVID-19(N=105)の予後について検討した観察研究。 血液悪性腫瘍、肺癌、転移のある悪性腫瘍、肺転移、40日以内の免疫チェックポイント阻害薬の使用、40日以内の外科手術は、重症化率と致死率の上昇に関連した。 Cancer Discov. 2020 Apr 28. doi: 10.1158/2159-8290.CD-20-0422.

  56. 無症状なのになぜPCR? 症状ないCOVID-19患者をみつける - pre-symptomatic transmission - asymptomatic transmission

  57. 疑問 social distanceを過去2週間守っている場合のリスクは? 自己申告はどの程度信頼できるかは、患者によって異なる 有病率何%の場合に、pre-symptomatic transmissionのリスクが許容できなくなるのか? その有病率は、PCR検査で診断されたもので計算?抗体検査が必要(抗体検査の疫学研究では、確定診断例よりも多数感染者がいることが判明している)? そもそも偽陰性率の高い時期にPCR検査を行う意味はあるのか?

  58. Risk-Benefitを考慮すると... 流行期は... - 術前・検査前は、全例PCR検査施行 - 予定入院のうち化学療法入院は、全例PCR検査施行  を考慮してもよいと思われる 非流行期は、PCR検査の有用性は低いため、行わない 「流行期」の決まった定義はない:各施設で設定すればよいと思われるが、例えば、「その医療圏の新規発症者数が増加傾向ではなく、1週間の感染経路不明新規患者が人口10万人あたり0.5人未満」(神戸市であれば、1週間で7人以下) Risk Benefit 注意:2020.5.24現在の個人的な意見です 検査能力の高い施設であれば、検査閾値は低くてもよい??

  59. 無症状なのになぜCT? PCRとどちらを優先?両方? 症状ないCOVID-19患者をみつける - 潜伏期間 - 無症状病原体保有者

  60. 胸部CTの有用性 無症状の患者において、胸部CTで異常所見を呈することがある  - 濃厚曝露歴のある医療従事者(PCR検査のタイミング不明)1, 2)  - ダイアモンド・プリンセス号に乗船かつPCR陽性者3) COVID-19患者(=症状あり)で、PCRより感度が高い可能性4-6)  - 感度94%、特異度37%4)  - 有病率が1%未満の場合の陽性的中率は非常に低い(1.5%)4) 1. Lancet Infect Dis. 2020;20(4):425-434. 2. Lancet Infect Dis. 2020;S1473-3099(20)30247-4. 3. Radiology: Cardiothoracic Imaging. 2020;2(2):2200110. doi:10.1148/ryct.2020200110 4. Radiology. 2020 Apr 17;201343. doi: 10.1148/radiol.2020201343 5. Radiology. 2020 Feb 19;200432. doi: 10.1148/radiol.2020200432 6. Radiology. 2020 Feb 26;200642. doi: 10.1148/radiol.2020200642.

  61. 本当に有用?? 無症状で曝露歴のない人における精度は不明 症状ある場合、PCRより感度が高い可能性がある。しかし、特異度は低く、有病率が低い地域では、陽性的中率は非常に低い 無症状の場合のdataはないが、PCRより感度が高い可能性はあるが、たとえ感度がPCRより高くても、検査前確率が有症状者と比較してさらに低いため、陽性的中率はさらに低いと想定される 放射線曝露・コスト・ availabilityの問題も存在する

  62. 原則胸部CTは不要と思われる 無症状かつ待機手術の場合は、原則CT検査不要 胸部CTを考慮する状況 - COVID-19の症状(発熱、気道症状など)がある場合 - COVID-19への濃厚曝露歴がある場合 - 重症な状態での緊急手術で、症状や曝露歴の確認が不十分な場合 - その地域の有病率が非常に高い場合 注意:2020.5.24現在の個人的な意見です

  63. スクリーニング検査の重要なポイント 地域の流行状況 症状の有無 過去2週間の曝露歴・行動歴 COVID-19であった場合のリスク(院内感染・重症化) 検査のavailability →施設ごとに総合的に判断して指針を作成する

  64. ヒトから動物動物から動物動物からヒトへの感染はある? ペットとの付き合い方

  65. 動物を介した感染はありえるか? ネコ→ネコ感染(症状なし)1) ヒト→イヌ感染(症状なし)2) フェレット→フェレット感染(発熱あり)3) フェレットとネコは感染しやすく、イヌ・ブタ・ニワトリ・アヒルは感染しにくい可能性がある4) 1. N Engl J Med. 2020 May 13. doi: 10.1056/NEJMc2013400. 2. Nature. 2020 May 14. doi: 10.1038/s41586-020-2334-5. 3. Cell Host Microbe. 2020 May 13;27(5):704-709.e2. doi: 10.1016/j.chom.2020.03.023.4. 4. Science. 2020 Apr 8;eabb7015. doi: 10.1126/science.abb7015.

  66. ペット→ヒト感染についてのdataは不足 ヒト→動物の感染は報告されている ペット→ヒト感染は、まだわかっていない 感染伝播する可能性はあるので、ペットも人と同様に感染対策する(social distance、COVID-19患者からの隔離など) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/pets.html

  67. Take Home Messages COVID-19の感染経路は、飛沫感染と接触感染である エアロゾルは飛沫核と異なる(4m程度先まで到達する可能性) エアロゾル発生手技を行う場合は、N95マスクを使用する 標準予防策の徹底とユニバーサルマスキングが重要 レッドゾーンに入る人数は最小限にする iPadなどのタブレット端末を診療に活用する 職員間感染予防は、マスク・手洗い・3密を避ける 微熱や軽度の気道症状が出現したら、すぐに休む 感染伝播のリスクは発症2-4日前から発症後5-10日目までが高い

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