テキスト全文
デキレジの概要と体験談
#1. デキレジは“こう動く” 脳梗塞NIHSSの覚え方・つけ方
#2. Introduction 1 こんな経験ありませんか?
#3. こんな経験ありませんか?① 自分ですばやく点数をつけることはできますか? 2 もしもし,t-PA適応かもしれない患者さんがいます! 専門医 分かった,すぐ行く!NIHSSとっといて! …はい(どうしよ,NIHSS苦手なんだよな…グズグズ) お待たせ!どうだった!? … ヤバレジ
NIHSSのスコアリング方法
#4. こんな経験ありませんか?② 症状によっては,点数のつけ方に困る場合もあるでしょう. 3 よし,先生が到着するまでにNIHSSを取るぞ.
意識,注視,視野,……
…指示が入らない!どうすればいいんだ!? ヤバレジ !? これは1点,これは2点,1点,…っと.
合計18点だね! デキレジ
#5. デキレジになるには? 自信を持って点数をつけられるようになりましょう. 4 ①スコア項目を整理できている
②特殊な場合にも対応できる
#6. CONTENTS 5 NIHSS 項目の覚え方 こんな時は何点? デキレジは“こう動く” 01 02 03 04 NIHSSとは / Time is brain / 初療医の役割 意識・眼 / 運動 / 感覚・言語 意識障害 / 失語 スコアの予測 / デキレジは“こう動く”
NIHSSの重要性と時間の概念
#7. 01.NIHSS 6 -Time is brain-
#8. NIHSSとは -National Institutes of Health Stroke Scale- 画像:ISLSガイドブック2018 7 NIHSSは神経学的重症度スコアで,t-PA実施の是非を決める重要な判断材料です.
#9. NIHSSとは -National Institutes of Health Stroke Scale- 8 t-PA NIHSSは神経学的重症度スコアで,t-PA実施の是非を決める重要な判断材料です. t-PA 時間 重症度 やる やらない 中等症
(NIHSS4-25) 軽/重症過ぎ
急速改善例 発症後≦4.5h
mismatch 発症後>4.5h
FLAIR変化
#10. Time is brain 一定の時間を超えると,脳細胞の虚血性障害は不可逆的になります. 9 この間に治療したい!
NIHSS項目の整理と評価方法
#11. 初療医の役割 超急性期脳梗塞では,いかにスムーズに専門医へとつなげるかが鍵になります. 10 発症時間
画像所見
NIHSS
など
#12. 02.項目の覚え方 11 意識・眼/運動/感覚・言語
#13. 項目の整理 NIHSS項目は,ある程度覚えておくとスムーズに診療できます. 画像:ISLSガイドブック2018 参考: Dr.増井の神経救急セミナー 12 「意識・眼」「運動」「感覚・言語」に分類 全部で11項目
覚えられない!!
#14. 項目の整理 項目をブロック分けして,評価方法を覚えましょう. 13 運動 意識
眼 感覚
言語 ※注意点
順番通りに行う
後から点数を変えない
推測で点数をつけない
意識・眼・運動の評価基準
#15. 意識・眼 まず意識の評価では,GCSを取れば良いと覚えましょう. 14 意識の項目=GCSの評価 E V M
#16. 意識・眼 次に,眼の動きと視野を確認します. 15 部分的半盲 完全半盲 両側性半盲
#17. 項目の整理 項目をブロック分けして,評価方法を覚えましょう. 16 運動 意識
眼 感覚
言語 ※注意点
順番通りに行う
後から点数を変えない
推測で点数をつけない
#18. 運動 上から順(顔・手・足)に,麻痺の程度を確かめます. 17
#19. 運動 動きの最後は失調を確認,確実でなければ0点とします. 18 運動の項目=顔・手・足➜失調
#20. 項目の整理 項目をブロック分けして,評価方法を覚えましょう. 19 運動 意識
眼 感覚
言語 ※注意点
順番通りに行う
後から点数を変えない
推測で点数をつけない
感覚・言語の評価とまとめ
#21. 感覚・言語 第3ブロックでは,まず感覚・言語(失語➜構音障害)を確認します. 20
#22. 感覚・言語 第3ブロックでは,まず感覚・言語(失語➜構音障害)を確認します. 画像:ISLSガイドブック2018 21 呼称シート 絵のシート 文章シート
#23. 感覚・言語 最後に消去現象.失調と同様に,確実でなければ0点とします. 参考:Dr.増井の神経救急セミナー 22
#24. 感覚・言語 運動 意識・眼 まとめ 項目をブロック分けして,評価方法を覚えましょう. 23 GCS➜眼球運動➜視野 顔から足の麻痺➜失調 感覚➜失語➜構音障害➜消去
意識障害と失語のスコアリング
#25. 03.こんな時は何点? 24 認知症・意識障害/失語
#26. こんな時は何点? 判断に迷うことが多い,意識障害/失語患者のNIHSSについて確認しましょう. 25 意識障害と失語はムズかしい!
デキレジの実践とt-PA治療
#32. t-PA治療までの流れ 超急性期脳梗塞では,到着から60分以内のt-PA治療開始を目指します. 31 ≦60分を目指す
#33. スコアの予測 パット見のお印象でおよそのスコアを予測,t-PAに向けたギアチェンジしましょう. 32 到
着 検
査 専
門
医 NIHSS
しっかり
評価 NIHSS
だいたい
予測 適
応
か
も
! ≦10分 ≦5分
#34. しっかり病歴聴取・診察が可能 予測の実際① ※最終的に適応の是非を決めるのは専門医→基本的にはスムーズに診療・引き継ぐ 33 ラクナ梗塞(最終:NIHSS4点) 意識レベルは問題なし(意識・眼≒0点)
Barreで分かるくらいの軽い右麻痺か(≦2点)
口角下垂少し(0-1点),構音障害も微妙(0-1点)
皮質症状もなさそう,軽症の穿通枝梗塞かな
NIHSSの予測と実際の評価
#35. ・・・ 予測の実際② 34 左MCA閉塞(最終:NIHSS15点) 開眼していて右共同偏視…(1点)
指示は伝わっているっぽいから失語かな
右麻痺は強そう(6-8点),口角下垂もあり(1点)
痛み刺激にはちゃんと反応するな(0-1点)
発語は全然ないな(≧3点)
10点以上はありそう,t-PA適応かも!
#36. デキレジは“こう動く” はじめのうちは,後の詳細評価とずれて構いません.経験を重ねて慣れていきましょう. 35 到着 診察・検査 ■発症時刻の確認
■およそのNIHSS
意識 (max6;非昏睡)
運動 (max10;片麻痺)
顔2/肢8
感覚 (max2)
言語 (max5) ■画像・禁忌項目の確認
■NIHSS
意識・眼 :GCS➜眼球運動➜視野
運動 :顔から足の麻痺➜失調
感覚・言語:感覚➜失語➜構音障害➜消去 適 応 に な る か も ! 専 門 医 コ ン サ ル ト 積極的に予測! ≦10分でスコアリング!