テキスト全文
旭労災病院総合内科の概要と目的
#1. 旭労災病院総合内科 小栗太一 3分でわかる 要点だけ
#2. 2024年度の当院の総合内科勉強会のスライドをキースライドだけまとめました。ぜひ復習用に役立ててください。
風邪(感冒)の症状と診断ポイント
#4. ウイルス感染のポイント
全身症状が多く、複数の部位に同時に症状が現れやすい。
咳,鼻水,咽頭痛が同時に出現した場合には
風邪(感冒)が疑われる。 咽頭痛 咳・痰 鼻水 風邪(普通感冒)の典型的な症状
#5. 咳,鼻水,咽頭痛が同時にバランスよく出現している場合は風邪(感冒)疑い 咳,鼻症状,咽頭痛のどれかが強く先に出現している場合は風邪以外の疾患を考える 咽頭痛 鼻水 咽頭痛 咳
ウイルス性胃腸炎の症状経過と確認事項
#7. 例:ウイルス性胃腸炎の典型的な症状経過
ウイルスが上→下へと移動するので、①嘔吐→②腹痛→③下痢の順番
#8. ・嘔吐→腹痛→下痢の順番を確認する
・便の性状をきちんと確認する 症状が出現した順番と下痢の性状の確認が重要! エッ? 泥みたいに柔らかいウンチが少しだけです。
お腹は痛いのになかなか出ないんです。 先にお腹が痛くなって…、
その後気持ち悪くなって吐きました。 実は虫垂炎!
BPPVの診断手順と特徴的症状
#10. BPPVの診断の手順:この3大ポイントをおさえよう! ポイント①
短時間 ポイント③
身体テストで眼振を実際に確認 ①短時間 ②頭位変換が誘因 ③身体テストで眼振確認 まずは、発作時間が数秒~1分ほどで自然軽快していることを確認する。 ポイント②
頭位変換が誘因 寝返り、起き上がり、上や下を向くなどの頭部の急な姿勢変化がめまいの誘因であることを聴取する。 最後にDix-Hallpike法やSupine Roll Testを行って実際に眼振を確認する。
#11. 秒単位
BPPV, 起立性低血圧 分~時間単位
メニエール病 日単位(24時間以上)
AVS:Acute Vestibular Syndrome
→前庭神経炎,中枢性病変 秒単位の発作がBPPVの特徴!
✶病歴を映像化➡身体テスト
頭位変換: BPPV
立位変換: 起立性低血圧
難聴を伴う反復性めまい
がポイント! HINTS Plusと脳神経症状で中枢性を見逃さない!! 急性発症のめまいは持続時間で分類する
迷走神経反射の分類と予後の違い
#12. 第4回 迷走神経反射 ⇧スライドQRコード
#13. 用語の整理 ●神経調節性失神の分類
迷走神経反射:最も頻度が高い、痛み・ストレス・立位が誘因
状況失神 :排尿・排便・咳嗽・嚥下など特定の動作が誘因
頸動脈洞失神:頸部の圧迫が誘因、特に高齢者に多い FUGYAA! 胸腔内圧が上昇する状況で
静脈還流が減少するため起こる
自律神経反射。
(PSVTのバルサルバ手技と同様) 頸動脈洞に存在する圧受容器が刺激されることによる反射。
首の回旋や圧迫(ネクタイなど)によっておこる。
(頸動脈洞圧迫もPSVTの治療)
#14. 頻度が多く予後良好な迷走神経反射(神経調節性失神)と頻度は少ないが予後不良な残りの失神を区別することが重要! ①神経調節性失神 ③心原性失神 ②起立性低血圧 頻度多い
予後良好 頻度少ない
予後不良 OK NG
過換気症候群の診断と器質的疾患の見分け方
#15. 第5回 過換気症候群 ⇧スライドQRコード
#16. 過換気症候群(HVS)の診断の流れと特徴 ①過換気あり ③精神疾患の合併は? ②心因性でOK?
(器質的疾患を除外) 器質的 HVS
(心因性)
HVS
(心因性)
パニック障害
#17. 過換気症候群(HVS)と器質的疾患はどう見分ける? ポイント①
誘因 ポイント③
身体所見と検査 HVS:明確な心理的トリガー
器質的疾患:身体的トリガー ポイント②
時間経過 HVS:急性発作型で短時間で軽快
器質的疾患:持続性または進行性 ストレス HVS:身体所見がほぼ正常、検査で呼吸性アルカローシスのみ
器質的疾患:低酸素血症や身体所見・検査異常を認める
尿路結石症の特徴と痛みのメカニズム
#18. 第6回 尿路結石症 ⇧スライドQRコード
#19. ①突然発症の疝痛
(側腹部痛・腰背部痛) ③夜間・早朝に多い ②血尿 尿路結石症の特徴 疝痛(せんつう)と呼ばれる
波状的な激痛が特徴
➡強くなったり弱くなったりを繰り返す 就寝中は尿が濃縮しやすいため
結石ができやすい ・肉眼的 : 10〜30%
・顕微鏡的: 80~90%
#20. 尿路結石は、激痛だが腹膜刺激症状がない
→ 虫垂炎や腹膜炎との違い 尿路結石症は内臓痛のため、体動による悪化がない➡痛みでのたうち回る 腹膜炎は体性痛のため、体動により悪化する➡痛みで動けない バタ バタ
片頭痛の症状と二次性頭痛の評価基準
#22. 片頭痛は、痛みと随伴症状が強く、これらの症状で日常生活が阻害される疾患 片頭痛の特徴 + 随伴症状 ズキズキ 片側(両側もあり)の中等度~重度の拍動性頭痛 体動で悪化し、日常生活動作が困難になる 4~72時間持続 悪心・嘔吐を伴う 光過敏(まぶしい)
や音過敏あり 暗い部屋でじっとしていると楽!
=日常生活ができない
#23. S: Systemic symptoms/signs(全身症状・徴候)
発熱、体重減少などの全身症状がある場合は、
感染症や悪性腫瘍など二次性の可能性を考慮。
N: Neurologic symptoms or signs(神経学的症状・徴候)
意識レベルの変化、麻痺、視野欠損など
神経学的異常を伴う場合は要注意。
O: Onset sudden(急激な発症)
雷鳴頭痛のように突然発症して激痛になる場合は
くも膜下出血などを疑い、緊急対応が必要。
O: Onset after age 40 years(40歳以降の発症)
40歳以降に新規発症した頭痛は、側頭動脈炎や脳腫瘍などの可能性を除外すべき。
P: Pattern change(パターンの変化)
頭痛の頻度・強度・性質が変化した場合は、再評価や画像検査などで二次性原因を検討。 二次性頭痛を疑うSNOOP→日本語で覚えるなら…
年度のまとめと今後の学びの提案
#24. 日本語で覚えるなら➡突然、熱心(神)に変わる中高年! うおおぉおぉ!! 命を燃やして
応援するぜッ! みなぎってキターッ! 眠い…。 やる気でない…。
#26. 現在、月刊レジデントノートで連載中!
『3STEPの問診』が漫画で楽しく学べます。 月刊レジデントノート(羊土社)にて
2024年11月号より連載中 WEB版は
無料で読めます!
(羊土社の会員登録必要) ぜひ、
読んでね!