テキスト全文
脳梗塞頭部CT/MRIの画像読影の概要
#1. まずは“コレだけ” 脳梗塞頭部CT/MRIの画像読影
#3. 「early CT signあるじゃん」って
後から見ると分かるけど…… MRIのシーケンスが多い……
結局,拡散強調像しか見てない 脳画像はムズカシイ 脳梗塞を疑って画像を撮ることは多いですが,解釈に困ることはありませんか? 3
#4. 脳画像はムズカシイ しかし,理論をイチから学ぶ程の余裕はない人も多いでしょう. 他にも勉強するべきことが山積み
脳画像の勉強に割く時間がない… 正直,そこまでのモチベはない…
サクッと要点だけ知りたい 4
#5. 学ぶ時間がない
手早く知りたい 読影手順が分かる
脳梗塞の見逃しが減る 画像の見る順番
陥りがちなpitfall まずはコレだけ! 本スライドでは,“脳梗塞疑い”での画像のみかたをざっくりと説明します. 5
脳梗塞の発見におけるCTとDWIの重要性
#6. 脳梗塞の発見 頭蓋内評価 その他 ケーススタディ 01 02 03 04 CONTENTS 6
#8. 脳梗塞疑い×画像 画像読影では,「脳梗塞発見」と「頭蓋内評価」に分けて確認します. 8 脳梗塞発見
頭蓋内評価
&
#9. ①脳梗塞発見 「脳梗塞発見」の段階で有用なのは,CT/DWI/FLAIR/MRAです. CT DWI FLAIR MRA 脳梗塞発見 9
#10. ①皮髄境界の不明瞭化
②レンズ核の不明瞭化
③脳溝消失
④hyperdense artery sign 脳梗塞がある or ない:CT 脳梗塞疑い患者のCTでは,early CT signを探しましょう. early CT sign CT DWI FLAIR MRA ① ③ ② ④ 10
DWIとADCを用いた脳梗塞の診断手法
#11. 脳梗塞がある or ない:CT 前提として,適切な部位に注目するためには臨床像の把握が必須です. 着目部位が絞れる 全体を眺めてもダメ early CT sign 臨床情報 情報なし 失語・右麻痺 11
#12. WLとWW windowレベル(WL)とwindow幅(WW)を調整すると,early CT signが見つけやすくなります. 違いが分かりづらい early CT signが際立つ WL:40 / WW:100 WL:40 / WW:50 条件変更 12
#13. hyperdense artery sign なかでもhyperdense artery signは,血栓回収の適応にも影響するため最重要です. & 血栓がHDA M2血栓は点状になる 13 hyperdense MCA MCA dot sign
#14. 脳梗塞がある or ない:DWI/ADC 脳梗塞疑い患者のMRIでは,まず拡散強調像(DWI)を確認します. CT DWI FLAIR MRA 脳梗塞の発見でまず見るべき画像
水の拡散制限で高信号 ←ややこしい
脳梗塞があれば光る ←まずはコレだけ
発症後30-60分の超急性期から変化 DWI 14
#15. ADCもセットで確認 DWIで信号変化を見つけたら,ADC mapもセットで確認する習慣をつけましょう. DWI high
ADCmap low 急性期脳梗塞 15
FLAIR画像による脳梗塞の評価とMRAの役割
#16. ADCもセットで確認 DWIで信号変化を見つけたら,ADC mapもセットで確認する習慣をつけましょう. DWI high
ADCmap high 急性期脳梗塞ではない
(T2 shine through) 16
#17. 発症からの時間経過:FLAIR DWI(ADC)で脳梗塞を見つけたら,FLAIR画像を確認します. DWIの次に見るべき画像
脳梗塞急性期,DWIより少し遅れて変化 CT DWI FLAIR MRA FLAIR 17
#18. DWI-FLAIR mismatch 発症時刻不明の脳梗塞(Wake up Stroke)では,FLAIR変化の有無が重要です. mismatch 発症後,数時間以内と推測できる 「朝起きたら麻痺があった」がt-PA適応となる場合も 18
#19. 閉塞血管:MRA 脳梗塞の有無・経過時間を確認したら,MRAで閉塞血管を調べます. CT DWI FLAIR MRA 脳梗塞を見つけたら原因血管を確認
・主幹動脈閉塞はないか
・梗塞巣近位部に狭窄はないか MRA MCA ICA BA VA ACA 19
#20. 閉塞血管:MRA 普段からMRAを見て,主要な血管(ICA,M1など)はすぐ見つけられるようになりましょう. M1 M2 M3 ICA M1 M1 M2 ICA M1:水平部
M2:島部
M3:弁蓋部 MIP画像(3D画像) 元画像 20
脳梗塞発見のまとめと頭蓋内評価の重要性
#21. 主幹動脈閉塞:MRA 閉塞血管次第では,血栓回収の適応があるかもしれません. MCA(M1)閉塞 ICA閉塞 21
#22. ①脳梗塞発見:まとめ 脳梗塞発見 脳梗塞疑い 22
頭蓋内評価におけるFLAIRとMRAの活用
#24. ②頭蓋内評価 次に「頭蓋内評価」です.この段階ではFLAIR/MRA/T2*に注目します. FLAIR
MRA T2* 頭蓋内評価 & 24
#25. 動脈硬化:FLAIR & MRA 動脈硬化の程度が,病型予測や治療方針決定の手助けになることがあります. 深部白質・脳室周囲の高信号
陳旧性梗塞や慢性虚血を反映 狭窄・壁不整・描出不良
動脈硬化性変化 & MRA FLAIR 25
#26. 実はルーチンで見るべき画像
ヘモジデリン沈着を反映 ←ややこしい
出血性病変で黒くなる ←まずはコレだけ
Micro Bleeds(MBs)=過去の微小出血
➜脳出血リスク 出血性病変:T2*︎ 出血性病変の有無は,抗血栓療法の内容を決める上で重要です. T2*(T2 star) FLAIR
MRA T2* & Micro Bleeds 26
#27. ②頭蓋内評価:まとめ 頭蓋内評価 脳梗塞疑い 脳梗塞発見 27
脳梗塞×画像読影のTIPSとBPASの活用
#29. +α 脳梗塞×画像読影のTIPSとして,BPASとDWI冠状断について説明します. BPAS DWI
coronal +α & 29
#30. 脳動脈解離:BPAS 脳動脈解離を疑う場面では,BPASを追加してみると良いでしょう. 左VAが描出されていない 閉塞血管が拡張 intimal flap BPAS
-血流に関係なく外径を観察- MRA
-血流を元に血管を描出- 造影CT 30
脳幹病変の評価における冠状断の重要性
#31. 脳幹病変:冠状断(coronal) 微小梗塞(特に脳幹)は,通常の軸位断(axial)で見落としてしまう可能性があります. DWI coronal DWI axial① DWI axial② このレベルに梗塞巣はない 脳梗塞が確認できる わずかに写るのみ ① ② 31
ケーススタディ:進行性左不全麻痺の解析
#34. case①:進行性に増悪する左不全麻痺 DWI
-脳梗塞の有無- CT
-early CT sign- ADC
-真に脳梗塞か- earlyCTsignはっきりしない
(両側基底核にLDA散在) 右内包後脚にDWI-HIA 34 ADC mapではlow
(=真に脳梗塞)
#35. case① :進行性に増悪する左不全麻痺 MRA
-閉塞血管- 右内包後脚にDWI-HIA DWI-FLAIR mismatchなし 主幹動脈の閉塞はない 35 FLAIR
-経過時間- DWI
-脳梗塞の有無-
#36. case① :進行性に増悪する左不全麻痺 MRA
-動脈硬化- FLAIR
-動脈硬化- T2*
-出血性病変- 白質病変が散在 壁不整・描出不良 Micro Bleedsあり 36
ケーススタディ:突然発症の失語・右麻痺の解析
#37. case②:突然発症の失語・右麻痺 early CT signあり
(WW/WL調整) 左前頭葉にDWI-HIA ADC mapではlow
(=真に脳梗塞) 37 DWI
-脳梗塞の有無- CT
-early CT sign- ADC
-真に脳梗塞か-
#38. case②:突然発症の失語・右麻痺 左前頭葉にDWI-HIA DWI-FLAIR mismatchあり 左ICAが途絶 38 FLAIR
-経過時間- DWI
-脳梗塞の有無- MRA
-閉塞血管-
#39. case②:突然発症の失語・右麻痺 白質病変目立たない 壁不整・血管狭窄目立たない MBsなし 39 MRA
-動脈硬化- FLAIR
-動脈硬化- T2*
-出血性病変-