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不随意運動

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2022/2/25

内容

飛び込みで一般/救急外来に来るかもしれない“変な動き”.苦手意識を持っている医師が多い不随意運動について,ざっくりとまとめました.

 やまて

総合病院


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不随意運動

  1. 不随意運動

  2. 1 Contents ▶不随意運動とは ▶診療のながれ ▶代表的な疾患

  3. 「運動異常症」と「不随意運動」 2 運動異常症(movement disorder) 運動過多症(hyperkinesia) 運動過少症(hypokinesia) 麻痺や錐体路障害がないにも関わらず,意図しない運動過剰or随意運動欠乏がある状態 筋線維束攣縮 アカシジア 小脳失調   運動失調  協調運動障害   測定障害         など 不随意運動(involuntary movement) 主に錐体外路が原因の運動過多症をいう 舞踏運動 バリズム アテトーゼ ミオクローヌス チック 振戦 ジストニア パーキンソニズム   無動/寡動   動作緩慢   筋強剛   すくみ足 カタレプシー カタトニア         など

  4. 3 Contents ▶不随意運動とは ▶診療のながれ ▶代表的な疾患

  5. 4 観察 診断 治療 診療のながれ ▶

  6. 観察のポイント どの不随意運動かを判断するためだけでなく,病巣・診断の上でも観察は重要です. 5 1)どんなときに     安静時振戦:パーキンソン病  ,  姿勢時振戦:本態性振戦     特定の動作:ジストニア    ,  精神的負荷:チック   2)どこに     四肢近位部:バリズム        四肢遠位部:アテトーゼ   3)パターン     律動的  :振戦,ミオクローヌス     非律動的 :舞踏運動,ジストニア,アテトーゼ,バリズムなど   4)速さ     速い:ミオクローヌス,チック ,  遅い:アテトーゼ

  7. おもな不随意運動 6 不随意運動 律動的 非律動的 遅い 速い 遅い 速い 振戦 ミオクローヌス チック ジストニア アテトーゼ ジスキネジア 舞踏運動 バリズム 複雑 捻転 単純

  8. 代表的な不随意運動 主な不随意運動について,その特徴を順に解説します. 7 1 舞踏運動 (chorea) 2 バリズム (ballism) 3 アテトーゼ (athetosis)

  9. 代表的な不随意運動 8 1.舞踏運動(chorea) ■特徴  不規則,やや速い  ランダムだが真似できる動き(⇔アテトーゼ)  患者ごとに運動のレパートリーは限定的  随意筋収縮を持続できない陰性障害(持っているものを落とす)   ■病巣  線条体   ■疾患  Huntington病(遺伝性),Sydenham舞踏病(小児)  脳血管障害・高血糖(高齢者),妊娠舞踏病(妊婦)

  10. 代表的な不随意運動 9 2.バリズム(ballism) ■特徴  不規則,数秒に1回,投げ出すような大きな動き  choreaよりも激しく,四肢近位部を巻き込む  多くの場合は片側性(hemiballism)   ■病巣  視床下核   ■疾患  ほとんどが血管障害  

  11. 代表的な不随意運動 10 3.アテトーゼ(athetosis) ■特徴  不規則,絶えずゆっくり動く,よじるような  真似できないような複雑な肢位  舞踏運動と同時に出現することも(choreathetosis)   ■病巣  両側大脳基底核広範な障害   ■疾患  脳性麻痺 三脚型の手

  12. 代表的な不随意運動 11 4 ミオクローヌス (myoclonus) 5 チック (tic) 6 振戦 (tremor)

  13. 代表的な不随意運動 12 4.ミオクローヌス(myoclonus) ■特徴  短時間,すばやい不随意筋収縮  または筋収縮の停止(negative myoclonus=羽ばたき振戦)  静止時に起こることが多い    ■疾患  てんかん,クロイツフェルト・ヤコブ病  Lance-Adams 症候群(低酸素血症後)など  negative myoclonusは肝・腎不全,呼吸不全など  健康な人でも入眠時に出現(ジャーキング)

  14. 代表的な不随意運動 13 5.チック(tic) ■特徴  異常な運動(motor tic):瞬き,顔面ぴくつきなど  音声(phonic tic):喉を鳴らす,汚言  反復する,真似できる程度の速さ    ■疾患  Tourette 症候群

  15. 代表的な不随意運動 14 6.振戦(tremor) ■特徴  主働筋と拮抗筋が交代性に筋収縮  反復性・周期性の動き   ■疾患  安静時:パーキンソン病  姿勢時:本態性振戦,甲状腺機能亢進症  動作時:小脳疾患,アルコール中毒 決闘者徴候:姿勢時振戦

  16. 代表的な不随意運動 15 7 ジストニア (dystonia) 8 ジスキネジア (dyskinesia) 9 アカシジア (akathisia)

  17. 代表的な不随意運動 16 7.ジストニア(dystonia) ■特徴  ①パターンは患者ごとに一定(頸部回旋の向きは変わらない)  ②特定の動作で出現  ③感覚刺激に反応して軽快(顔に手を当てるなど)  ④主動筋と拮抗筋が同時収縮(共収縮)  ⑤起床時に症状が軽い(morning effect)  ⑥動作に不要な筋が収縮(オーバーフロー)  ⑦何らかのきっかけで増悪/軽快(フリップフロップ)   ■疾患  頸部ジストニア(最も一般的),書痙  遺伝性ジストニア,薬剤性

  18. 代表的な不随意運動 17 8.ジスキネジア(dyskinesia) ■特徴  唇をすぼめる,舌を動かす,歯を食いしばるなど  舞踏症,ジストニア,チック,振戦を含む総称  一般的に薬剤性のものをジスキネジアと呼ぶ   ■疾患  遅発性ジスキネジア(Tardive dyskinesia)  :慢性的な抗精神病薬投与が原因  レボドパ誘発性ジスキネジア(Levodopa-induced dyskinesia)  :抗パーキンソン病薬の副作用

  19. 代表的な不随意運動 18 9.アカシジア(akathisia) ■特徴  厳密には不随意運動ではない  主観:じっとしていられない,身の置き所がない  客観:ウロウロ,足の組み換え,足踏み   ■疾患  薬原性アカシジア(抗精神病薬の開始/増量/中止)  ↑狭義のアカシジア  むずむず脚症候群 

  20. 19 観察 診断 治療 診療のながれ ▶

  21. 診断 おもに二次性の不随意運動をスクリーニングします 20  薬剤歴(とくに抗精神病薬)・家族歴  他の神経徴候 ●問診・診察  血糖値  酸素・腎・肝機能  感染症(HIV,HHV-6,パルボB19など)  甲状腺機能  自己抗体(SLE)  セルロプラスミン(Wilson病) ●採血  CT/MRI  筋電図(不随意運動の証明) ●その他

  22. 21 観察 診断 治療 診療のながれ ▶

  23. 治療 治療の基本は原疾患治療がです.対症療法として以下の選択肢もあります. 22 内服薬 注射薬 外科治療 抗精神病薬 抗コリン薬など ボツリヌストキシン 深部脳刺激(DBS) バクロフェン髄注

  24. 治療 ここでは,非専門医でも処方しうる内服薬について概説します. 23 トリヘキシフェニジル(アーテン®),ジアゼパム(セルシン®) ※第一選択はボツリヌストキシン注射薬 舞踏運動 ミオクローヌス 振戦 ジストニア ジスキネジア バリズム アカシジア ハロペリドール(セレネース®),テトラベナジン(コレアジン®) クロナゼパム(リボトリール®) パーキンソン病:抗パ薬(マドパー®など) 本態性振戦  :プロプラノロール(インデラル®) ハロペリドール(セレネース®),プロプラノロール(インデラル®) トリヘキシフェニジル(アーテン®)など

  25. 24 Contents ▶不随意運動とは ▶診療のながれ ▶代表的な疾患

  26. 代表的な疾患 ここでは,臨床的によく遭遇する二次性不随意運動について解説します. 25 脳血管障害 高血糖 本態性振戦 遅発性 ジスキネジア

  27. 脳血管障害 26 【疫学】  脳卒中患者の1-4%に発症  二次性movement disordersの22%を占める  発症平均年齢は60-70歳代  大脳基底核を含む深部脳梗塞で多い  (心原性,アテローム性,脳出血,くも膜下出血でも起こる) 【特徴】  hemichorea/hemiballismが最多,次いでdystonia  脳損傷〜不随意運動発症までの期間はさまざま  傾向)若年で損傷;慢性期にdystonia     高齢脳卒中;急性期にchorea   【治療】  通常は自然軽快,重症例では対症療法

  28. 糖尿病性/高血糖性舞踏病 – Diabetic Chorea – 27 【特徴】  高齢の2型糖尿病患者における  非ケトーシス性高血糖(non-ketotic hyperglycemia;NKH)の  急性期に発症  多くがhemichorea(hemiballism) 【画像】  T1WIで対側基底核にHIA  T2WIはHIA〜LIAまで何でもあり  ※画像は正常のことも   【治療】  血糖降下療法のみで数日以内に軽快  重症例・持続例では対症療法  (ほとんどは最終的に中止可能,再発しない)

  29. 本態性振戦 – Essential Tremor:ET – 28 【疫学】  全世界の人口の約1%が罹患  性差なし,発症年齢は二峰性ピーク(20歳代,60歳代)  家族歴があることが多い 【症状】  左右対称性,上肢に多い  緩徐に増悪し他部位(頸,喉頭など)にも進展  神経症状をともなうことも(ET plus) 【診断】  病歴と診察だけでも可能  電解質,甲状腺機能異常の除外は有用 【治療】  プロプラノロール,プリミドン  難治例ではDBS, MRI誘導焦点式超音波視床切除

  30. 遅発性ジスキネジア – Tardive Dyskinesia;TD – 29 【疫学】  抗精神病薬を長期内服している患者の20-50%に発症  定型(32.4%)>非定型(13.1%),他の薬剤とも関連  リスク:高齢,女性,脳損傷,認知症 【治療】  薬剤中止(可能なら) or 他剤変更(定型➜非定型)   ※突然の中止は離脱誘発性ジスキネジアのリスク  症状が強い場合は対症療法   クロザピン,オランザピン ←原因薬かつ治療薬   ジアゼパム,クロナゼパム,プロプラノロールなど   【予後】  多くの場合は不可逆的  ※中止後≧1ヶ月間は持続することが診断に必要

  31. END

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