#4.
⽇本(本州)の毒ヘビは2種類 マムシ ヤマカガシ 写真提供 photo AC
#5.
毒ヘビ総論 ü ヘビに詳しくなくても⼤丈夫 • ⾒た⽬は地域性やバリエーションがあり覚えられなくてOK. • 「三⾓頭=毒ヘビ」は迷信. ⾒た⽬で毒を判断しない. • 毒⽛を咬み⼝から類推できなくてよい. ü 代表的な症状と採⾎所⾒をおさえて, 危険なヘビ咬傷を⾒逃さない • マムシは局所の進⾏性の腫脹. • ヤマカガシは咬み⼝からのサラサラとした持続的流⾎. ハブは本州にいないため割愛しています. 沖縄・奄美の⽅, ごめんなさい.
#6.
マムシ咬傷 「ヘビに咬まれてどんどん腫れてきました」➡点滴をとって⼊院 • とにかく局所の進⾏性の腫脹 に 注 ⽬ ! ! 指を咬まれて胸までパンパンになることも. コンパートメント症候群に注意. • 複数の作⽤の毒による多様な症状 神経毒 (視覚症状), 出⾎毒 (⾎⼩板減少) など. • 最重要︓横紋筋融解症と腎障害に対する輸液管理 • 抗毒素(ウマ⾎清)は副作⽤が多い 重症例に投与. アナフィラキシーや⾎清病が⾼頻度. 不慣れな施設は慎重なリスク検討が必要. 参考⽂献[1]堺淳 . 有毒動物による刺咬症 . 救急医学 . 2021 , 45 . [2]⽇本救急医学会 . 改訂第5版 救急診療指針 . へるす出版 , 2018年 .
#7.
ヤマカガシ咬傷 「ヘビに咬まれて⾎が⽌まりません」➡絶対に⼊院し状態悪化に備える • 凶悪な出⾎毒だが, 頻度はまれ. 毒⽛が奥にあり深く咬まれなければ被害⼩. 昔は温厚で無毒とされていた. • 重篤な出⾎傾向が⼤きな問題となる 線溶亢進型の播種性⾎管内凝固症候群(DIC)により⽌⾎困難. フィブリノゲンの著名な低下が特徴 (<100mg/dL). • 抗毒素は未承認薬で⼊⼿は簡単ではない 参考⽂献[1]堺淳 . 有毒動物による刺咬症 . 救急医学 . 2021 , 45 . [2]⽇本救急医学会 . 改訂第5版 救急診療指針 . へるす出版 , 2018年 .
#8.
注⽬する症状 致命的な症候 特に重視する検査 当直での初期対応 マムシ ヤマカガシ 進⾏性の腫脹 持続的な出⾎ 横紋筋融解症, 急性腎不全 まれだが重篤︓⾎⼩板減少 全⾝性の重篤な出⾎ ⾎⼩板, クレアチンキナーゼ, フィブリノゲン, PT, APTT, クレアチニン FDP, PIC, TAT 点滴をとる.軽症者も症状の 絶対に⼊院. ピークアウトまで⼊院が望ましい. 凝固系の評価を忘れない. PT: プロトロンビン時間, APTT: 活性化部分トロンボプラスチン時間, FDP:フィブリノゲン・フィブリン分解産物, PIC:プラスミン・プラスミンインヒビター複合体, TAT:トロンビン・アンチトロンビン複合体 参考⽂献︓⽇本救急医学会 . 改訂第5版 救急診療指針 . へるす出版 , 2018年 .
#9.
注意したい海洋⽣物 ミノカサゴ オニダルマ オコゼ エイ クラゲ 写真提供 photo AC
#10.
海洋⽣物外傷はお湯で治療 • 局所症状(痛み, 腫れ)が主体 症状に応じて抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏を処⽅. • 40~45℃の湯に20分で痛みが和らぐ 毒素タンパクが失活する. • クラゲの場合は海⽔で刺胞をこすらず流してから 刺胞は湯に触れると発射するため, 流してから温湯に浸けること. 沖縄のハブクラゲのみ対応が違うため注意(⼤量の⾷酢で洗い流すetc). • 全⾝的な異常所⾒がなければ, 外来フォロー可 まれに呼吸・循環異常などが出るため1時間は経過観察がおすすめ. 参考⽂献[1]⽇本中毒センター 腔腸動物による刺傷 . https://www.j-poison-ic.jp/system/pmasters/view2/%3Finfoid%3DO04400 , (参照2021-12-12) [2]堀江勝博 , ⼀⼆三亨 . 有毒動物による刺咬症 . 救急医学 . 2021 , 45 . [3]⽇本救急医学会 . 改訂第5版 救急診療指針 . へるす出版 , 2018年 .
#11.
すべての動物外傷の基本原則 1. とにかく⼤量の⽣理⾷塩⽔で洗浄 2. 縫合閉鎖しない 3. 抗⽣剤投与と破傷⾵予防
#12.
創部処置 • 咬傷, 刺傷は⼊⼝が⼩さく奥が深い 局所⿇酔をして創底までしっかり洗おう. 綿棒を活⽤! 傷が⼩さい≠安⼼ • 創は閉鎖しないこと ⼊⼝だけ閉じ, 奥底の細菌をドレナージできない状態は最悪. 奥⾏きのある創は閉じないようナイロン⽷をこよりにして置くのも◎ 感染兆候がなければ翌⽇抜去. 図. ナイロン⽷ドレナージ
#13.
感染予防 • 咬傷は⼝腔内嫌気性菌をカバーし抗⽣剤を処⽅ オグサワ療法︓オーグメンチン250mg+サワシリン250mg 各3錠分3 その他の刺傷などは必要に応じてセファレキシン、セファクロル処⽅やオグサワ療法を⾏う. • 動物外傷は破傷⾵予防のトキソイドは必須 ワクチン3回接種完了5~10年以内は不要.(1〜20歳は不要の可能性が⾼い) 定期接種開始前の中年以降では抗破傷⾵免疫グロブリン(テタノブリン)も250単位静注. ワクチン接種歴を把握していない場合, 汚染が強い場合︓トキソイド+テタノブリン投与. 参考⽂献︓⽇本救急医学会 . 改訂第5版 救急診療指針 . へるす出版 , 2018年 .
#14.
Take home message 地上⽣物はマムシとヤマカガシの咬傷に注意. 注⽬の症状は進⾏性腫脹と持続的出⾎. ⼊院させよう 海洋⽣物はオコゼ, カサゴ, クラゲ, エイの刺傷に注意. 43℃のお湯に20分浸けると痛みが緩和される. 動物外傷の基本原則は, ①徹底洗浄②創閉鎖しない③オグサワ療法+破傷⾵トキソイド