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#5 酸塩基平衡異常 | 電解質輸液塾

  • 内科

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  • 輸液
  • 医学生
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  • 酸塩基平衡異常
  • 電解質輸液塾

66,988

142

2020/11/30
2020/12/23 更新

本スライドの対象者

医学生/研修医

内容

学生、レジデント向けの電解質・酸塩基平衡異常、輸液に関するeラーニング教材「電解質輸液塾オンライン」で使用したスライドです。

今回は「酸塩基平衡異常」です。

電解質輸液塾オンライン【ベーシック】は、以下の5本で構成されています。

#1 輸液の基本

https://slide.antaa.jp/article/view/878f9201c2614f56

#2 低Na血症

https://slide.antaa.jp/article/view/71d19c53782c438e

#3 K代謝異常

https://slide.antaa.jp/article/view/597d4f6fe40a4b1b

#4 高Ca血症

https://slide.antaa.jp/article/view/815dfa09e8be4b2a

#5 酸塩基平衡異常

https://slide.antaa.jp/article/view/cd5ba5d338c8412c

本スライドの音声つきの解説は、以下のYouTubeで視聴できます。

https://youtu.be/E-wYuEITPMY

さらに学びたい場合は、「電解質輸液塾 改訂2版」中外医学社で学んでください。

https://amzn.to/3q3W8iV

門川俊明

慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター


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#3 K代謝異常 | 電解質輸液塾

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最終更新:2021年12月4日

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最終更新:2021年12月4日

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#5 酸塩基平衡異常 | 電解質輸液塾

  1. このスライドは クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。 電解質輸液塾第5回 酸塩基平衡異常 慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター 門川俊明

  2. 講義の内容 7つの症例を通して、血液ガス分析の方 法を学びます。

  3. 酸の体内産生と代謝 L-乳酸 炭水化物 CO2 水 ブドウ糖 ケト酸 呼気中へ排泄 脂肪 蛋白質 中性蛋白質 尿素、水、ブドウ糖、CO2 含硫アミノ酸 陽荷電アミノ酸 有機酸 H+ 240mmol 陰荷電アミノ酸 有機酸 HCO3- 170mmol 計 H+ 70mmol 「より理解を深める!体液電解質異常と輸液」柴垣有吾

  4. 揮発酸 CO2として肺から排出 酸 緩衝系で バッファー 腎臓から排出 不揮発酸

  5. pHは肺と腎臓が決める [H+] (nEq/L)=24 x PaCO2 (mmHg) 肺 [HCO3-] (mEq/L) 腎臓 Hendersonの式

  6. 酸-塩基平衡の考え方 7.40 pH アシデミア 呼吸性 代謝性 アシドーシス アシドーシス アルカレミア 呼吸性 代謝性 アルカローシス アルカローシス

  7. 一次性の酸-塩基平衡異常がおこると 代謝性 アシドーシス

  8. 代償反応がおこる 代謝性 アシドーシス 代償不足な ら呼吸性ア シドーシス の合併 生理的な 呼吸性 代償 過代償なら 呼吸性アル カローシス の合併

  9. 代償性変化予測 代償性変化の予測範囲 代償範囲の限界値 代謝性アシドーシスの 呼吸性代償 ΔPaCO2=1〜1.3 Δ HCO3- PaCO2=15mmHg 代謝性アルカローシス の呼吸性代償 ΔPaCO2=0.5〜1.0 Δ HCO3- PaCO2=60mmHg 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.1 ΔPaCO2 HCO3-=30 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.35 ΔPaCO2 HCO3- =42 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.2 ΔPaCO2 HCO3- =18 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.4 ΔPaCO2 HCO3- =12 慢性の呼吸性アシドーシスとは24時間以上続くもの。 Δ計算をおこなうときは HCO3- は24、PaCO2は40、AGは12を正常値とする。

  10. 覚えるべき正常値 pH 7.40 PaCO2 40mmHg HCO3- 24mmHg AG 12mmol/L

  11. 血液ガスの読み方 Step1:アシデミアか、アルカレミアか。 pH 7.36ならアシデミア、pH 7.44ならアルカレミア。 中性でも、PaCO2、HCO3-、AGに異常がないか確認。 Step2:アシデミアまたはアルカレミアの主たる要因 は代謝性変化か、呼吸性変化によるものか判断する。 Step3:代償性変化が予測の範囲内かをチェックす る。 Step4:アニオンギャップを計算する。AGが増加して いる場合は、ΔAGとΔHCO3-を比較する。 AG=Na+-(Cl- + HCO3-) ΔAG>ΔHCO3- なら代謝性アルカローシスの合併 ΔAG<ΔHCO3- ならAG正常の代謝性アシドーシスの合併 Step5:病歴、現症、検査所見を総合的に判断する。

  12. Case 1

  13. Case 1 45歳、女性。 25歳時に妊娠中毒症と診断され、それ以降、蛋白尿 が持続していた。3年前に検診で高血圧を指摘された が放置していた。3ヶ月前から悪心、嘔吐、食欲不振 があり受診した。 血圧170/100 mmHg、両下腿に浮腫がある。

  14. Case 1 血液検査: Na 127 mEq/L、K 6.7 mEq/L、Cl 95 mEq/L、 BUN 150 mg/dL、Cr 8.8 mg/dL、血糖120mg/ dL。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.24、 PaO2 95mmHg、 PaCO2 24mmHg、 HCO3- 9mEq/ L。

  15. Case 1 pH 7.24 PaCO2 24mmHg HCO3- 9mEq/ L step 1: pH 7.24なのでアシデミア step 2: HCO3- 9mEq/ Lなので代謝性アシドーシス

  16. 代償性変化予測 代償性変化の予測範囲 代償範囲の限界値 代謝性アシドーシスの 呼吸性代償 ΔPaCO2=1〜1.3 Δ HCO3- PaCO2=15mmHg 代謝性アルカローシス の呼吸性代償 ΔPaCO2=0.5〜1.0 Δ HCO3- PaCO2=60mmHg 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.1 ΔPaCO2 HCO3-=30 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.35 ΔPaCO2 HCO3- =42 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.2 ΔPaCO2 HCO3- =18 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.4 ΔPaCO2 HCO3- =12 慢性の呼吸性アシドーシスとは24時間以上続くもの。 Δ計算をおこなうときは HCO3- は24、PaCO2は40、AGは12を正常値とする。

  17. Case 1 pH 7.24 PaCO2 24mmHg HCO3- 9mEq/ L step 1: pH 7.24なのでアシデミア step 2: HCO3- 9mEq/ Lなので代謝性アシドーシス step 3: 予測ΔPaCO2=1〜1.3x15=15〜19.5、 実測ΔPaCO2=16であり、代償の範囲内。 step 4: AG?

  18. Anion Gap 測定され ない 陽イオン AG=Na+-(Cl- + HCO3-) AGの正常値12 2 測定され ない 陰イオン AG HCO3Na+ 測定されない陽イオン; K+、Ca2+、Mg2+、Protein Cl- 測定されない陰イオン; 大部分はアルブミン 陽イオン 陰イオン 正常

  19. Case 1 pH 7.24 PaCO2 24mmHg HCO3- 9mEq/ L step 1: pH 7.24なのでアシデミア step 2: HCO3- 9なので代謝性アシドーシス step 3: 予測ΔPaCO2=1〜1.3x15=15〜19.5、 実測ΔPaCO2=16であり、代償の範囲内。 step 4: AG=23で、AG増加。 step 5: AG増加型の代謝性アシドーシス

  20. 酸が増えると 測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン 測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン AG HCO3Na+ Cl- 陽イオン 陰イオン 正常 HCO3Na+ 陽イオン Cl- 陰イオン AG増加型 代謝性アシドーシス 乳酸 10mEq/L増えると H+ 10mEq/Lと AG 乳酸陰イオン 10mEq/L に分離し、 H+とHCO3-が反応し、 HCO3- 10mEq/L減少する 乳酸陰イオン 10 mEq/Lが 残るので、AGが10上昇する AGが増えるということは 酸が追加されたということ

  21. アルカリが減ると 測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン 測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン AG AG HCO3- HCO3Na+ Cl- 陽イオン 陰イオン 正常 HCO3-が減ると、その分、 Cl-が増え、AGは変化ない。 Na+ 陽イオン Cl- 陰イオン AG正常の 代謝性アシドーシス AGが増えないアシドーシス ということは アルカリが減少したということ

  22. AGは代謝性アシドーシスが ・酸が増えた ・アルカリを失った どちらか鑑別する便利な指標

  23. AGが増えている 酸が増加している 増加した酸は何?

  24. AGが増加する代謝性アシドーシス たまるもの 乳酸 乳酸アシドーシス ケトン ケトアシドーシス 有機酸 腎不全 薬物 中毒 糖尿病性、アルコール性 アスピリン、エチレングリコールなど

  25. 本症例の病態 慢性腎不全に伴うAG増加型代謝性アシドーシス

  26. Case 2

  27. Case 2 58歳、女性。 糖尿病があり、インスリン療法を受けている。3日前 から感冒のため、食欲低下し、インスリンの自己注射 を中止していた。部屋で倒れているのを家族に発見さ れて搬送された。 血圧120/62 mmHg、アセトン臭あり。

  28. Case 2 血液検査: Na 140mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 105mEq/L、 BUN 40mg/dL、Cr 2.1mg/dL、血糖632mg/dL。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.21、 PaO2 70mmHg、 PaCO2 31mmHg、 HCO3- 12 mEq/ L。

  29. Case 2 pH 7.21 PaCO2 31mmHg HCO3- 12mEq/ L step 1: pH 7.21なのでアシデミア step 2: HCO3-12なので代謝性アシドーシス step 3: 予測ΔPaCO2=1〜1.3x12=12〜15.6、 実測ΔPaCO2=9であり、呼吸性アシドーシスを合併

  30. 便利なマジックナンバー 正常代償時の予測PaCO2 = HCO3- + 15 代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシスの呼吸 性代償をこの1式で判定可能。 ただし、pH 7.20〜7.50の狭い範囲しか使えな い。

  31. Case 2 pH 7.21 PaCO2 31mmHg HCO3- 12mEq/ L step 1: pH 7.21なのでアシデミア step 2: HCO3-12なので代謝性アシドーシス step 3: 予測PaCO2=12+15=27で実測PaCO2 31は 高いので、呼吸性アシドーシスを合併 step 4: AG=23で、AG増加。 step 5: AG増加型の代謝性アシドーシス +呼吸性アシドーシス

  32. 本症例の病態 本症例は、病歴や尿ケトン体3+から、糖尿病性ケト アシドーシスと考えられる。 呼吸性アシドーシスを合併しているのは、部屋で倒れ ていたために、低換気になったのだと考えられる。

  33. Case 3

  34. Case 3 47歳、女性。 数年前から、四肢の脱力が時々あった。本朝より下肢 のけいれんがあり、立ち上がりができなくなり、救急 車で来院した。 血圧98/52 mmHg。う歯の多発を認める。

  35. Case 3 血液検査: Na 140 mEq/L、K 2.1 mEq/L、Cl 115 mEq/L、 BUN 20 mg/dL、Cr 0.7 mg/dL、血糖100mg/ dL。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.27、 PaO2 95mmHg、 PaCO2 27mmHg、 HCO3- 12 mEq/ L。 尿:pH 6.5、尿蛋白(‒)、尿潜血(‒)、尿ケトン 体(‒)、Na 70mEq/L、K 35mEq/L、Cl 79mEq/ L

  36. Case 3 pH 7.27 PaCO2 27mmHg HCO3- 12mEq/ L step 1: pH 7.27なのでアシデミア step 2: HCO3-12なので代謝性アシドーシス step 3: 予測PaCO2=12+15=27で実測PaCO2 27は 一致しているので、代償の範囲。 step 4: AG=13で、AG正常。 step 5: AG正常の代謝性アシドーシス

  37. AG正常のアシドーシスの原因 HCO3-を喪失する場所 消化管 腎臓 下痢、小腸瘻孔など 尿細管性アシドーシス • • • 近位型RTA 遠位型RTA 高K血症型RTA その他、特殊なものとして、 • • 塩酸セベラマー投与 陽イオンギャップの高いアミノ酸製剤の投与

  38. 尿細管でのHCO3 再吸収と酸の排泄 近位尿細管 Henleループ 遠位尿細管 集合管 H+分泌 HCO3- HPO42- H2PO4NH4+ NH3 HCO3- 再吸収 H+分泌 この部位の障害 この部位の障害 近位型RTA 遠位型RTA

  39. RTA 近位型RTA:近位尿細管でのHCO3-の再吸収障害 アシドーシスは進行性ではない、低K血症 原因疾患:多発性骨髄腫、アセタゾラミド 遠位型RTA:集合管での尿酸性化障害 アシドーシスは高度、骨減少症、尿管結石、低K血症 原因疾患: シェーグレン症候群、高Ca尿症 高K血症型RTA:アルドステロンの作用不全 アシドーシスは軽度、高K血症 原因疾患: 偽性低アルドステロン症、慢性腎不全、糖尿病、SLE

  40. 本症例の病態 AG正常の代謝性アシドーシス シェーグレン症候群による尿細管性アシドーシス

  41. Case 4

  42. Case 4 58歳、男性。 1年前から高血圧で通院している。2年前から、膝に 力が入らないと感じていた。2日前から両下肢の脱力 感を自覚し、その後、悪化し、立つことさえできなく なったため救急車で搬送された。 血圧194/112mmHg

  43. Case 4 血液検査: Na 141 mEq/L、K 1.8 mEq/L、Cl 90 mEq/L、ア ルドステロン27.1ng/dL(基準5〜10)、レニン活 性0.1ng/ml/時間(基準1.2〜2.5)。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.52、 PaCO2 50mmHg、HCO3- 40 mEq/ L。 尿検査: 尿pH 7.0、Na 73 mEq/L、K 9.1 mEq/L、Cl 70 mEq/L。

  44. Case 4 pH 7.52 PaCO2 50mmHg HCO3- 40mEq/ L step 1: pH 7.52なのでアルカレミア step 2: HCO3-40なので代謝性アルカローシス step 3: 予測ΔPaCO2=0.5〜1x16=8〜16、実測 ΔPaCO2=10であり、代償の範囲内。 step 4: AG=11で、AG正常。 step 5: 代謝性アルカローシス

  45. 代謝性アルカローシスの診断 代謝性アルカローシス アルカリ投与 除外 尿Cl濃度 >40mEq/L <20mEq/L 有効循環血漿量の減少 ミネラルコルチコイド過剰 ・嘔吐 ・経鼻胃管からの胃液吸引 ・過去の利尿薬内服 高血圧 あり なし レニン・アルドステロン レニン↑ ・Bartter / Gitelman症候群 ・ループ利尿薬内服 ・サイアザイド利尿薬内服 ・重度のK喪失 レニン↓ アルドステロン↑ ・腎動脈狭窄 ・悪性高血圧 ・レニン産生腫瘍 レニン↓ アルドステロン↓ ・原発性アルドステ ロン症 ・Cushing症候群 ・甘草 ・AME ・Liddle症候群 ・ステロイド投与

  46. 本症例の病態 高血圧以外明らかな病歴なし。 尿中Cl >40mEq/L 高血圧 レニン低値、アルドステロン高値 本症例は、原発性アルドステロン症

  47. Case 5

  48. Case 5 60歳、男性。 喫煙歴:1日30本、40年。数年前から労作時の呼吸 困難を認めている。 血圧130/80 mmHg。

  49. Case 5 血液検査: Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 98 mEq/L、 BUN 16 mg/dL、Cr 1.1 mg/dL。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.36、 PaO2 70mmHg、 PaCO2 55mmHg、 HCO3- 30mEq/ L。

  50. Case 5 pH 7.36 PaCO2 55mmHg HCO3- 30mEq/ L step 1: pH 7.36なのでアシデミア step 2: PaCO2 55なので呼吸性アシドーシス

  51. 代償性変化予測 代償性変化の予測範囲 代償範囲の限界値 代謝性アシドーシスの 呼吸性代償 ΔPaCO2=1〜1.3 Δ HCO3- PaCO2=15mmHg 代謝性アルカローシス の呼吸性代償 ΔPaCO2=0.5〜1.0 Δ HCO3- PaCO2=60mmHg 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.1 ΔPaCO2 HCO3-=30 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.35 ΔPaCO2 HCO3- =42 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.2 ΔPaCO2 HCO3- =18 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.4 ΔPaCO2 HCO3- =12 慢性の呼吸性アシドーシスとは24時間以上続くもの。 Δ計算をおこなうときは HCO3- は24、PaCO2は40、AGは12を正常値とする。

  52. Case 5 pH 7.36 PaCO2 55mmHg HCO3- 30mEq/ L step 1: pH 7.36なのでアシデミア step 2: PaCO2 55なので呼吸性アシドーシス step 3: 慢性の呼吸性アシドーシスに対する代償で は、予測ΔHCO3- =0.35x15=5.25、実測ΔHCO3=6であり、代償の範囲内。 step 4: AG=12で、AG正常。 step 5: 呼吸性アシドーシス

  53. 本症例の病態 COPDによる慢性呼吸性アシドーシス

  54. Case 6

  55. Case 6 83歳、女性。 生来健康で畑仕事をするほど元気であった。朝、台所 で倒れているところを家族に発見された。四肢は冷た くなっていた。救急外来到着時、血圧90mmHg(触 診)、脈拍96/分、体温34.5度。 全身状態は不良で、呼びかけても返答は不明瞭。四肢 末梢にチアノーゼあり。下肢には網状皮斑が見られ た。右季肋部を圧迫すると顔をしかめた。 Dr.須藤の酸塩基平衡と水・電解質より引用

  56. Case 6 血清電解質: Na 134 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 96 mEq/L。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.32、 PaO2 69mmHg、 PaCO2 12mmHg、 HCO3- 6mEq/ L。

  57. Case 6 pH 7.32 PaCO2 12mmHg HCO3- 6mEq/ L step 1: pH 7.32なのでアシデミア step 2: HCO3- 6なので代謝性アシドーシス step 3: 予測PaCO2=6+15=21で実測PaCO2 12は 低く、過換気があり、呼吸性アルカローシスを合併 step 4: AG=32で、AG増加 step 5: AG増加型の代謝性アシドーシス +呼吸性アルカローシス

  58. 本症例の病態 AG増加型代謝性アシドーシス+呼吸性アルカローシス という組み合わせを起こす病態は、敗血症かアスピリ ン中毒が代表的。 敗血症では、エンドトキシンが呼吸中枢を刺激して、 過換気になる。 本症例でも、敗血症を疑って、原因検索をおこなう。 本症例は、急性化膿性胆嚢炎に伴う敗血症であった。

  59. AG増加型代謝性アシドーシス +呼吸性アルカローシス 敗血症かアスピリン中毒を疑う

  60. Case 7

  61. Case 7 19歳、男性。 生来健康で12時間前にも特に変わったことはなかっ た。アパートの自室で倒れているのを友人が発見し て、救急外来に運び込まれた。 意識不明。血圧90/60mmHg、脈拍数110/分。

  62. Case 7 血液検査: Na 152 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 104 mEq/L。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.42、 PaCO2 24mmHg、HCO3- 15 mEq/ L。 尿ケトン3+、糖(­)

  63. Case 7 pH 7.42 PaCO2 24mmHg HCO3- 15mEq/ L step 1: pH 7.42は中性! 中性だが、PaCO2もHCO3- も異常値で複数の酸 塩基平衡が存在して、綱引きの結果が中性になっ たと考える。アシドーシスもアルカローシスもあ るはず。

  64. Case 7 pH 7.42 PaCO2 24mmHg HCO3- 15mEq/ L step 1: pH 7.42中性だが、アシドーシスがあるはず step 2: HCO3- 15なので代謝性アシドーシス step 3: 予測PaCO2=15+15=30で実測PaCO2 24は 低く、過換気があり、呼吸性アルカローシスを合併 step 4: AG=33で、AG増加 step 5: AG増加型の代謝性アシドーシス +呼吸性アルカローシス

  65. AG増加型代謝性アシドーシスでは ΔAG ΔHCO3測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン 測定され ない 陽イオン 測定され ない 陰イオン AG AG HCO3- HCO3- Na+ Cl- Na+ Cl- 陽イオン 陰イオン 陽イオン 陰イオン 正常 AG増加型 代謝性アシドーシス

  66. Case 6では HCO3- 6mEq/L AG 32mEq/L ΔHCO3- =18mEq/L ΔAG=20mEq/L であり、ΔHCO3- ΔAGといえる。

  67. Case 7では HCO3- 15mEq/L AG 33mEq/L ΔHCO3- =9mEq/L ΔAG=21mEq/L であり、ΔHCO3- =ΔAGとはいえない。 AGの上昇具合からすると、HCO3- はもっと低いはず (予測HCO3- =3mEq/L)で、何らかのHCO3-が増え るような病態が隠れている。 つまり、代謝性アルカローシスが隠れている。

  68. ΔAG>ΔHCO3 の時は、 AG増加型代謝性アシドーシスに代謝性 アルカローシスが合併している。 ΔAG<ΔHCO3 の時は、 AG増加型代謝性アシドーシスにAG正の代 謝性アシドーシスが合併している。

  69. Case 7 pH 7.42 PaCO2 24mmHg HCO3- 15mEq/ L step 1: pH 7.42中性だが、アシドーシスがあるはず step 2: HCO3- 15なので代謝性アシドーシス step 3: 予測PaCO2=15+15=30で実測PaCO2 24は 低く、過換気があり、呼吸性アルカローシスを合併 step 4: AG=33で、AG増加 step 5: AG増加型の代謝性アシドーシス +呼吸性アルカローシス +代謝性アルカローシス

  70. 本症例の病態 代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの存在を一元的 に説明しようとすると、アセチルサリチル酸(アスピリン) 中毒か、敗血症である。本症例は、アセチルサリチル酸中毒 であった。 アセチルサリチル酸は体内で速やかにサリチル酸に代謝さ れ、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を阻害するなどし て、乳酸またはケト酸などの産生を増加させ、AG増加型の 代謝性アシドーシスを引き起こす。また、サリチル酸は直 接、呼吸中枢に作用して過呼吸を起こす。 代謝性アルカローシスは、おそらく嘔吐があったためと思わ れる。

  71. Take Home Message

  72. 血液ガスの読み方 Step1:アシデミアか、アルカレミアか。 pH 7.36ならアシデミア、pH 7.44ならアルカレミア。 中性でも、PaCO2、HCO3-、AGに異常がないか確認。 Step2:アシデミアまたはアルカレミアの主たる要因 は代謝性変化か、呼吸性変化によるものか判断する。 Step3:代償性変化が予測の範囲内かをチェックす る。 Step4:アニオンギャップを計算する。AGが増加して いる場合は、ΔAGとΔHCO3-を比較する。 AG=Na+-(Cl- + HCO3-) ΔAG>ΔHCO3- なら代謝性アルカローシスの合併 ΔAG<ΔHCO3- ならAG正常の代謝性アシドーシスの合併 Step5:病歴、現症、検査所見を総合的に判断する。

  73. 代償性変化予測 代償性変化の予測範囲 代償範囲の限界値 代謝性アシドーシスの 呼吸性代償 ΔPaCO2=1〜1.3 Δ HCO3- PaCO2=15mmHg 代謝性アルカローシス の呼吸性代償 ΔPaCO2=0.5〜1.0 Δ HCO3- PaCO2=60mmHg 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.1 ΔPaCO2 HCO3-=30 呼吸性アシドーシスの 代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.35 ΔPaCO2 HCO3- =42 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(急性) Δ HCO3- =0.2 ΔPaCO2 HCO3- =18 呼吸性アルカローシス の代謝性代償(慢性) Δ HCO3- =0.4 ΔPaCO2 HCO3- =12 慢性の呼吸性アシドーシスとは24時間以上続くもの。 Δ計算をおこなうときは HCO3- は24、PaCO2は40、AGは12を正常値とする。

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