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#2 低Na血症 | 電解質輸液塾

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143,132

355

2020/11/30
2021/12/4 更新

本スライドの対象者

医学生/研修医

内容

学生、レジデント向けの電解質・酸塩基平衡異常、輸液に関するeラーニング教材「電解質輸液塾オンライン」で使用したスライドです。

今回は「低Na血症」です。

電解質輸液塾オンライン【ベーシック】は、以下の5本で構成されています。

#1 輸液の基本

https://slide.antaa.jp/article/view/878f9201c2614f56

#2 低Na血症

https://slide.antaa.jp/article/view/71d19c53782c438e

#3 K代謝異常

https://slide.antaa.jp/article/view/597d4f6fe40a4b1b

#4 高Ca血症

https://slide.antaa.jp/article/view/815dfa09e8be4b2a

#5 酸塩基平衡異常

https://slide.antaa.jp/article/view/cd5ba5d338c8412c

本スライドの音声つきの解説は、以下のYouTubeで視聴できます。

https://youtu.be/XIsb3MeiUEI

さらに学びたい場合は、「電解質輸液塾 改訂2版」中外医学社で学んでください。

https://amzn.to/3q3W8iV

門川俊明

慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター


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#2 低Na血症 | 電解質輸液塾

  1. このスライドは クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。 電解質輸液塾第2回 低Na血症 慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター 門川俊明

  2. 講義の内容 低Na血症の病態 低Na血症の診断 低Na血症の治療

  3. 低Na血症の病態

  4. 低Na血症 血清Na濃度135mEq/L未満を低Na血症という。 低Na血症は、電解質異常の中で、もっとも頻度が多 い。

  5. ? Na濃度が低い=体内Na量減少

  6. Na濃度= 体内Na量 体液量

  7. 低Na血症の種類 正常 ①体液量 過剰型 ②体液量 正常型 ③体液量 減少型 水 Na 水 Na 水 Na 水 Na 肝硬変 心不全 腎不全 SIADH 低張輸液 水中毒 真のNa欠乏 水, Na制限 水制限 Na補充 治療 利尿薬

  8. 低Na血症の診断のファーストステップ 細胞外液量を推定して、 どのタイプの低Na血症かを判断

  9. Case 1

  10. Case 1 70歳、男性。ネフローゼ症候群のため入院した。ス テロイド治療によって、ネフローゼ症候群は軽快した が、経過中に、真菌症が疑われ、ブイフェンド®(ボ リコナゾール)の経口投与を開始し、ブイフェンド® を服用したまま退院した。 退院2週間後の朝、全身倦怠感及び傾眠傾向のため、 救急搬送され再入院となった。 Teranishi J, et al. Clin Exp Nephrol. 2010;14:377-80.

  11. Case 1 身体診察所見 身長163cm、体重測定不能(前回退院時53kg)、意 識JCS II-20、血圧80/50mmHg、脈拍60回/分、体 温35.6度、呼吸音清、心雑音なし、腹部異常所見な し、下腿浮腫なし、皮膚のツルゴール低下 血清生化学検査所見 Cr 0.71 mg/dL、Na 113 mEq/L、K 4.5 mEq/L、 血糖 186 mg/dL 尿検査 尿糖2+、尿蛋白2+ 尿Na 101 mEq/L、尿K 55 mEq/L

  12. 低Na血症の症状 重症 中等症 意識障害、昏睡、けいれん、 循環・呼吸状態の異常 嘔気、嘔吐、見当識障害 血漿が低浸透圧になり、脳細胞に水が流入し、容量が増大 する。しかし、頭蓋骨で囲まれているため、脳浮腫、ひい ては、脳ヘルニアとなる。 自覚症状がないことが多い。しかし、歩行の 軽症 不安定性や注意力低下が生じ、転倒の危険因 子となる。

  13. 水 細胞の 容積増大 低Na血症になると 細胞外浸透圧:正常 細胞内浸透圧:正常 細胞外浸透圧:低 細胞内浸透圧:正常

  14. 本症例の治療 意識障害を伴うので、重症と判断し、3%NaClで治療 をおこなう。

  15. 本症例の細胞外液量は? 皮膚のツルゴール低下、低血圧などから、本症例の細 胞外液量は低下していると推察される。

  16. 本症例の病態 本症例は、塩類喪失性腎症と考えられる。 ブイフェンドの副作用と考えられる。

  17. Case 2

  18. Case 2 30歳の女性。von willebrand病があるため、胆石症 の手術の周術期に出血を防ぐためデスモプレシンを投 与された。 入院3日目にけいれんを認めた。 血清Na 109mEq/L、尿浸透圧325mOsm/kg、尿 Na 114mEq/L、尿K 9mEq/L。 Sterns RH, et al. N Engl J Med. 2015;372:55-65.

  19. Case 2 Na 109mEq/L 5時間 デスモプレシン中止 3%NaCl 100mL/時 (2mL/kg体重/時) Na 119mEq/L 8時間 Na 127mEq/L 輸液なし 意識清明 排尿600mL/時 尿浸透圧100mOsm/kg

  20. Case 2 翌日 Na 139mEq/L 意識清明 翌々日 意識レベル低下 その後 痙性四肢麻痺、偽性球麻痺が進行

  21. 重症の低Na血症では、3%NaClを 使って、治療をおこなう。 但し、ODSに注意が必要。

  22. 水 細胞の 容積増大 低Na血症になると 細胞外浸透圧:正常 細胞内浸透圧:正常 浸透圧物質 細胞外浸透圧:低 細胞内浸透圧:正常 低Na血症に対する 生体防御 水 低Na血症の急激な補正 細胞外浸透圧:低 細胞内浸透圧:低 ODS 細胞外浸透圧:正常 細胞内浸透圧:低

  23. 浸透圧性脱髄症候群(ODS) 急速に低Na血症を是正すると浸透圧性脱髄症候群 (Osmotic demyelination syndrome; ODS)がお こるので注意が必要。 慢性低Na血症では、浸透圧物質を減じるような生体 防御反応によって、細胞容積の増大が抑えられてい る。しかし、急激に、血清Naを上昇させると、細胞 が急激な変化に対応できず、ODSを生じる。 ODSは以前は、橋中心脱髄症候群(Central Pontine Myelinolysis; CPM)と呼ばれていた。

  24. 重症低Na血症の治療 ODSを避けるため、24時間では10mEq/L未満、48時間で は18mEq/L未満のNa濃度の補正。 Limit 血清Na濃度の目標値を目指すのではなく、症状の改善を目 標とする(通常、症状の改善には血清Na濃度5mEq/L上昇 で十分)。 Target まずは、持続投与ではなく、ボーラスショット。 Spasovski G, et al. Nephrol Dial Transplant. 2014;29 Suppl 2:i1-i39.

  25. 低Na血症の治療 重症の場合(意識障害を伴う)緊急時の治療は、高張 食塩水(3% NaCl)を用いたNa補正をおこなう。た だし、ODSがおこらないように注意が必要。 軽症ないし無症候性の場合は、病型を判断する。 体液量増加型→水、Na制限、利尿薬 体液量正常型→水制限 体液量減少型→Na補充

  26. Case 3

  27. Case 3 62歳女性。味覚障害(不快な甘さを感じる)を主訴 に受診した。それ以外は特に症状はなく、薬も服用し ていない。 身体所見では、異常所見なく、体液量は正常。 血液検査で血清Na 122mEq/Lを認めた。 Ellison DH, et al. N Engl J Med. 2007;356:2064-72.

  28. ADH(anti-diuretic hormone) ADH(抗利尿ホルモン);下垂体後葉から分泌 =バソプレシン(Vasopressin) =AVP(arginine vasopressin) バソプレシン(ADH)受容体 V1A受容体;血管平滑筋細胞で血管収縮作用 V1B受容体;下垂体前葉でストレス反応性のACTH 分泌 V2受容体;腎臓集合管主細胞で自由水再吸収

  29. バソプレシンの作用 血管側 トルバプタン 管腔側 AQP2 V2受容体 バソプレシン P activation Protein kinase A cAMP ATP H2O P H2O 皮質集合管主細胞 Adenylyl cyclase 6

  30. ADHは腎臓から 真水を飲むホルモン 飲尿ホルモン

  31. 血清Na濃度が上昇すると 血清Na上昇 口渇中枢 浸透圧 受容体 バソプレ シン放出

  32. 血漿浸透圧とADH分泌 正常 血漿ADH(pg/mL) 12 10 8 6 4 口渇 2 0 240 250 260 270 280 290 血漿浸透圧(mOsm/kg) 300 310

  33. Case 4 ADH=4.3 pg/mL 胸部CT検査にて、左下肺に腫瘤影を認めた。 血漿浸透圧が250mOsm/Lなので、本来、ADH レベルは、検出感度以下に抑制されているはず。

  34. SIADH 正常 血漿ADH(pg/mL) 12 10 8 6 4 口渇 2 0 240 250 260 270 280 290 血漿浸透圧(mOsm/kg) 300 310

  35. SIADH診断(日本版) I.主症候 脱水の所見を認めない。 II.検査所見 1.血清ナトリウム濃度は135 mEq/L を下回る。 2.血漿浸透圧は280 mOsm/kg を下回る。 3.低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度 が抑制されていない。 4.尿浸透圧は100 mOsm/kg を上回る。 5.尿中ナトリウム濃度は20 mEq/L 以上である。 6.腎機能正常。 7.副腎皮質機能正常。 [診断基準] 確実例:ⅠおよびⅡ のすべてを満たすもの。 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班編 バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き(平成30 年度改訂)

  36. SIADHの原因 中枢神経系疾患、肺疾患、薬剤などで下垂体からADHが分泌 中枢神経系疾患: 髄膜炎、脳炎、頭部外傷、くも膜下出血、 脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、ギラン・バレー症候群 肺疾患: 肺腫瘍、肺炎、肺結核、肺アスペルギルス症、 気管支喘息、陽圧呼吸 薬剤: ビンクリスチン、クロフィブレート、カルバマゼピン、アミトリプチ ン、イミプラミン、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) 腫瘍からADHが分泌 異所性バソプレシン産生腫瘍: 肺小細胞癌、膵癌

  37. 本症例の治療 原病(肺癌)の治療 水制限 バソプレシン受容体拮抗薬

  38. バソプレシン受容体拮抗薬 バソプレシン受容体拮抗薬(バプタン)は、腎集合管 主細胞におけるADHの抗利尿作用(V2作用)を特異的 に阻害する。 SIADHは不適切にADHが分泌されている疾患なの で、バプタンが理にかなった治療である。 現在、国内で承認されているのは2種類のバプタン で、モザバプタン(フィズリン® )は異所性ADH産生 腫瘍によるSIADHのみに保険適用があり、トルバプタ ン(サムスカ® )は心不全および肝硬変における体液 貯留にしか保険適用がない。

  39. Take Home Message

  40. 低Na血症のポイント 低Na血症 = Na欠乏とは限らない。細胞外液量を判断 して、原因の鑑別をおこなう。 重症の低Na血症の治療は、3%NaClを用いておこな うが、急速な補正によるODSに注意。 緊急治療以外は、低Na血症の原因に基づいて治療を 行う。

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