#4.
糖尿病性大血管症(CQ12) CQ12-5 SGLT2阻害薬は大血管症の抑制に有効か? ◆大血管症の二次予防にSGLT2阻害薬が推奨される(推奨グレードA) ・ただし脳梗塞の二次予防に関してはエビデンスなし EMPA-REG OUTCOME試験! CANVAS試験! CREDENCE試験! DECLARE-TIMI 58試験!
#5.
糖尿病性大血管症(CQ12) CQ12-6 SGLT2阻害薬は心不全に有効か? ◆心不全の進行予防にSGLT2阻害薬が推奨される (推奨グレードA) ・欧米のガイドラインでは心不全や慢性腎臓病を合併する2型糖尿病患者 にはSGLT2阻害薬の積極的使用が推奨され、本邦においても2023年に発 表された「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」において、心不全や心 血管疾患を有する場合に優先することとされています
#6.
糖尿病性大血管症(CQ12) CQ12-7 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は 大血管症の進行抑制に有効か? ◆大血管症の進行抑制にGLP-1RAが推奨される (推奨グレードA) ・臨床試験: LEADER(リラグルチド)、ELIXA(リキセナチド)、 SUSTAIN6(セマグルチド)、PIONEER6(経口セマグルチド)、EXSCEL(エ キセナチド)、HARMONY Outcomes(アルビグルチド)、REWIND(デュラ グルチド)、AMPLITUDE-O(エフェグレナチド) ・上記8試験のメタ解析で、MACEが14%、心血管死亡が13%、心筋梗塞 が10%、脳卒中が17%いずれも有意に抑制されることが示されています
#7.
糖尿病性大血管症(CQ12) Re CQ12-9 大血管症に脂質コントロールは有効か? vi ce d! ◆高TG血症または低HDL-C血症を合併する糖尿病患者において、 フィブラート系薬・EPAの投与は、心血管疾患の発症抑制に寄与し得る (推奨グレードB) ・高TG、低HDL-C血症でスタチン非存在下ではフィブラート系薬による イベント抑制効果が期待されます ・スタチン内服患者においてはACCORD LIPIDのサブ解析がフィブラート の、JELISおよびREDUCE-ITがEPAのエビデンスと考えられます 高TG,低HDL-Cについて深堀りしてきました
#8.
肥満を伴う糖尿病(CQ13) CQ13-2 肥満2型糖尿病への行動療法は減量や血糖 コントロールに有効か? ◆肥満2型糖尿病に対する行動療法は、短期的には減量や血糖コントロー ルに有効であり考慮してよい(推奨グレードB) ・AHEAD研究: 体重に対する行動療法の効果 ・Look AHEAD研究: HbA1cに対する行動療法の効果 ・1年を超える期間の長期的な効果についてのエビデンスは十分ではない
#9.
肥満を伴う糖尿病(CQ13) ! CQ13-4 外科療法は高度肥満を伴う2型糖尿病への d e c i v e 治療に有効か? R ◆減量・代謝改善手術は、手術前後における適切なサポート体制と安全性 が確保されれば減量に難渋する高度肥満を伴う2型糖尿病患者の血糖コン トロール、体重、および死亡を含む予後の改善に有効であり推奨される (推奨グレードA) ・日本人の手術データによる科学的根拠に基づいた減量・代謝改善手術の 適応基準として、日本肥満症治療学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会の 3学会合同委員会から2021年にコンセンサスステートメントがあります
#10.
日本人の肥満2型糖尿病患者に対する減量・代謝改善 手術に関するコンセンサスステートメント ◆受診時BMI 35以上の2型糖尿病で、糖尿病専門医や肥満症専門医による 6ヵ月以上の治療でもBMI 35kg/m2以上が継続する場合には、血糖コント ロールの如何にかかわらず減量・代謝改善手術が治療選択肢として推奨さ れる(推奨グレードrecommendation) ◆受診時BMI 32以上の2型糖尿病では、糖尿病専門医や肥満症専門医によ る治療で、6ヵ月以内に5%以上の体重減少が得られないか、得られても血 糖コントロールが不良(HbA1c 8%以上)な場合には、減量・代謝改善手術 を治療選択肢として検討すべきである(推奨グレードconsideration)
#11.
糖尿病に合併した高血圧(CQ14) CQ14-3 大血管症の発症予防に血圧を130/80mmHg未満 にコントロールすることが有効か? Reviced! ◆心血管イベントおよび脳卒中の発症予防には診察室血圧130/80mmHg 未満を目標とした降圧療法が推奨される(推奨グレードA) ・糖尿病患者において収縮期血圧130mmHgあるいは拡張期血圧80mmHg を降圧目標とする厳格降圧治療の有効性をRCT 7報(HOT, ABCD, ACCORD, SPS3, RESPECT, J-DOIT3, STEP)で検証したところ、心血管 イベントおよび脳卒中のリスクを有意に低下させたとのことです ・ただし心筋梗塞および全死亡に関しては有意なリスク低下は認めない
#12.
糖尿病に合併した高血圧(CQ14) CQ14-4 ACE阻害薬・ARBはアルブミン尿のない糖尿病に 合併した高血圧の降圧療法での第一選択薬か? Reviced! ◆アルブミン尿のない糖尿病合併高血圧患者における降圧剤の第一選択薬 としては、ACE阻害薬、ARBのみならず、カルシウム拮抗薬、サイアザイ ド系利尿薬がいずれも推奨される(推奨グレードU) ・糖尿病合併高血圧患者に対して、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗 薬、サイアザイド系利尿薬はいずれも有用であるが、アルブミン尿がない 患者群でとりわけACE阻害薬・ARBが有効といえるだけのエビデンスは不 足しています
#13.
糖尿病に合併した脂質異常症(CQ15) CQ15-7 糖尿病患者において、スタチン以外のコレステロール 低下薬(エゼチミブ、PCSK9阻害薬、レジン、プロブコール)に よる治療は、心血管疾患の発症率や生命予後の改善に有効か? Reviced! ◆高LDL-C血症を有する糖尿病患者では、スタチンへのエゼチミブ追加投 与は心血管疾患の発症を抑制し得ることから、スタチンへのエゼチミブ追 加投与を考慮してよい(推奨グレードB) ◆脂質異常症、動脈硬化性疾患を合併するスタチン投与中の糖尿病患者で は、PCSK9阻害薬の投与により心血管疾患の発症を抑制し得ることから、 PCSK9阻害薬の投与を考慮してよい(推奨グレードB)
#14.
糖尿病に合併した脂質異常症(CQ15) CQ15-8 高TG血症または低HDL-C血症を合併する糖尿病患者 において、フィブラート系薬、SPPARMα、ニコチン酸誘導 体、n-3系多価不飽和脂肪酸による治療は心血管疾患の発症率 や生命予後の改善に有効か? Reviced! ◆高TG血症または低HDL-C血症を合併する糖尿病患者において、フィブ ラート系薬・EPAの投与は、心血管疾患の発症抑制に寄与し得る (推奨グレードB) CQ12-9でも同様の話題がありましたね
#15.
妊娠の糖代謝異常(CQ17) CQ17-10 妊娠糖尿病既往女性の産後の糖代謝異常の評価 はどのように行うか? ◆妊娠糖尿病既往の女性において、産後6~12週に糖代謝異常評価のため に75gOGTTを行い、糖尿病と診断されなかった女性においては、その後 も定期的に糖代謝異常の評価を行うことが強く推奨される (推奨グレードA) ・アメリカ糖尿病学会では、産後の75gOGTTが正常の場合でも、1~3年 ごとに境界型を含む糖尿病発症の有無についてスクリーニング継続を推奨 しています
#16.
妊娠の糖代謝異常(CQ17) CQ17-11 妊娠糖尿病既往女性において、2型糖尿病発症 予防はどのように行うか? ◆妊娠糖尿病既往の女性に対し、2型糖尿病発症予防のために、生活習慣 介入が有効である(推奨グレードB) ◆妊娠糖尿病女性において、女性の2型糖尿病発症予防目的に、母乳保育 を実施することが有効である(推奨グレードB) ・メトホルミンも発症を40%減少させるが、本邦では保険適応外 ・日本糖尿病・妊娠学会から「妊娠糖尿病既往女性のフォローアップに関 する診療ガイドライン」がでています
#17.
妊娠糖尿病既往女性のフォローアップに関する 診療ガイドライン CQ1. 妊娠糖尿病女性の産後の糖代謝異常の評価の時期はいつがよいか? CQ2. 妊娠糖尿病女性の産後の糖代謝異常の評価方法は何がよいか? CQ3. 妊娠糖尿病既往女性において、2型糖尿病発症予防のための 産後の生活習慣介入は有効か? CQ4. 妊娠糖尿病既往女性において、2型糖尿病発症予防のための 薬物療法介入は有効か? CQ5. 妊娠糖尿病女性において、母乳哺育を実施することに2型 糖尿病発症予防効果があるか? これら5点について詳しく述べられています 興味がある方はぜひ検索してみてください
#18.
小児・思春期における糖尿病(CQ18) CQ18-4 小児・思春期1型糖尿病での持続皮下インスリン注入療法 は、インスリン頻回注射法に比べて血糖コントロールにより有効か? ◆小児・思春期1型糖尿病では、インスリン頻回注射法に比べ、低血糖の 頻度を増加させずに血糖コントロールが改善することから、CGMに連動し ない持続皮下インスリン注入療法を考慮してよい(推奨グレードB) ◆小児・思春期1型糖尿病では、インスリン頻回注射法に比べ、低血糖の 頻度を増加させずに血糖コントロールが改善することから、CGMに連動す る持続皮下インスリン注入療法が推奨される(推奨グレードA) CGM:持続グルコースモニタリング Continuous Glucose Monitoring
#19.
小児・思春期における糖尿病(CQ18) CQ18-6 血糖降下薬(インスリンを除く)は小児・ 思春期2型糖尿病の血糖コントロールに有効か? ◆小児・思春期2型糖尿病においてメトホルミンは体重増加を伴わず血糖 コントロールに有効であることから推奨される(推奨グレードA) ・日本では10歳以上の小児2型糖尿病治療において1日2000mgまでの保 険適用が承認されている ・15歳以上では、GLP-1受容体作動薬およびSGLT2阻害薬の保険適応が あります
#20.
高齢者の糖尿病(CQ19) CQ19-3 高齢糖尿病患者の血糖コントロールは血管 合併症の発症・進展抑制に有効か? ◆高齢者においても高血糖や低血糖は血管合併症の発生と関係があ り、低血糖予防に十分配慮しながら適切に高血糖是正を行うことは血 管合併症の発症・進行の抑制に寄与しうる(推奨グレードB) ・日本糖尿病学会・日本老年に学会の合同委員会から「高齢者糖尿病 の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が出ています
#21.
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値) 詳しくは拙スライド「実践!高齢者の糖尿病治療」を御覧いただけると幸いです
#22.
高齢者の糖尿病(CQ19) CQ19-6 高齢者糖尿病患者において運動療法は血糖 コントロール、ADL、認知機能の維持に有効か? ◆高齢者糖尿病患者において、運動療法は血糖コントロールやADL、 認知機能の維持のために推奨される(推奨グレードA) ・高齢者糖尿病患者において、運動は代謝異常の是正、生命予後や健 康寿命、ADLの維持、認知機能の抑制に有効であり、死亡リスク低下 に関しても有効性が報告されています
#23.
THANK YOU! ガイドライン末の “トピックス” も面白いので お時間があればご一読ください!