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最終更新:2021年12月4日
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#4 高Ca血症 | 電解質輸液塾
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このスライドは クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。 輸液の基本 慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター 門川俊明
講義の目標 輸液製剤の種類を理解して、場面に応じ た適切な輸液製剤が選択できる。
これから手術に向かう患者のラインキー プの輸液がソルデム3Aだった (>̲<)
4.
基本の輸液製剤
5.
慶應義塾大学病院で使用可能な輸液製剤 生理食塩液 5%ブドウ糖液 ソルデム1輸液 ソルデム3A輸液 ソルデム3AG輸液 ヴィーン3G輸液 フィジオ35輸液 ソリタ-T4号輸液 ラクテック注 ラクテックG注 ソルアセトF輸液 ソルアセトD輸液 フィジオ140輸液 ビカネイト輸液 低分子デキストランL注 ボルベン6% 全部使える必要はない。 輸液製剤(2+3) を覚えて使えるようになろう。
6.
輸液の基本製剤 5%ブドウ糖液 生理食塩液=0.9% NaCl液
7.
蒸留水を輸液すると 血漿浸透圧 290mOsm/L = 赤血球内の浸透圧 290mOsm/L 赤血球
8.
蒸留水を輸液すると 血漿浸透圧 低下 < 赤血球内の浸透圧 低下に時間がかかる 溶血 赤血球
9.
輸液の基本製剤 5%ブドウ糖液 生理食塩液=0.9% NaCl液 は、等浸透圧。 多くの輸液製剤は等浸透圧。 または、2倍程度までの浸透圧(赤血球は高浸透圧には強い)
10.
これだけは絶対に覚えておく NaCl 1g Na 17mEq
11.
生理食塩液=0.9% NaCl 1Lに9gのNaCl 1Lに9x17=154mEqのNaとCl 生理食塩液のNaとClの濃度は154mEq/L
12.
5%ブドウ糖液 5%ブドウ糖液は等浸透圧で、溶血をおこさないが、 投与されたブドウ糖は体内で代謝されて水と炭酸ガス になるため、5%ブドウ糖液を投与することは水を投 与したのと同じ意味合いになる。 5%ブドウ糖液を投与することは水を投与 するのと同じ
13.
体液のコンパートメント 間質 血漿 (5%) (15%) 細胞内液 (40%) 総体液量 (60%) 細胞外液 (20%)
14.
輸液したものはどこに分布するか 細胞内液 間質 血管内
15.
血管壁 タンパク質 電解質 水 間質液 血管内皮 血漿
16.
細胞膜 3Na+ 2K+ Na+/K+-ATPase チャネル、輸送体 電解質 水 細胞内液 細胞壁 間質液
17.
コンパートメント間の物質移動の制限 細胞膜 血管壁 アルブミン Na Na 水 水 水 細胞内液 間質 血管内
18.
アルブミンなど膠質液の場合 膠質液1リットルを点滴した場 合、1リットルすべてが血管内に分 布する。 1L 細胞内液 間質 血管内
19.
生理食塩液の場合 生理食塩液1リットルを点滴した場合、 1リットルが細胞外液に分布する。血管 内に分布するのは、このうち1/4の約 250ml。 細胞内液 750mL 250mL 間質 血管内
20.
5%ブドウ糖液の場合 5%ブドウ糖液1リットルを点滴した場 合、すべての分画に分布する。血管内に 分布するのは、1/12の83mlのみであ る。 667mL 250mL 83mL 細胞内液 間質 血管内
21.
生理食塩液と5%ブドウ糖液の使い分け 細胞外液の補充には、生理食塩液は、5%ブドウ糖液 より効率がよい。 まずは、生理食塩液と5%ブドウ糖液に精通しよう。
22.
他の輸液製剤
23.
血漿増量剤=膠質液 成分 製品名 膠質 Na K Ca Cl 乳酸- デキストラン40 低分子デキストランL注 10% デキストラン40 130 4 3 109 28 HES(ヒドロキシ エチルデンプン) ボルベン6% 6% HES 154 アルブミン アルブミン 糖 154 血漿分画製剤で、5%、20%、25%がある。 デキストランはブドウ糖がα-1,6結合した多糖類であり、デキストラン40は平均分子量が4万 になっている。HESはデンプンがα-アミラーゼにより分解されないように、ブドウ糖の6位 の水酸基をヒドロエチル化した多糖類であり、平均分子量7万のものが使用されている。
24.
膠質液の使い方 膠質液が晶質液より患者の予後を改善するというエビ デンスはなく、値段も高いので、使われる場面は少な い(大量出血や手術の時など)。 ヒドロキシエチルデンプン製剤は、生理食塩液に比し て、腎障害などの有害事象が多いという報告がある。 アルブミンは血液透析などで血漿増量効果を狙って使 われることがある。
25.
細胞外液補充液=等張液 Na 血清 142 生理食塩液 154 リンゲル液 147 乳酸リンゲル液 K 4 5 Cl その他 103 重炭酸24 154 4 130 生理食塩液 Ca 4 5 3 リンゲル液 より血漿組成に近づけ るためにKとCaを配合 156 109 乳酸28 乳酸リンゲル液 アルカリを配合
26.
乳酸リンゲル液 成分 製品名 ラクテック注 乳酸リンゲル液 ソルアセトF輸液 ビカネイト輸液 ラクテックG輸液 糖加乳酸リンゲル液 ソルアセトD輸液 フィジオ140輸液 Na 130 131 130 130 131 140 K 4 4 4 4 4 4 Ca 3 3 3 3 3 3 Cl 109 アルカリ 糖 乳酸28 109 酢酸28 109 重炭酸28 109 乳酸28 ソルビトール 5% 109 酢酸28 ブドウ糖 5% 115 酢酸25 ブドウ糖 1% ビカネイト輸液はMg2+ 2 mEq/L、Citrate3- 4 mEq/Lを含む。 フィジオ140はMg2+ 2 mEq/L、Gluconate- 3 mEq/L、Citrate3- 6 mEq/Lを含む。
27.
輸液製剤のマインドマップ 生理食塩液 K, Caを添加 乳酸を添加 ラクテック アルカリ化剤を 酢酸に変更 ソルビトールを添加 ラクテックG アルカリ化剤を 重炭酸に変更 ソルアセトF グルコースを添加 ソルアセトD ビカネイト
28.
生理食塩液 vs 乳酸リンゲル液 乳酸リンゲル液と生理食塩液では、臨床的に大きな差 はない。 生理食塩液は、短時間で大量に投与すると、希釈性ア シドーシスを来すことがあるので、短時間で大量に輸 液する場合は、乳酸リンゲル液がよい。
29.
1号液〜4号液って何?
30.
1号液〜4号液 1号液 開始液 2号液 脱水補給液 3号液 維持液 4号液 術後回復液 製品名 Na ソリタ-T1、ソルデム1 90 ソリタ-T2 84 ソリタ-T3、ソルデム3A 35 ソリタ-T4 30 K Cl 乳酸 ブドウ糖 70 20 2.6% 20 66 20 3.2% 20 35 20 4.3% 20 10 4.3% その他 P 10 mmol/l
31.
ソリタ1〜4号液の現在の使い方 1号液は開始液として使う。 3号液は維持輸液としてよく使われる。 2号液は使わない。 4号液は使わない(少なくとも術後回復液としては使 わない)。
32.
当院で使用可能な1号液〜4号液 分類 1号液 製品名 ソルデム1輸液 ソルデム3A輸液 ソルデム3AG輸液 Na K Ca 90 35 35 20 20 Cl アルカリ ブドウ糖 その他 70 乳酸20 2.6% 35 乳酸20 4.3% 35 乳酸20 7.5% 37 酢酸20 5% Mg 5 H2PO410mmol/L 28 酢酸20 10% Mg 3, gluconate 5, リン10mmol/L 20 乳酸10 4.3% 3号液 ヴィーン3G輸液 フィジオ35輸液 4号液 ソリタ-T4号輸液 45 35 30 17 20 5
33.
5 % ブ ド ウ 糖 液 生 理 食 塩 液 生理食塩液 2/3生理食塩液 1号液 1/4生理食塩液 3号液 5%ブドウ糖液
34.
1号液の使い方 1号液 (ソルデム1輸液) Na K Ca Cl 90 0 0 70 乳酸 ブドウ糖 20 2.6% 生理食塩液と5%ブドウ糖液を2:1でまぜたもの。 Kが含まれていないこと、Na濃度が生理食塩液の2/3 程度であることから、心機能や腎機能が不明時の開始 液として便利。
35.
3号液の成り立ちについて 考えてみよう
36.
1日の水のIn-Out 入院中で、飲食できる患者さん In Out 飲水 1500ml 尿 1400ml 食事中の水分 1000ml 便 100ml 代謝水 200ml 汗 300ml 不感蒸泄 900ml
37.
1日の水のIn-Out 禁飲食で、平熱で汗がないと考えると、 In Out 飲水 0 尿 最低500ml できれば、 1000-1500ml 食事中の水分 0 便 0 代謝水 200ml 汗 0 輸液 ? 不感蒸泄 900ml 禁飲食の時の輸液の適切量は2000ml
38.
水分2000mLを生理食塩液で補充すると 水分2000ml NaCl=18g(食塩摂取量として多すぎる!) 生理食塩液 生理食塩液 生理食塩液 生理食塩液
39.
維持輸液として無難な量とは? 水分2000ml そのうち、1本(=500ml)を生理食塩液とし、3本 (=1500ml)を5%ブドウ糖液とする。 K.C.L注射液1アンプル(=40 mEq)を入れる。 生理食塩液 5%G 5%G 5%G KCL
40.
3号液の成り立ちを考えてみよう 無難な量で作った輸液は、、、 輸液量 Na K ブドウ糖 2000mL 75 mEq 40 mEq 75g 濃度は 37.5mEq/L 20mEq/L 3.75% ソルデム3A輸液の組成は、、、 ソルデム3A Na K ブドウ糖 35 mEq/l 20 mEq/l 4.3% 3号液を4本(2000ml)で 無難な維持輸液となる。
41.
アメリカはカフェテリア方式 生理食塩液 5%G 5%G 5%G 3号液 3号液 日本は定食方式 3号液 3号液 KCL
42.
「3号液を4本」 維持輸液は、「3号液を4本」というのが安易で、間 違いが少ない。 3号液は、Na濃度が低いので、ずっと使っていると医 原性の低Na血症になりやすい。特に、ストレスで、 ADHが分泌されているような患者は注意。 「3号液4本」では、カロリーが344kcalしかないこ とにも注意。
43.
4号液の使い方 4号液 (ソリターT4) Na K Ca Cl 30 0 0 20 乳酸 ブドウ糖 10 4.3% 4号液は3号液をさらに低張にして、Kフリーとした 製剤。 術後はADH作用が亢進していて、低Na血症を来しや すいので、「術後回復液」という言葉の通り、術後に 使うと痛い目に遭う。
44.
1〜4号液まとめ 1号液は開始液に適した製剤。 3号液4本で無難な維持輸液ができる 4号液は術後輸液としては使わない方がよい。
45.
ケースに応じた 輸液製剤の使い分け
46.
これから手術に向かう患者のラインキー プの輸液は何にすべきか?
47.
手術に向かう患者のラインキープは 急な血圧低下の際に、血管内のボリュームを維持する ことができるような輸液。 急速に輸液をすることがあるので、Kは入っていない ことが望ましい(K 4mEq/L程度なら気にしない)。 生理食塩液 乳酸リンゲル液
48.
救急外来でのショック患者 血管内のボリュームを維持することが目的。 腎機能が分からない場合には、Kは入っていない方が 安全。 生理食塩液 乳酸リンゲル液 1号液
49.
嚥下障害があり禁飲食の患者(3日まで) 水、Na、Kの1日必要量を考えると、、、 3号液
50.
嚥下障害があり禁飲食の患者(3日以上) 3号液4本で投与できるカロリーは? 経腸栄養に変更
51.
大腸癌術後の患者 腸機能の回復には1週間以上かかる。 経腸栄養は使えない。 中心静脈栄養に変更
52.
Take Home Message
53.
輸液製剤をたくさん覚える 必要はない。覚えるものを 最小限にし、そのかわり、 それらは完璧に理解する。
54.
これだけは覚える輸液組成表 Na K Ca Cl 生理食塩液 154 0 0 154 0 0 5%ブドウ糖液 0 0 0 0 0 5% 0 0 70 20 2.6% 20 0 25 20 4.3% 4 3 109 28 0 1号液 90 (ソルデム1輸液) 3号液 35 (ソルデム3A輸液) 乳酸リンゲル液 130 (ラクテック注) 乳酸 ブドウ糖 単位:mEq/L
55.
輸液製剤のマインドマップ 3号液G グルコース濃度を増加 1号液 生理食塩液 ヴィーン3G アルカリ剤を 酢酸に変更 3号液 5%G K, Caを添加 乳酸を添加 ラクテック アルカリ化剤を 酢酸に変更 ソルビトールを添加 ラクテックG アルカリ化剤を 重炭酸に変更 ソルアセトF グルコースを添加 ソルアセトD ビカネイト