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門川俊明

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#1 輸液の基本 | 電解質輸液塾

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門川俊明

慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター

内容

学生、レジデント向けの電解質・酸塩基平衡異常、輸液に関するeラーニング教材「電解質輸液塾オンライン」で使用したスライドです。

今回は「輸液の基本」です。

電解質輸液塾オンライン【ベーシック】は、以下の5本で構成されています。

#1 輸液の基本

https://slide.antaa.jp/article/view/878f9201c2614f56

#2 低Na血症

https://slide.antaa.jp/article/view/71d19c53782c438e

#3 K代謝異常

https://slide.antaa.jp/article/view/597d4f6fe40a4b1b

#4 高Ca血症

https://slide.antaa.jp/article/view/815dfa09e8be4b2a

#5 酸塩基平衡異常

https://slide.antaa.jp/article/view/cd5ba5d338c8412c

本スライドの音声つきの解説は、以下のYouTubeで視聴できます。

https://youtu.be/_2qwNod5a9I

さらに学びたい場合は、「電解質輸液塾 改訂2版」中外医学社で学んでください。

https://amzn.to/3q3W8iV

本スライドの対象者

医学生/研修医

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内容

学生、レジデント向けの電解質・酸塩基平衡異常、輸液に関するeラーニング教材「電解質輸液塾オンライン」で使用したスライドです。

今回は「輸液の基本」です。

電解質輸液塾オンライン【ベーシック】は、以下の5本で構成されています。

#1 輸液の基本

https://slide.antaa.jp/article/view/878f9201c2614f56

#2 低Na血症

https://slide.antaa.jp/article/view/71d19c53782c438e

#3 K代謝異常

https://slide.antaa.jp/article/view/597d4f6fe40a4b1b

#4 高Ca血症

https://slide.antaa.jp/article/view/815dfa09e8be4b2a

#5 酸塩基平衡異常

https://slide.antaa.jp/article/view/cd5ba5d338c8412c

本スライドの音声つきの解説は、以下のYouTubeで視聴できます。

https://youtu.be/_2qwNod5a9I

さらに学びたい場合は、「電解質輸液塾 改訂2版」中外医学社で学んでください。

https://amzn.to/3q3W8iV

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その他(297)


#1 輸液の基本 | 電解質輸液塾

  • 1.

    このスライドは クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。 輸液の基本 慶應義塾大学医学部 医学教育統轄センター 門川俊明

  • 2.

    講義の目標 輸液製剤の種類を理解して、場面に応じ た適切な輸液製剤が選択できる。

  • 3.

    これから手術に向かう患者のラインキー プの輸液がソルデム3Aだった (>̲<)

  • 4.

    基本の輸液製剤

  • 5.

    慶應義塾大学病院で使用可能な輸液製剤 生理食塩液 5%ブドウ糖液 ソルデム1輸液 ソルデム3A輸液 ソルデム3AG輸液 ヴィーン3G輸液 フィジオ35輸液 ソリタ-T4号輸液 ラクテック注 ラクテックG注 ソルアセトF輸液 ソルアセトD輸液 フィジオ140輸液 ビカネイト輸液 低分子デキストランL注 ボルベン6% 全部使える必要はない。 輸液製剤(2+3) を覚えて使えるようになろう。

  • 6.

    輸液の基本製剤 5%ブドウ糖液 生理食塩液=0.9% NaCl液

  • 7.

    蒸留水を輸液すると 血漿浸透圧 290mOsm/L = 赤血球内の浸透圧 290mOsm/L 赤血球

  • 8.

    蒸留水を輸液すると 血漿浸透圧 低下 < 赤血球内の浸透圧 低下に時間がかかる 溶血 赤血球

  • 9.

    輸液の基本製剤 5%ブドウ糖液 生理食塩液=0.9% NaCl液 は、等浸透圧。 多くの輸液製剤は等浸透圧。 または、2倍程度までの浸透圧(赤血球は高浸透圧には強い)

  • 10.

    これだけは絶対に覚えておく NaCl 1g Na 17mEq

  • 11.

    生理食塩液=0.9% NaCl 1Lに9gのNaCl 1Lに9x17=154mEqのNaとCl 生理食塩液のNaとClの濃度は154mEq/L

  • 12.

    5%ブドウ糖液 5%ブドウ糖液は等浸透圧で、溶血をおこさないが、 投与されたブドウ糖は体内で代謝されて水と炭酸ガス になるため、5%ブドウ糖液を投与することは水を投 与したのと同じ意味合いになる。 5%ブドウ糖液を投与することは水を投与 するのと同じ

  • 13.

    体液のコンパートメント 間質 血漿 (5%) (15%) 細胞内液 (40%) 総体液量 (60%) 細胞外液 (20%)

  • 14.

    輸液したものはどこに分布するか 細胞内液 間質 血管内

  • 15.

    血管壁 タンパク質 電解質 水 間質液 血管内皮 血漿

  • 16.

    細胞膜 3Na+ 2K+ Na+/K+-ATPase チャネル、輸送体 電解質 水 細胞内液 細胞壁 間質液

  • 17.

    コンパートメント間の物質移動の制限 細胞膜 血管壁 アルブミン Na Na 水 水 水 細胞内液 間質 血管内

  • 18.

    アルブミンなど膠質液の場合 膠質液1リットルを点滴した場 合、1リットルすべてが血管内に分 布する。 1L 細胞内液 間質 血管内

  • 19.

    生理食塩液の場合 生理食塩液1リットルを点滴した場合、 1リットルが細胞外液に分布する。血管 内に分布するのは、このうち1/4の約 250ml。 細胞内液 750mL 250mL 間質 血管内

  • 20.

    5%ブドウ糖液の場合 5%ブドウ糖液1リットルを点滴した場 合、すべての分画に分布する。血管内に 分布するのは、1/12の83mlのみであ る。 667mL 250mL 83mL 細胞内液 間質 血管内

  • 21.

    生理食塩液と5%ブドウ糖液の使い分け 細胞外液の補充には、生理食塩液は、5%ブドウ糖液 より効率がよい。 まずは、生理食塩液と5%ブドウ糖液に精通しよう。

  • 22.

    他の輸液製剤

  • 23.

    血漿増量剤=膠質液 成分 製品名 膠質 Na K Ca Cl 乳酸- デキストラン40 低分子デキストランL注 10% デキストラン40 130 4 3 109 28 HES(ヒドロキシ エチルデンプン) ボルベン6% 6% HES 154 アルブミン アルブミン 糖 154 血漿分画製剤で、5%、20%、25%がある。 デキストランはブドウ糖がα-1,6結合した多糖類であり、デキストラン40は平均分子量が4万 になっている。HESはデンプンがα-アミラーゼにより分解されないように、ブドウ糖の6位 の水酸基をヒドロエチル化した多糖類であり、平均分子量7万のものが使用されている。

  • 24.

    膠質液の使い方 膠質液が晶質液より患者の予後を改善するというエビ デンスはなく、値段も高いので、使われる場面は少な い(大量出血や手術の時など)。 ヒドロキシエチルデンプン製剤は、生理食塩液に比し て、腎障害などの有害事象が多いという報告がある。 アルブミンは血液透析などで血漿増量効果を狙って使 われることがある。

  • 25.

    細胞外液補充液=等張液 Na 血清 142 生理食塩液 154 リンゲル液 147 乳酸リンゲル液 K 4 5 Cl その他 103 重炭酸24 154 4 130 生理食塩液 Ca 4 5 3 リンゲル液 より血漿組成に近づけ るためにKとCaを配合 156 109 乳酸28 乳酸リンゲル液 アルカリを配合

  • 26.

    乳酸リンゲル液 成分 製品名 ラクテック注 乳酸リンゲル液 ソルアセトF輸液 ビカネイト輸液 ラクテックG輸液 糖加乳酸リンゲル液 ソルアセトD輸液 フィジオ140輸液 Na 130 131 130 130 131 140 K 4 4 4 4 4 4 Ca 3 3 3 3 3 3 Cl 109 アルカリ 糖 乳酸28 109 酢酸28 109 重炭酸28 109 乳酸28 ソルビトール 5% 109 酢酸28 ブドウ糖 5% 115 酢酸25 ブドウ糖 1% ビカネイト輸液はMg2+ 2 mEq/L、Citrate3- 4 mEq/Lを含む。 フィジオ140はMg2+ 2 mEq/L、Gluconate- 3 mEq/L、Citrate3- 6 mEq/Lを含む。

  • 27.

    輸液製剤のマインドマップ 生理食塩液 K, Caを添加 乳酸を添加 ラクテック アルカリ化剤を 酢酸に変更 ソルビトールを添加 ラクテックG アルカリ化剤を 重炭酸に変更 ソルアセトF グルコースを添加 ソルアセトD ビカネイト

  • 28.

    生理食塩液 vs 乳酸リンゲル液 乳酸リンゲル液と生理食塩液では、臨床的に大きな差 はない。 生理食塩液は、短時間で大量に投与すると、希釈性ア シドーシスを来すことがあるので、短時間で大量に輸 液する場合は、乳酸リンゲル液がよい。

  • 29.

    1号液〜4号液って何?

  • 30.

    1号液〜4号液 1号液 開始液 2号液 脱水補給液 3号液 維持液 4号液 術後回復液 製品名 Na ソリタ-T1、ソルデム1 90 ソリタ-T2 84 ソリタ-T3、ソルデム3A 35 ソリタ-T4 30 K Cl 乳酸 ブドウ糖 70 20 2.6% 20 66 20 3.2% 20 35 20 4.3% 20 10 4.3% その他 P 10 mmol/l

  • 31.

    ソリタ1〜4号液の現在の使い方 1号液は開始液として使う。 3号液は維持輸液としてよく使われる。 2号液は使わない。 4号液は使わない(少なくとも術後回復液としては使 わない)。

  • 32.

    当院で使用可能な1号液〜4号液 分類 1号液 製品名 ソルデム1輸液 ソルデム3A輸液 ソルデム3AG輸液 Na K Ca 90 35 35 20 20 Cl アルカリ ブドウ糖 その他 70 乳酸20 2.6% 35 乳酸20 4.3% 35 乳酸20 7.5% 37 酢酸20 5% Mg 5 H2PO410mmol/L 28 酢酸20 10% Mg 3, gluconate 5, リン10mmol/L 20 乳酸10 4.3% 3号液 ヴィーン3G輸液 フィジオ35輸液 4号液 ソリタ-T4号輸液 45 35 30 17 20 5

  • 33.

    5 % ブ ド ウ 糖 液 生 理 食 塩 液 生理食塩液 2/3生理食塩液 1号液 1/4生理食塩液 3号液 5%ブドウ糖液

  • 34.

    1号液の使い方 1号液 (ソルデム1輸液) Na K Ca Cl 90 0 0 70 乳酸 ブドウ糖 20 2.6% 生理食塩液と5%ブドウ糖液を2:1でまぜたもの。 Kが含まれていないこと、Na濃度が生理食塩液の2/3 程度であることから、心機能や腎機能が不明時の開始 液として便利。

  • 35.

    3号液の成り立ちについて 考えてみよう

  • 36.

    1日の水のIn-Out 入院中で、飲食できる患者さん In Out 飲水 1500ml 尿 1400ml 食事中の水分 1000ml 便 100ml 代謝水 200ml 汗 300ml 不感蒸泄 900ml

  • 37.

    1日の水のIn-Out 禁飲食で、平熱で汗がないと考えると、 In Out 飲水 0 尿 最低500ml できれば、 1000-1500ml 食事中の水分 0 便 0 代謝水 200ml 汗 0 輸液 ? 不感蒸泄 900ml 禁飲食の時の輸液の適切量は2000ml

  • 38.

    水分2000mLを生理食塩液で補充すると 水分2000ml NaCl=18g(食塩摂取量として多すぎる!) 生理食塩液 生理食塩液 生理食塩液 生理食塩液

  • 39.

    維持輸液として無難な量とは? 水分2000ml そのうち、1本(=500ml)を生理食塩液とし、3本 (=1500ml)を5%ブドウ糖液とする。 K.C.L注射液1アンプル(=40 mEq)を入れる。 生理食塩液 5%G 5%G 5%G KCL

  • 40.

    3号液の成り立ちを考えてみよう 無難な量で作った輸液は、、、 輸液量 Na K ブドウ糖 2000mL 75 mEq 40 mEq 75g 濃度は 37.5mEq/L 20mEq/L 3.75% ソルデム3A輸液の組成は、、、 ソルデム3A Na K ブドウ糖 35 mEq/l 20 mEq/l 4.3% 3号液を4本(2000ml)で 無難な維持輸液となる。

  • 41.

    アメリカはカフェテリア方式 生理食塩液 5%G 5%G 5%G 3号液 3号液 日本は定食方式 3号液 3号液 KCL

  • 42.

    「3号液を4本」 維持輸液は、「3号液を4本」というのが安易で、間 違いが少ない。 3号液は、Na濃度が低いので、ずっと使っていると医 原性の低Na血症になりやすい。特に、ストレスで、 ADHが分泌されているような患者は注意。 「3号液4本」では、カロリーが344kcalしかないこ とにも注意。

  • 43.

    4号液の使い方 4号液 (ソリターT4) Na K Ca Cl 30 0 0 20 乳酸 ブドウ糖 10 4.3% 4号液は3号液をさらに低張にして、Kフリーとした 製剤。 術後はADH作用が亢進していて、低Na血症を来しや すいので、「術後回復液」という言葉の通り、術後に 使うと痛い目に遭う。

  • 44.

    1〜4号液まとめ 1号液は開始液に適した製剤。 3号液4本で無難な維持輸液ができる 4号液は術後輸液としては使わない方がよい。

  • 45.

    ケースに応じた 輸液製剤の使い分け

  • 46.

    これから手術に向かう患者のラインキー プの輸液は何にすべきか?

  • 47.

    手術に向かう患者のラインキープは 急な血圧低下の際に、血管内のボリュームを維持する ことができるような輸液。 急速に輸液をすることがあるので、Kは入っていない ことが望ましい(K 4mEq/L程度なら気にしない)。 生理食塩液 乳酸リンゲル液

  • 48.

    救急外来でのショック患者 血管内のボリュームを維持することが目的。 腎機能が分からない場合には、Kは入っていない方が 安全。 生理食塩液 乳酸リンゲル液 1号液

  • 49.

    嚥下障害があり禁飲食の患者(3日まで) 水、Na、Kの1日必要量を考えると、、、 3号液

  • 50.

    嚥下障害があり禁飲食の患者(3日以上) 3号液4本で投与できるカロリーは? 経腸栄養に変更

  • 51.

    大腸癌術後の患者 腸機能の回復には1週間以上かかる。 経腸栄養は使えない。 中心静脈栄養に変更

  • 52.

    Take Home Message

  • 53.

    輸液製剤をたくさん覚える 必要はない。覚えるものを 最小限にし、そのかわり、 それらは完璧に理解する。

  • 54.

    これだけは覚える輸液組成表 Na K Ca Cl 生理食塩液 154 0 0 154 0 0 5%ブドウ糖液 0 0 0 0 0 5% 0 0 70 20 2.6% 20 0 25 20 4.3% 4 3 109 28 0 1号液 90 (ソルデム1輸液) 3号液 35 (ソルデム3A輸液) 乳酸リンゲル液 130 (ラクテック注) 乳酸 ブドウ糖 単位:mEq/L

  • 55.

    輸液製剤のマインドマップ 3号液G グルコース濃度を増加 1号液 生理食塩液 ヴィーン3G アルカリ剤を 酢酸に変更 3号液 5%G K, Caを添加 乳酸を添加 ラクテック アルカリ化剤を 酢酸に変更 ソルビトールを添加 ラクテックG アルカリ化剤を 重炭酸に変更 ソルアセトF グルコースを添加 ソルアセトD ビカネイト

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