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かたやまたかし

1/47

心不全の評価と治療

  • 内科

  • 循環器内科

  • 初期研修医

  • 心不全
  • 利尿薬
  • 心エコー

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かたやまたかし

地方都市の総合病院

内容

【本スライドの目標】

 心不全をその病態、原因、進行段階の視点で評価し、対処を考えられるようにしましょう

 心不全診療への抵抗感をなくしていただけると幸いです

【本スライドの対象】

・心不全を一通り学んだが、実践的なところがいまひとつわからない先生

・心不全の初期対応や安定後の外来管理を学びたい先生

・初期研修医、内科専攻医、一般内科医

【本スライドの内容】

日本循環器学会のガイドラインに基づきながら、ガイドラインでは言い切れない実践的なことを私見を含めて記載しています

【目次】

・心不全とは

・病態別分類と治療方針の決定

・原因の鑑別

・進行段階別の分類

・療養指導

・クリニカルクエスチョン

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 日本循環器学会ほか. 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

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内容

【本スライドの目標】

 心不全をその病態、原因、進行段階の視点で評価し、対処を考えられるようにしましょう

 心不全診療への抵抗感をなくしていただけると幸いです

【本スライドの対象】

・心不全を一通り学んだが、実践的なところがいまひとつわからない先生

・心不全の初期対応や安定後の外来管理を学びたい先生

・初期研修医、内科専攻医、一般内科医

【本スライドの内容】

日本循環器学会のガイドラインに基づきながら、ガイドラインでは言い切れない実践的なことを私見を含めて記載しています

【目次】

・心不全とは

・病態別分類と治療方針の決定

・原因の鑑別

・進行段階別の分類

・療養指導

・クリニカルクエスチョン

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 日本循環器学会ほか. 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)


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#心電図 #心房細動 #不整脈 #Holter #ホルター

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最終更新:2023年1月18日




診療科ごとのスライド

内科(323)

消化器内科(50)

循環器内科(72)

呼吸器内科(76)

血液内科(29)

糖尿病内分泌代謝内科(45)

腎臓内科(28)

アレ膠リウマチ内科(27)

脳神経内科(90)

総合診療科(124)

救急科(329)

外科(31)

消化器外科(2)

呼吸器外科(3)

乳腺外科(0)

整形外科(77)

脳神経外科(14)

泌尿器科(21)

形成外科(18)

皮膚科(24)

眼科(18)

耳鼻咽喉科(12)

歯科口腔外科(8)

リハビリテーション科(7)

心臓血管外科(4)

小児科(43)

産婦人科(46)

精神科(60)

放射線科(46)

麻酔科(12)

緩和ケア科(22)

感染症科(181)

産業医(8)

初期研修医(298)

その他(279)


心不全の評価と治療

  • 1.

    1 かたやまたかし@循環器内科 最終更新 2022/12/23 心不全の評価と治療 Antaa Slide

  • 2.

    自己紹介 2 かたやまたかし@循環器内科 2009年卒業(卒後14年目) 循環器専門医、総合内科専門医 200床規模の急性期病院で循環器内科医として勤務 この数年は IABP や VA-ECMO など本気の心不全治療とは疎遠

  • 3.

    はじめに 3 本スライドの目標 心不全をその病態、原因、進行段階の視点で評価し、対処を考えられるようになる 心不全診療への抵抗感をなくす 本スライドの対象 心不全を一通り学んだが、実践的なところがいまひとつわからない先生 心不全の初期対応や安定後の外来管理を学びたい先生 初期研修医、内科専攻医、一般内科医 本スライドの内容 日本循環器学会のガイドラインに基づきながら、ガイドラインでは言い切れない実践的なことを私見を含めて記載しています

  • 4.

    4 目次 心不全とは 病態別分類と治療方針の決定 原因の鑑別 進行段階別の分類 療養指導 クリニカルクエスチョン

  • 5.

    5 心不全とは 「心不全」は病態であり、いろんな分類や名前があるので整理しておきます 循環動態の理解も重要ですが本スライドでは扱いません

  • 6.

    心不全とは 6 心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、 だんだん悪くなり、生命を縮める病気 日本循環器学会、日本心不全学会. 2017

  • 7.

    心不全とは 7 心臓が悪いために、 低心拍出 心臓の先へ血液を送り出せない うっ血 心臓の手前で血液が滞る 肺うっ血 息切れ、起坐呼吸 静脈うっ血 むくみ、体重増加 末梢冷感、めまい、 倦怠感、尿量減少 症状の悪化(再発)と改善を繰り返しながら進行し、 心臓だけでなく、呼吸、血液循環、骨格筋などの 総合的な身体機能が徐々に低下し死に至る 息切れやむくみが起こり、 だんだん悪くなり、生命を縮める 器質的・機能的な異常 収縮して血液を押し出す力(EF)の低下、部屋の広がりやすさ(拡張能)の低下、 弁の狭窄や逆流、高血圧、脈の乱れや速さの異常 演者作図 原因 病態 進行性

  • 8.

    心不全の分類は目的によって使い分ける 8 原因別 病態別 段階別 主に急性期の症状に対する治療を考えるとき 原因に対する治療を考えるとき 病状を俯瞰するとき 急性期 クリニカルシナリオ分類(血圧から 1~3 の 3 群に分類し治療) 急性期 Nohria-Stevenson分類(身体所見から 4 群に分類し治療) 慢性期 EF による分類(HFrEF, HFmrEF, HFpEF) NYHA 分類(重症度を自覚症状から I~IV の 4 段階に分類) ステージ分類(進展度を A~D の 4 段階に分類) 演者作図 にーは 虚血性心筋症 狭心症、冠攣縮、ACS 特発性心筋症 DCM, HCM, RCM, ARVC 心筋炎 ウイルス、細菌など 心毒性 薬剤性、アルコール性など 浸潤性 心サル、アミロイド、ファブリ 高血圧性心疾患 弁膜 MS... 先天 VSD...

  • 9.

    心不全管理は 二本柱 +α 9 基礎疾患 病態 依存症 症状があるときに優先 急性期~安定期 予防段階から 心不全代償化の例 利尿薬による うっ血解除 強心薬による 血行動態の改善 基礎疾患に対する治療の例 心筋虚血に対する 冠動脈の血行再建術(PCIなど) 弁膜症に対する 侵襲的治療(弁置換術など) 症候性徐脈に対する ペースメーカ移植術 演者作図 依存症に対する治療の例 糖尿病に対する 薬物治療や食事運動療法 COPD に対する 禁煙指導や吸入薬 慢性腎臓病に対する 尿蛋白抑制や腎性貧血是正

  • 10.

    10 病態別の分類と治療方針の決定 急性期(代償不全) 急性心不全への対応 クリニカルシナリオ分類 Nohria-Stevenson分類 慢性期 EF による分類

  • 11.

    急性心不全への対応(最初の10分) 11 トリアージ 血圧・四肢冷感 心拍数・心電図モニター SpO2・呼吸数 体温 病態評価(クリニカルシナリオ) 10分以内 血行動態は不安定か 血圧90未満・末梢低灌流 血行動態を改善 体液貯留がなければ生食を補液 強心薬 ドブタミン持続静注150mgシリンジ0.3%シリンジ(150mg/50mL) 2mL/h (2γ)で開始 昇圧薬 イノバン注0.3%シリンジ0.3%シリンジ(150mg/50mL) 2mL/h (2γ)で開始 血管収縮薬 ノルアドレナリン注1mg5A組成 (5mg/50mL) 3mL/h (0.1γ)で開始 補助循環(IABP, VA-ECMO, Impella) 呼吸不全はあるか SpO2 90%未満 酸素化を維持 酸素吸入 NPPV(フルフェイスマスクなど)(S/Tモード、IPAP 8、EPAP 4、呼吸数 15/分) 気管挿管 ACSか 胸痛、心電図 (心エコー、トロポニン値) 緊急CAG/PCIの手配 不安定 呼吸不全 ACS 急性心不全 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版(図11)を参考に演者が作図 演者作図

  • 12.

    急性心不全への対応(次の60分) 12 迅速評価 うっ血・末梢低灌流の評価 血液検査、BNP 12誘導心電図 心エコー(+肺エコー) 胸部X線/CT 次の60分以内 CS1 の肺水腫か クリニカルシナリオ 1:血圧140以上 血管拡張薬 ミオコールスプレー0.3mg ニトロール舌下錠 ニトログリセリン点滴静注バッグ(50mg/100mL) 2mL/h (0.33γ)で開始 ハンプ注(注射用水で希釈、単独ルート推奨)4V組成 (4000µg/40mL) 3mL/h (0.1γ)で開始 うっ血(wet)はあるか 肺うっ血、浮腫、頚静脈怒張 利尿薬 フロセミド注20mg (2mL/A) 1A 静注 サムスカOD錠7.5mg 0.5~1錠入院中のみ開始可。高Na血症に注意 アルダクトンA錠25mg 1錠 血圧 140以上 wet 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版(図11)を参考に片山が作図 再評価 病態と治療効果を再評価する 基礎心疾患の診断と、特殊病態の探索 心筋炎 右心不全、収縮性心膜炎 ACS 高血圧緊急症(臓器障害) 不整脈 機械的合併症(ACS後心破裂、大動脈解離、感染性心内膜炎) 肺塞栓 高心拍出心不全(敗血症、甲状腺中毒、貧血、脚気) 次の60分以内 演者作図

  • 13.

    クリニカルシナリオ (CS) 分類 13 収縮期血圧 (mmHg) CS1 肺水腫 血管拡張薬(ニトロール、ハンプ) ±利尿薬(ラシックス) 140 CS2 体液貯留 利尿薬(ラシックス注20mg 1A) 血管拡張薬(ニトロール、ハンプ) 100 CS3 低心拍出 体液貯留がない場合は容量負荷(輸液) 強心薬(ドブダミンシリンジ) 血管収縮薬(ノルアドレナリン) 心原性ショック 薬物治療+補助循環 (IABP, Impella) 90 最初の10分で 血圧から治療薬を判断 CS4 急性冠症候群 CS5 右心機能不全 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版(図12)を一部改変

  • 14.

    Nohria-Stevenson 分類 14 ノーリア スティーブンソン dry-warm (A) うっ血なし、血圧・末梢循環維持 (^-^) warm 低灌流所見なし cold 低灌流所見あり wet うっ血所見あり dry うっ血所見なし dry-cold (L) 脱水、血圧低下・末梢循環不全 wet-cold (C) うっ血、末梢循環不全 wet-warm (B) うっ血、末梢循環不全 四肢冷感、傾眠傾向 身の置きどころのない様相 腎機能悪化 血圧維持→利尿+血管拡張 血圧低下→強心薬のあと利尿 血圧上昇→血管拡張±利尿 血圧維持→利尿+血管拡張 輸液 強心薬 起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難 頚静脈怒張、浮腫、腹水 身体所見から 治療方針を決める 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版(図12)を一部改変

  • 15.

    EF による分類 15 慢性期の心不全増悪予防や 予後改善などが目的 HFpEF ヘフペフ 収縮能が保たれている (preserved EF) 左室駆出率(EF) 50%以上 40%~50% HFmrEF 収縮能が軽度低下している (mild reduced EF) 40%未満 HFrEF ヘフレフ 収縮能が低下している (reduced EF) ACE阻害薬/ARB ベータ遮断薬 ミネラルコルチコイド拮抗薬 基本薬 SGLT2阻害薬 ACE阻害薬/ARB から ARNI への切替え 併用薬 うっ血に対する利尿薬 洞頻脈へ コララン 必要に応じ ジギタリス 血管拡張薬 + 非薬物治療 植込み型除細動器 (ICD)、心臓再同期療法 (CRT) 経皮的僧房弁接合不全修復術 (MitraClip) うっ血に対する利尿薬 依存症に対する治療 個々の病態に 応じて判断 HFpEFは、左室収縮障害と血管硬化が主体 降圧による拡張障害の抑制 血管硬化予防による心負荷軽減 SGLT2阻害薬 SGLT2阻害薬 ベリキューボ ARNI すべての心不全において、疾病管理、運動療法、緩和ケア 2021年ガイドラインフォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療(図2)を一部改変修正

  • 16.

    HFrEF の主な治療薬 16 Fantastic Four

  • 17.

    HFrEF における基本薬 4 剤の導入方法 17 ベータ遮断薬は うっ血を解除後に開始・増量する どれも最大用量を目指す * 臨床試験で用いられた、エンレスト1回50mgから100mgへの増量時の基準です 下表の内容はすべて個人の経験等に基づく私見です! 使用時は必ず電子添文をご確認ください! 演者作表

  • 18.

    心臓にエコープローブを当ててみよう 18 右肩向き 90度 時計回転で 左肩向き 右肩に向けて 寝かせて当てる 左室 左房 右室 右房 長軸像 短軸像 四腔像 厚さと動き 弁の開き 大きさ 演者作図

  • 19.

    弁はざっくりいうと 心エコー図レポートの読み方 19 日本循環器学会ほか 2017 急性・慢性心不全診療ガイドライン p23, 2021 循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン 演者作表

  • 20.

    非薬物療法のいろいろ 20

  • 21.

    21 原因の鑑別 心不全治療の二本柱のもう一つで、循環器内科医の腕の見せどころです

  • 22.

    原因の鑑別は難しいことも多い 22 同じ基礎疾患でも程度や時間経過によって表現型が異なる たとえば同じ虚血性心不全でも... 血行再建で改善する、可逆的な一部の壁運動低下 梗塞後で、不可逆的な一部の壁運動低下 梗塞後の時間経過で左室リモデリングが進行した、全周性の壁運動低下 血行再建で解除しきれない微小血管障害による、全周性の壁運動低下 軽度の虚血による、左室拡張障害 たとえば同じ大動脈弁狭窄症でも... 左室内圧上昇の代償機転としての、収縮能が保たれた求心性左室肥大 リモデリングの進行により、収縮能が低下し左室径拡大した遠心性左室肥大 複数の基礎疾患が関与していることもしばしばある

  • 23.

    主な基礎疾患の表現型パターン 23 演者作表

  • 24.

    24 進行段階別の分類 心不全のステージ分類を患者さんや多職種で共有することで、早い段階からの目標を持った心不全治療につながります

  • 25.

    心不全 ステージ分類 心不全ステージ 25 心不全リスク 症候性心不全 ステージ A 危険因子がある ステージ B 器質的心疾患がある ステージ C 心不全症候がある (既往も含む) ステージ D 治療抵抗性 心不全 ステージ分類 危険因子のコントロール(減塩、食事運動療法、 血圧・血糖・脂質管理) 器質的心疾患の発症予防 器質的心疾患の伸展予防(冠動脈血行再建、降圧薬、 抗不整脈薬など) 心不全の発症予防 症状コントロール QOL改善 入院予防・死亡回避 緩和ケア 再入院予防 終末期ケア 「危険因子」 高血圧 糖尿病 動脈硬化性疾患 身体機能 時間経過 急性 心不全 慢性心不全の急性増悪 (急性心不全)を反復 (突然死) 「器質的心疾患」 狭心症 左室肥大、EF低下 弁膜症 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版(図1)を一部改変 治療目標

  • 26.

    ステージごとに治療も増える 26 心不全リスク 症候性心不全 ステージ A 危険因子がある ステージ B 器質的心疾患がある ステージ C 心不全症候がある (既往も含む) ステージ D 治療抵抗性 心不全 ステージ分類 治療目標 危険因子のコントロール(減塩、食事運動療法、 血圧・血糖・脂質管理) 器質的心疾患の発症予防 器質的心疾患の伸展予防(冠動脈血行再建、降圧薬、 抗不整脈薬など) 心不全の発症予防 症状コントロール QOL改善 入院予防・死亡回避 緩和ケア 再入院予防 終末期ケア 治療の例 降圧薬 例:ARB → ARNI(エンレスト錠) 糖尿病治療薬 例:DPP-4 阻害薬 → SGLT-2 阻害薬(フォシーガ錠、ジャディアンス錠) 抗血小板薬 例:アスピリン(バイアスピリン錠) 狭心症治療薬 例:一硝酸イソソルビド(アイトロール錠) 冠動脈ステント留置術 (PCI) 利尿薬 例:ループ利尿薬 フロセミド(ラシックス錠) ベータ遮断薬 例:ビソプロロール(メインテート錠) 心臓再同期療法 (CRT)、経皮的僧房弁クリップ術 補助人工心臓、心臓移植

  • 27.

    ステージに関する診療ポイント 27 どのステージにおいても、危険因子の管理は重要です 減塩、禁煙、肥満の是正、運動療法 いかに心不全入院させないかが予後に直結します 心不全入院すると、体力が ガクッ と落ち、いろんな合併症を生じやすいです 悪化の徴候を早期に察知し、なるべく入院せずに代償化したいものです 年齢、フレイル、認知機能など個々の状況を考慮した治療目標を ACP および 意思決定支援(心不全入院の退院時などに) 低栄養に対し、塩分制限を軽減して食思不振の改善を図る ポリファーマシーに対し、長期予後改善薬を整理する

  • 28.

    28 療養指導 薬物治療と同じくらい重要です 個々の病態に合わせて要点を押さえ的確に指導します 病態悪化の徴候を早期に察知し再入院を防ぎます

  • 29.

    個々の病態や理解度に合わせた指導 29 自らの症状を振り返ってもらい、心不全とのつながりを理解してもらう 「トイレ歩行だけで息が切れてしまうのは、心不全による症状だったんです」 心不全の病態を理解してもらう(体の状態と症状とを結びつける) 「心臓が悪いと血流が滞って、上流にある肺が水びたしになり息苦しくなる」 「体内の余分な水分を尿として出すことで、心臓の負担が減って楽になる」 心不全が悪化する誘因を知ってもらう 医学的因子(心筋虚血、不整脈、貧血、感染など) 生活因子(塩分・水分の摂取過多、怠薬、過活動、精神的ストレスなど) 心不全悪化に気づくためのセルフモニタリングや受診行動を身につける 息切れしている時に「今、肩で息をしていますね、症状に気付いていますか?」

  • 30.

    セルフモニタリング 30 血圧 と 脈拍数 朝 起床後 1 時間以内、排尿後、朝食や服薬の前 夜 就寝前 1~2分は座位安静にし、呼吸を整えてから測定する(できれば 2 回測定) 食後、入浴後、運動後は避ける 体重 1 日 1 回、起床して排尿した後 うっ血症状(息切れ、むくみ、疲れやすさ、食欲低下、不眠) 自分で意識して気づけるよう、

  • 31.

    心不全増悪時の早期受診の目安 31 急性呼吸不全・意識障害を伴う 安静時の心不全症状、耐えがたい苦痛症状の持続 例 夜間の咳、横になると息苦しい、血圧が低くフラフラする 直ちに救急車を要請し、救急病院を受診 電話相談の上で直ちに受診 心不全症状が軽度だが、悪化し改善しない 安静時にも心不全症状が出現するようになった 例 3 日間で 2 kg 以上の体重増加、足のむくみ、  疲れやすい、だるい、食欲がない 電話で受診相談→すぐ受診が必要かどうか判断し指示 心不全症状はあるが軽度で、労作時など一過性で、安静や塩分・水分管理で改善する 例 体重増加が至適範囲内、または一過性、  夕方のみ足がむくむ、息が切れるが安静ですぐ落ち着く 生活調整(安静、塩分・水分管理) それでも症状増悪する場合は電話で受診相談 すぐ受診が必要! 予約より早めの受診が必要 定期受診まで経過をみてよい状態 心不全療養指導士認定試験ガイドブック 初版 p125

  • 32.

    運動制限? 32 「心不全は安静にする」は、血行動態が安定するまでの話です どの疾患でもそうですが、長期臥床・筋力低下は不利益が大きいです 血行動態が安定したら早めに 離床・リハビリテーション を始めましょう 運動「療法」で、筋力や心肺機能を維持しましょう 持続性の有酸素運動(ウォーキング、自転車エルゴメータ) レジスタンストレーニング(自重負荷、チューブや軽量のダンベルなど) 「苦しくならない程度の運動」が目安です 楽~ややつらい(Borg 指数 11~13)のレベル 過度な活動は心負荷増大による不利益が大きいので避けましょう 過剰負荷の例:20 kg以上の重い荷物を持ち上げて運ぶ、信号を走って渡る 回復する間もなく持続する負荷の例:息が切れても休息なく階段を登りきる 日本循環器学会 心不全療養指導士認定試験ガイドブック p118, p147

  • 33.

    水分制限? 33 水分制限の明らかなエビデンスはありません 軽症の慢性心不全では自由水の排泄は損なわれておらず水分制限不要1) 重症心不全で希釈性低Na血症をきたした場合は水分制限が有用です でも、高齢者で 1 日 2 L 以上は、さすがに過剰です コップ 1 杯の飲水を 1 日に何回も促している高齢者入所施設があるらしい 脱水もないのに飲水することで脳梗塞予防できるエビデンスはありません 服薬しにくくて飲水量が増えてしまっていることがあります 水分量よりも塩分量の方が重要です 過度な水分制限でつらい思いをさせるよりも、減塩の方が予防効果あります 1) 日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン p105

  • 34.

    塩分制限! 34 目標は 1 日 6 g 未満ですが、現実的なところから少しずつ進めましょう まずは、塩分がどれくらい含まれているかを知ってもらいます 濃口しょうゆ 大さじ 1 に 2.6 g( 1 食分近く!) カップラーメンシーフード 1 杯に 4.8 g(2 食分をオーバー!) 無理なく楽しく減塩する工夫を患者本人と一緒に考えましょう レモン、酢、香辛料、ねぎ、しそ、にんにく、しょうが 料理の「味付け」ではなく、素材そのものの味を楽しむよう意識してみましょう 過度な塩分制限が食欲低下を招くことも 1 日あたりの食塩摂取量が過剰でなければ、食欲が低下しない程度にしょっぱくしても(=塩分濃度を濃くしても)いいのではと思います(私見) ただし、しょっぱいものは少量にとどめて、メリハリをつけて口にしましょう

  • 35.

    35 クリニカルクエスチョン(主に私見) うっ血解除の判断方法 慢性期の利尿薬の量 利尿薬が効かないとき むくみの鑑別方法 BNP 高値 外来診察

  • 36.

    CQ1. うっ血解除の判断方法は? 36 労作時呼吸困難感のほか、肺音、胸部X線、心エコー法などから総合的に判断します 労作時呼吸困難感の改善(身体活動度が低い高齢者ではわかりにくい) 湿性ラ音の消失(誤嚥合併例などでは判別しにくい) 胸部X線で肺血管周囲陰影などの改善 心エコーで推定肺動脈圧の改善 右心不全もあれば、浮腫の軽減(浮腫には他の要因が重複していることもあるので、浮腫消失が必ずしも体液量是正の目標とはならない) 肺うっ血解除から胸水消失まで数日程度の時間差があるので、その間の過剰な利尿に注意

  • 37.

    CQ2. 慢性期に利尿薬の量はどう調整する? 37 うっ血解除に必要十分かつ最小限の用量にしましょう うっ血が残存した状態で退院した心不全患者は再入院率が高いことから、うっ血を十分解除することが重要とされています 一方で、ループ利尿薬は生命予後悪化につながるという報告も多くあります うっ血解除・体液量是正のためには腎機能 (Cr) にも犠牲になってもらいましょう (是正後が本来の Cr 値!)

  • 38.

    CQ3. 利尿薬が効かないときはどうする? 38 利尿薬が効きにくい背景を探り、条件を整えていきます 利尿以外の方法も併用してうっ血を軽減します 血管拡張薬で後負荷軽減・血管内容積の代償化(ボリュームシフト) 透析 (HD)、持続的血液濾過透析 (CHDF) 腎臓の交感神経系亢進をいかに抑えるかがポイント * 低アルブミン血症でも、少なくとも Alb 2.0 以上あれば効果不十分にはなりにくいという意見もあるようです (Clin J Am Soc Nephrol 2019; 14: 712-718) 演者作表

  • 39.

    CQ4. むくみの鑑別方法は? 39 「浮腫」は必ずしも体液量過剰が原因とは限りません 身体所見、年齢、身体活動度、併存疾患などから事前確率を考慮の上で、鑑別するための検査項目を選定します 服薬内容(カルシウム拮抗薬など) 尿蛋白、血清Cr(両下肢全体の浮腫は腎不全でよくみられます) D-dimer、下肢静脈エコー(片側性の場合は DVT の可能性が高まります) Hb TP, Alb 甲状腺ホルモン(非圧痕性が有名です) 胸部X線、BNP、心エコー 個人的な印象では廃用性浮腫が最も多いですが、あくまで除外診断

  • 40.

    CQ5. BNP が高い時はどうする? 40 BNP 40 以上、NT-proBNP 125 以上を目安に、基礎疾患や危険因子があれば心エコーでの病態評価をお勧めします 高齢、腎不全、全身炎症で BNP は上昇するので注意 肥満で BNP は低下し過小評価となるので注意 日本心不全学会 「血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について」 の内容から作表

  • 41.

    CQ6. 外来診察では何をする? 41 血圧手帳に記録された 血圧、脈拍数、体重 を確認しましょう 血圧は 125/75 mmHg未満か、症候性低血圧はないか 心房細動患者やベータ遮断薬投与患者は、脈拍数にも注意 うっ血や体液量過剰がないベースとなる体重を大きく逸脱していないか 非代償性心不全の徴候がないか、症状、身体所見などで確認しましょう 労作時の息切れ、起坐呼吸はないか 血液検査で電解質異常、貧血などはないか 薬物の用量が適正かどうか、毎回確認しましょう ベータ遮断薬、ARNI は増量できないか? 利尿薬は減量できないか? 腎機能低下や体重減少により減量が必要な薬はないか? 多職種と連携して補い合い関わり合うことも重要です 安定している時こそ 用量調整のチャンス

  • 42.

    42 まとめ心不全は... いろんな視点での分類があります 病態により治療方針を決めます 原因の鑑別は専門医がします 進行段階を意識しましょう 病態に合わせて指導しましょう

  • 43.

    備考 43 主な参考資料 日本循環器学会ほか.2017年改訂版 急性・慢性心不全診療ガイドラインhttps://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/06/JCS2017_tsutsui_h.pdf2022年12月23日閲覧 日本循環器学会ほか.2021年フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Tsutsui.pdf2022年12月23日閲覧 イラストはすべて「いらすとや」から引用しています 実際の診療にあたっては、ガイドライン、成書、添付文書をご確認ください 本スライドは2022年10月21日に勤務地で開催した第4回循環器疾患勉強会の内容を抜粋・加筆・修正したものです ご意見・改善点をぜひお寄せください スライド更新履歴 2022.12.23 Ver. 1.1

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