テキスト全文
守りのERの目的と目標について
#1. 守りのER 転載・自由配布はしないでください
個人の勉強の範疇に利用をとどめてください
#2. 本日の目標 救急外来での “ながれ” を通して
非救急医として働く皆さんの
今後に活きる考え方・スキルの枠を学ぶ 救急にきてくれたら嬉しいですけど、ひとまず 2
#3. 本日のCONTENTS 救急の診療のながれ - 導入 -
問診・身体診察のピットフォール - 診療 -
意思決定支援(SDM)とコミュニケーション - 技術 -
救急外来から帰宅する - 合意形成 - 3
救急診療の流れと重要性
#5. 救急車 救急外来 Walk in トリアージ
蘇生の判断 問診(SAMPLE)
身体診察
POCUS
血液検査
CT… 蘇生
Clinical Prediction Rule
診断
症状緩和 適切な問診・身体診察と
鑑別疾患(3C等)を想起したplanningが診療の要
やみくもな検査は
後々困るだけのことも… 3C:Critical, Common, Curable 5
#6. 3C:Critical, Common, Curable 救急車 救急外来 Walk in トリアージ
蘇生の判断 問診(SAMPLE)
身体診察
POCUS
血液検査
CT… 蘇生
Clinical Prediction Rule
診断
症状緩和 適切な問診・身体診察と
鑑別疾患を想起したplanningが診療の要
やみくもな検査は
後々困るだけのことも… 心窩部痛・・・胃炎?ではなく、ACS
腹痛/下痢・・・腸炎?ではなく、虫垂炎
腰痛・・・結石?急性腰痛症?ではなく、大動脈瘤切迫破裂
など オーバートリアージを許容する場所
(アンダートリアージは危険しか無い) Must Rule Out(緊急性のあるもの)の評価を優先する 6 Killer 〇〇を逃さない!
コンサルテーションの手法と実例
#7. 救急車 救急外来 コンサルテーション Walk in トリアージ
蘇生の判断 問診(SAMPLE)
身体診察
POCUS
血液検査
CT… 蘇生
Clinical Prediction Rule
診断
症状緩和 Golden time
SBAR communication
5 Cs consultation 7
#8. コンサルテーション S B A R Situation Background Assessment Recommendation The 5C’s consultation Contact Communicate Core question Collaborate Closed the loop J Emerg Med. 2015 Nov;49(5):713-21.
Epub 2015 Aug 4. Erratum in: J Emerg Med. 2016 Aug;51(2):222.
PMID: 26250838. BMJ Open. 2018 Aug 23;8(8):e022202. PMID: 30139905 8
#9. コンサルテーション S B A R Situation Background Assessment Recommendation BMJ Open. 2018 Aug 23;8(8):e022202. PMID: 30139905 ‘Dr Preston, I’m calling about Mr Lakewood, who’s having trouble breathing’ ‘He’s a 54 year old man with chronic lung disease who has been sliding downhill, and now he’s acutely worse’ ‘I don’t hear any breath sounds in his right chest. I think he has a pneumothorax‘ ‘I need you to see him right now. I think he needs a chest tube’ 相談したい状況・メインの症状はどんなの どんな背景の人でそれはどんな状況 どんな所見があって、何を疑っているか なにをしてほしいのか 9
#10. The 5C’s consultation 方法:
米国・カナダ8施設
前向き無作為
対象・評価:
ベースラインvsトレーニング済
Check list・Global rating scale
結果:
トレーニング済がCheck list合計点およびGRS評価が高い
自信が得られていた J Emerg Med. 2015 Nov;49(5):713-21. Epub 2015 Aug 4. Erratum in: J Emerg Med. 2016 Aug;51(2):222. PMID: 26250838.
Acad Med. 2012 Oct;87(10):1408-12. PMID: 22914527. コンサルテーション 10
入院適応の判断基準と流れ
#11. 救急科の〇〇です。発熱・体動困難の80代男性でADL低下のため入院を相談したいんですが、いまお時間大丈夫ですか?
高血圧、脂質異常症の既往があるADLの自立された方ですが、3日前から発熱、本日トイレ歩行もできないとのことで救急要請され当院搬送されました。
身体所見上は熱源に乏しく、血液検査はCRPが12程度の上昇で尿もきれい、胸腹部造影CTを施行しましたが深部膿瘍含め熱源を示唆する所見は見られませんでした。
来院後も悪寒戦慄あり、エントリーは不明ですが菌血症のリスクが高いと思われる点と、自宅生活困難な背景、caregiverもいないということを考えると
入院が安全かと考えますがいかがでしょうか? コンサルテーション(例) 11 自己紹介・礼儀を欠かさず、
要件を1行にまとめてはじめに伝える 依頼したいことを明確に伝える Minor problemで伝えきれないところは最後に付け足す 1−2分にまとまるように準備する ※架空の症例です
#12. Disposition(転機)を決める 救急車 救急外来 コンサルテーション Walk in 入院 帰宅
外来 トリアージ
蘇生の判断 問診(SAMPLE)
身体診察
POCUS
血液検査
CT… 蘇生
Clinical Prediction Rule
診断
症状緩和 Golden time
SBAR communication
5 Cs consultation 入院適応(医学的・社会的) 救急外来は診断を付ける場所でなく、
「方針」を決めるところ 12 ※可能な限り診断はつける
#13. 外来・入院患者でも似た流れ 入院患者の急変 診察 上級医・専門家へ
コンサルテーション 外来 ICUなどへ 継続治療 トリアージ
蘇生の判断 問診(SAMPLE)
身体診察
POCUS
血液検査
CT… 蘇生
Clinical Prediction Rule
診断
症状緩和 Golden time
SBAR communication
5 Cs consultation 13
問診・身体診察の重要性とピットフォール
#14. ある患者の
血液検査結果を待っている間に 別の患者の
造影CTの同意を取り また別の患者の
追加の診察をして またまた別の患者の
コンサルトをすすめる 14
#15. 数多の患者をみる入院・外来業務 “マルチタスクをこなす能力”
が救急外来では特に必要 この能力は日常診療でとても有用 診療の“律速段階”がどこにあるのかを認識する 15
#16. 2 問診・身体診察のピットフォール 16
急性疾患の診断と鑑別のポイント
#17. たとえば、、、 17 突然背中が痛くなった!上の方から下まで痛くなってきた! 歯がガチガチなるほど震えたあと、熱がでて、意識が悪く… 急性大動脈解離 敗血症性ショック 典型的なパターン
#18. 問診が非常に重要 18 患者「自転車でコケて、そのあとから肩が痛い」 研修医「外傷評価でレントゲン取ります!」
救急医「どうやって転けて、どうぶつけたの?」 患者「左にいた車を避けて右側に転けた」「左肩が痛い」 研修医「右側に転けて、左肩が痛いそうです」
救急医「いつから痛いんですか?」 患者「転けて家帰って、ご飯食べてたら痛くなってきた」
「そういえば胸がむかむかする」 救急医「心電図取りましょうか」 急性心筋梗塞 ※架空の症例です
#19. 身体診察が非常に重要 19 患者「だんだん左足がめちゃくちゃいたくなってきた・・・」 研修医「片則の浮腫で下腿圧痛あります」
「担癌患者ですしDVTっぽいです」
救急医「エコー見てみよか」 身体所見:左下腿浮腫、圧痛著名、血色不良 救急医「なんか色悪くない?足背A触れる?」 急性下肢動脈閉塞 身体所見:左足背動脈触れず、ドップラー乗らず
患者「そういえばトイレの時に急に痛みが悪化したんです」 ※架空の症例です
#20. Mimics/Chameleons 20 ミミック カメレオン ある疾患と紛らわしい別の疾患 その疾患と気づけない非典型例 例:脳梗塞かと思ったら偏頭痛 例:失神かとおもったらクモ膜下出血 病歴+身体所見が重要な情報
検査ありきだと逃してしまう レジデントノート 2020年10月 Vol.22 No.10 救急でもう騙されない! ミミックとカメレオン〜紛らわしい疾患たちを見抜いて正しく診断・対処する
患者の主訴の理解と評価方法
#21. 何その症状…? 21 1週間前からあたまがうるさい 話しかけても返事が遅くなった 足が腫れてきた 夜眠れない 世界が斜めに傾いて今にも倒れそう なんでいま!という感情に飲まれず、
「救急外来を受診した理由」をアセスメントする
#22. 知ってる主訴に置き換える 22 1週間前からあたまがうるさい 話しかけても返事が遅くなった 足が腫れてきた 夜眠れない 世界が斜めに傾いて今にも倒れそう →耳鳴?めまいはあるかな →軟部組織感染? →意識障害? →不眠?臥位になれない? →めまい?前失神? 仮にこうだとしたら?
と考えてみる
#23. 知ってる主訴に置き換える 23 1週間前からあたまがうるさい 話しかけても返事が遅くなった 足が腫れてきた 夜眠れない 世界が斜めに傾いて今にも倒れそう →耳鳴?めまいはあるかな →軟部組織感染? →意識障害? →不眠?臥位になれない? →めまい?前失神? →耳鳴でよさそう →NSTIなし!蜂窩織炎だ →心電図…CAVB! →呼吸苦か!心不全だ! →失語だ、脳梗塞あり!
#24. 病歴聴取・身体所見 24 病歴は「具体的な映像にできるくらい」聞き出す
その発症は本当に “突然” か? 何をしている時だったのか?
その増悪は本当に ”急激” か? どれくらいの時間がかかったのか?
その訴えは本当に ”主訴” か? 受診理由を明確に聞き出す
→そして、それらは「今」聞くべきか? 検査を先にすべきではないか? 身体所見は「聞いた人が再現できるように」表現する
その肩の痛みは ”肩” のどこか? 表在痛?関連痛?自動・他動時痛?
その腹痛は “腹部” のどこか? tapping pain?murphy?CVAt?
→そして、それらは「今」見るべきか? 検査を先にすべきではないか?
共有意思決定支援(SDM)の重要性
#25. 3 Shared Decision Making, SDM 25 コミュニケーションスキル
#26. 共有意思決定支援:SDM 「質の高い医療決断を進めるために、
最善のエビデンスと患者の価値観、好みとを統合させるための
医療者と患者間の協働のコミュニケーション・プロセス」 JAMA. 2016 May 17;315(19):2063-4. PMID: 27099970 26
#27. 共有意思決定支援:SDM Soc Sci Med. 1999 Sep;49(5):651-61. PMID: 10452420. パターナリズム SDM インフォームド
コンセント 方針の検討者 方針の決定者 情報の方向 27
#28. 共有意思決定支援:SDM Soc Sci Med. 1999 Sep;49(5):651-61. PMID: 10452420. SDMの4つの必須構成要素
最低限、医師と患者の両方が関与している
医師と患者の双方が情報を共有する
治療法の希望を表明することによって、医師と患者の双方が、意思決定プロセスに参加するための手段を講じる
医師と患者の双方が実施する治療法に合意する そもそも医学的な選択肢が一つしか無い、メリットがデメリットを上回る場合には、SDMとして不適切でインフォームド・コンセントが行われるのが良い 28
救急外来における情報伝達の課題
#29. 救急外来におけるSDM Ann Emerg Med. 2017 Nov;70(5):688-695. PMID: 28559034 Part 1:適したシナリオかどうか(3つ:Figure)
①臨床的に不確実
メリットが上回るときには説得が許容される
②SDMに参加意思がある
自分の状態を把握、代理人も可
③十分な時間がある
時間をかけても患者への不利益がないとき
Part 2:会話を行う
Step1 決めることが大事であることを話す
Step2 選択肢と、メリット・デメリットを話す
Step3 患者の価値観を探る
「今の選択肢を聞いてどう思われますか?」
Step4 価値観をもとに最適な選択肢を一緒に決定する
”先生ならどうしますか?”には答えない!(医師の価値観が基準になる)
選択肢を再確認するのがよい
Part 3:SDMにありがちな誤解
①IC拒否ではない ②良好なコミュニケーションが目的ではない
③不要な検査を削ることが目的ではない ④決定権を患者に委ねるのではない 29
#30. 救急外来におけるSDM Ann Emerg Med. 2017 Nov;70(5):688-695. PMID: 28559034 Part 1:適したシナリオかどうか(3つ:Figure)
①臨床的に不確実
メリットが上回るときには説得が許容される
②SDMに参加意思がある
自分の状態を把握、代理人も可
③十分な時間がある
時間をかけても患者への不利益がないとき
Part 2:会話を行う
Step1 決めることが大事であることを話す
Step2 選択肢と、メリット・デメリットを話す
Step3 患者の価値観を探る
「今の選択肢を聞いてどう思われますか?」
Step4 価値観をもとに最適な選択肢を一緒に決定する
”先生ならどうしますか?”には答えない!(医師の価値観が基準になる)
選択肢を再確認するのがよい
Part 3:SDMにありがちな誤解
①IC拒否ではない ②良好なコミュニケーションが目的ではない
③不要な検査を削ることが目的ではない ④決定権を患者に委ねるのではない 「共に考えて決定する」 30
#31. 治療拒否にはどうするか? 31 Am Fam Physician. 2018 Jul 1;98(1):40-46. PMID: 30215955. Questions to determine the patient's ability to understand treatment and care options Questions to determine the patient's ability to appreciate how that information applies to his or her own situation Questions to determine the patient's ability to reason with that information in a manner supported by the facts and the patient's own values Questions to determine the patient's ability to communicate and express a choice clearly 理解 認識 論理的思考 表明 病態・状況・治療についてを理解しているか 治療をしたor拒否したときの結果の解釈 なぜその選択をするのか・意思決定における価値は 自分の選択を表明できるか 4つの項目で、
「患者の判断能力」を評価
判断能力が欠如しているならば
その意思決定は正しくないことも
→治療を優先する必要がでる
#32. 救急外来での情報伝達 患者の理解度について
高齢患者の退院時の指示の理解度を調べたある小規模な研究
21%が診断を理解せず
56%が帰宅時の指示を理解していなかった
有害事象と有意な関連はなかった
救急外来を受信したあとの患者の12-22%は、
電話で確認しても処方された薬を説明することができなかった Ann Emerg Med. 2012 Aug;60(2):152-9. Ann Emerg Med. 1996 Jan;27(1):49-55.
Am J Emerg Med. 1987 Jul;5(4):283-6. J Patient Saf. 2011 Mar;7(1):19-25. 32
コミュニケーションスキルとその活用
#33. 救急外来での情報伝達 患者への説明について
録音テープをもとにした研究
76%の患者が症状についての説明を受けているが
救急外来の再受診指示は34%しかうけていなかった
質問があるかどうかを尋ねられた患者はわずか16%
退院先の医療機関から理解度を確認された者はいなかったという研究 Ann Emerg Med. 2012 Aug;60(2):152-9. Ann Emerg Med. 2011 Apr;57(4):315-322.e1. Ann Emerg Med. 2004 Sep;44(3):262-7. 33
#34. 救急外来での情報伝達 薬物療法の遵守 フォローアップの遵守 Red Flagを答えられるか すくない! 34
#35. 救急外来での情報伝達 救急対応医師が行うべきこと
情報を的確に伝え
その理解度を確認し
誤解や混乱に合わせて指導しつつ在宅環境の安全を確保する Ann Emerg Med. 2012 Aug;60(2):152-9. 35
#36. スキル Ask Tell 相手の考えを確認 要点を簡潔に伝える Bad newsを伝える上での“コミュニケーションスキル”
は通常の診療においても非常に有用 Ask 伝わっているかを確認する Tell me more “もっと詳しく話していただけませんか?” 神戸中央市民ER・ICUメソッド. 8章2 緩和ケア的アプローチ, 2023 36
帰宅時の判断基準と注意点
#37. コミュニケーションの道筋 会話の流れを組み立てつつ
“感情に常に配慮すること”が重要 悪い知らせを伝える(流れ) 感情に対処する(スキル) 治療のゴールを決める(流れ) 医療者側の準備 経過の推定 “お話は皆さん揃ってますか”
“本人ならどう考えるでしょうか” 2 min rule:2分にまとめる
50% rule:喋りすぎない 感情への対処
“びっくりしますよね…”など “一緒に考えましょう” “驚きますよね”
“腹立たしいですよね” “そんな気持ちも当然です”
“私もそう思います” “よく頑張られていますね” “一緒に考えさせてください” “他に何か
思うことはありますか?” ここまでの話のまとめ
“一緒に考えましょう” 常に感情へ
配慮 価値観を探る
選択肢をだしてもいい 方針と価値観を一致させる プランを提案する
“本人を尊重すると〜〜
のようにするのがいいと
思いますがどうですか?” 神戸中央市民ER・ICUメソッド. 8章2 緩和ケア的アプローチ, 2023 37
#39. 入院適応はない? 医学的入院適応 社会的入院適応 酸素投与が必要 バイタルサインが異常 緊急手術適応 予測死亡率が高い 自分のケアが破綻 Caregiverがいない 虐待の可能性 歩けない Clinical Prediction Ruleを活用 患者が生活できるのかを確認 39
#40. 入院適応はない? 医学的入院適応 社会的入院適応 酸素投与が必要 バイタルサインが異常 緊急手術適応 予測死亡率が高い 自分のケアが破綻 Caregiverがいない 虐待の可能性 歩けない Clinical Prediction Ruleを活用 患者が生活できるのかを確認 わからないときは
「入院する前提」で考えて
「安全に帰れるのか?」
「生活できるのか?」
を検討する 40
高齢者の帰宅時の注意事項
#43. Emerg Med Australas. 2019 Apr;31(2):266-270. PMID: 30884575. 患者の認知障害や精神状態の変化はないか?
安全に歩けるか?
どの程度の介護が必要で、介護者にそれが可能か確認したか?
虐待やネグレクト(セルフネグレクトも含む)の心配は?
新しい処方があれば、薬の相互作用は再確認したか?
退院時の指示を、患者さんや介護者がよく理解しているか?
患者は安心して帰宅の準備ができているか、患者・家族の心配は?
患者のかかりつけ医に治療方針(ケアプラン)が伝えられているか? 高齢者を帰宅させる場合の注意 43
帰宅時のチェックリストと指示
#45. 万全の準備 いざ帰宅 “かきくけこ”でチェックする 45
#46. “かきくけこ” “か” “く” “き” “け” “こ” 外来予約・外来紹介 帰宅指示書・帰宅時説明 薬 結果説明 コスト 紹介状は積極的に書きましょう
フォローアップが必要な病態のとき
憩室炎、尿路感染、非特異的腹痛…
患者が希望するとき
新規処方するとき
前医の処方を変更するとき
かかりつけでの調整が必須のとき(便秘薬等)
後々診断書が必要な場合(救急では書かない)
頻回受診患者のとき
など 鎮痛・解熱薬等の処方希望があるかを確認しましょう 超音波等のコストをもれなく取ること
病院経営がいまいち
→職場環境がいまいちに… 志賀 隆. “当直ハンドブック”, p.282 46
#47. J Accid Emerg Med. 2000 Mar;17(2):86-90. PMID: 10718226 暫定診断名① ③予想される経過
療養上の注意 鑑別診断名② 処方内容と目的④ フォローアップ
次回予約⑤ ⑥早期再診の目安 帰宅指示書 47
再受診・フォローアップの重要性
#50. 再受診・フォローアップ 横ばい・改善傾向 増悪傾向
急激な悪化 外来へ 再受診 50
#51. 再受診・フォローアップ 横ばい・改善傾向 外来へ 「経過」から
合併症・治療経過を評価 今後の検査の必要性判断 51
#52. 再受診・フォローアップ 増悪傾向
急激な悪化 再受診 「予想される自然経過」
からの逸脱 Red Flagに相当する 52
救急医の役割とその重要性
#53. 再受診・フォローアップ 合併症や治療経過の評価?
自然経過はどう判断する?
Red Flag? 疾患・症候によって
予想できるものが異なる 覚えれない!
・・・適宜確認する 53
#55. 注意すること:私見 ポイントになるのは…
鑑別(3C等)が挙げれているか
Critical, Common, Curable
臨床経過をどれだけ推測できるか
合併症の徴候を見抜けるか 55
救急医療の10箇条とまとめ
#57. Emergency Physicianの役割 57 メディカルコントロールへの関与
緊急度・重症度を問わないGeneralist
人的・物的資源の制約がある環境でもパフォーマンスを最大に
マルチタスク
教育
診療科を超えたマネージメント・リーダーシップ 専門科が専門を活かせるように → 幅広い守備範囲で初期対応をする
困ったときにどうするか → トラブルシューティング
社会的プロブレムとの対応 → 社会のセーフティネットとしての役割 JJAAM. 2022; 33: 204-36
#58. Emergency
Physician
(ER医) Intensivist Trauma
Surgeon Clinical Toxicologist IVR 熱傷 行政 研究 緩和ケア 開業 58
#59. Emergency
Physician
(ER医) Intensivist Trauma
Surgeon Clinical Toxicologist IVR 熱傷 行政 研究 緩和ケア 開業 Emergency Physicianの役割は
拡充されていっている 59
#60. 救急医療の10箇条 ABCの確保、慎重に
ナロキソン、グルコース、チアミンを忘れない
妊娠検査、ベッドサイドエコーを
最悪の事態を想定する
不安定なら画像検査に行かせない、行かなければならないなら一人で行かせない レッドフラッグを見極める
誰も信じるな、(カルテでさえも)信じるな
失敗から学べ
自分の家族と同じように接しなさい
疑わしきは、常に患者のそばに立て Ann Emerg Med. 2021 Mar;77(3):367-370. PMID: 33618812. 60
#61. Take Home Message 1. オーバートリアージを許容して方針決定!
2. 律速段階(時間)を意識したSmartな診療を!
3. 問診・身体診察を丁寧に!受診理由を確認!
4. 患者と方針を「共同決定」する!(SDM)
5. 感情を置き去りにしないコミュニケーションを!
6. “かきくけこ”で帰宅前チェック 身を守る指示・記載
7. Emergency Physicianが増えるとみんな助かる!(はず) 61