#4.
本日の目標 ①血液培養を適切なタイミングで採取できる ②血液培養を正しく採取できる ③血液培養が陽性になった時に適切に対処できる 4
#5.
血液培養,いつ採るのか 菌血症を疑った時! とりあえずCRPが高い時? それは具体的にはどんな時? よくわからない高熱の時? 感染症でショックに なっている時! 5
#6.
そもそも,血液培養をなぜ採るのか 6
#7.
血液培養,なぜ採るのか 血液培養から得られる情報 ⇨菌血症かどうか 7
#8.
血液培養,なぜ採るのか 血液培養は菌血症の証明のためだけでなく 診断の見直しにも使える! 8
#9.
血液培養,なぜ採るのか 血液培養から発育した菌で,診断を軌道修正できる 例)85歳女性.発熱と腰痛で救急搬送.細菌尿あり. ⇨尿路感染症としてセフトリアキソンで治療開始 ⇨血液培養2セット全てからMSSAが発育 MSSA が尿路感染症の起因菌? 9
#10.
感染症診療の原則 85歳女性 尿? 血流 腰椎 • 発熱と腰痛あり • MSSAが血液培養から発育 MSSA • 黄色ブドウ球菌菌血症としての マネジメントが必要! • 腰痛は化膿性脊椎炎の合併を疑う 微生物から,感染臓器を見直す 10
#11.
血液培養,なぜ採るのか ①菌血症の証明のため ②診断の見直しのため 11
#12.
血液培養,いつ採るのか ①菌血症の証明⇨菌血症を少しでも疑う時に採る ・悪寒戦慄や頻呼吸を伴う発熱 ・血圧低下や低体温などの全身状態不良 ・原因不明の病態(敗血症まで至っていない菌血症もある) ②診断の見直し⇨「誤診の代償が大きい」と判断した時に採る ・高齢者や免疫抑制患者の変調 ・暫定診断では辻褄が合わないところがある ・抗菌薬投与前(培養採らないと病態の「迷宮入り」リスク大) 12
#13.
血液培養,いつ採るのか 「これ,診断違ったらヤバいな」 と思った時は,血液培養を採るべき時! 13
#14.
血液培養,いつ採るのか 血液培養を採って困ることよりも, 血液培養が採られてなくて困ることは非常に多い 血液培養陰性なら,菌血症ではなかったと安心. 血液培養陽性なら,速やかに診断の軌道修正を! 14
#15.
本日の目標 ①血液培養を適切なタイミングで採取できる ②血液培養を正しく採取できる ③血液培養が陽性になった時に適切に対処できる 15
#16.
血液培養,採るのに何が足りない? ※全て当院物品,奥山撮影 16
#17.
血液培養,採るのに何が必要? 血液培養ボトル2セット計4本(好気・嫌気で1セット) 未滅菌手袋(※消毒後も穿刺部位に触れそうなら滅菌手袋必須) 酒精綿(採血1箇所につき最低2枚で汚れをゴシゴシ拭き取る) クロルヘキシジン 採血1箇所につき2本×2 20mlシリンジ2本 針(失敗するリスクに備えて多めに) 駆血帯 針捨てボックス 絆創膏 ※Up To Date:Detection of bacteremia: Blood cultures and other diagnostic tests 17
#18.
血液培養,採るのに何が必要? 正解は 酒精綿 でした!! ※全て当院物品,奥山撮影 18
#19.
血液培養,採る際の注意点 まずは酒精綿で,表面の汚れをゴシゴシ拭き取る! 汚れをとって初めて,消毒薬が効果を発揮する! 推奨 ポピドンヨード クロルヘキシジン 乾くまで2分待つ 乾くまで30秒待つ 消毒薬は乾くこと で殺菌力を発揮する ⇩ 速く乾くほど殺菌力 発揮しやすい Doern GV, Carroll KC, Diekema DJ, et al. Clinical microbiology reviews. 2019;33(1) 19
#20.
血液培養,採る際の注意点 • 末梢静脈穿刺が望ましい(動脈血でなくて良い) • 鼠径,CVからの採取は避ける(コンタミのもと) • 穿刺用と分注用に,針は必ずしも取り替えなくて良い ※針の取り替えは針刺し防止的には非推奨 • 1ボトル10mlは血液を入れる(1セット採取に20mlは必要) 20
#21.
血液培養,何セット採る? 基本的に2セットは採る! ⇨①菌の検出感度を上げるため 100 検 80 出 感 度 60 ( % 40 ) 20 87.7 96.9 99.7 73.2 1セットでは7割程度の 検出感度しかない. 2セット採れば9割近く, 3セットでほぼ10割の 検出感度. 感染性心内膜炎の診断 のためには,繰り返し 血液培養を採取する. 0 1セット 2セット 3セット 血液培養セット数 4セット Lee A, Mirrett S, Reller LB, et al. Journal of clinical microbiology. 2007;45(11):3546. 21
#22.
よし,血液培養を2セット採ったぞ! 22
#23.
血液培養2セット中1セットから,24時間で グラム陽性桿菌が発育しました!! 結果を正しく解釈できますか? 1セットでグラム陽性桿菌 ならコンタミかな? 23
#24.
本日の目標 ①血液培養を適切なタイミングで採取できる ②血液培養を正しく採取できる ③血液培養が陽性になった時に適切に対処できる 24
#25.
ここでクイズ! 次の菌種の中で,血液培養1セットのみの発育でも,基本的にコンタミ ネーション(コンタミ)と考えてはいけないものはどれですか? 全て選んでください. ①黄色ブドウ球菌 ②コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 ③大腸菌 ④バシラス属 ⑤カンジダ属 25
#26.
血液培養,何セット採る? 基本的に2セットは採る! ⇨②真の菌血症かどうか判断する助けになるため • 2セット以上発育したら,真の菌血症! • 1セットだけ発育したら,個別に判断! 患者背景・臓器・微生物から病態を考えよう! 26
#27.
もし1セットしか採らないと・・・ • 血液培養結果の解釈で非常に悩むことに・・・! ・1セット中1セット陽性(皮膚常在菌の場合) 可能性①本来2セット採っていれば2セット陽性だった =真の菌血症とすぐに判断できたかもしれない・・・ 可能性②2セット採取しても1セット陽性だった =真の菌血症もコンタミの可能性も両方あり得る ・1セット中1セット陰性 1セットでは7割程度の検出率= 3割で菌血症を見逃しているかも! 27
#28.
もし1セットしか採らないと・・・ • 血液培養結果の解釈で非常に悩むことに・・・! ・1セット中1セット陽性(皮膚常在菌の場合) 可能性①本来2セット採っていれば2セット陽性だった =真の菌血症とすぐに判断できたかもしれない・・・ 可能性②2セット採取しても1セット陽性だった =真の菌血症もコンタミの可能性も両方あり得る 結局,2セット採ってもこれら ・1セット中1セット陰性 をどう判断するのかな? 1セットでは7割程度の検出率= 3割で菌血症を見逃しているかも! 28
#29.
確かに,コンタミしやすい菌種はある① CNS Cutibacterium acnes (コアグラーゼ陰性ブドウ球菌) (キュティバクテリウム アクネス) ※S. lugdunensisは例外 Pien BC, Sundaram P, Raoof N, et al. The American Journal of Medicine. 2010;123(9):819-28. ※写真は全て奥山撮影(総合倍率1000倍) 29
#30.
確かに,コンタミしやすい菌種はある② Bacillus sp. (バシラス属) Corynebacterium sp. (コリネバクテリウム属) Pien BC, Sundaram P, Raoof N, et al. The American Journal of Medicine. 2010;123(9):819-28. ※写真は全て奥山撮影(総合倍率1000倍) ※※Corynebacterium sp.の写真のみ喀痰検体 30
#31.
一度,感染症診療の原則に立ち帰る 85歳女性 末梢静脈から長期間 アミノ酸製剤投与 血液培養2セット中1セットから, Bacillus cereus が24時間で発育 診察に行くと,患者がぐったりしている 末梢カテーテル留置部位の熱感と圧痛著明 アミノ酸製剤を長期間投与されていた 血流 Bacillus cereus カテーテル血流感染症として治療開始! 実際に患者を診ること,感染症診療の原則が大事 31
#32.
菌の発育時間も参考に • 臨床的に重要な菌血症の多くは,48時間以内に血液培養 が陽性になる Doern GV, Brueggemann AB, Dunne WM, et al. Journal of clinical microbiology. 1997;35(5):1290-2. 発育時間が早いほど、真の菌血症らしさ↑ 発育時間が遅いほど、コンタミらしさ↑ しかし例外もあり,あくまで参考に過ぎない 発育時間だけで判断するのではなく, 2セット以上採ること,臨床像,菌種などから 総合的な判断をすることが大事 32
#33.
2セット中1セットしか発育しなかった時の対応 血培 1 セットのみから皮膚常在菌が発育 YES ①体内デバイスはあるか? NO デバイス局所の疼痛・発赤・排膿は? NO YES ②熱源(肺・尿など)は明らかか? ※皮膚常在菌が起因菌とならない熱源 NO 改めて臨床像を確認, 必要に応じて血液培養再検など再評価 コンタミを疑う YES 真の菌血症を疑う (デバイス関連感染症) 注意!デバイス局所の所見がないからといって,デバイス関連感染症 を否定はできない! 33
#34.
血液培養の解釈,基本の型 • 2セット以上発育したら,真の菌血症! • 1セットだけ発育したら,個別に判断! 患者背景・臓器・微生物から病態を考えよう! ※1セットでも【全例】真の菌血症と考える菌種がある! ⇨代表的な5種類を覚えよう! 34
#35.
1セットの発育でも真の菌血症と考える菌種 ①S. aureus ②Candida sp. (黄色ブドウ球菌) ③グラム陰性桿菌全般 (カンジダ属) Pien BC, Sundaram P, Raoof N, et al. The American Journal of Medicine. 2010;123(9):819-28. ※写真は全て奥山撮影(総合倍率1000倍) 35
#36.
1セットの発育でも真の菌血症と考える菌種 ④β溶血連鎖球菌 ⑤肺炎球菌 Pien BC, Sundaram P, Raoof N, et al. The American Journal of Medicine. 2010;123(9):819-28. ※写真は全て奥山撮影(総合倍率1000倍) 36
#37.
クイズの答え 次の菌種の中で,血液培養1セットのみの発育でも,基本的にコンタミ ネーション(コンタミ)と考えてはいけないものはどれですか? 全て選んでください. ①黄色ブドウ球菌 ②コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 ③大腸菌 ④バシラス属 ⑤カンジダ属 37
#38.
5種類のうち,この2種類は対応まで覚える ①S. aureus (黄色ブドウ球菌) ②Candida sp. (カンジダ属) やるべきことは決まっている! 38
#39.
黄色ブドウ球菌菌血症 Staphylococcus aureus bacteremia 39
#40.
黄色ブドウ球菌菌血症(SAB)はなぜ怖い? • 感染性心内膜炎(IE)の原因となる • 高頻度で様々な臓器に播種病巣を形成する ・化膿性脊椎炎/硬膜外膿瘍 ・膿胸 ・腸腰筋膿瘍 ・敗血症性肺塞栓症 ・脳梗塞 ・髄膜炎 Souli M, Ruffin F, Choi S-H, et al. Clinical Infectious Diseases. 2019;69(11):1868-77. 40
#41.
SABは内科緊急疾患! 診断と治療が進歩しても, 今なおSABの90日死亡率は 25%を超える! ⇨速やかに,適切な対応を! ※CNSでも,S. lugdunensisは, S. aureusと同様の対応が必要! Bai AD, Lo CKL, Komorowski AS, et al. Clinical Microbiology and Infection. 2022;28(8):1076–84. 41
#42.
血液培養で黄色ブドウ球菌が生えたらこれをやる! ①血液培養フォロー ②感染巣コントロール SABバンドル ③感染性心内膜炎の評価 ④適切な抗菌薬選択 ⑤適切な治療期間の設定 López-Cortés LE, Del Toro MD, Gálvez-Acebal J, et al. Clinical Infectious Diseases.2013;57(9):1225-33. 42
#43.
①血液培養フォロー • 初回血液培養から48時間後を目安にフォロー Steven Y. C. Tong M, Vance FJ, Lesley Skalla, et al. JAMA. 2025;334(9):798-808. • SABにおける血液培養再検の意義は,治療開始起点の決定 ⇨SABの治療期間は血液培養陰性化日からカウントする 43
#44.
②感染巣コントロール • 痛いところに感染源あり.診察で当たりをつけ画像評価! • CVカテーテルなど,抜去できるデバイスは抜去 • 人工物には血流がなく,抗菌薬投与だけでは不十分 ⇨人工物に感染がついたら,感染人工物は基本除去 • 膿瘍には菌量が多く,抗菌薬投与だけでは不十分 ⇨可能であれば積極的に膿瘍ドレナージを! 参考:Steven Y. C. Tong M, Vance FJ, Lesley Skalla, et al. JAMA. 2025;334(9):798-808. 44
#45.
③感染性心内膜炎(IE)の評価 SABでは,全例で経胸壁心エコー(TTE)を! Steven Y. C. Tong M, Vance FJ, Lesley Skalla, et al. JAMA. 2025;334(9):798-808. TTEで評価するべきポイント ・疣贅 ・弁輪部膿瘍 ・IEになりやすい素因 例)中等度以上の弁逆流症や弁狭窄症 経食道心エコー(TEE)実施するかは VIRSTA scoreも参考になる 45
#46.
参考)VIRSTA score 合計3点以上でTEEを検討 臨床所見 点数 脳または末梢の塞栓症 5点 髄膜炎 5点 心内デバイスの留置 または 感染性心内膜炎の既往 4点 静注薬物使用歴 4点 既存の自然弁膜疾患⇨TTEで見るべきポイントの一つ! 3点 持続菌血症(※初回培養から48時間後も陽性) 3点 椎体骨髄炎 2点 市中感染 または 非入院医療関連感染 2点 敗血症性ショック または 重症敗血症 1点 CRP >19 mg/dL 1点 Tubiana S, Duval X, Alla F, et al. Journal of Infection. 2016;72(5):544–53. 46
#47.
④適切な抗菌薬選択 • 経験的治療はバンコマイシン(VCM)で開始 • IEを疑う時は最初からセファゾリン(CEZ)併用も検討 (※VCMはMSSAに対して、CEZに効果が劣る) • MSSAと判明⇨基本的にはCEZに適正化 • MRSAと判明⇨VCMを継続 ※McConeghy KW, Bleasdale SC, Rodvold KA. Clinical Infectious Diseases. 2013;57(12):1760-5. 47
#48.
VCMの投与方法 必ずローディングすること! • 初回は腎機能に関係なく,1回 25-30mg/kg(最高で2g) ※腎障害が起こるのは複数回投与後 VCM >1gなら生食250mlに溶いて2時間以上 VCM≦1gなら生食100mlに溶いて1時間以上 レッドマン症候群対策 15-20mg/kg 1日2回 • 2回目以降 1回 ※腎機能が悪いなら,CCrに応じて減量 • TDMはトラフガイドよりも,AUCガイドを推奨 AUC目標 400-600 μg・h/mLを達成するように,薬剤部と相談 MRSA 感染症の診療ガイドライン 2024 48
#49.
⑤適切な治療期間の設定 • SABの標準治療期間 :血液培養陰性化日から4週間 • 感染性心内膜炎や骨髄炎のあるSABの治療期間 :血液培養陰性化日から6週間以上 Liu C, Bayer A, Cosgrove SE, et al. Clinical infectious diseases. 2011;52(3):e18-e55. 合併症のない非複雑性SABなら2週間に短縮も可能だが, あくまで積極的な播種病巣検索が必須 参考:Chong YP, Moon SM, Bang KM, et al. Antimicrobial agents and chemotherapy. 2013 Mar;57(3):1150-6. 49
#50.
非複雑性SABの条件(全てを満たすこと!) 0. Entry どこから菌が入って きたのか ・IEを起こしやすい素因 (人工弁,二尖弁,IEの 既往など)がない 1. Primary 血流感染症(血管内 感染症)ではないか ・Primary focusが判明して それが除去できている 2. Secondary どこかに菌が飛んで いないか ・骨髄炎がない ・遠隔病巣がない ・TEEでIEの所見がない ・人工物が体内にない ・適切な抗菌薬投与して 72時間以内に解熱しかつ 血液培養が陰性化 参考:Chong YP, Moon SM, Bang KM, et al. Antimicrobial agents and chemotherapy. 2013 Mar;57(3):1150-6. 50
#51.
MRI正常なら骨髄炎はない? MRIは骨髄炎を診断するのに最も感度が高い Maamari J, Tande AJ, Diehn F, et al. Journal of Bone and Joint Infection. 2022;7(1):23–32. MRIの骨髄炎変化 ・症状が2週間未満:91% ・症状が2週間以上:96% ⇨発症2週間未満の患者では10%見逃す! ⇨腰背部痛があるなら,1-2週間をあけてMRIをフォローすべき Carragee EJ. Spine. 1997;22(7):780–785. 51
#52.
カンジダ血症 52
#53.
カンジダ血症はなぜ怖い? カンジダ血症患者の1年死亡率は 28%に上る! Thompson Iii GR, Chastain DB, Ferraz C, et al. Medical mycology. 2024;63(1):myae122. 3.6%で眼内炎発症!(アジア圏) カンジダ血症患者の 失明することも! Phongkhun K, Pothikamjorn T, Srisurapanont K,et al. Clinical infectious diseases. 2023;76(10):1738-1749. 黄色ブドウ球菌菌血症同様, 速やかに,適切な対応を! 53
#54.
血液培養でカンジダ属が生えたらこれをやる! ①速やかなカテーテル抜去 ②エキノキャンディン系抗真菌薬投与 カンジダ血症 バンドル ③眼内炎等の播種病巣の評価 ④血液培養フォロー ⑤菌種同定後の抗真菌薬最適化 参考:Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 54
#55.
①速やかなカテーテル抜去 • カンジダ属は,カテーテル血流感染症の原因微生物 として非常に重要 • カンジダ血症と判明次第,可及的速やかに, 遅くとも診断後24時間以内に, 中心静脈カテーテルを抜去する Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 55
#56.
②エキノキャンディン系抗真菌薬投与 Candida albicans:50% ⇨アゾール系抗真菌薬に感受性あり Candida spp. Non Candida albicans:50% ⇨アゾール系抗真菌薬に耐性があるものも 参考: Pfaller MA, Andes D, Diekema DJ, et al. Drug resistance updates. 2010;13(6):180. Pfaller MA, Diekema DJ, Gibbs DL, et al. Journal of clinical microbiology. 2008;46(2):515-21. • 遅滞なくエキノキャンディン系抗真菌薬投与を開始する 処方例)ミカファンギン1回100-150mg1日1回 Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 56
#57.
③眼内炎等の播種病巣の評価 • 播種病巣,特に眼内炎のリスクが高い ⇨ カンジダ血症が判明次第,眼科的評価を! ※好中球減少症患者においては,好中球数回復後にも検査 • エキノキャンディン系抗真菌薬は硝子体への移行性が悪い ⇨眼内炎合併例は要注意.眼科と連携して治療を行う • 血液培養陽性が持続する場合,感染性心内膜炎評価も行う Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 57
#58.
④血液培養フォロー • 初回血液培養から48時間後を目安にフォロー Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. • 血液培養再検の意義は,治療開始起点の決定 ⇨治療期間は血液培養陰性化日からカウントする つまり,黄色ブドウ球菌菌血症と同じ! 58
#59.
⑤菌種同定後の抗真菌薬最適化 • 菌種が同定され可能なら, 経口フルコナゾールへ変更 (Step-down therapy ) • 合併症のないカンジダ血症の治療期間(好中球正常時) :血液培養陰性化日から最低2週間 • 合併症のあるカンジダ血症の治療期間(好中球正常時) :血液培養陰性化日から最低4-6週間 かつ眼内炎がある場合は眼内炎所見消失まで ※好中球減少患者は,好中球数が回復するまで治療必要 Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 59
#60.
1セットの発育でも真の菌血症と考える菌種 ③グラム陰性桿菌全般 ④β溶血連鎖球菌 ⑤肺炎球菌 これらはどう対応する? 60
#61.
それ以外の真の菌血症では? • 患者背景・臓器・微生物から病態を再評価する (感染症診療の原則の通り) • 抗菌薬が未開始,入っていても発育した菌をカバーして いなければ,速やかに適切な抗菌薬を入れる • 膿瘍ドレナージ等,必要な感染巣コントロールを行う 61
#62.
今回のレクチャーで最低限 覚えてほしい項目は,5 ×3! 62
#63.
今回覚えるべき5項目その① 1セットでも真の菌血症 • 黄色ブドウ球菌 やるべきことは決まっている! • カンジダ属 ⇨バンドルに則って対応する! • グラム陰性桿菌全般 • β溶血連鎖球菌 • 肺炎球菌 63
#64.
今回覚えるべき5項目その② ①血液培養フォロー ②感染巣コントロール SABバンドル ③感染性心内膜炎の評価 ④適切な抗菌薬選択 ⑤適切な治療期間の設定 López-Cortés LE, Del Toro MD, Gálvez-Acebal J, et al. Clinical Infectious Diseases.2013;57(9):1225-33. 64
#65.
今回覚えるべき5項目その③ ①速やかなカテーテル抜去 ②エキノキャンディン系抗真菌薬投与 カンジダ血症 バンドル ③眼内炎等の播種病巣の評価 ④血液培養フォロー ⑤菌種同定後の抗真菌薬最適化 参考:Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical infectious diseases. 2016;62(4):e1-50. 65
#66.
本日のまとめ • 菌血症を疑った時だけでなく, 「誤診の代償が大きい」 と判断した時に血液培養を採ろう! • 血液培養は,菌の検出感度を上げ,真の菌血症かどうか 判断しやすくするためにも,原則2セット採ろう! • 黄色ブドウ球菌とカンジダ属は,血液培養で1セットでも 発育したら,バンドルに則って対応しよう! 66
#67.
67