テキスト全文
初期研修医向けサマリーの概要
#1. 初期研修医/後期研修医に知ってほしい~サマリーの書き方~ レクチャー動画
心不全患者の症例と経過
#3. 56歳男性 【主訴】苦しい感じがする, 食べれない
【既往歴】30歳 胃潰瘍
生活歴:喫煙 30-50本/日, アルコール ビール1-2本/日
【現病歴】H28. 6月中旬咳嗽が出現, H28.4両下肢疼痛および全身倦怠感が出現. 5月下旬ころ息切れが出現. 7.2○×医院にて受診. レントゲンで肺うっ血を認め, 心不全の診断で7.4当科紹介入院.
Per+ 起坐呼吸
Per- 下痢, 口渇, 下血, 吐血, 皮疹
ダメサマリー
#4. 【主な入院時現症】
慎重 164, 体重 62, 体温 36.9, BP 120/80.
癌研結膜に貧血なし, 眼球結膜に黄疸なし, 心音 Ⅰ音, 2音は清,
心尖部収縮期雑音(Levine Ⅲ/Ⅵ), 両肺やに湿性ラ音を聴取
【主要な検査所見】
BNP 650,
血液ガス pH 7.484, pCO2 34, pO2 99, HCO3- 25.3
胸部Xp 心拡大(CTR 58%), 肺うっ血, 両側胸水
ECG 心房細動 ダメサマリー
#5. 【プロブレムリスト】
#1 うっ血性心不全
#2 僧房弁閉鎖不全症
#3 心房細動
【入院後経過】
#1 うっ血性心不全は, 酸素投与及びラシックス静注による利尿効果が得られ改善した. 原因はCAGでcoronary病変はなし. EFが落ちていたため心筋疾患と推測. 生検で心筋細胞の変性有. 拡張型心筋症と診断. 薬はラシックス, アルダクトン, レニベース, アーチストを開始した.
#2,3 また僧房弁閉鎖不全は心不全改善後に2度まで改善したので保存. Afに関しては電気ショックしてみたけど治らないので, rateコントロールと血栓を予防することにした. ダメサマリー
#6. 【退院時処方】
バイアスピリン(100) 1x, ラシックス(40) 1x, アルダクトン(25)1x, レニベース 5mg 1x, アーチスト5mg2x, ジギタリス(0.25) 1x, ワーファリン(3) 1x
[考察]
拡張型心筋症を背景として心不全になった男性.
ガイドライン通りに利尿薬など投与したところ良好に心不全がコントロールされて退院となった. ダメサマリー
サマリー作成の重要性と手引き
#7. このレクチャーが終わったときには素晴らしいサマリーが書けるようになっています
基本的な記載と診断プロセス
#9. 1.基本的な記載
誤字や脱字, 単位記載間違い, 不適切な日本語を使っていること
医学的な不整合性や基本的な誤りや不備がないこと
2.症例選択
提出課題が適切に中心となり考察されているか.
3.診断プロセスは適切か
現病歴・経過・身体診察は十分記載されている. 陰性所見も重要.
診断に必要な検査や画像所見は十分記載されている.
鑑別診断が十分記載されており, 診断名が適切である.
#10. 4.治療法が適切か
治療薬は一般名で記載すること.
診断名に対して適切な治療法が選択されているか.
主病名の入院後経過が十分記載されているか.
5.十分に考察されているか
EBMを重視しているか. 適切な文献を引用しているか.
考察の長さが妥当であり, 論理的であるか.
6.倫理的妥当性
患者の人権を尊重し, 事情や希望を配慮しているか.
社会的・心理的背景を考慮しているか. 全人的視野で診療しているか.
記載のお作法と注意点
#11. EPOC, 内科専門医サマリーの場合 以下が基本となります
「最も重要なプロブレムが当該疾患」 例えば「糖尿病」で書くときは
○「DKA」「HHS」「低血糖」だった症例
× 肺炎で入院した患者が既往に糖尿病もってた
#13. 基本的な記載のお作法 その1 ☆フォントは統一する. 明朝体11pt前後とする.
☆句読点は「,」「.」で統一する. スペースの使い方も統一する.
☆出てくる英数字,スペースはすべて「半角」とする.
☆単位があるものは「必ず」単位ありで記載する.
☆英語と日本語を無駄に混ぜない. 基本は日本語で書く.
☆誰が見てもわかるもの以外,略語は記載しない. 略語とする場合には 「正式名称(以降××と記載)」と注意書きする.
☆微生物名は斜体にする.
#14. ☆適切な日本語で記載する. 「体言止め」は使わない.
☆口語文は不適切であることを自覚する. 「~である」「~というような」ではなく, 過去形で記載し, 「~した」「~された」「~だった」とする.
☆学会などに提出する場合には個人情報は記載しない.
14 基本的な記載のお作法 その2
主訴・現病歴の記載方法
#16. 主訴 「患者が今回受診した理由」
または
「医療者から見て最も解決すべき症状」 基本的には「患者の言葉」を「医学的な用語」に置き換える.
置き換えられないときは「患者の言葉そのまま」でも可.
#17. 現病歴 「症状の出現から時間経過にそって記載」
「○月×日または来院○日前に統一」 患者が話した順や,聞いた順ではない 時刻の記載が必要であれば×日○時または来院○時間前 ○○○○/××/●●の記載方式は日本語で記載する場合は不適切 サマリーで記載する場合は○月×日が良く プレゼンテーションの場合は来院○日前がわかりやすい
#18. 現病歴 「Semantic Qualifierを適切に使用する」
「患者が主語の文章で, 過去形で記載する 」 患者の言葉そのままではなく医学的な用語に置き換える 置き換えられないときは患者の言葉をそのまま記載も可 患者の表現が鑑別などに有用な場合はそのまま記載する 「~した. ~された. ~だった. 」で記載する 「です, ます」「である」「~といった」記載は不適切
#19. 現病歴 「OPARSTを適切に使用する」
どんな主訴,現病歴でも使える 箇条書きではなく, 文章として現病歴に入れ込む 良くない書き方
受診日朝から臍の下あたりの腹痛が出現し, 全体的な痛みになった.
その後39度の発熱と下痢があったため, 救急外来受診を受診した.
O徐々に,
P臍,
Q絞るような, 持続的
Rなし
S食事関係なし, 排便で楽, 嘔気あり,
T悪くなってる 正しい書き方
受診日朝から徐々に臍の下あたりの絞るような腹痛が出現した.
最初は5-10分ごとに痛みが強くなっては楽になることを繰り返していたが,
徐々に痛みは腹部全体に広がり持続的となり, 嘔気も出現した.
39度の発熱と下痢があったため, 救急外来受診した.
疼痛は食事や歩行では増悪せず, 排便後に少し改善した.
#20. 「主訴・診断に関連性のある事項をうまく使う」 現病歴 Pertinent positive →関連のある陽性所見 Pertinent negative→関連のある陰性所見 糖尿病, 高血圧, 多重喫煙歴のある60歳男性が, 2時間前に突然発症の左肩への放散痛および冷や汗を伴う前胸部の締め付けられるような胸痛で受診した.
嘔気・嘔吐や失神, 疼痛部位の移動はみられなかった.
体動では増悪せず, 食事摂取のタイミングも無関係であった. Review of systemsと混同しない 胸痛で受診した患者さんの場合
既往歴と生活歴の記載方法
#21. 「患者/家族の証言, 前医の情報の扱い」
現病歴おまけ 必要なものを取捨選択して, 現病歴に入れるのが基本 前医データが多い場合は, 検査結果の項目にまとめて記載
#22. 既往歴 既往症が発症した時期を「西暦もしくは患者年齢順」で記載する
治療・手術などは可能な限り具体的に記載する.
主病名などと関連が深いものは現病歴に記載する.
#23. 飲酒歴, 喫煙歴, 食事趣向, 職業などを記載する.
出生地/居住地/家族歴は関係がある疾患を想起する場合には記載する.
性交渉歴や月経についても必要があれば記載する.
アレルギーは「薬物アレルギー, 食物アレルギー」に分けて確認する.
内服は「一般名 含有量 錠数 飲み方」と記載する.
Ex, ニフェジピンCR(20) 1T1x朝食後 生活歴/家族歴/アレルギー/内服
#24. 56歳男性 【主訴】苦しい感じがする, 食べれない
【既往歴】30歳 胃潰瘍
生活歴:喫煙 30-50本/日, アルコール ビール1-2本/日
【現病歴】H28. 6月中旬咳嗽が出現, H28.4両下肢疼痛および全身倦怠感が出現. 5月下旬ころ息切れが出現. 7.2○×医院にて受診. レントゲンで肺うっ血を認め, 心不全の診断で7.4当科紹介入院.
Per+ 起坐呼吸
Per- 下痢, 口渇, 下血, 吐血, 皮疹
ダメサマリー
来院時現症と検査結果の記載
#25. 56歳男性 【主訴】息切れ, 食思不振
【現病歴】
平成28年4月頃から両下肢の疼痛と全身倦怠感が緩徐に出現した.
5月下旬ころから労作時の息切れが出現した.
6月中旬ころから湿性咳嗽が出現し, 夜横になって眠ると1時間ぐらいすると
呼吸困難感が出現して眼が覚めることを繰り返すようになり, 座位になると
症状が楽になるため半坐位で睡眠をとるようにしていた.
7月2日に上記症状が増悪し, 食事摂取もできなくなったため近医を受診したところ,
胸部単純X線写真で肺うっ血及び心拡大を認めたため心不全が疑われ,
同日当院に紹介され入院となった. 経過中に10kgの体重の増加を認めたが, 胸痛,
失神は認めなかった.
いいサマリー
#26. 【既往歴】
30歳 胃潰瘍,
これまで健康診断で糖尿病, 高血圧, 脂質異常症, 心電図・胸部単純X線
異常を指摘されたことはない
【生活歴】
喫煙 20歳から30-50本/日, 飲酒 ビール 700ml/日
職業 接客業, 接待での外食や不規則な食事生活が多い
【家族歴】
近親者に心疾患に罹患している人や若年で突然死した人はいない
【アレルギー】
薬物や食べ物の既知のアレルギーはない
【内服薬】
特になし
いいサマリー
#27. 来院時現症 1行目 「身長,体重,全身状態」
2行目 「バイタルサイン」 身長,体重は単位をつける 意識レベル, 体温, 血圧, 脈拍, 呼吸, SpO2 必ず「単位」をつける 「呼吸数」が抜けることが多いので注意 パッと見の重症感を記載
#28. 来院時現症 3行目以降 「身体所見」
頭頸部→胸部(心音・呼吸音)→腹部→四肢→神経→皮膚. . . の順番 診療科によっては記載順が異なる場合あり あくまでも「Objective」をいれる 全然関係のない「正常所見」は省略してもよい 診断に関わる「陰性所見」をきちんと記載する
#29. 呼吸音
聞こえる部位, 聞こえるphase, 聞こえる音の種類を記載する.
リンパ節
部位, 大きさ, 個数, 固さ, 圧痛, 可動性の有無を記載する.
皮疹
部位, 皮疹の性状(教科書参照 ex 丘疹, 紅班, 紫斑. . . )を記載する. 身体所見には記載方法のお作法があるものがある ほんの一例です.他にもありますので確認してくださいね.
#30. 検査結果 「検体検査→生理検査→画像検査の順」
「検体検査結果はスペースの使い方を統一する」
「単位を必ずつける」
基本は英語3文字の略語で記載
普段測定しないものは略語にしない.
正常値がすぐわからないものには(正常値)を付け加える
例) Alb 3.5g/dL, BUN 18mg/dL, Cre 1.2mg/dL………. 検体検査では主に採血でわかるものから記載 検体検査ではその後に病理検査,培養検査などを記載 入院後判明したり,行った重要な検査結果もまとめて記載
入院時の主要な検査所見
#31. 画像所見記載のお作法 「客観的所見を記載し, 診断名を記載しない」 あくまでObjectiveを記載 読影レポートの丸写しは厳禁 例えば,胸部単純X線所見 胸部単純X線写真
×右下肺野に肺炎像を認める
○右下肺野にair bronchogramを伴う浸潤影を認める.
#32. 【主な入院時現症】
慎重 164, 体重 62, 体温 36.9, BP 120/80.
癌研結膜に貧血なし, 眼球結膜に黄疸なし, 心音 Ⅰ音, 2音は清,
心尖部収縮期雑音(Levine Ⅲ/Ⅵ), 両肺やに湿性ラ音を聴取
【主要な検査所見】
BNP 650,
血液ガス pH 7.484, pCO2 34, pO2 99, HCO3- 25.3
胸部Xp 心拡大(CTR 58%), 肺うっ血, 両側胸水
ECG 心房細動 ダメサマリー
#33. 【主な入院時現症】
身長 164cm, 体重 62kg, 全身状態はぐったりしていて努力呼吸している.
バイタルサイン: 体温 36.9℃, 血圧 120/80mmHg, 脈拍 84回/分 不整,
呼吸数 32回/分, SpO2 85%(室内気)→95%(5Lマスク)
45度の座位で内頸静脈の怒張を胸骨から5横指認め, 腹頸静脈試験陽性.
心尖部拍動は鎖骨中線と前腋窩線の中央にあり, 心音 Ⅰ音は減弱し,
Ⅱ音は正常の呼吸性分裂を認める. 心尖部にⅢ音とLevine Ⅲ/Ⅵの
全収縮期雑音を聴取するが明らかな放散は認めない.
呼吸音 両側肺野下部において全吸気時に湿性ラ音を聴取するが,
呼気性の喘鳴は聴取しない.
腹部は平坦で軟, 肝脾腫を認めない.
両下肢に軽度の圧痕性浮腫を認める. 末梢冷感・冷汗を認める. いいサマリー
#34. 【主要な検査所見】
血算: WBC 6700/μL ( Neut 80%), Hb 16g/dL, Ht 47%, MCV 87fl, Plt 22万/μL
生化学: Tp 6.5g/dL, Alb 3.4g/dL, T-bil 0.9mg/dL, AST 22IU/L, ALT 21IU/L, LDH 233IU/L,
γGTP 120IU/L, CPK 34IU/L, CPKMB 3IU/L, TropI 0.01ng/mL以下, BUN 17.4mg/dL,
Cre 1.1mg/dL, UA 7.2mg/dL, FS 104mg/dL, HbA1c 5.3%, T-chol 219mg/dL, TG 262mg/dL,
Na 145mEq/L, K 4.2mEq/L, Cl 106mEq/L, BNP 650pg/mL, CRP 0.22mg/dL.
動脈血ガス分析(自発呼吸, 酸素5Lマスク):
pH 7.484, PaCO2 34Torr, PaO2 95.1Torr, HCO3- 25.3mEq/L
【生理検査・画像検査所見】
心電図: QRSのリズムは完全に不整でf波を認め心房細動である.軸の異常はなく,
q波はみられずQRS幅は正常だが V3-6のR波の増高を認める. V3-6でT波の平低化を
認める. QT時間の延長は認めない. いいサマリー
#35. 心エコー図: 左室の拡大とびまん性の壁運動低下を認める. LVDd 66mm,
LVDs 57mm, IVS 9mm, LVWP 10mm, LVEF 29%, LAD 49mm, 僧房弁逆流 中等度,
推定PA圧 30mmHg
胸部単純X線写真: 左3・4弓の突出を主体とした心胸郭比 58%の心拡大,
肺うっ血を認め, 両側の肋骨横隔膜角が鈍になっている.
【冠動脈造影検査(〇月×日)】
左・右冠動脈に有意狭窄を認めなかった.
【病理検査結果(〇月×日)】
心筋生検結果:心筋線維は細長く引き伸ばされて波状走行を認める. 一部変性や
壊死を伴い, その間に肥大した心筋細胞が入り混じって観察される.
拡張型心筋症と考えられる病理像である.
いいサマリー
#36. Problem list 「重要度が高いものから順番にならべる」
「医学的問題→心理・社会的問題の順番にならべる」
PlanB いきなり診断名を記載する (永井的)プロブレムのリストアップの方法は大きく分けて2通り PlanA 症状・所見・検査異常などをそれぞれリストアップし深化する 主訴を抜かしてはいけない これまでまとめてきた主訴・現病歴・既往歴・現症・検査結果から解決・介入すべきと思う問題を全て列挙する 専門医のサマリーはPlanBの方が書きやすいし、見やすい
プロブレムリストと入院後経過の考察
#37. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日)
#38. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) PlanB typeに
していきますよ
#39. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) #1~#11,#12,#16 →#急性心不全
#40. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) #急性心不全 #11,#15,#17,#19 →#拡張型心筋症
#41. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) #急性心不全 #拡張型心筋症 #12,#18→#僧房弁閉鎖不全症
#42. #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 PlanA typeのプロブレムリスト #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) #急性心不全 #拡張型心筋症 #12,#18→#僧房弁閉鎖不全症
#43. PlanB typeのプロブレムリスト #急性心不全 #拡張型心筋症 #僧房弁閉鎖不全症 #心房細動 #喫煙歴 PlanBは
自分の中でPlanAの
プロブレムリストを
整理したうえで記載する
#44. 入院後経過 「プロブレムリストに挙げた順に考察していく」
「1行目は診断根拠および診断名を記載する」 2行目に鑑別疾患がある場合は根拠とともに鑑別診断を記載 もしくは除外したものがあれば除外した理由とともに記載 経過は入院○日目または○月○日に統一する 「時系列に沿って, 病状がどのように経過したかを記載する」 疾患特異的パラメーターの変化もわかるように記載する 行った治療内容、検査結果なども具体的に記載する
#45. 入院後経過 「退院後の方針を明記する」 全てが入院で解決するわけではないので、退院後の方針も記載する サマリーは引継ぎ先の施設・医療従事者もみることを意識する
#46. 【プロブレムリスト】
#1 うっ血性心不全
#2 僧房弁閉鎖不全症
#3 心房細動
【入院後経過】
#1 うっ血性心不全は, 酸素投与及びラシックス静注による利尿効果が得られ改善した. 原因はCAGでcoronary病変はなし. EFが落ちていたため心筋疾患と推測. 生検で心筋細胞の変性有. 拡張型心筋症と診断. 薬はラシックス, アルダクトン, レニベース, アーチストを開始した.
#2,3 また僧房弁閉鎖不全は心不全改善後に2度まで改善したので保存. Afに関しては電気ショックしてみたけど治らないので, rateコントロールと血栓を予防することにした. ダメサマリー
#47. いいサマリー #1 急性心不全による呼吸不全
#2 拡張型心筋症
#3 僧帽弁閉鎖不全症
#4 心房細動
#5 喫煙歴 【プロブレムリスト】
#48. TypeAでもいいです #1 呼吸困難感
#2 咳嗽
#3 労作時呼吸困難感
#4 起坐呼吸/発作性夜間呼吸困難感
#5 体重増加
#6 食思不振
#7 低酸素血症/頻呼吸
#8 湿性ラ音
#9 末梢冷感・冷汗
#10心尖部の外側への移動, S3聴取
#11内頸静脈の怒張,腹頸静脈試験陽性
#12 全収縮期雑音 #13 BNP上昇
#14 心房細動
#15 V3-6のR波の増高とT波の平低化
#16 肺うっ血, 心拡大, CPA dull
#17 心エコーにおいて全周性壁運動低下
心房・心室拡大, 壁の菲薄化
#18 中等度僧房弁逆流
#19 心筋病理検査結果
#20 喫煙歴(30-50本/日) 【プロブレムリスト】
#49. #1 急性心不全による呼吸不全
#2 拡張型心筋症
緩徐進行性の呼吸困難・浮腫の増悪, 体重増加を伴い, 起坐呼吸や夜間発作性呼吸困難感を認めた. 身体所見上では低酸素血症および, 湿性ラ音, S3を聴取し, JVD怒張を認め急性心不全を疑った. 胸部単純レントゲン写真にて肺うっ血, 心拡大を認め, BNPも上昇していたため急性心不全による呼吸不全と診断した. 心エコー検査では左室全周性に壁運動は低下しており低心拍出が心不全の原因となっていると思われた. 壁運動低下の鑑別としては心臓カテーテル検査にて冠動脈病変は認めず, 冠動脈の支配領域に一致しない壁運動低下を認めたことから虚血性心筋症は否定されて心筋疾患が疑われた. また, 高血圧の既往もなく, 毎年の検診でも強い心雑音は指摘されていないことより, 高血圧性心臓病や一時性の弁膜症の可能性は低いと思われた. 心筋生検にて拡張型心筋症に矛盾しない所見が認められ, アミロイドーシスやサルコイドーシスを疑う所見もないため拡張型心筋症と診断した(Roberts et al. Am J Cardiol 1989;63:893). 急性心不全は血圧は保たれておりクリニカルシナリオ2, Stevenson/Nohria分類Wet&coldと考えられた. 体液貯留傾向もあったためループ利尿薬とニトログリセリンの静注を併用し治療を開始したところ, 大量の希釈尿が得られ, 7月3日には体重が4kg減少し呼吸困難感や低酸素血症は改善した. 拡張型心筋症の治療および心不全治療のため内服療法としてループ利尿薬, 抗アルドステロン性利尿薬, ACE阻害薬および少量のβ遮断薬を開始した. その後症状は改善したため7月18日に退院となった. いいサマリー
#50. #3 Ⅱ度僧房弁閉鎖不全症
#4 心房細動
僧房弁閉鎖不全症は心不全改善後にはⅠ度まで改善したため機能性の僧房弁閉鎖不全症と考えられ引き続き経過観察する方針とした. 心房細動は経過からは慢性の心房細動と思われ, CHADS2スコアは低値であったが低心機能のためワルファリン3mgでPT-INR 2程度を目標に加療する方針とした. いいサマリー
#51. 考察
「患者の今回の診療や経過について
最新の医学的知識をもとに 患者個別の問題点(Bio/Psyco/Social modelなど) を含め
考察を行う」
患者の疾患についての教科書的な知識をただ記載するのではない
#52. 【総合考察】
心不全で発症した拡張型心筋症の症例である. 初期治療として利尿薬, 硝酸薬に対する反応は良好で心不全は速やかに改善した. 日本循環器学会の急性・慢性心不全診療ガイドライン2018に基づきループ利尿薬, 抗アルドステロン性利尿薬, ACE阻害薬および少量のβ遮断薬の投与を行った.
心不全治療の発展により拡張型心筋症の予後は改善されてきているが, 日常生活での摂生が重要である事にかわりはない. 食生活も不規則であり, 塩分過多であるため, 食事指導を行い, 禁煙も指導した. また生活習慣の乱れは不規則な仕事環境にもあると考えられたため, 職場の産業医および管理者とも情報共有を行い配置転換や勤務体制の見直しを行った. いいサマリー
#53. 参考 内科学会 病歴要約作成の手引き
米国式 症例プレゼンテーションが劇的にうまくなる方法
プレゼンテーションの具体的ポイントとコツ
型が身につくカルテの書き方