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自信が持てる!抗菌薬の選び方(PIDを例に)

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26,122

72

2022/2/22
安達 卓哉

公立昭和病院

感染症診療の基礎から抗菌薬選択、実際の症例を通じて感染症内科で学んだことをまとめてみました。

症例は、どんな医師でも出会う可能性のある骨盤内炎症性疾患(PID)を取り上げました。

感染症診療を学ぶきっかけやPID診療の手助けになれば幸いです。


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自信が持てる!抗菌薬の選び方(PIDを例に)

  1. 自信が持てる!抗菌薬の選び方〜PID(骨盤内炎症性疾患)をテーマに〜 公立昭和病院 初期研修医 安達 卓哉

  2. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  3. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  4. なんとなく抗菌薬選択していませんか? よくわからないけど発熱、CRP高値だからゾシン®︎ 誤嚥性肺炎だから何でもかんでもスルバシリン®︎ 起因菌、感受性は判明したけど良くなってるからそのまま継続 など

  5. 根拠のある抗菌薬選択を行いましょう!

  6. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  7. 確認! 感染症診療の基礎である5原則 知っていますか?

  8. 感染症を筋道立てて診るには 5原則を順番に検討する ①患者背景を理解する ②どの臓器の問題かを詰める ③どの微生物が原因かを詰める ④抗菌薬を選択する ⑤適切な経過観察を行う

  9. ①患者背景 解剖学的構造の破綻(デバイス) ex)血管カテーテル、尿道カテーテル、術後ドレーン、手術、   粘膜障害(化学療法)、骨折など 発熱性好中球減少症→緑膿菌などのGNRや真菌 細胞性免疫不全→細胞内寄生菌(LLMNS:Legionella , Listeria , Mycobacterium , Nocardia , Salmonella) 液性免疫不全→莢膜を有する菌 ( Streptococcus pneumoniae , Haemophilus influenzae など)

  10. ②臓器・解剖学的診断 問診 身体診察(top to bottom approach) 検査所見(血液検査・尿検査、Xp、CT、MRI) ⇨focusを絞りましょう

  11. ③微生物 年齢、基礎疾患、臓器、感染成立の場所(院内 or 院外、旅行の訪問地とそこでの活動)などからある程度原因微生物は絞らられる 例えば、 市中肺炎:肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラキセラ NHCAP:緑膿菌、クレブシエラ、MRSA 尿路感染症(市中):大腸菌 CAUTI:大腸菌、緑膿菌、クレブシエラ、腸球菌など

  12. ④抗菌薬 患者背景、解剖学的診断、原因微生物が頭に浮かばないと、抗菌薬は決まらない! まずは可能性のある微生物をカバーするような抗菌薬選択を (詳細は後で!)

  13. ⑤最適な経過観察 臓器特異的な治療効果の判定を 肺炎→呼吸苦の改善、呼吸数の安定化、酸素需要など 髄膜炎→意識状態の改善、髄液細胞数の低下など 解熱、白血球・CRP陰性化は非特異的 画像検査での改善にはより時間経過が必要なことも →既知の感染症の改善や別の感染症を見逃さない!

  14. ⑤最適な経過観察 回復のペース、パターンを予測する 感染症は「感染を起こしている臓器、起因菌の種類により治療に対する反応のスピード、パターンがある」 ・腎盂腎炎−適切な治療を始めてから解熱がみられるまで2〜3 日かかることが多い、尿塗抹で菌消失が最も特異的 ・肺炎−まずグラム染色、呼吸数、動脈血ガスなどが改善。胸部Xpの異常陰影は長期間残る ・肺炎球菌性肺炎、レジオネラ肺炎ー正しい治療にもかかわらず一過性にすべてのパラメーターが悪化することもあり

  15. ⑤最適な経過観察 耐性菌で患者を失うことは少ない 治療効果がみられない時、菌が現在使用中の抗菌薬に耐性であることよりも、以下のような事態になっていることが多い ⑴ 抗菌薬が到達できない膿瘍など ⑵ 全く別の臓器・解剖に発熱原因がある(DVTなどの7Ds) ⑶ 抗菌薬自体による薬剤熱 ⑷ 抗菌薬が効いてるのに気がつかないだけ ⇨熱が下がらないから、漫然と抗菌薬を替える、加えるはダメ!

  16. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  17. 抗菌薬選択の3point 何でしょうか

  18. 抗菌薬選択の3point 最大の効果 最小の副作用 最小の耐性菌誘導 これを念頭に抗菌薬を選びましょう!

  19. 抗菌薬選択の3point これも順番が大事 まずは最大の効果がある抗菌薬を その中で副作用が少ないものを 最後に耐性菌誘導リスクを考える(なるべく狭域スペクトラムで)

  20. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  21. Empiric therapy ターゲットとすべき標的(微生物)を想定し、それに対して効果のあるものを選択して処方する 背景、臓器を念頭に Definitive therapy 微生物が同定されたら第一選択の抗菌薬にde-escalationする 歴史的・教科書的に最も実績のある第一選択薬を用いる Broad spectrumの抗菌薬は、コラテラルダメージが大きい Narrow spectrumの抗菌薬に変更することで耐性菌誘導を防ぐ

  22. テーマ 抗菌薬をなんとなくで選んでいないか 感染症診療の5原則 抗菌薬選択の3point Empiric therapyとDefinitive therapy PID(骨盤内炎症性疾患)を例に

  23. 骨盤内炎症性疾患(PID)知っていますか? 女性の腹痛として鑑別に挙がり、どんな医師でも出会う可能性がある 肺炎や尿路感染症はよく知られているため、他のコンテンツも充実 ⇨今回はPIDを取り上げることとしました!

  24. 骨盤内炎症性疾患(PID) Pelvic Inflammatory Disease 病態:子宮頸管より上部の生殖器に発症する上行性感染 子宮内膜炎、付属器炎、卵巣卵管膿瘍、骨盤腹膜炎を含む リスク因子:若年、PIDの既往、複数の性的パートナー、コンドーム無しの性行為、子宮内避妊器具 症状:下腹部痛、帯下の性状の変化、発熱、性行為痛、不正性器出血など Fitz-Hugh-Curtis症候群:肝周囲炎による右上腹部痛や呼吸性の痛みが特徴

  25. 骨盤内炎症性疾患(PID) 診断基準 ・必須項目:下腹部痛・下腹部の圧痛、子宮/付属器の圧痛 ・付加診断基準:体温 38度以上、白血球数増加、CRP上昇 ・特異的診断基準(これは産婦人科が内診などで行う)  :骨盤内の膿瘍形成(経膣超音波やMRIで確認/ダグラス窩穿刺)   腹腔鏡による炎症の確認  ◎疑ったら、産婦人科コンサルトを

  26. 骨盤内炎症性疾患(PID) PIDらしい所見 ①痛みの移動がないこと ②両側の腹部圧痛 ③悪心・嘔吐がないこと 虫垂炎や腸炎などとの鑑別!

  27. 骨盤内炎症性疾患(PID) 治療 ・軽症の場合は経口抗菌薬、重症の場合は抗菌薬の経静脈投与 ・適切に治療しないと将来不妊症の原因となる ・パートナーも治療しないと感染が拡大する恐れあり 今回は、経静脈抗菌薬をテーマに ちなみに、経口抗菌薬でもカバーする微生物を考えるのは同じ PEK→セファレキシン 嫌気性菌→メトロニダゾール PEK+嫌気性菌→オーグメンチン+サワシリン ナイセリア、クラミジア→ドキシサイクリン、アジスロマイシン

  28. 骨盤内炎症性疾患(PID) ほとんとが複数菌による感染 治療対象は 腹腔内感染症の原因菌(グラム陰性桿菌、Bacteroidesを含む嫌気性菌) +淋菌、クラミジア その他 グラム陽性菌(B群レンサ球菌、A群レンサ球菌)、インフルエンザ桿菌など

  29. 原因微生物 下部消化管:E.coli、Klebsiella、Proteus(PEK) 嫌気性菌:Bacteroides fragilisなど Neisseria gonorrhoeae Chlamydia trachomatis 微生物が決まらないと抗菌薬も決まらない!

  30. PEK ※PEKはESBL産生によるβ-ラクタム薬耐性 をとりうる →ESBLの分解を受けないセフメタゾール (重症の際には、カルバペネム系) Klebsiella pneumoniaeはペニシリナーゼを 産生する遺伝子を染色体上に持っており、 アンピシリンに自然耐性を示す 赤:第一選択(最も狭域) 黄:効くけど広域

  31. 嫌気性菌:Bacteroides fragilisなど 嫌気性菌のみをカバーするのであれば メトロニダゾール クリンダマイシンはB.fragilisの耐性化が問題 (感受性 約40%) →横隔膜から上:クリンダマイシン       下:メトロニダゾール

  32. Neisseria gonorrhoeae グラム陰性双球菌(GNC:その他 N.meningitidis) 治療:CTRX(+AZM)が第一選択 (臨床的治癒を確実にし、耐性の発現を防ぐため2剤併用療法を行うことになっていたが、現在はCTRX単剤が推奨)

  33. Chlamydia trachomatis 偏性細胞内寄生菌 (宿主細胞内でのみ増殖可、培養できない) 治療は:MINO or AZM(経口ならDOXY)

  34. PIDで病原微生物判明前は CTRX+MINO±MNZ で前述の菌をカバーできる!!

  35. PIDで血液培養陽性になった症例

  36. 症例1 55歳女性 既往歴:糖尿病(HbA1c 10.3) 受診1週間前から、発熱・頭痛・悪寒ありOTCで対応 下腹部痛も出現し改善ないため、救急外来受診 受診時バイタル:BT 37.7℃ BP 122/77mmHg HR 95bpm 下腹部全体に圧痛あり、左下腹部に低エコーの液貯留あり 造影CTで骨盤内に脂肪織混濁、腹水少量あり、膿瘍認めず PIDとして治療開始する方針となった

  37. 感染症を筋道立てて診るには 5原則を順番に検討する ①患者背景を理解する ②どの臓器の問題かを詰める ③どの微生物が原因かを詰める ④抗菌薬を選択する ⑤適切な経過観察を行う

  38. 症例1 55歳女性 既往歴:糖尿病(HbA1c 10.3) 受診1週間前から、発熱・頭痛・悪寒ありOTCで対応 下腹部痛も出現し改善ないため、救急外来受診 受診時バイタル:BT 37.7℃ BP 122/77mmHg HR 95bpm 下腹部全体に圧痛あり、左下腹部に低エコーの液貯留あり 造影CTで骨盤内に脂肪織混濁、腹水少量あり、膿瘍認めず PIDとして治療開始する方針となった

  39. 5原則に当てはめる ①コントロール不良の糖尿病のある55歳女性 ②骨盤内 ③ PEK、嫌気性菌(Bacteroides fragilisなど)、 (Neisseria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis) ④CTRX+MINO±MNZ ⑤膿瘍がなければ治療期間2週間  各種培養結果見てde-escalationを

  40. 生えたのは、、、 カテ尿からも同様の菌検出 (2セット中1セット) 自然耐性→第一選択薬はPCG , ABPC ◎A群β溶連菌

  41. 5原則を見直す ①コントロール不良の糖尿病のある55歳女性 ②骨盤内 ③ A群β溶連菌(Streptococcus pyogenes) ④ PCG , ABPC(±嫌気性菌カバー) ⑤治療期間2週間を目処に、場合によっては内服抗菌薬へのスイッチも検討される

  42. 抗菌薬治療開始後、経過良好であり第12病日に退院 TAZ/PIPC+MINO SBT/ABPC CRP 46.6 40.9 44.8 21.5 11.4 3.95 0.48 起因菌・感受性判明しde-escalation

  43. 症例2 74歳女性 既往歴:卵巣癌術後再発疑い、甲状腺摘出術後 受診3日前に39度台の発熱で救外受診、身体所見異常なく血液培養採取し対症療法で帰宅 血培でGNR 2セット陽性であり、発熱継続していたため再度救外受診。 受診時バイタル:BT 38.3℃ HR 90bpm , BP 118/59mmHg 身体所見では異常所見認めず 造影CTにて増大傾向の骨盤内腫瘤(腸管浸潤+)と右水腎症(2週間前も指摘あり)を認め、入院加療の方針となった

  44. まずは5原則 ①卵巣癌術後再発疑い、血培陽性の高齢女性 ②骨盤内、尿路 ③PEK , PMSEC , Pseudomonas aeruginosa  Bacteroides spp.などの嫌気性菌

  45. PMSEC PMSECはAmpCが染色体上にあり ・セファロスポリン ・セファマイシン(セフメタゾールなど) を分解、in vitroではクラブラン酸で 阻害されないのがESBLsとの違い (タゾバクタムは一定の効果あり)

  46. Pseudomonas aeruginosa 緑膿菌は耐性化しやすく、 様々な耐性機序を取りうるので 症例ごとに感受性チェックも大事 アンチバイオグラムも確認する (カルバペネムの感受性率が低い)

  47. 5原則に当てはめると ①卵巣癌術後再発疑い、血培陽性の高齢女性 ②骨盤内、尿路 ③PEK , PMSEC , Pseudomonas aeruginosa  Bacteroides spp.などの嫌気性菌 ④TAZ/PIPC , CFPM ⑤広域抗菌薬での治療になるため、菌種・感受性が判明したら速やかなde-escalationを  膿瘍がなければ治療期間2週間が目安

  48. 生えたのは、、、 2セット中2セット(嫌気) 獲得耐性あり(βラクタマーゼ産生) →第一選択:CMZ ◎ Bacteroides fragilis

  49. 5原則を見直す ①卵巣癌術後再発疑い、血培陽性の高齢女性 ②骨盤内、尿路 ③Bacteroides fragilis+α(複数菌種であることが多い) ④CMZ ⑤膿瘍形成がなければ感受性のある抗菌薬投与2週間投与

  50. TAZ/PIPC CMZ 16.89 5.91 2.11 7.59 7.89 8.6 手術 ・抗菌薬開始後、経過は良好であった。(第8病日に卵巣癌手術施行) 起因菌・感受性判明しde-escalation 退院

  51. 最後に、、、おすすめツール オフラインで見れる資料がオススメ!

  52. Take home massage 感染症診療の5原則と抗菌薬選択の3pointを頭に叩き込みましょう 起因菌や第一選択薬を意識して診療を行いましょう (わからないことはすぐに調べられるようにしておく) See one , do one , teach one!

  53. 参考文献 レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版 感染症診療のベーシック・アプローチ 抗菌薬の考え方、使い方 Ver.4 感染症プラチナマニュアル 2020 日本語版サンフォード感染症治療ガイド−アップデート版

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