体温管理療法(TTM)のまとめ【生理学・適応・管理】

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三谷 雄己

広島大学病院

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心停止蘇生後など、神経学的予後の改善を目指してOHCA蘇生後に患者の体温を管理する体温管理療法についてまとめました!
内容に関してはJRC2020(日本蘇生協議会)・AHA2020(アメリカ心臓協会)・2020年に発表されたhigh quality TTMの論文を中心に解説します。内容に関してはICLSインストラクターや救急・集中治療専門医の先生方に確認していただいているのである程度担保されているとは思いますが、間違っていた場合は申し訳ありません…!

TTMに関しての記事で学びたい方はこちらを参照いただければ幸いです👇
https://dancing-doctor.com/2021/05/30/ttm-rosc/

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【公式】Antaa Slideへのアップロード方法

Antaa Slideは、医師・医学生のためのスライド共有プラットフォームです。 本スライドでは、Antaa Slideへのスライドアップロード方法を解説します。 ① Antaa Slideへのログイン方法 ② スライドのアップロード方法 ③ アップロードしたスライドの確認方法 ④ ご利用にあたっての注意点 勉強会やセミナーのために作ったスライドを、皆でシェアして知識をつないでいきましょう。アップロードをお待ちしています! ※登録には、医師資格登録年度または医学部卒業見込み年度の入力が必要です。 <以下のnoteもぜひご覧ください> Antaa Slideは、医師同士の“Giveの精神”でつながるスライド共有プラットフォーム https://note.com/antaa/n/n5fabdc34a32f Antaa Slideってどんなサービス? 反響をまとめてみました https://note.com/antaa/n/nd09bf6ed8f3f

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新型コロナウイルスワクチン(COVID-19ワクチン)Q&A

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誤嚥性肺炎の主治医力【診断編】

最近受け持った誤嚥性肺炎の患者さん、誤嚥の原因は何でしたか? 誤嚥性肺炎は結果であり、正しい診断のためには原因の見極めが必須です。 そのためのポイントを解説します。 ※本スライドは、2021年1月8日配信のAntaaNEWS「Short Lecture」の講演スライドです。 【このスライドの解説動画はこちら】 https://qa.antaa.jp/stream/contents/113

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タコでもわかる静注抗菌薬の話

逆にこれだけ知っていれば静注抗菌薬では(ほぼ)困らない、そんな10種類の静注抗菌薬についてタコでもわかるようにまとめてみました。 【更新連絡(2021/10/1)】 「研修医1年目も半分終わったし、なんか抗菌薬勉強しようかな」というエライ初期研修医の皆様のために(?)、大幅な加筆・訂正・記載方法の変更を行いました。 *排泄経路の記載を「腎機能・肝機能による調節の要否」に改め、より臨床で使いやすくしました。 *各薬剤のESBLs, AmpC型β-ラクタマーゼに対するポジショニングの記載をより詳細なものにしました。 * セフトリアキソンの項を一新しました。 * セフェピムの項で特にセフェピム脳症・投与設計についての記載を中心にガイドラインや最近のトピックに即した内容に改めました。 * メトロニダゾールの項で、用量調節についての記載を詳細に改めました(以前の記載で腎排泄と記載していましたが、主たる排泄経路は肝胆道でした。すみません)。 *バンコマイシンの項を一新しました。 【他のコンテンツ】 * サルでもわかる経口抗菌薬の話 https://slide.antaa.jp/article/view/5199820d537c41bc * タコでもわかる静注抗菌薬の話 https://slide.antaa.jp/article/view/e097b2a75e264a01 * カメでもわかるCRPの話 https://slide.antaa.jp/article/view/e83a7e12c9d74d3b * ニワトリでもわかるβ-ラクタム系以外の抗菌薬の話 https://slide.antaa.jp/article/view/a335f79d13f144ee * アナグマでもわかるフルオロキノロンの話 https://slide.antaa.jp/article/view/067106f6aebb4bf8 * ウシでもわかる真菌の話 https://slide.antaa.jp/article/view/e491e8559fc14d39 ご質問・ご意見等はtwitter(@metl63)までお寄せください。 スライド内容の転用も歓迎します。その折にはお手数ですがご一報ください。

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ショックのまとめ【定義・分類・鑑別を中心に】

救急外来や病棟急変でよく出会うショックについて、確実に知っておくべき知識を理解していますか? ショック=血圧低値と誤解されることが多い、ショックの概念についてまとめました! 生理学や生化学から、ショックの定義や分類、鑑別を中心にまとめています。 初期研修医の先生方や看護師さんにとっては、きっと学びの多いスライドとなっているはずなので、参考にしていただければ幸いです◎

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それって本当に尿管結石?!

<ERで「尿管結石?」って思ったら> 1. 安易に決めつけるのはNG! 2. エコーで“らしい”所見をチェック! 3. 鑑別疾患を意識して、重篤な疾患を見逃すな! 本スライドは、「三銃士 指導医・研修医レクチャーシリーズ」vol.10です。質問・コメントは以下へお願いします。 http://bit.ly/39kNKUy ※「三銃士」は、救急・集中治療医の坂本壮、総合診療医の髙橋宏瑞、鎌田一宏により運営される、医学教育の課題解決を目指した教育ユニットです。 ▶三銃士Facebookページ https://www.facebook.com/dartagnanproject ▶坂本壮のAmazon著者ページ https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B079T41LV8

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体温管理療法(TTM)のまとめ【生理学・適応・管理】

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2. 目次 1.TTMとは?適応と総論 2.TTMの具体的な流れ 3.TTM中の管理
3. 目次 1.TTMとは?適応と総論 2.TTMの具体的な流れ 3.TTM中の管理
4. 院外心停止症例の神経学的予後 引用) Kitamura T et al. Circulation2012;126:2834-43. 発症1ヶ月後に高次脳機能が保たれた症例 ●目撃なし院外心停止(OHCA)…2.8% ●目撃あり院外心停止(OHCA)…4.3%
5. 心停止蘇生後の体温管理療法(TTM) 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●神経学的予後の改善を目指してOHCA蘇生後に  患者の体温を管理する治療法
6. 心停止蘇生後の体温管理療法(TTM) 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●ROSC(Return of Spontaneous Circulation)後に  深部体温32-36度に少なくとも24時間保つことが推奨 ●TTMは非施行群に比較して有意に転帰が改善  N Engl J Med:2002;346;549-63
7. 心停止蘇生後の体温管理療法(TTM) 引用) 2020アメリカ心臓協会 CPRおよびECCのガイドライン 心停止後にROSCが認められた昏睡状態にある すべての成人患者に対し、32-36℃から目標体温を選び その体温に達したら少なくとも24時間以上維持する TTMを施行するべき
8. ROSCって聞き馴染みはあるけれど…なんの略?? 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●ROSC(Return of Spontaneous Circulation)の略! ●心停止から脈を触れるようになること 【ROSCの判断】 ・2分おきのリズムチェックの際に脈が触れること ✕胸骨圧迫中に体動を認める➡Asysのことも…
9. 体温管理療法の目的と適応 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●脳保護・頭蓋内圧管理      ●体温1℃↓:脳代謝67%減少   ※脳酸素消費量とATP消費を軽減        【適応 】 ROSC後昏睡・頭部外傷後(脳圧管理) ※昏睡の定義:GCS≦8かつE1 V1-2 M≦5
10. TTMの適応基準と除外基準まとめ 引用) PCPS・ECMOバイブル
11. 目次 1.TTMとは?適応と総論 2.TTMの具体的な流れ 3.TTM中の管理
12. 33℃ 24時間 冷却水 直腸プローベ 33℃ 48時間 血管内冷却 深部体温プローベ 37℃ 24時間 氷嚢 腋窩プローベ 33℃ 24時間 ブランケット 食道プローベ 36℃ 24時間 表層冷却 膀胱プローベ TTMと一括に言っても多種多様… 引用) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6
13. 緩徐な導入 変動が多い 復温のコントロール不良 目標体温なし 間欠的な 末梢の体温測定 シバリングコントロールなし 発熱のコントロールなし 氷嚢や冷却水による冷却
14. シバリングに対するモニタリングとマネジメント 体温フィードバック機器 目標体温を設定 急速導入 変動が少ない 緩徐な復温 表層または血管内からの冷却 継続的に深部体温を測定 発熱のコントロール
15. High Quality TTM 引用) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6 ●TTMはプロトコル(手技)やデバイスが施設ごとに異なる ●この”バラツキ”によりTTMの質↓ ●TTMの有効性を高め、標準化することを目的として提唱 このスライド以降の各論は 当論文+JRC2020GL+AHA2020GL それぞれを参考に作成
16. 冷却後 導入 冷却期 方法 High Quality TTMの4要素 引用) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6
17. TTMの流れ 参考) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) 合計実施時間36-48時間が 最も標準的でありエビデンスが豊富 輸血 導入 維持 復温
18. TTMの導入 参考) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) 導入 維持 ●ROSC後早期であればあるほど有効 ●導入が1時間遅延毎➡死亡率が20%↑ ●6時間以上経過➡神経保護作用・生存率↓↓ 【注意すべき点 】 ●シバリング ●代謝の低下(特に肝代謝の薬効が遷延する) ●輸液による病院前・CPR中の冷却は非推奨  ➡心再停止や肺水腫を起こしやすい
19. CQ:OHCA蘇生後の至適体温は? 参考) Intensivist Vol13 No.1 2021 ●36℃ vs 33℃ 180日後の死亡率および神経学的予後に有意差なし N Engl J Med2013 ;369:2197-206. ●37℃ vs 33℃ (ショック非適応症例) 生存率・神経学的予後ともに33℃の方が良い結果 N Engl J Med 2019:381 :2327-37 ●OHCA蘇生後の発熱は必発で、予後不良に関連 Arch lntern Med 2001 ; 161 : 2007-12 ●ショック非適応+ROSCまで時間を要した…34℃前後 ●ショック適応+比較的早期にROSC…35-36℃台
20. CQ:OHCA蘇生後の至適体温は? 参考) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6 ●2013年のTTM trialでは33℃または36℃で施行 ●患者によって、どちらか有益であるかまだ不明… 36℃→出血や感染などの有害事象のリスクが高い患者 33℃→痙攣、脳浮腫など神経学的損傷のリスクが高い患者
21. TTMの維持 参考) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) 導入 維持 ●TTM維持期間は24時間以上 ●測定部位は膀胱・食道・血管内  非推奨…腋窩・耳・直腸(←遅れて変化) 【注意すべき点(特に低体温時) 】 ●循環:徐脈傾向 拡張障害 ●高血糖:低体温によりカテコラミン↑       インスリン分泌能↓       インスリン抵抗性↑ ●低K 低Mg 低P血症 ●血小板減少 凝固障害 感染症 輸血 維持
22. TTMの維持 引用) PCPS・ECMOバイブル 導入 維持 輸血 維持
23. TTMの復温 参考) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6+JRC2020GL+AHA2020GL 導入 維持 ●TTM復温期間は24-72時間(0.15-0.25℃/h) ●0.5℃/hを超えない ●復温ペースに明らかな有意差なし 【注意すべき点】 ●高体温:復温後48時間は体温管理継続 ●急激な復温➡脳浮腫・頭蓋内圧亢進 ●高K血症 ●低血糖 輸血 維持 復温
24. TTMの復温 引用) PCPS・ECMOバイブル 導入 維持 輸血 維持 復温
25. TTMの流れの一例…施設ごとにプロトコール化を◎ 参考)慈恵ICU勉強会スライド 心停止蘇生後の体温管理
26. 目次 1.TTMとは?適応と総論 2.TTMの具体的な流れ 3.TTM中の管理
27. 蘇生後の管理【呼吸】 参考) Crit Care. 2020 Jan 6;24(1):6+JRC2020GL+AHA2020GL 【呼吸器設定(参考)】 RR:10-12回/分 SpO2:92-98% PaCO2 35-45mmHg 肺保護換気を考慮 TV:4-8ml/kg(予測体重) ●咳反射の消失➡無気肺に注意 ●低体温に伴う免疫機能低下➡肺炎リスク↑ ●復温時は代謝↑➡CO2 産生量↑
28. 蘇生後の管理【循環】 参考) 2020アメリカ心臓協会 CPRおよびECCのガイドライン 脳圧灌流の観点からMAP80mmHg以上維持 Crit Care Med. 2019:47:960-9 低血圧➡1st Nad/心機能低下時DOB考慮 高度心機能低下時は機械的循環補助(MCS)使用考慮 Ex.)ECMO+(IMPELLA/IABP) ●低体温に伴い徐脈傾向に ●心停止後の気絶心筋や心停止症候群により  心拍出量↓や血管拡張による血圧低下
29. 蘇生後の管理【神経】 参考) 2020アメリカ心臓協会 CPRおよびECCのガイドライン/Intensivist Vol13 No.1 2021 鎮静➡1st プロポフォール/2ndミダゾラム 鎮痛➡フェンタニル/モルヒネ(ECMO時) TTM終了後に脳波で高次脳機能評価 中枢神経保護目的 ➡1stエダラボン30mg q12h /2ndグリセオール200-500ml/day ●TTM期間中の対光反射などは神経学的予後を反映しない ●シバリングのコントロールがとても重要(後述) ●ROSC後昏睡患者にはしばしば痙攣が起こる
30. 参考:蘇生後の脳機能カテゴリー(Cerebral Performance Category) 引用) Scand J Trauma Resusc Emerg Med 2011; 19: 38-42.
31. 神経学的予後予測はROSC後いつ確認するかが大切! 参考) 2020アメリカ心臓協会 CPRおよびECCのガイドライン 【24時間以後出現すると予後不良】 脳N20SSEP欠損 ミオクローヌス 血性NSE高値   【72時間以後出現すると予後不良】 脳波burst-suppression 癲癇重積 瞳孔光反射欠如 定量的瞳孔測定 角膜反射欠如
32. CQ:てんかん発作の予防は必要? 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●てんかん発作が生じたら治療を行う ●非痙攣性てんかん発作➡持続脳波モニタリングで認識 ●てんかん発作の予防  …退院後30日以降の神経学的予後に有意差なし てんかん発作の予防はルーチンには行わない 抗てんかん薬は発作に応じて投与
33. 抗シバリングプロトコール 参考)Stroke. 2008:39:3242-7 BSASスコア0に維持  1時間ごとに評価 【シバリングの予兆】 ●鳥肌 ●心電図アーチファクト ●咬筋の震え
34. 蘇生後の管理【栄養】 参考) Intensivist Vol13 No.1 2021 【栄養】 可能であればEN20kcal/kg/日目標 【血糖】 HuR持続静注 PG180mg/dL以下の管理目標 ●TTM実施中48時間以内に栄養開始  ➡神経学的予後が有意に改善した J Parenter Enteral Nutr 2020;44:138-45
35. 【不整脈】 アミオダロン(維持量) ※血行動態不安定な場合TTM離脱も考慮 【てんかん】 1st MDZ5-10mg(反復投与) /2nd LEV500mg  ※エビデンス△ 脳代謝抑制目的 【感染】 1st ABPC/SBT(1.5g q8h)/2nd TAZ/PIPC(2.5g×2) 体温低下➡免疫↓ 発熱なく感染の判断困難 【高体温】 1stアセトアミノフェン 蘇生後の管理【対応各論まとめ】 参考) Intensivist Vol13 No.1 2021
36. CQ:予防的抗菌薬投与は必要? 引用) 「JRC 蘇生ガイドライン 2020 オンライン版」一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC) ●予防的抗菌薬  …肺炎の発症を減少させる可能性はあるが、   死亡・入院期間に影響を与えない ●抗生剤使用による耐性菌増加のリスク↑ ROSC後の患者に対する予防的抗菌薬投与は行わない
37. 蘇生後のTTMのまとめ ●TTMは蘇生後の神経学的予後の 改善を目的に導入 ●TTMは施設間のバラツキもあるのが実情 質の高いTTM管理を心がける ●体温維持中に想定される合併症は 生理学を理解した上で対応
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