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破傷風予防の重要性と概要
#1. 転倒外傷? 破傷風トキソイド いっとけばイイよね? くらいの ふんわり理解 の方が 保存しておくと役立つスライド (すぐ使えるフローチャート付き) 古賀総合病院 内科 松浦良樹
#2. はじめに キズ、ちょっとキタないし、 トキソイドうっておくかぁ… 程度の理解では十分でない破傷風予防について解説します。
破傷風リスク評価のステップ
#3. 破傷風予防のための介入の概要 × STEP ① STEP ② そのキズに、どれくらい 受傷者に、どれくらい 破傷風のリスクがあるか 破傷風の免疫があるか STEP ③ = ・本当に破傷風トキソイドが必要かどうか ・免疫グロブリンの投与も必要かどうか
#4. STEP ① そのキズに、どれくらい 破傷風のリスクがあるか (American College of Surgeonの創分類) ※杓子定規でなくても良く、参考程度に
#5. STEP ② 受傷者に、どれくらい 破傷風の免疫があるか 完全免疫が あるか? 乳児期以降に破傷風ワクチン(を含む3種混合また は4種混合ワクチン)を3回以上接種した ★1968年以前生まれは完全免疫なしの可能性が高い(※) 最後に接種した 最後のワクチン ① 2/3/4(DT/DPT/DPT-IPV)種混合ワクチン 接種はいつか? ② 破傷風トキソイド ★通常、11-12歳頃に2種混合ワクチンでシリーズを終了する から、どのくらい経過しているか ※ 1968年以降生まれでも、1975-1981年の間は定期接種が中断されており、この 期間に生まれた方は完全免疫がない可能性があります。母子手帳などで確認 できればよいですが自信がない場合は「完全免疫なし」とした方が無難です。
破傷風トキソイドと免疫グロブリンの対応
#6. STEP ③ 破傷風トキソイド:TT 免疫グロブリン:TIG 対応を決める 破傷風リスクの低い傷 完全免疫 最終ワクチンから あり 10年未満 対応不要 10年以上 TT なし/不明 TT 破傷風リスクの高い傷 完全免疫 最終ワクチンから あり 5年未満 対応不要 5年以上 TT なし/不明 TT+TIG
実際の投薬方法と注意点
#7. 実際の投薬 破傷風 トキソイド 免疫 グロブリン ・沈降破傷風トキソイド® 0.5mL: 筋注/皮下注 ・破トキ「ビケンF」®0.5mL :筋注/皮下注 ※ワクチン用の問診表記載が必要 ・テタノブリンIH静注®250単位:静注 ・テタノブリン筋注用®250単位:筋注 ・テタガムP筋注シリンジ®250単位:筋注 ※特定生物由来製品の使用同意書が必要 ※ TT+TIG筋注する場合、各々を別の肢に注射すること。 ※ 重症外傷例では免疫グロブリンは1500単位の投与を考慮すること。 (この際、テタノブリン静注IH® 1500単位 製剤を使用)
破傷風予防のフローチャート
#8. まとめたフローチャートです。 以下のリンクからPDFまたは PNG形式でダウンロード できます。 プリントアウトして壁に貼る など、ご自由にお使いください。 https://bit.ly/ tetanusprophylaxis