血液内科ローテ中の研修医/医学生や血液内科勉強中の方向けの造血幹細胞移植の解説動画です。
通常の抗がん剤で完治が見込めない血液がんや、造血幹細胞に異常を来した疾患に対して行われる造血幹細胞移植。何やら複雑なことをやっていそうだけど、イマイチよくわからん、という研修医/医学生に向けてのスライドです。どうやって幹細胞を採取して、どういう免疫抑制をかけて、どのタイミングでどのような合併症に気を付ければよいか、初学者が最初に抑えておくべきポイントを絞って、解説していきます。
youtubeに動画での解説もありますので、詳しく丁寧に解説してますのでぜひどうぞ。
https://youtu.be/Zb7Dxvqf6yI
3. マウスでは、たった1つの幹細胞の移植によって造血再構築することが証明されている。すなわち、造血幹細胞は自己複製能と多分化能をもつ。
4. 遺伝子操作で光るように改変されたマウスの造血幹細胞を移植追うと、全身に広がっていく様子がとらえられた
6. 血液細胞は抗がん剤感受性が高いので、骨髄毒性が一番の副作用。規定量を超えての投与はもっともっと血液がんを殺せるが、自分の血液細胞も大ダメージをおって、場合によっては造血システムが破綻する。ここで、造血幹細胞がストックしてあれば、造血幹細胞を体に戻してあげることで造血が再生する。つまり、骨髄毒性というリミッターを無視して、とんでもない量の抗がん剤を入れて血液がんをころすことができる。
7. 図でのおさらい。自分の造血幹細胞を用いる流れ。
8. 応用編。他人の造血幹細胞を用いる流れ。他人の血液が体を流れることになるので、①GVLという抗白血病効果と、②GVHDという副作用の側面、両方が加わる。
10. 一般的な適応
11. 急性白血病における移植タイミング。化学療法だけで治らないタイプ(青いライン)の最後の一押し、地固め療法として移植する場合がメイン。ただし、化学療法抵抗性や再発してコントロールつかない場合に一発逆転で移植を行うこともある。後者の場合、長期生存は2割程度と厳しい戦いになる。
13. リスクは①抗がん剤の副作用、②血球減少期の感染症、③生着後のGVHDが主なところで、total 20%の患者が死亡するというハイリスクな治療
14. まとめ。動画の方が分かりやすいかと思います。是非どうぞ