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重症頭部外傷のまとめ【2024年ガイドラインを中心に】

投稿者プロフィール
三谷雄己
Award 2023 受賞者

広島大学病院

411,780

628

概要

重症頭部外傷の治療と管理について、202024年ガイドラインを中心にまとめました。

JATECでの評価を踏まえた、医学生や初期研修医の先生が頭部外傷の勉強をするにあたってのいい導入になるかと思います。興味がある方は是非ご一読を。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

参考文献

  • みんなの集中治療科

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テキスト全文

重症頭部外傷の定義と初期治療の注意点

#1.

-

#2.

目次 1.重症頭部外傷とは?  初期治療で注意すべき項目 2. ICP亢進を防げ!  頭部外傷で重要な概念 3.重症頭部外傷  ICUでの管理目標とは?

#3.

重症頭部外傷とは? 初期治療で注意すべき項目

重症頭部外傷のGCS分類と初期治療目標

#4.

重症頭部外傷 ●頭部外傷の重症度はGCSで  分類されることが多い ●初期治療の目標  ・二次的な脳損傷を防ぐこと  ⇒低酸素・低血圧を防ぐ  ・脳圧亢進を避ける ●GCS≦8で重症頭部外傷  早期に認識するのが大切 The Traumatic Coma Data Bank: design, methods, and baseline characteristics Foulkes MA, J Neurosurg. 1991;75:S8.

#5.

重症頭部外傷-JATECの観点から ●ABCDアプローチに準拠  D(意識)は『まいど』で評価  ま:麻痺  い:意識レベル(GCS)  ど:瞳孔所見 外傷初期診療ガイドラインJATEC改訂第5版

#6.

●切迫するD  ・GCS8点以下/JCSⅡ-30点以上  ・経過中にGCS2点以上低下  ・脳ヘルニア徴候(+) ・ABCを安定化させながらすぐに脳外科コール ・気管挿管の適応を考慮 ・Secondary Surveyの前に頭部CT撮影 切迫するDに注意! 外傷初期診療ガイドラインJATEC改訂第5版

危険な所見と手術適応の判断基準

#7.

●瞳孔不同/散大 ●Cushing徴候(高血圧・徐脈) ●明らかな片麻痺 ●除脳/除皮質硬直の所見 ●治療介入までpCO225-30mmHgの 一時的な過換気を考慮 ●換気設定をFiO2 100%に ●マンニトール/高張食塩水の使用 手術適応の危険な所見 Guidelines for the Management of Severe TBI, 4th Ed.

#8.

重症頭部外傷-JATECの観点から ●トラネキサム酸の受傷後3時間  以内の投与は死亡率を下げる  ①1g NSに混注し10分で投与  ②1g NSに混注し8時間で投与  ※GCS 9-15点で有効(軽症〜中等症)      GCS≦8の重症例では 死亡率改善効果が見られず Effects of tranexamic acid on death, disability, vascular occlusive events and other morbidities in patients with acute traumatic brain injury (CRASH-3): a randomised, placebo-controlled trial. Lancet. 2019;394(10210):1713. Epub 2019 Oct 14.

ICPとCPPの重要性とICU管理の目標

#9.

ICP亢進を防げ! 頭部外傷で重要な概念ICP・CPP

#10.

重症頭部外傷のICU管理 ●ICU管理の目標  ・二次的な脳損傷を防ぐ  ⇒低酸素・低血圧を防ぐ  ・脳圧亢進を防ぐ ●特にICP、CPPを意識した管理  を心がける! Management of acute moderate and severe traumatic brain injury Up To Date

ICP管理の展望と治療閾値の考察

#11.

自動調節能・ICP・CPP・CBF・MAPの関係

#12.

ICP? CPP? 脳灌流圧(CPP)=平均動脈圧(MAP)ー頭蓋内圧(ICP) ●それぞれの正常値(mmHg) CPP:60-80 MAP:70-90 ICP:10-15 ●ある程度までは圧の自動調節能が働く  ⇒ICPが亢進すると破綻(重症頭部外傷の1/3) ●頭蓋内圧亢進(ICP↑)の治療閾値(mmHg)について  ・ICP≧15-20 日本重症頭部外傷のガイドライン  ・ICP≧22 米国TBIガイドライン

#13.

ICP管理の今後の展望 ●ICP閾値は絶対的なものではなく 臨床所見・CT所見と組み合わせて判断する●個別化されたICP管理(PRx等を用いた)が今後の方向性 Russo L,et al. Medicina (Kaunas). 2025 17;61(4):738. ●頭蓋内圧亢進(ICP↑)の治療閾値(mmHg)について  ・ICP≧15-20 日本重症頭部外傷のガイドライン  ・ICP≧22 米国TBIガイドライン

脳虚血とCPPの関係についての理解

#14.

ICP亢進と自動調節能 ●頭蓋内容積の変化で調節能の限界を超える ⇒『脳コンプライアンスの低下』 正常時 ICP↑

#15.

CPPとCBFの関係 閾値 脳虚血 ●CPPが50mmHg以下となると、血管拡張による 脳血流の維持が困難 ⇒『脳虚血の進行』

ICPモニタリングの適応と方法

#16.

どんな時にICPモニターを考慮する…?

#17.

そもそもICPってどこの圧? ●脳室内圧モニターはICP測定において最も 精度が高く、脳脊髄液のドレナージも行える 脳室内圧モニター 脳室実質圧モニター

#18.

ICPモニタリングの適応 経皮的気管切開 ●重症頭部外傷(蘇生後GCS:3-8)  及び異常なCT所見を有する  救命しうるすべての患者  ※異常なCT所見:血腫・挫傷・腫脹、   ヘルニア、脳室の圧排を認めるもの   ●正常のCT所見だが、次のうち  2つを満たす場合  ①40歳以上   ②片側 or 両側の異常肢位     ③SBP<90mmHg

ICP亢進の段階的治療と管理戦略

#19.

ICP亢進の段階的治療 経皮的気管切開 ●ICP>22mmHgは治療を推奨   ICP亢進時はまず基本的な管理を徹底 ●頭位30度・正中位 ●適切な鎮静鎮痛 ●pCO2:35-40mmHg 以降は重症度に伴い段階的に治療 staircase approach

#20.

ICP亢進の段階的治療 経皮的気管切開 ●ルーチンでの過換気は推奨されず ①気管挿管 ②鎮静・鎮痛↑ ●BZ系より非BZ系を推奨 ③脳室ドレナージ ●圧:10-15cmH20 量:100-200ml/日 ●抜去の時期は7-10日が目安

#21.

ICP亢進の段階的治療 経皮的気管切開 ●米国ではNS、マンニトール推奨 ●グリセオールはリバウンド効果あり  推奨されていない ④浸透圧療法 引用:重症患者管理マニュアルp76 高調食塩水とマンニトールの使用法

#22.

ICP亢進の段階的治療 経皮的気管切開 ●あくまでも一時的な緊急避難 ⑤過換気療法 ⑥体温管理 ●予防的低体温療法は推奨されない  (複数の大規模RCTで有効性が示されず) ●発熱防止(36-37.5℃の維持)が重要 ●ICP亢進に対する治療的低体温は考慮される ⑦バルビツレート療法 ●大脳の電気活動、代謝を抑制 ●低血圧をきたすことが多く、  CPPの低下に伴い効果が相殺されることも

重症頭部外傷のICUでの管理目標

#23.

ICP亢進の段階的治療 経皮的気管切開 ●Large frontotemporoparietal DC (12 x 15cm以上または直径15cm以上)を推奨 RESCUEicp試験 ⑧減圧開頭術

#24.

重症頭部外傷 ICUでの管理目標とは?

集中治療における管理目標と推奨事項

#25.

集中治療管理の目標 経皮的気管切開 ●循環(血圧管理) 50-69歳でSBP>100mmHg 15-49歳・70歳以上でSBP>110mmHg ※上限については記載なし ●呼吸(人工呼吸管理) ・低酸素を避けるpO2>60mmHg ・pCO2 35-40mmHg ※過換気を避ける ・15-20mmHg程度のPEEPは統計学的には  ICPの上昇に寄与しない The Effect of Positive End-Expiratory Pressure on Intracranial Pressure and Cerebral Hemodynamics. Boone MD, Neurocrit Care. 2017;26(2):174.

#26.

集中治療管理の目標 経皮的気管切開 ●神経 ・ICP亢進に対する治療 ・抗痙攣薬:早期痙攣(受傷後7日以内)の予防に有用   レベチラセタム or フェニトイン(同等の効果)  ※レベチラセタムは薬物相互作用が少なく血中濃度モニタリング不要    ※7日を超える投与は晩期てんかん予防に無効 ●血液・凝固 ・Hb>7g/dL ・抗凝固剤ヘパリン等は脳内出血リスク↑  リスクベネフィット評価しながら

#27.

集中治療管理の目標 経皮的気管切開 ●腎臓・電解質 ・低Na血症を避ける(脳浮腫)  →生理食塩水等の細胞外液輸液 ●消化器・栄養 ・早期経胃空腸栄養を推奨(VAP予防) ・血糖コントロール(140-180mg/dL目安)  低血糖を避ける ●感染・体温 ・抗菌薬  術後SSI予防:CEZ  髄膜炎疑い:CTRX   ・高体温(38℃)を防ぐ 平温療法  予防的低体温は未推奨(48時間以内)

#28.

参考文献・資料 ●Guidelines for the Management of Severe TBI, 4th Ed. (2016) →2020年 減圧開頭術推奨の更新あり ●重症頭部外傷ガイドライン2017 ●ACS Best Practices Guidelines: Management of TBI (2024) ●NCS Guidelines for Seizure Prophylaxis in Mod-Severe TBI (2024)

#30.

医学の学び・医学書レビューを発信させていただいています 公式LINEアカウント(スライドレクチャー動画配信) https://line.me/R/ti/p/%40339dxpov ブログ(勉強ノート・医学書レビュー) https://dancing-doctor.com/


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