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近藤 敬太

近藤 敬太

藤田保健衛生大学/豊田地域医療センター

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今回は認知症の一般的なことについてまとめました! 日常診療において、認知症の患者さんを診療しない科はほとんど無いのではないでしょうか。今回は認知症診療を専門としない医師だけでは無く、認知症患者の方と接する医療者の方でも最低限知っておいて欲しい知識についてまとめております。 ぜひこのスライドで認知症診療を身近に感じ、明日からの診療に活かして頂ければと思います。

多職種のための認知症の診断と治療

1. 多職種のための 認知症の診断と治療 藤田保健衛生大学総合診療・家庭医療プログラム 専攻医 近藤敬太
2. 今日の目標 ①認知症の概要について理解出来る。 ②認知症の診断方法について理解できる。 ③認知症の治療方法について理解できる。 ④介護職のストレスについて考える。
3. 今日の目標 ①認知症の概要について理解出来る。 ②認知症の診断方法について理解できる。 ③認知症の治療方法について理解できる。 ④介護職のストレスについて考える。
4. 認知症とは ・一度正常に達した認知機能が後天的な 脳の障害によって持続性に低下し、 日常生活や社会生活に支障を来す ようになった状態のこと。 ・記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、 言語、判断など多数の高次脳機能障害から なる症候群。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
5. 認知症の疫学 65歳以上の認知症患者数と有病率の将来推計 出典)内閣府HP 平成28年版⾼齢社会⽩書
6. 認知症の疫学 65歳以上の認知症患者数と有病率の将来推計 2025年には ・約700万人 ・65歳以上の5人に1人 ※糖尿病に関連して認知症が発症することを考慮した推計値 出典)内閣府HP 平成28年版⾼齢社会⽩書
7. 認知症の症状 ・中核症状 記憶障害をはじめとする認知機能障害。 ・周辺症状(BPSD) 幻覚、妄想などの心理症状。 脱抑制などの行動異常。 ・中核症状 + 周辺症状 = 認知症の症状 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
8. 認知症の中核症状 ・主な認知機能障害として記憶障害、 失語、失認、遂行機能障害がある。 ・記憶障害 近時記憶障害、エピソード記憶など。 例)どこに物を置いたかを忘れてしまう。 体験したことを忘れてしまう。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
9. 認知症の周辺症状(BPSD) ・認知症に伴う心理症状、行動症状のこと。 ・Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSDと呼ばれることが多い。 ・介護者にとって中核症状よりも問題となる ことが多い。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
10. 認知症の周辺症状(BPSD) ・心理症状 不安、うつ症状、興奮、幻覚や妄想など。 ・行動症状 暴力、徘徊、不穏、性的脱抑制など。 ・薬物療法、非薬物的な介入に反応し、 消退する可能性がある! 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
11. 認知症の原因 ・最大のリスク因子は加齢である。 85歳で記憶、再生できる項目数の平均は 18歳のおよそ半分である。 ・認知症の原因疾患は様々ある。 臨床的にはその中でも 治療可能な認知症を的確に診断、治療する ことが重要。 出典)ハリソン内科学第5版
12. 認知症の原因疾患 ・一般的な認知症の原因 アルツハイマー病、血管性認知症、 Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症 ・まれな認知症の原因 うつ病、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、 ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症、 薬剤性、神経梅毒などの感染症 出典)ハリソン内科学第5版
13. 認知症の原因疾患 これらの疾患は 治療可能な可能性あり ・まれな認知症の原因 うつ病、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、 ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症、 薬剤性、神経梅毒などの感染症 出典)ハリソン内科学第5版
14. アルツハイマー病 ・認知症の原因として最も多い。 ・記憶障害が初発症状となることが多く、 進行に伴い言語障害や視空間認知機能障害 を生じるのが特徴的なパターン。 ・感情や意欲の障害、妄想、幻覚、徘徊、 興奮等のBPSDを伴うことが多い。 出典)ハリソン内科学第5版
15. アルツハイマー病 ・診察時に分からないことがあると家族に 「どうだったかね」と聞くことが多い。 (取り繕い反応) ・リスク因子は加齢と家族歴である。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
16. アルツハイマー病:著名人 ロナルド・レーガン アメリカ合衆国 第40代大統領 Nov. 5, 1994 I now begin the journey that will lead me into the sunset of my life.
17. 血管性認知症 ・脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など 脳血管障害に伴う認知症のこと。 ・記憶障害の低下はあるが病識や判断力は 比較的保たれることが多い。 ・突然発症や段階的な増悪、局所的神経徴候 を特徴としている。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
18. 血管性認知症 ・高血圧、糖尿病、喫煙、運動不足などを 安定化、改善させ、 新たな脳血管障害の予防が重要である。 ・アルツハイマー病との併存もみられ、 混合性認知症と呼ばれる。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
19. Lewy小体型認知症 ・認知機能の変動、パーキンソニズム、 繰り返す具体的な幻視、うつ症状、 妄想、アパシー、レム睡眠行動障害を 特徴とする。 ・認知症を伴うParkinson病とは 症状の出現順序や程度が違うだけで 同じ概念の疾患と考えられている。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
20. 前頭側頭型認知症 ・前頭葉障害に伴う脱抑制、反社会性、 無欲、常同行動、側頭葉の障害による 失語、意味障害を特徴とする。 ・多くは40∼60歳代で発症する。 ・認知症の家族歴が多く見られる。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
21. 今日の目標 ①認知症の概要について理解出来る。 ②認知症の診断方法について理解できる。 ③認知症の治療方法について理解できる。 ④介護職のストレスについて考える。
22. STEP0:認知症を疑うポイント ・認知症は基本的に年単位で進む病態。 急に様子がおかしくなった場合は せん妄や可逆性の認知症を考える。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
23. せん妄と認知症の違い せん妄 認知症 発症 急激 緩徐 初発症状 錯覚、幻覚、妄想、興奮 記憶力低下 日内変動 夕方や夜間に悪化 変化に乏しい 持続 数日∼数週間 永続的 身体疾患 合併が多い 時にあり 環境の関与 関与が多い なし 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010より⼀部改変
24. STEP0:認知症を疑うポイント ・認知症は基本的に年単位で進む病態。 急に様子がおかしくなった場合は せん妄や可逆性の認知症を考える。 ・日常生活動作(ADL)や 手段的日常生活動作(IADL)に支障を来す のが認知症であり、これらに支障が 出ていないかを確認する。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
25. 日常生活動作(ADL) ・日常生活動作はDEATHと覚える。 ・Dressing:着衣 ・Eating:経口摂取 ・Ambulating:移動(歩くのA) ・Toileting:トイレ ・Hygeine:入浴 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
26. 手段的日常生活動作(IADL) ・手段的日常生活動作はSHAFTと覚える。 ・Shopping:買い物 ・Housekeeping:掃除など ・Accounting:金銭管理 ・Food preparation:食事の用意 ・Transport:乗り物を使った移動 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
27. STEP1:Mini-Cog ・Mini Mental State Exam: MMSEが 最も多く使われているが最低でも7分は かかってしまい、忙しい外来では難しい。 ・時間の無い外来では MMSEとほぼ同等に有用 と考えられているMini-Cogが便利。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
28. STEP1:Mini-Cog ①3つの関連の無い単語を覚えてもらう。 例)りんご、椅子、帽子 ②時計の絵を描いてもらう。 (丸を描き、1∼12までの数字を入れる) ③さらに11時10分を絵に描いてもらう。 ④3つの単語を思い出してもらう。 出典)Borson, Soo, et al. "The Mini-Cog as a screen for dementia: validation in a population-based sample." Journal of the American Geriatrics Society 51.10 (2003): 1451-1454.
29. STEP1:Mini-Cog ・認知症 1つも言えない or 1∼2つ言える+時計がかけない ・認知症では無い 全部言える or 1∼2つ言える+時計がかける 出典)Borson, Soo, et al. "The Mini-Cog as a screen for dementia: validation in a population-based sample." Journal of the American Geriatrics Society 51.10 (2003): 1451-1454.
30. STEP1:Mini-Cog ・感度(認知症があり検査陽性)76% 特異度(認知症が無く検査陰性)89% ・23点をカットオフとしたMMSEは 感度71%、特異度96%でありほぼ同等! 出典)Borson, Soo, et al. "The Mini-Cog as a screen for dementia: validation in a population-based sample." Journal of the American Geriatrics Society 51.10 (2003): 1451-1454.
31. STEP2:HDS-R、MMSE ・Mini-Cog陽性、もしくは陰性でも 認知症が疑わしい場合は長谷川式簡易 知能評価スケール改訂版(HDS-R) or MMSEを行う。 ・HDS-Rで20点、MMSEで23点以下で あれば認知症を疑う。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
32. STEP2:HDS-R、MMSE ・境界領域のスコアは軽度認知障害(MCI) の可能性があり、経過観察が必要。 ・HDS-Rの点数低下のパターンから ある程度認知症疾患の鑑別が出来る。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
33. STEP2:HDS-R、MMSE ・アルツハイマー病 見当識(Q2)、遅延再生(Q7) ・Lewy小体型認知症 遅延再生(Q7) ・前頭側頭型認知症 野菜の名前(Q9) 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
34. STEP3:認知症の鑑別 ・病歴、身体所見、血液検査、 頭部CTやMRIなどから鑑別する。 ・具体的なエピソードを聴取する事が大切! 例)同じ食材を買って腐らせる(記憶障害) 何度言っても万引きする(脱抑制) 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
35. 物忘れと認知症の鑑別 ・本人が認知症を心配する場合は正常な加齢 に伴う物忘れと認知症を鑑別する。 認知症 物忘れ 経験を全て忘れる 経験の一部を忘れる 後まで覚えていることはまれ 覚えていることが多い 言われたこと通りにするのは困難 通常可能 メモを使うことが徐々に困難 通常可能 自分に注意を向けることが徐々に困難 通常可能 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版 より⼀部改変
36. STEP3:認知症の鑑別 ・身体所見 固縮や振戦などのパーキンソニズム ・採血 血算、生化、甲状腺機能、ビタミンなど ・頭部CTやMRIで特徴的な所見があるか 治療可能な疾患を見逃さない事が大切! 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
37. 今日の目標 ①認知症の概要について理解出来る。 ②認知症の診断方法について理解できる。 ③認知症の治療方法について理解できる。 ④介護職のストレスについて考える。
38. 認知症治療の原則 ・医学的アプローチとしての薬物療法が 行われるが、ケアのアプローチとして 認知症患者がその人らしく暮らせるように 支援することが基本である。 ・薬物療法を開始する前に適切なケアや リハビリテーションの介入を考慮 しなければならない。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
39. 認知症に対する非薬物療法
40. ①リハビリテーション ・中核症状や認知機能そのものの向上を目的 としたリハは有効性を実証できていない。 ・しかし廃用を防ぎ残存機能を高めることで 二次的に認知機能の向上が期待できる。 ・楽しい時間を共有することで意欲や 学習能力の向上が生じる可能性がある。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
41. ②認知症ケア ・基本は person-centerd care その人らしさを維持することを大切にする。 ・つまり、認知症になっても いつでも、どこでも、その人らしく 暮らせるように支援し、本人の言動を 本人の立場で考えることが基本である。 出典)認知症疾患治療ガイドライン2010
42. ③BPSDについて ・まずは必ず原因がある物として考える! ・環境、薬剤、身体症状が主な要因! 原因について家族や医療者で話合う。 医師よりも患者さんに近い 看護師さん、介護士さんの活躍する場! 出典)かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神病薬使⽤ガイドライン 第⼆版
43. 要因が分かる例 ・環境要因:介護者が本人の前で悪口を 言うため易怒性が増す。 ・薬剤要因:夜間せん妄に対し抗不安薬を 処方し、かえって症状が増悪してしまう。 ・身体要因:夜間の尿閉により不穏症状が 夜間になると増悪する。 出典)かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神病薬使⽤ガイドライン 第⼆版
44. ③BPSDについて ・これらの要因を徹底的に探った上で、 非薬物療法で解決できない場合のみ 薬物療法の併用を考える。 ・実際には解決できない場面も多々あり。 例)患者さんと家族の病前の関係性不良、 重症認知症の場合など。 安易な薬剤投与はしない! 出典)⽇経メディカル「BPSDには⾮薬物療法が最良の選択肢なのか?」川畑 信也
45. 認知症に対する薬物療法
46. 認知症の薬物治療 ・中核症状に対するコリンエステラーゼ 阻害薬使用とBPSDに対する治療が主体。 ・中核症状に対する治療は現時点では 非常に限られている。 出典)ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第⼆版
47. 中核症状に対する薬物療法
48. ①コリンエステラーゼ阻害薬 ・ドネペジル(アリセプト®)、リバスチグミン (リバスタッチ®)、ガランタミン(レミニール®) ・軽∼中等度のアルツハイマー病で投薬開始。 ・投薬によりMMSEのスコアは 僅かながらに改善する。(2点程度) ※ただし長期的な成績は明らかでは無い。 Rogers, S. L., et al. "A 24-week, double-blind, placebo-controlled trial of donepezil in patients with Alzheimerʼs disease. " Neurology 50.1 (1998): 136-145.
49. ①コリンエステラーゼ阻害薬 ・重症のアルツハイマー病、血管性認知症 にも効果があるという臨床研究もあり、 実際の診療では投与を試みることも多い。 ・レビー小体型認知症の幻視などの精神症状 に対する有効性が認められている。 Erkinjuntti, Timo, et al. "Emerging therapies for vascular dementia and vascular cognitive impairment." Stroke 35.4 (2004): 1010-1017. McKeith, Ian, et al. "Efficacy of rivastigmine in dementia with Lewy bodies: a randomised, double-blind, placebo-controlled international study." The Lancet356.9247 (2000): 2031-2036.
50. ①コリンエステラーゼ阻害薬 ・個人差があり効果判定は難しいが、効果が なければ副作用も多く中止した方が良い。 ・中止後に急な認知症の悪化を認めた場合は 服用を再開するほうが無難である。 出典)内科診療ストロング・エビデンス
51. ②NMDA受容体拮抗薬 ・メマンチン(メマリー®) ・中∼重度のアルツハイマー病、および 血管性認知症の進行を遅らせる為に投薬。 ・BPSDを伴う中∼重度のADで コリンエステラーゼ阻害薬が無効な場合に 併用すると効果があったという報告があり、 単独、ないしは併用投与することが多い。 Tariot, Pierre N., et al. "Memantine treatment in patients with moderate to severe Alzheimer disease already receiving donepezil: a randomized controlled trial." Jama 291.3 (2004): 317-324.
52. ②NMDA受容体拮抗薬 ・Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症、 脳血管性認知症にもコリンエステラーゼ 阻害薬が無効な場合に併用を考慮するが、 併用しても効果が無いとする報告もある。 ・効果は一時的(一年程度)とも考えられ ている。 Howard, Robert, et al. "Donepezil and memantine for moderate-to-severe Alzheimer's disease." New England Journal of Medicine 366.10 (2012): 893-903.
53. まとめ ・中核症状に対しては一般的に薬剤が 投与されることが多いが、 必ずしも有効とは限らない。 ・効果には個人差が大きく、副作用も 多いため、常に評価をして有害事象が 大きい時には服用を中止する必要がある。
54. BPSDに対する薬物療法
55. ①抗精神病薬 ・リスペリドン(リスパダール®)など ・非定型抗精神病薬は 易怒性、興奮、被害妄想などに対して有効 である可能性あり、しかし副作用も多い。 ・基本的に適用外使用であり、 本人や家族に充分に説明する必要がある。 Kales, Helen C. et al "Assessment and management of behavioral and psychological symptoms of dementia." bmj350.7 (2015): h369.
56. ②抗うつ薬 ・セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) であるセルトラリン(ジェイゾロフト®)など ・安全性が高く、治療反応性も良い。 ・興奮症状に対する治療で 非定型抗精神病薬と同等の効果をもつ 可能性がある。 Kales, Helen C. et al "Assessment and management of behavioral and psychological symptoms of dementia." bmj350.7 (2015): h369.
57. ③抑肝散 ・BPSDを評価するNPIスコア、 ADLの著明な改善を認めた報告あり。 Monji, Akira, et al. "Effect of yokukansan on the behavioral and psychological symptoms of dementia in elderly patients with Alzheimer's disease." Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry 33.2 (2009): 308-311. ・介護者の負担を有意に改善した報告も。 Machida, A., et al. "The effect of YGS (Yi-Gan-San) on BPSD and care burden of dementia." Nihon Ronen Igakkai zasshi. Japanese journal of geriatrics 47.3 (2010): 262. ・副作用も少なく非常に使いやすい。
58. まとめ ・適用外使用となることも多いが、 症状に応じて使用する価値はある。 ・特に抑肝散はBPSDの症状改善傾向、 および介護者の負担の軽減が期待できる。
59. 今日の目標 ①認知症の概要について理解出来る。 ②認知症の診断方法について理解できる。 ③認知症の治療方法について理解できる。 ④介護職のストレスについて考える。
60. 介護職はストレスが高いのか ・神経症の症状把握、評価に有用な GHQ-60にて健常者平均8.0点に対し、 ホームヘルパーの平均は17.7点であった。 ・特に身体的症状、不安と不眠、 社会的活動障害が健常者と比較して 得点が高い傾向にあった。 介護職のストレスは明らかに高い! Takeuchi, H. "A study on the stress of care workers engaged with social welfare facilities: the job stress questionnaire and the general health questionnaire for home helpers." Kawasaki Medical Welfare Journal 13 (2003): 111-116.
61. ストレスの種類は? ・雇用管理 賃金、休暇やシフト、業務の量と質 ・同職種との関係 上司、同僚との人間関係 ・他職種との関係 医師や看護師との価値観の相違、連携困難 古川和稔. "介護職員のストレス." ⽇本労働研究雑誌 No. 658 May 2015 P26ー34
62. ストレスを軽減するには ・社会的待遇の改善(マクロの視点から) 地方自治体や施設による賃金の引き上げ 夜勤の人数配置など、労働環境の改善 専門職の創設など、キャリアアップ支援 介護職のやりがいを創出! 古川和稔. "介護職員のストレス." ⽇本労働研究雑誌 No. 658 May 2015 P26ー34
63. ストレスを軽減するには ・ストレスコーピング(ミクロの視点から) 個々人でストレスを感じたときにやること を決めておく。 管理者はストレスを感じ易い場面を予測し、 同職種の上司や多職種と 忌憚ない意見を交換できる場を設ける。 個人でのストレス対策と管理者側の配慮 古川和稔. "介護職員のストレス." ⽇本労働研究雑誌 No. 658 May 2015 P26ー34
64. まとめ 認知症の疾患としての特徴を理解し その人らしく暮らせる認知症ケアを実践する! 認知症治療にとっては非薬物療法が重要! 特にBPSDへの対応は腕が試される! 介護者自身のストレスケアも大切! 皆で一緒に働きやすい職場を創りましょう!