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近藤 敬太

近藤 敬太

藤田保健衛生大学/聖路加国際病院/豊田地域医療センター

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普段はあまり教わることの少ないフィードバックについてまとめてみました! フィードバックは指導医のみならず、研修医、学生の間でもとても重要なスキルです。医学教育だけで無く、日常や部活動でも後輩を指導する事は多いはず。自身の教え方を振り返って、是非これからの教育に役立てて下さい!

フィードバックを身につけて今日から君もTeacherだ!

1. Resident as a Teacher Feedbackを身につけて 今日から君もTeacherだ! 藤田保健衛生大学総合診療・家庭医療プログラム 専攻医 近藤敬太
2. まず初めに ・Resident as a Teacherとは 欧米などで用いられる考え方で 若手医師は指導医として重要な役割を 持つとされている。 ・今回はフィードバック=振り返り! フィードバックは臨床教育で非常に重要! かつ守るべき原則、テンプレートがある。
3. 今日の目標 ①フィードバック(振り返り)について 理解し、説明できる。 ②Five micro skillsを使いこなす。 (=One Minute Preceptor) ③効果的なフィードバックと失敗例 ④フィードバックの受け方
4. フィードバックとは ・元々は軍事用語。 大砲の着弾点がどれだけずれているか 撃ち手に伝えること。 ・日本語で言えば「振り返り」 目標達成の為の微調整を行う情報のこと。
5. 目的地=達成すべき目標と 現在地の情報=現在行っている行動を 随時知らせてくれる。
6. フィードバックの種類 ・目的での分類 形成的フィードバック 包括的フィードバック ・内容での分類 ポジティブフィードバック ネガティブフィードバック
7. 形成・包括的フィードバック ・形成的フィードバック 一般的に日常業務の中で行われる指導。 ・包括的フィードバック 最終的に目標に達成したかどうかを評価。 試験や総評がこれにあたる。
8. ポジティブ・ネガティブ ・ポジティブフィードバック 何が正しかったかを示し、承認すること。 ≠単純に褒めること ・ネガティブフィードバック 間違いを訂正し、正しい方向へ導くこと。 ≠叱ること
9. ポジティブフィードバック まっすぐで 良いのかなぁ・・・ このまま直進です。 まっすぐで 良かったんだ!
10. ネガティブフィードバック まっすぐで 良いのかなぁ・・・ なるほど! 違ったんだ! この交差点は 右折です。
11. ネガティブフィードバック ※使わない方が良い言葉 いつも∼だよね。 毎回・・・じゃん。 全然 だね。
12. 今日の目標 ①フィードバック(振り返り)について 理解し、説明できる。 ②Five micro skillsを使いこなす。 (=One Minute Preceptor) ③効果的なフィードバックと失敗例 ④フィードバックの受け方
13. Five micro skills ・短時間で効果的なフィードバックを行う 手段として開発されたフィードバックの 代表的な型の1つ。 ・短時間で行うことが出来るため、 One Minute Preceptor (OMP)とも呼ばれている。
14. Five micro skills ・STEP1:考えを述べさせる ・STEP2:根拠を述べさせる ・STEP3:一般論を伝える ・STEP4:出来たことを承認する =ポジティブフィードバック ・STEP5:間違いを正す =ネガティブフィードバック ※必ずしも順番通りに行う必要は無い
15. STEP1:考えを述べさせる 例)「鑑別診断は何だと思いますか」 「次に必要な検査は何だと思いますか」 STEP2:根拠を述べさせる 例)「なぜそう思うのですか」 「それはどうしてですか」
16. STEP1・2のポイント ・すぐに訂正しないこと! ・じっと学習者の意見を聞いて 気付いていない間違いを見つけること! ・学習者が知識、知識の解釈、問題解決の どこでつまずいているかを探る!
17. STEP3:一般論を伝える ・次回に応用できるように全てを教えない。 STEP4:出来たことを承認する ・出来るだけ具体的に何が良かったを 承認する。 STEP5:間違いを正す ・なぜ違うのか、今後の改善点、学習課題を 提案する。
18. 今日の目標 ①フィードバック(振り返り)について 理解し、説明できる。 ②Five micro skillsを使いこなす。 (=One Minute Preceptor) ③効果的なフィードバックと失敗例 ④フィードバックの受け方
19. 効果的なフィードバック(前提) ・指導者が信頼の置ける人物であり、 学習者に好意を示していると感じられる。 ・フィードバックの過程が公正。 学習者の言い分に耳を傾けてくれる。 評価の基準が一貫している。 学習者が「また頑張ろう!」 と思えることが大切!
20. FAST feedback ・Frequent:日常的に 週末やローテーションの最後まで待たない! ・Accurate:正確に 客観的な事実を伝える! ・Specific:具体的に 具体的に何が良かったか、悪かったか伝える! ・Timely:タイミング良く 適切な場所と時間に行う!
21. ありがちなミス① タイミングが 悪い!
22. タイミングが悪い ・その症例やポイントを忘れないために なるべく早く行う。 ・始める前に時間だけでなく、 学習者の残りの業務を確認する。 学習者が安全に学習できる 環境を確保する
23. ありがちなミス② 学習者と 教えることの レベルが 合っていない
24. 学習者と教えることのレベル差 ・学習者診断:RIME model 学習者は以下のレベルに段階付けされ、 各々に出来ることが限られている。 Interpreter (解釈者) Reporter (報告者) Manager (監督者) Educator (指導者)
25. 学習者診断:RIME model ・Reporter:報告者 ○プレゼンテーション 鑑別診断 ・Interpreter:解釈者 ○鑑別診断 検査、治療プラン ・Manager:監督者 ○検査、治療プラン 知識のupdate、指導 ・Educator:指導者 ○知識のupdate、指導
26. 学習者と教えることのレベル差 ・学習者のレベルを見極めて、 出来ることにポジティブフィードバック 出来ないことにネガティブフィードバック を行うと良い。 学習者のレベルを見極め 個々の目標設定に向けて フィードバックを行う
27. ありがちなミス③ 教えすぎる
28. 教えすぎる ・小さく、消化しやすい量で フィードバックを行うことを意識する。 ・一気に全部教えても頭に入らない。 (しかも教えるネタも無くなる・・・) 学習者のためにも 指導者のためにも 腹八分目が丁度良い
29. ありがちなミス④ フィードバック していると 理解されない
30. 理解されない ・指導の決まった形として行う。 (例:ERの振り返りカンファ) ・フィードバックを行う前に 「これから振り返りをしましょう」 とフィードバックすることを宣言する。 フィードバックを していると認識させる
31. 今日の目標 ①フィードバック(振り返り)について 理解し、説明できる。 ②Five micro skillsを使いこなす。 (=One Minute Preceptor) ③効果的なフィードバックと失敗例 ④フィードバックの受け方
32. フィードバックの受け方 ・フィードバックがまずは 「建設的である」と仮定して聞くこと。 ・意味がはっきりしないときは 具体例を求めたり質問したりする。 ・フィードバックしてくれた人に 敬意を表し、お礼を言う。 学習者の姿勢も大切
33. まとめ Five micro skills を使いこなして 君も今日からTeacherになろう! 指導者はしっかりと学習者を把握し、 適度な量のフィードバックを行おう! 学習者の真摯な姿勢も大切! 指導者へのお礼も忘れずに!
34. 参考文献 草場鉄周 家庭医療のエッセンス 津田武 臨床指導はこうやる 橋本忠幸 効果的なフィードバック プライマリ・ケア2016,Vol.1,No.1,p54-57 Neher, Jon O., et al. "A five-step microskills model of clinical teaching." The Journal of the American Board of Family Practice 5.4 (1992): 419-424. Sepdham, Dan, et al. Using the RIME model for learner assessment and feedback." FAMILY MEDICINE-KANSAS CITY- 39.3 (2007): 161.