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家庭医療学の基本概念と生物-心理-社会モデル #1.
「総合的に診る」ための 家庭医療学 はじめの一歩 ・生物-心理-社会モデル ・患者中心の医療の方法 岡山大学病院 総合内科・総合診療科 横田雄也 mail : yktyy4110@gmail.com 2026年2⽉4⽇更新 #2.
そもそも「総合的に診る」とは どういうことでしょうか? 2 総合診療医の資質と能力について #4.
「総合的に診る」とは “ a generalist clinician must be able to tailor care (including the use of ʻevidenceʼ) to the context of an individual. ” 「ジェネラリストは、個人のコンテクストにあわせたtailor care (「エビデンス」の活用を含む)ができなければならない。」 → 総合診療は「何でも屋」ではない! 個別性を意識した包括的な診療を提供する Joanne Reeve 『Medical Generalism, Now!: Reclaiming the Knowledge Work of Modern Practice』 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #5. 総合診療医の 7つの資質・能力 1. 2. 小児も高齢者も妊婦も、 包括的統合アプローチ 未分化な問題も、複雑困難事例も、 包括的に対応 一般的な健康問題に対応する診療能力 臨床推論、EBM、予防医療 Common diseaseへの対応 BPSモデル、患者中心の医療の方法 家族志向型ケア 3. 患者中心の医療・ケア 4. 連携重視のマネジメント 多職種連携、地域連携、保健・介護・福祉連携 5. 地域包括ケアを含む地域志向アプローチ 6. 公益に資する職業規範 地域のヘルスプロモーション 健康の社会的決定要因 プロフェッショナリズム、臨床倫理 7. 多様な診療の場に対応する能力 外来・救急・病棟・在宅診療 ⽇本プライマリ・ケア連合学会. 新・家庭医療専⾨医制度 https://www.shin-kateiiryo.primary-care.or.jp/competency © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 家庭医療学の対象と実践方法 #7.
家庭医療学 個人(患者)・家族・地域を主に対象として ・どのような医療やケアが望ましいのか ・どのようにすれば公平かつ効果的に、 適切な医療やケアを提供できるのか 学際的に研究し実践する学問領域 → 人・地域を診るための学術的知見、 具体的な技術・実践法を学べる © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #9.
生物医学的知識・技術だけでは、 医療はできない。 臨床医であるあなたが、 もし、すべての疾患の病態生理や身体所見、 検査、治療方法を完璧に知っていたとしても、 目の前の患者や家族、地域にあわせた適切な医療を、 うまく届けることができなければ、意味がない。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #10.
家庭医(総合診療医)の役割 ・家庭医的外来診療(非選択的外来) ・病棟診療 ・在宅診療 ・地域保健予防活動 + ・医療者教育 ・プライマリ・ケア研究 岡⼭⼤学医学部医学科 2020年度総合診療学講義 藤沼康樹先⽣ 講義資料より © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 生物-心理-社会モデルの詳細と応用 #11.
家庭医療(総合診療)の 卓越性(得意分野) ・未分化な健康問題 ・多疾患併存状態 ・複雑困難事例 ・下降期慢性疾患 引⽤:藤沼康樹, 他. 総合診療, 30(6);656-658, 2020. #12. 総合診療医の 7つの資質・能力 1. 2. 小児も高齢者も妊婦も、 包括的統合アプローチ 未分化な問題も、複雑困難事例も、 包括的に対応 一般的な健康問題に対応する診療能力 臨床推論、EBM、予防医療 Common diseaseへの対応 BPSモデル、患者中心の医療の方法 家族志向型ケア 3. 患者中心の医療・ケア 4. 連携重視のマネジメント 多職種連携、地域連携、保健・介護・福祉連携 5. 地域包括ケアを含む地域志向アプローチ 6. 公益に資する職業規範 地域のヘルスプロモーション 健康の社会的決定要因 プロフェッショナリズム、臨床倫理 7. 多様な診療の場に対応する能力 外来・救急・病棟・在宅診療 ⽇本プライマリ・ケア連合学会. 新・家庭医療専⾨医制度 https://www.shin-kateiiryo.primary-care.or.jp/competency © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #13.
家庭医療学の中心概念・技術 生物-心理-社会モデル 患者中心の医療の方法 #14.
家庭医療学の中心概念・技術 生物-心理-社会モデル 患者中心の医療の方法 #15.
生物-心理-社会モデル ※ (Bio-Psycho-Social model:BPSモデル) ⽣物圏 システム理論に基づいて、 社会・国家 生物学的側面、心理的側面、社会的側面が 相互に関連しあい、全体として(統合的に)、 ⽂化 地域 生物 家族 今の状態が現れていると考えるモデル ⼆者関係 上記説明は 「渡辺俊之, 小森康永. バイオサイコソーシャルアプローチ―生物・心 理・社会的医療とは何か?, 金剛出版, 2014.」 を参考に記載 ※本スライドでは便宜的にベン図で表現しているが、 本来のBPSモデルは、右端図のようなシステム階層のモデル ※以下の論文でEngelが明確化し、展開されていった。 ・Engel GL. The need for a new medical model: a challenge for biomedicine. Science. 1977 Apr 8;196(4286):129‒36. ・Engel GL. The clinical application of the biopsychosocial model. Am J Psychiatry. 1980 May;137(5):535‒44. 個⼈ 心理 社会 神経系 臓器/器官 細胞 細胞器官 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 分⼦ 患者中心の医療の方法とその重要性 #16.
家庭医療学の中心概念・技術 生物-心理-社会モデル 患者中心の医療の方法 #17.
患者中心の医療の方法 Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する 1.健康、疾患、病いの経験を探る てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #18.
患者中心の医療の方法 • • • (Patient - Centered Clinical Method) カナダのウェスタンオンタリオ大学(現在のウェスタン大学) 家庭医療学講座のグループによって1980年代に開発された、具体的な実践モデル。 原著『Patient-Centered Medicine』第1版は1995年に出版、 2024年3月に改訂第4版が出版されている。 患者満足度・患者アウトカムの向上、医療費削減、医療アクセス改善など、 数々のエビデンスがある。 Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #19.
患者中心の医療の方法 (Patient - Centered Clinical Method) 広く患者を(全人的に)理解し、 共通の理解基盤を見出し、 臨床決定を含めてケアの指針となる 関係を築く。 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』p11 より © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #20.
患者中心の医療の方法 (Patient - Centered Clinical Method) 「患者中心の医療」を構造化したモデル ※注意点 • 患者の言いなりになることを 奨めるものではない • 1〜4を順番通り行ったり、情報を 埋めていくためのチェックリスト のように使わない ※よくある誤解 • 「時間がかかるのでは?」 → 全体でみると結果的には時間短縮に • 「全診療で行わなくても良いのでは?」 → PCCMはもちろん万能ではないが、 患者中心性はどんな場面でも必要 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 健康、疾患、病いの経験を探る方法 #21.
患者中心の医療の方法 1.健康、疾患、病いの経験を探る Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #22.
患者中心の医療の方法 1.健康、疾患、病いの経験を探る 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』 (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #23.
1.健康、疾患、病いの経験を探る 患者・家族との対話や関わりの中 で様々な「てがかり」や「きっか け」がある。 「てがかり」や「きっかけ」から、 患者の健康(Health)、疾患 (Disease)、病い(Illness)を知る。 実際の診療においては、患者の健康 (Health)、疾患(Disease)、病い(Illness) をそれぞれ順番に捉えていくのではなく、 図ではギザギザで表現されているように、 それぞれを行ったりきたりする。 患者の健康(Health)、疾患(Disease)、 病い(Illness)を個別に理解するだけで終 わらず、統合していくことで、ひとりの “人(Person)”として患者を理解する。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #24.
1.健康、疾患、病いの経験を探る 健康 Health 疾患 Disease 病い Illness 意味(meaning) 目標(aspiration) 病歴 診察 検査 感情 解釈 影響 期待 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #25.
疾患(Disease)と病い(Illness) 疾患(Disease) Kleinman, A.『臨床人類学 ; 文化のなかの病者と治療者』1980 (2021). 病歴・診察・検査 → 医療者からの視点(客観的) 心身の不調の生物学医学的な理解とそれに基づく対応。 病い(Illness) 感情・解釈・期待・影響 → 本人からの視点(主観的) 本人が感じる心身の不調のあり方とそれへの対応、 および本人を取り巻く人々による理解と対応のあり方。 26 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 患者の健康観と価値観の理解 #26.
患者の「病い(Illness)を FIFE で捉える 感情:患者はどんな感情を抱いているのか? Feelings (不安、恐怖、怒り、悲しみ、など) 解釈:疾患にどんな解釈をしているのか? Ideas (自分の腹痛に対して、最近親が罹患した大腸癌を想起、など) 影響:生活にどんな影響があるのか? effects on Function (仕事を休むと業務に支障が出る、など) 期待:患者は何を期待しているのか? Expectations (検査をしてほしい、話をきいてもらいたい、など) 注意! ・あくまでモデルや枠組みにすぎない ・チェックリストのような使⽤(FIFEing) は望ましくない © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #27.
健康(Health)健康観・価値観、やりがい・生きがい、強み 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』p49 より それぞれの患者に固有のものであり、 単に病気がないことだけでなく、以下を含むもの • 患者の健康に対する認識 • 健康が患者にとって何を意味するのか • 患者の人生にとって重要な願望や目標を追求する能力 ・患者にとって「健康」が意味するものはなにか? ・どんなふうに生きていきたいか?どんなふうに最期をむかえたいか? ・もし今やれたとしたら「自分は健康だ」と感じることは? ・大切なもの、大切なことはなにか? ・やりがい、生きがいは? 健康増進 予防医療 につなげていく ・大変そうだけれど、それなりにやれてこれているのはなぜ? ・自己効力感(self-efficacy)、レジリエンス(resiliency) © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #28.
これら3つをバラバラにみるのではなく 統合することによって それぞれ固有なひとりの “人(Person)” として 患者を理解する 29 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #29.
患者中心の医療の方法 1.健康、疾患、病いの経験を探る 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』 (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #30.
2.全人的に理解する “人(Person)”の円の中に ふくまれている 患者の健康(Health)、 疾患(Disease)、 病い(Illness)は、 第1コンポーネントにあ たる部分である。 “人(Person)”には、 第1コンポーネントの他、 生活史やライフサイクル、 スピリチュアリティが ふくまれている コンテクストの中に“人(Person)”は存在している。 コンテクストを踏まえることで、様々な言動や事象の 意味がわかり、全人的な理解につながる。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 地域・家族を含めた全人的理解の重要性 #31.
2.地域・家族を含め全人的に理解する 個人 (近位)コンテクスト (遠位)コンテクスト 健康・疾患・病い 生活史 ライフサイクル スピリチュアリティ 家族 家計 教育 雇用・職業 余暇 社会的支援 文化 マクロ経済 ヘルスケアシステム 社会・歴史的状況 生態系 メディア © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #32.
2.地域・家族を含め全人的に理解する 個人 (近位)コンテクスト (遠位)コンテクスト 健康・疾患・病い 生活史 ライフサイクル スピリチュアリティ 家族 家計 教育 雇用・職業 余暇 社会的支援 文化 マクロ経済 ヘルスケアシステム 社会・歴史的状況 生態系 メディア © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #33.
生活史(ライフヒストリー) • 患者がこれまでにどのような生活を送ってきたのか。 その生活の流れの延長線上に、今の生活がある。 • 「患者の生活背景をきく」というときには、現在だけではな く、過去からの歴史も、「生活背景をきく」に含まれている。 • いまは認知症があって様々な支援が必要な方だとしても、 認知症を発症する以前の現役だった頃はどのような生活を 送ってきたのか、その経過のなかでどのような人と出会い別 れてきたのか、そして様々な問題や苦難をどのように乗り越 えてきたのか。その人はずっと「患者」だったわけではない。 • 生活史を知ることは、そのひとの価値観や生きがい、強みと いった「健康(Health)」を知ることにつながる。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #34. 心理社会的発達理論(ライフサイクル理論) 発達心理学者・精神分析家のエリク・H・エリクソンが提唱 年齢 時期 導かれる要素 ⼼理的課題 主な関係性 存在しうる質問 例 世界を信じることは出来 授乳 るか? トイレトレーニ 私は私でよいのか? ング 更⾐の⾃律 探検 動き、移動し、⾏為を 道具の使⽤ ⾏ってよいか? 芸術表現 ⽣後- 乳児期 希望 基本的信頼 vs. 不信 ⺟親 18ヵ⽉- 幼児前期 意思 ⾃律性 vs. 恥、疑惑 両親 3歳- 幼児後期 ⽬的 積極性 vs. 罪悪感 家族 5歳- 学童期 有能感 勤勉性 vs. 劣等感 地域 学校 12歳- ⻘年期 (思春期) 忠誠⼼ 同⼀性 vs. 同⼀性の拡散 仲間 私は誰か? 誰でいられる ロールモデル か? 社会的関係 20-39歳 成⼈期 愛 親密性 vs. 孤独 友だち パートナー 愛することが出来るか? 恋愛関係 40-64歳 壮年期 世話 世代性 vs. 停滞 家族 同僚 私は⾃分の⼈⽣をあてに 仕事 できるか? 親の⽴場 65歳- ⽼年期 賢さ・英知 ⾃⼰統合 vs. 絶望 ⼈類 私は私でいてよかったか? ⼈々とものの存在する世 学校 界で⾃⼰成就できるか? スポーツ 表は wikiedia 「エリク・H・エリクソン」より https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%BBH%E 3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #35.
スピリチュアリティ Puchalski C,, et al. Improving the quality of spiritual care as a dimension of palliative care: the report of the Consensus Conference. J Palliat Med. 2009;12(10):885‒904. 個人が「意味と目的」を求めて表現する方法、そして「瞬間、自己、他者、自然、重要 なもの、神聖なもの」とのつながりを経験する方法を指す、人間性の側面 Spirituality is the aspect of humanity that refers to the way individuals seek and express meaning and purpose and the way they experience their connectedness to the moment, to self, to others, to nature, and to the significant or sacred → 自分の人生の意味や目的、価値観・信念などの実存(自分という存在) 超越的なものとのつながり・・・など ◯村田理論(村田久行による)村田久行『ケアの思想と対人援助: 終末期医療と福祉の現場から』1998. スピリチュアルペインは『自己の存在と意味の消失から生じる苦痛』とされる。 ①時間存在(将来の希望)の視点:未来(すなわち希望)の喪失、など ②関係存在(支えとなる関係)の視点:他者との関係性を失う恐怖、など ③自律存在(自己決定できる自由)の視点:衰弱・障がいに伴う自分の無力感、など → 時間存在、関係存在、自律存在の3つの柱がバランスを失うとき、 人間はスピリチュアルペインを感じる。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. 健康の社会的決定要因とその影響 #36.
2.地域・家族を含め全人的に理解する 健康の社会的決定要因 個人 (近位)コンテクスト (遠位)コンテクスト 健康・疾患・病い 生活史 ライフサイクル スピリチュアリティ 家族 家計 教育 雇用・職業 余暇 社会的支援 文化 マクロ経済 ヘルスケアシステム 社会・歴史的状況 生態系 メディア © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #38.
健康の社会的決定要因 S D H ocial eterminants of ealth 個人ではコントロールできない 健康リスクを規定する社会的要因のこと World Health Organization. Social determinants of health: The solid facts. 2nd ed. 2003. 39 #40. (近位)コンテクストを把握するツール → Social Vital Signs:HEALTH+P 項目 Human network and relationships Employment and income Activities that make oneʼs 内容 人とのつながりと人間関係 家族、友人、近隣など 収入、仕事内容、労働環境など 趣味、活動、生きがい life worth living Literacy and Learning environment Taking adequate food, shelter and clothing Health care systems Patient preference/values © 2024 Yuya Yokota, MD, PhD. ヘルスリテラシー(健康観)、 幼少期の教育環境、学歴など 食事・嗜好品、住居、 地域(衛生、商店、交通/連絡手段、公園)など 保健・医療・福祉・介護サービス 本人の意向、価値観、性格など Team SAIL HP:SDH for all clinicians Tool kit 41 https://sites.google.com/view/svstool/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/tool-kit?authuser=0 患者中心の医療の方法と実践例 #41.
2.地域・家族を含め全人的に理解する そのひとの生活や人生、生き方に思いをはせる 個人 (近位)コンテクスト (遠位)コンテクスト 健康・疾患・病い 生活史 ライフサイクル スピリチュアリティ 家族 家計 教育 雇用・職業 余暇 社会的支援 文化 マクロ経済 ヘルスケアシステム 社会・歴史的状況 生態系 メディア © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #42.
患者中心の医療の方法 1.健康、疾患、病いの経験を探る Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #43.
3.共通の理解基盤を見出す • • 現在の問題を確認する(認識の共有) それぞれの問題の優先順位を設定する • 治療のゴールと管理方針を共有する • 医師、患者 それぞれの役割を確認する 患者 医師 問題 ゴール 役割 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #44.
説明モデル explanatory models (解釈モデルと言われることも) Kleinman, A.『臨床人類学 ; 文化のなかの病者と治療者』, 1992 (2021). ・説明モデルとは 「臨床過程にかかわる人すべてがそれぞれにいだいている 病気エピソードとその治療についての考え 」 → つまり患者だけでなく、医療者にも説明モデルはある ・説明モデルは、以下の5つの主要な問題点に関わる ①病気の原因、②症状の始まりとその様態、③病態生理、④病気の経過、⑤治療法 ・説明モデルを交換し、交渉し、修正しながら共有する → 共通の理解基盤の形成につながる © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #45.
治療負担を考慮する 治療負担とは: Boyd C.M., et al. Healthcare task difficulty among older adults with multimorbidity. Med. Care. 2014;52(Suppl 3):S118‒S125. 服薬、生活指導、自己モニタリング、医療に費やす時間、自己負担費用、困難さなど、 治療のために患者が負担する行為や資源の総量のこと。 様々な治療負担 Eton DT, et al. Building a measurement framework of burden of treatment in complex patients with chronic conditions: a qualitative study. Patient Relat Outcome Meas. 2012;3:39-49. 服薬の負担:内服薬の多さ、内服回数・頻度、副作用、依存 経済的負担:薬剤費、検査費、診察費 家庭や仕事、活動への影響・負担 通院することの負担 これらの治療負担を いかに減らすことができるか 自分の体調のモニタリングの負担 疾患についての学習・情報収集の負担 医療提供システム上の問題による負担 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #46.
3.共通の理解基盤を見出す 「問診の最後に、医師が提示する治療法の選択肢のメニューについて 患者の意見を聞くことで、ギアを切り替えようとするのは難しい。」 Trying to switch gears at the end of the interview, by inviting the patientʼs perspective on a menu of treatment options offered by the physician, will be challenging. 『Patient-Centered Medicine』4th ed. p100 「共通の理解基盤」は診察のはじめから 徐々に見出していく(見出されていく) © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #47.
患者中心の医療の方法 1.健康、疾患、病いの経験を探る Moira Stewart, Judith Belle Brown, W. Wayne Weston, Thomas Freeman, Bridget L. Ryan, Carol L. McWilliam, Ian R. McWhinney. 『Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (4th ed.)』, 2024. (Patient - Centered Clinical Method) 2. 全人的に理解する てがかり・きっかけ 疾患 病い 疾患 病い 健康 個人 健康 コンテクスト 統合された理解 3.共通の理解基盤を見出す 問題・ゴール・役割 相互意思決定 4.患者-医療者関係を強化していく #48.
患者-医療者関係の強化 ・思いやり、共感、ケア、信頼 患者の苦しみを理解する・認める・理解を伝える・必要なときに私たちがいること ・継続性と恒常性 ・癒やし、希望 継続的に関わること、変わらずにそこにいること 苦しみや悲しみを理解し受け止める、少なからず希望をあたえること 「きく」「わかる」ということは、それそのものに癒やしの効果がある ・自己認識 マインドフルネス(今ここに集中する)、自分自身を知る ・医師-患者関係にある力 患者との関係において力を共有する ・転移(患者 → 医師)、 逆転移(医師 → 患者)の認識 巻き込まれることは必ずしもデメリットだけではない 無意識に患者へネガティブな対応・反応をしていないか © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #49.
「患者中心の医療」の実践例 生来健康な30歳代男性Bさん。 基礎疾患もなく、喫煙もしていない。 2日前から咽頭痛が出現し、昨日から鼻汁や咳、 38度の発熱があり、本日朝も発熱が続いている ため医療機関を受診した。 新型コロナウイルス感染症(COVID)が全国的に 流行している時期であった。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #50.
① 医師 「Bさん、よろしくおねがいします。問診票に書いてい ただいたことも含めて、症状や経過について、よければ 詳しくお話をきかせてください。 」 「はい。最初はのどに違和感があるくらいだったのですが、だん だんと痛みが強くなってきました。つばを飲み込むだけでも痛く て・・・。そうかとおもっていたら、咳がではじめて、⿐⽔もで 疾患(病歴、症状) るし、もしかしてと思って昨⽇の昼に熱を測ってみたら、38度あ Bさん りました。 ⾃分はあまり⾵邪をひかないので、久しぶりに熱がでてびっくり して。 病い(感情) 今、コロナ(COVD)が流⾏っているみたいし、 『もしかしてコロナかも』と思って、⼼配で今⽇は来ました。」 病い(解釈) © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #51.
② 医師 「そうでしたか。たしかに流⾏していますよね。 『コロナかも』しれないと思う⼼当たりは何かありますか?」 「実は4⽇くらい前、居酒屋で⾼校の同級⽣6⼈と⼀緒に⾷ Bさん 事をしまして。思い出してみると、咳をしていた友⼈がい たような気がして、もしかしたらそこでうつったのではな いかと思って・・・。 」 医師 病い(解釈) 「たしかに、もしかしたら今回の発症と関係があるのかもしれ ないですね。教えていただきありがとうございます。」 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #52.
③ 医師 「咳や⿐⽔、のどの痛みや熱の他に、お腹の痛みや息苦しさ などはありますか。 」 「いえ、今のところはないですね。強いて⾔うなら、熱が⾼ いと頭痛がしますね。今は⼀番、のどの痛みが強いです。」 Bさん 疾患(症状) 医師 「のどの痛みが強いとお⾟いですよね。⾷事はとれていますか。」 「今はなんとか⾷べています。ただ、のどの痛みが強くて、 ⾷べ物を飲み込むのにも⼀苦労です。」 医師 Bさん 疾患(症状) 「飲み込むのも⾟いくらいのどが痛いながらも、なんとか頑 張ってたべていらっしゃるのですね。お話いただきありがとう ございます。それでは体の診察をさせてください。 」 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #53.
④ → 以上の病歴と⾝体診察の所⾒から新型コロナウイルス感染症(COVID)を疑った。 医師 「Bさんのお話や診察の結果からは、確かに新型コロナウイ ルス感染症の可能性があると思います。よろしければ、いま から抗原検査をしてもよろしいでしょうか。」 医療者の説明モデル 「そうですよね・・・。わたしも⼼配なので、お願いします。 」 Bさん → 患者に説明・同意を得たうえで新型コロナウイルス抗原検査を実施したところ、 検査結果は陽性だった。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #54.
⑤ 医師 「Bさん、おまたせしました。先ほどの抗原検査の結果は陽性でし た。残念ながら、新型コロナウイルス感染症のようですね。」 「薄々そうかと思っていましたが、やはりコロナでした Bさん か・・・。今までかからずにきていたので、⾃分は罹ら ない体質なのかと思っていました。」 病い(感情、解釈) 医師 「いざかかってしまうとショックですよね。 確認ですが、Bさんはコロナワクチンを接種していますか。」 「ここ最近は打っていませんでしたが、たしかこれまで Bさん に5回は打ったと思います。 」 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #55.
⑥ 医師 「5回ですね。そうでしたら、Aさんは若くて持病もないとのこ 医療者の説明モデル とですので、重症化する可能性は低いと思いますよ。 」 「それは良かったです。ただ、それでもやはり体はしん Bさん どいですね・・・。どれくらいで治るのでしょうか。」 医師 「そうですね、症状はひとによりますが、熱や咽頭痛は数⽇で 良くなってくると思います。咳は、熱が下がってもしばらく続 くかもしれません。 」 コンテクスト 「そうですか・・・。実は今ちょうど仕事が忙しい時期 健康 Bさん で、まだまだ頑張って仕事しなくてはと思っていたとこ ろだったのです。⻑く休むと職場に迷惑がかかってしま いますし、早めに復帰したいです。」 病い(影響) ゴール設定 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #56.
⑦ 医師 「繁忙期ですと、なかなかお仕事を休みづらいですよね。ただ、 無理をして出勤したとしても、周りの⽅に感染を広げてしまう 役割(患者) ので、やはりご⾃宅での療養をおすすめします。現在は⼀般的 には、症状が出た⽇を0⽇⽬として、5⽇⽬までは⾃宅療養する ことが推奨されていますね。」 医療者の説明モデル 「5⽇⽬までなのですね。たしかに、無理をして今の状態 Bさん 病い(解釈) で職場にいっても、余計に迷惑かけそうですしね。 早く治るような⽅法はないのですか。たとえばウイルス に効く薬とか、処⽅してもらえないでしょうか。」 医師 「そうですね、たしかに抗ウイルス薬のいくつかは、症状を軽 くしたり、回復がすこしはやくなる効果がありますが、もしか したらBさんにとっては、薬を飲むメリットはあまりないかもし 病い(期待) 医療者の説明モデル れません。 」 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #57.
⑧ 「そうですか・・・。どんな⽅がその抗ウイルス薬は飲むのですか。 」 医師 Bさん 「持病がある⽅や、⾼齢者の⽅などで、重症化するリスクの⾼ い患者さんにはおすすめすることもあります。 ただ、Bさんはワクチンも打っていますし、持病もなく、重症化 医療者の説明モデル のリスクが低いですし、飲んでもすぐに症状がよくなるわけで はないので、私としてはあまりおすすめしません。また、抗ウ イルス薬はお⼀⼈あたり〇〇円ほどかかるんですよ。」 「〇〇円ですか、それは確かにちょっと⾼いですね・・・。 そこまで⼤きく変わらないのだとしたら、やめておこうとおもいま Bさん す。おとなしく、家でゆっくり休んだほうが良さそうですね。」 役割(患者) © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #58.
⑨ 医師 「はい、そのほうが良いかと思います。職場とも相談してみて ください。 役割(患者) 今⽇は抗ウイルス薬のかわりに、熱を下げて痛みを和らげてく れる解熱鎮痛薬や、咳をすこし減らしてくれる薬を出しておこ うと思いますが、いかがですか。」 役割(医療者) 「はい、それでおねがいします。」 Bさん 役割(患者) 医師 「わかりました。⽔分や⾷事をとりながら、しっかり休んでく ださいね。ちなみにご⾃宅でサポートしてもらえそうな⽅はい らっしゃいますか。 」 コンテクスト 「いえ、今は⼀⼈暮らしです。」 Bさん © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #59.
⑩ 医師 「そうなんですね。どなたかお近くにご家族の⽅はおられますか。」 「隣の県に両親と妹がいますが、近くにはいません。」 Bさん コンテクスト 医師 「すこし遠くにいらっしゃるのですね。ご家族さんらと連絡は とっていらっしゃるのですか。 」 コンテクスト 「はい、両親とはよく連絡をとっています。ただ、妹 は仕事で忙しそうにしているので、なかなか連絡は Bさん とっていないですね。」 医師 「そうでしたか。お⼀⼈だとご⼼配かと思いますので、もし何 かあったときに協⼒が得られるように、ご家族の⽅にも体調の ことをお伝えしておくと良いかもしれませんね。」 役割(患者) © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #60.
⑪ 「そうですね、お気遣いいただきありがとうございます。」 Bさん 医師 「また、もし今後息苦しさや体のしんどさが増して⾷事もとれ ず、体調がどんどん悪くなってくるようであれば、遠慮なく当 院に早めに相談してください。」 役割(患者・医療者) 「ありがとうございます。」 Bさん © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #61.
1.健康、疾患、病いの経験を探る 2.地域・家族を含め全人的に理解する てがかり・きっかけ 病い 疾患 コンテクスト 感情:不安、心配 解釈:会食がきっかけだと思っている COVIDかもしれない 影響:のどの痛みで食事がとりづらい 仕事を休まなくてはいけない 繁忙期で仕事は休みづらい 期待:早めに仕事に復帰したい #咽頭痛 #鼻汁 #咳嗽 #発熱 → COVID-19の診断 疾患 病い 健康 個人 ライフサイクル:成年期 健康 ・独居 ・職業:繁忙期で仕事は休みづらい ・両親、妹は隣県に在住 両親とはよく連絡をとる 妹は仕事で忙しい ・COVIDが全国的に流行中 ・いまは仕事を一生懸命に がんばりたい 3.共通の理解基盤を見出す 問題 ・感冒症状 → COVID ・仕事への影響 ゴール ・できるだけ早い仕事復帰 ・症状の改善 統合された理解 役割 患 者 : ・自宅療養 ・職場との復帰時期の相談 ・家族への連絡 医療者: ・解熱鎮痛薬などの薬処方 ・病状悪化時の再診の受け入れ 4.医療者・患者関係を強化していく © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #62.
「患者中心の医療」のおおまかな流れ ※あくまで一例であり、 必ずしもこの通りではない ① まずはじめは患者から話をはじめてもらい、患者の抱える健康問題や症状、体調の変化な ど、患者から語ってもらう。 患者の話の内容には、感情・期待・解釈・影響といったといった病い(Illness)の内容に 加えて、健康(Health)や疾患(Disease)、コンテクストの情報がふくまれている。そう いった患者の発⾔に対して、医療者はなんらかの反応や質問をおこない、患者の健康 (Health)や疾患(Disease)、病い(Illness)、コンテクストについて情報を集め、それ らを統合しながら全⼈的に理解していく。このとき、第3コンポーネントの共通の理解基盤 を⾒出していくプロセスにもなっている。 ② そうして患者理解を深めていきながら、患者はどういった説明モデルを持っているのかを 把握し、医療者側の理解している内容を患者に伝え、確認する。そして医療者も説明モデ ルを患者に伝え、共有する。 ③ それぞれの説明モデルの共有を通じて共通の理解基盤を⾒出していき、問題の定義やゴー ル設定、そしてお互いの役割を決めていく。これは主に第3コンポーネントの内容ではある が、第1コンポーネントや第2コンポーネントといった患者の全⼈的理解も、患者との対話 をおこなっていく中で同時にすすむ。 ④ ①②③の結果、患者と医療者間で最終的に意思決定がなされ、⽅針がきまっていく。 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #63.
「患者中心の医療の方法」を より詳しく知りたい方は こちら → #64.
もっと家庭医療が 知りたいときの おすすめ本 #66.
「患者中心の医療」の本質 最近の文献レビューによると、患者中心のケアを説明するフレー ムワークで最も一般的な要素は、「権力と責任の共有」 である ことがわかった。 Recent reviews of the literature have found that the most common element in frameworks describing patient-centered care is sharing power and responsibility. 『Patient-Centered Medicine』4th ed. p139 Sturgiss EA, Peart A, Richard L, Ball L, Hunik L, Chai TL, et al. Who is at the centre of what? A scoping review of the conceptualisation of “centredness” in healthcare. BMJ Open. 2022 May 2;12(5):e059400. Langberg EM, Dyhr L, Davidsen AS. Development of the concept of patient-centredness - A systematic review. Patient Educ Couns. 2019 Jul;102(7):1228‒36. © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #67.
Patient-Centeredであるために必要なこと 患者中心であるためには、臨床医は患者をエンパワメントし、関 係性において権力を共有(share the power)できなければなら ない。これは、従来は専門家が握っていたコントロールを手放す ことを意味する。 To be patient-centered, the clinician must be able to empower the patient and share the power in the relationship, and this means renouncing control that traditionally has been in the hands of the professional. 患者中心であるためには、主観的なものと客観的なものとのバラ ンス、つまり心と体の一体化が必要である。 To be patient-centered requires a balance between the subjective and the objective, a bringing together of the mind and the body. 『Patient-Centered Medicine』4th ed. p4 © 2026 Yuya Yokota, MD, PhD. #68.
※参考:日本の総合診療医の分類 総合診療医 診療OS 家庭医療学的 家庭医 生物医学的 内科的 病院家庭医 病院 診療所・在宅 • 総合診療医には家庭医、病院家庭医、 ホスピタリストが含まれる • 診療OSと診療セッティングの2軸で 大まかに特徴づけられるが、 明確な線引はできない(グラデーション) ホスピタリスト 診療セッティング ・Yokota Y, Watari T. Various perspectives of "General Medicine" in Japan-Respect for and cooperation with each other as the same "General Medicine Physicians". J Gen Fam Med. 2021 Nov 1;22(6):314-315.