テキスト全文
Table 1 作成の重要性と方法 #1.
Table 1 を爆速で作る (サマリー表、患者背景) #2.
学会発表や論文で必要になる
Table 1 (サマリー表、患者背景)
皆さんはどうやって作っていますか? #3.
Table 1 の例 このような表を準備するのは意外と大変です。
統計ソフトの R には TableOne というパッケージがあり、EZR からも呼び出せますので、それを使う方も多いと思います (私もそうでした)。
このスライドでは、新しく公開された ブラウザだけで使える無料統計ソフト Reactive stat を使って爆速で作る方法をお伝えします。
データファイルさえあれば、本当にあっという間に作れて、そのまま原稿に貼り付けることができます。 インストール不要
1分以内に作れます ブラウザ統計ソフト Reactive stat の特徴 #4. ブラウザだけで使える
無料統計ソフト Reactive stat ブラウザからアクセスするだけで使え、データ以外は何の準備もいりません。共用のPCでも、スマホからでも使えます。
信頼性の高い R で統計解析し、その結果を AI が解説します。
サマリー表 (いわゆる Table1) 作成機能が充実しています。 https://www.emuyn.net/stats #6.
用意されているサンプルは乳がん患者のデータです とっつきやすいように、カラム名とデータ内容が日本語に翻訳されていますね。
海外製のツールだとしばしば日本語データがエラーになったり文字化けしたりしますが、完全日本語対応なので気楽です。
Table 1 の設定とリアルタイム編集機能 #7.
表示された Table 1 を
とりあえずお示しします 設定項目の下には、すでに表ができています。
p値も計算されていますが、これはクラウドの R で計算しているとのことです。
ちなみに、スマホでもできました。もちろんタブレットも OK #8.
「設定」セクションに、表作成の設定項目が並びます 設定項目に戻ってください。項目を適当にいじってみると、出力される表がリアルタイムに変化します。これが “reactive” という名前の所以です。
青緑色のボタンは “ON”
淡灰色のボタンは “OFF”
矢印は “ドラッグして入れ替え可能”
連続変数と、群分類のカテゴリカル変数にはミニヒストグラムが表示されます。 #9.
表の右側にも設定項目が並びます いろいろ設定できますので、大概の用途には対応できると思います。
枠線の設定はないので、必要に応じてエクセルにコピペしてから変更します。
脚注記号は論文の投稿先の規定に合わせてください。
p値の計算に使用された R は常に最新です。
記事作成時点では、R version 4.4.0 (2024-04-24)となっていました。 出力された表の利用方法と注意点 #10.
出力された表の利用 文字情報を含むデータとして利用する場合
後で内容やレイアウトを編集することができます。
画像として表示する場合
編集できない代わりにレイアウトが崩れる心配がありません。 #11.
「通常形式」でコピーしてパワーポイントに貼り付けた場合 貼り付けるとそのまま表として扱われます。
ちなみに、クリップボードの内容は単純なタブ区切りテキストです。 #12.
「エクセル用」でコピーしてエクセルに貼り付けた場合 完成した表をエクセルに貼り付けるには、表の下にあるこのボタンを押してください。
その際、必ず「エクセル用」を選んでください。フォーマットが崩れないような細工がしてあります。 HTML形式と画像形式での利用法 #13.
「通常形式」でコピーして
エクセルに貼り付けた場合 エクセルなど表計算ソフトでは、( ) 内の数値を貼付時に勝手にマイナスに変換します。
例: (36.4) → -36.4
ですので、せっかくのフォーマットが崩れてしまいます。
エクセルはこのようなおせっかい機能が多いので個人的には嫌いです。
論文の原稿を作るときにはこのような罠に嵌らないように気を付けましょう。 #14.
「HTML形式」でコピーして table.html に保存し、ブラウザで開いた場合 HTML形式は、ウェブページの記述用のフォーマットです。
MarkDown 原稿にそのまま貼り付けて使用することもできます。 #15.
「表の全体イメージを表示」から画像として利用 画像であれば、フォーマットが崩れることがなく、学会発表でのスライドには便利です。論文の原稿には使わないほうがいいです。
ファイル名と形式 (png, jpg, webp から選択) を指定してダウンロードします。
キャンパスサイズは拡大縮小できます。 EZRを用いたサマリー表作成の実例 #16.
説明するまでもないかもしれませんが
EZR でもやってみます #17.
同じデータを使って、EZR でもサマリー表を作ってみました 筆者はもともと EZR をインストールしてあったので簡単に使えます。
データを読み込んだら、「グラフと表」の「サンプルの背景データのサマリー表の出力」を選択します。
あとは、対象となる変数を選択して 「OK」
#18.
EZR のサマリー表の出力 R コマンダーのウィンドウに、出力内容が表示されます。
この時点で、すでにクリップボード内に表データが入っているので、あとはエクセルに貼り付けるだけ。
プログラムが走ってますって感じでかっこいいですね。これを使いやすくしたのが EZR。素晴らしい! 学会・論文準備の効率化を目指して #19.
EZR のサマリー表をエクセルに貼り付けるとこんな感じ きれいな表が出力されています。
p値の計算方法は、「自動判定」で設定したのですが、たぶん全てカイ二乗検定と思います。
R の version はR コマンダーのスクリプトに以下を入れて実行すれば取得できます。
version <- R.Version()cat(version$version.string)
R version 4.3.1 (2023-06-16 ucrt) でした。 #20.
皆様の学会・論文の準備が少しでも楽になることを願っています。
Enjoy!