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β-ラクタム系抗菌薬 -セフェム系-

投稿者プロフィール
高野哲史
Award 2020 受賞者

医療法人社団東光会戸田中央総合病院

41,324

128

概要

「お金持ち」って本当は褒め言葉だと思うんですが、なぜ「お金持ち」と言われても良い気がしないのかなと思う今日この頃。背が高いとか足が長いとか酒が強いとか、何かモノでも能力でも持っているとプラスに取られることが多いと思いますし、お金をたくさん持っているということは紛れもなくイイ事だと思うのですけどね。

 

さて今回はセフェム系抗菌薬、ペニシリンと並んでβ-ラクタムの重要なカテゴリの話です。臨床でも使う機会が多いですが、正しく使えているか、より良くできないか、総論と各論に分けて理解を深め診療のレベルアップにご活用ください。

 

スライドの中で更なる解説が必要な点やご不明な点については、お気軽にコメント欄よりお寄せ下さい。

 

(本作は2023年度公立昭和病院 感染症ランチオンセミナーで使用したスライドを一部改変したものです)

 

**************************************

Twitter: https://twitter.com/metl63_ (@metl63_)

mail: meinl2511(アットマーク)gmail.com

日経メディカル(2023/1- 連載中): 感染症診療のマテリアル(https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cadetto/column/takano/)

**************************************

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

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テキスト全文

β-ラクタム系抗菌薬の概要と重要性

#1.

ミニマム抗菌薬シリーズ β-ラクタム系抗菌薬 - セフェム系 -

#2.

executive summery / β-ラクタム系は感染症治療薬の基本形である // 各薬剤の抗菌スペクトラムの把握が重要である /// PK-PD理論に基づき適切な投与設計を行う //// 緑膿菌活性のある薬剤を漫然と投与しない

#3.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

セフェム系抗菌薬のアウトラインと投与設計

#4.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点3種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

#5.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / β-ラクタム系抗菌薬 = 細胞壁の合成阻害作⽤ - 細胞壁上のペニシリン結合蛋⽩(penicillin-binding protein; PBP)に結合 - 殺菌的(bactericidal)に作⽤する抗菌薬 細胞膜 [細胞壁合成阻害] 細胞壁 / β-ラクタム系抗菌薬 [タンパク合成阻害] - ペニシリン系 / テトラサイクリン系 - セフェム系 // マクロライド系 → セファロスポリン系 /// リンコマイシン系 → セファマイシン系 //// アミノグリコシド系 - カルバペネム系 - モノバクタム系 リボソーム // グリコペプチド系 [核酸合成阻害] / キノロン系 核酸

#6.

セフェム系抗菌薬のアウトライン ぴーけー ぴーでぃー / 薬効と相関するPK/PD parameter - 効果指標: time above MIC(TAM) = 時間依存的に効果を発揮 → 「組織における薬物濃度がMICを上回っている時間」が重要

セフェム系抗菌薬の世代別特性と選択薬

#7.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / 投与設計をより深く考えてみる - 投与間隔: 薬剤の⾎中濃度半減期の4-6倍が⽬安 半減期 およそ1時間 半減期 およそ2時間 半減期 6時間以上 → 4-6時間毎投与(ペニシリンG,アンピシリンなど) → 8-12時間毎投与(セファゾリン,セフェピムなど) → 24時間毎投与(セフトリアキソン)

#8.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / 投与設計をより深く考えてみる - TAMを延⻑させるのに投与時間を延⻑する → PK/PD理論上,治療効果を向上させる可能性がある → お⾦が掛からない(スタッフの理解を得る必要はある) → 緊急疾患を疑う場合(=急速に⾎中濃度を⾼めたい時) は除く - 敗⾎症性ショック,細菌性髄膜炎の初回投与時など 少なくとも「30分で点滴」はダメ

#9.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / ⼀般に「世代が上がるにつれGPC⽤→GNR⽤」 - ⼤雑把なイメージはとりあえずこれでOK - 例外多数.あくまで「イメージ」に留める MSSA(GPC)の第一選択は1gen.のセファゾリン(順当) MSSAに対して3gen.のセフトリアキソンはやや微妙(順当) MSSAに対して4gen.のセフェピムは効果が期待できる(例外) ゆくゆくは具体的な微生物名と第一選択薬の想起に繋げる

セファロスポリンとセファマイシンの違い

#10.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / セファロスポリンとセファマイシンを分けておく - 近年は特に役割が⼤きく異なる → ⼀部のESBLs(Extended-Spectrum β-lactamases)への安定性の有無 = セファマイシンは安定,多くのセファロスポリンは分解される → セファマイシンは基本”anti-ESBLs”と位置付け (= セフメタゾール)

#11.

セフェム系抗菌薬のアウトライン / Enterococcus spp.には効果がない - セフェムの作⽤点となるPBPの発現量が少ない - ただし侵襲性腸球菌感染症(感染性⼼内膜炎含む)ではしばしば使⽤ → 伝統的にはアンピシリン+ゲンタマイシンで治療していたが 近年,副作⽤等からアンピシリン+セフトリアキソンが優勢に

#12.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

第1世代セファロスポリンの特性と使用法

#13.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

#14.

静注セファロスポリン 1/5 セファゾリン / “第1世代”セファロスポリン // 中枢神経系への移⾏性: 無 /// 腎機能障害時の⽤量調節: 要 //// 肝機能障害時の⽤量調節: 不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

#15.

静注セファロスポリン 1/5 セファゾリン / 抗菌スペクトラムを把握する - グラム陽性菌 + “PEK” [excellent] ・Staphylococcus aureus(ただしMSSAに限る) [good] ・ A, B, G群β溶⾎性レンサ球菌 ・Enterococcus spp.を除くその他のレンサ球菌 ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca [fair] ・グラム陽性偏性嫌気性菌 – ”横隔膜より上の嫌気性菌”

第3世代セファロスポリンの抗菌スペクトラム

#16.

静注セファロスポリン 1/5 セファゾリン / ⾎中半減期: およそ2時間 – 頻回投与︕ // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー → 本剤は他のβ-ラクタムとの交差アレルギーは少ない /// 標準的な投与設計 - 2g/回を8時間毎に点滴静注 → CCr: 35mL/minまでは通常容量を許容.安易に減量しない︕

#17.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / “第3世代”セファロスポリン // 中枢神経系への移⾏性: 有 /// 腎機能障害時の⽤量調節: 不要 //// 肝機能障害時の⽤量調節: 原則不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

#18.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ [excellent] ・Salmonella spp., Shigella spp. ・Neisseria gonorrhoeae – 淋菌 ・Neisseria meningitidis – 髄膜炎菌

第4世代セファロスポリンの特性と注意点

#19.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ [good] ・A, B, G群β溶⾎性レンサ球菌およびEnterococcus spp.を除くその他のレンサ球菌 ・Streptococcus pneumoniae – ⼀部のペニシリン耐性肺炎球菌 ・Haemophilus influenzae – 特に”BLNAR”に代表されるペニシリン⾮感受性株 ・Moraxella catarrhalis ・Treponema pallidum – 特に神経梅毒のalternative choice ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca

#20.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ [fair] ・Staphylococcus aureus(ただしMSSAに限る) ・”横隔膜より上の嫌気性菌”

#21.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ ・”PMSECK”: [good] Providencia rettgeri, Morganella morganii, Serratia marcescens, - 治療中のAmpC型β-ラクタマーゼ過剰産⽣の誘導は<5% [poor] Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Klebsiella aerogenes - 治療中のAmpC型β-ラクタマーゼ過剰産⽣の誘導が約20% “PMSECK”は治療途中で耐性化する危険性を孕むため 他薬に感受性を示してもセフェピムを第一選択薬とすべき (私見)

セフェピムの使用法と臨床的注意点

#22.

静注セファロスポリン 2/5 セフトリアキソン / ⾎中半減期: 6時間 - 外来静注抗菌薬療法(Outpatient Parenteral Antimicrobial Therapy; OPAT)が可能 → ⼊院期間の短縮が期待できる,が通院はやや⼿間.バランスが⼤事 // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー(⽐較的稀) → セフォタキシム・セフェピムとの交差アレルギー留意 - ≧2g/⽇投与時は胆泥貯留・偽胆⽯の発⽣に注意 = 胆⽯発作様の腹痛 - とにかく汎⽤性⾼し.みだりに濫⽤しないこと /// 標準的な投与設計 - 1g/回を24時間毎に点滴静注

#23.

静注セファロスポリン 3/5 セフェピム / “第4世代”セファロスポリン // 中枢神経系への移⾏性: 有 - しばしば移⾏性が「良すぎる」かもしれない(後述) /// 腎機能障害時の⽤量調節: 慎重に(後述) //// 肝機能障害時の⽤量調節: 不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

#24.

静注セファロスポリン 3/5 セフェピム / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ - グラム陽性菌 + ”PEK” + “PMSECK” + 緑膿菌 ≒ セファゾリン(1gen.) + セフトリアキソン(3gen.) + 緑膿菌 [excellent] ・”PMSECK”: Providencia rettgeri, Morganella morganii, Serratia marcescens, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Klebsiella aerogenes - AmpC型β-ラクタマーゼに対して安定な抗菌薬の⼀つ ・Pseudomonas aeruginosa

セフォタキシムとセフタジジムの比較

#25.

静注セファロスポリン 3/5 セフェピム / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ - グラム陽性菌 + ”PEK” + “PMSECK” + 緑膿菌 ≒ セファゾリン(1gen.) + セフトリアキソン(3gen.) + 緑膿菌 [good] ・Staphylococcus aureus(ただしMSSAに限る) ・A, B, G群β溶⾎性レンサ球菌およびEnterococcus spp.を除くその他のレンサ球菌 ・Streptococcus pneumoniae ・Haemophilus influenzae ・Moraxella catarrhalis ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca - ESBLsには⽤量依存的感性(susceptible dose-dependent; SDD) → 敢えて使うケースも少ないが使⽤する場合は専⾨家へ相談

#26.

静注セファロスポリン 3/5 セフェピム / ⾎中半減期: およそ2時間 // 標準的な投与設計 - 1g/回 8時間毎を基本にしておくとよい - 緑膿菌以外: 1g/回を12時間毎に点滴静注 → 腸内細菌⽬細菌(⼤腸菌やEnterobacter spp.など)に対するSDD Susceptible MIC(µg/mL) ≦2 Dose 1g/回 12時間毎 SDD MIC(µg/mL) Dose 4 1g/回 8時間毎 8 2g/回 8時間毎 - 緑膿菌: 1g/回を8時間毎に点滴静注 - 髄膜炎: 2g/回を8時間毎に点滴静注

#27.

静注セファロスポリン 3/5 セフェピム / 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー(⽐較的稀) → セフトリアキソン・セフォタキシムとの交差アレルギー留意 // ⽤量調節を特に厳密に – “セフェピム脳症”の懸念 - 腎機能障害時,⾎液・髄液中の薬物濃度が上昇する - GABA-A受容体に結合しGABAの分泌を阻害 - セフェピム投与後4-5⽇後(最短2⽇後)に好発 - 意識障害(80%),⾒当識障害(47%),ミオクローヌス(40%),痙攣(31%) → 気づいたら投与中⽌.中⽌後2⽇程度で症状改善,多くは神経学的予後良好

セファマイシンの特性と臨床使用

#28.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

#29.

静注セファロスポリン 4/5 セフォタキシム / “第3世代”セファロスポリン - 基本,セフトリアキソンのバックアップ // 中枢神経系への移⾏性: 有 /// 腎機能障害時の⽤量調節: 要 - セフトリアキソンとの棲み分け・逆説的なメリット //// 肝機能障害時の⽤量調節: 不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

#30.

静注セファロスポリン 4/5 セフォタキシム / 抗菌スペクトラムを把握する – 超広域︕ - 微⽣物により僅かに差はあるがセフトリアキソンとほぼ同⼀

経口セファロスポリンの特性と使用法

#31.

静注セファロスポリン 4/5 セフォタキシム / ⾎中半減期: 1.5時間 // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー(⽐較的稀) → セフトリアキソン・セフェピムとの交差アレルギー留意 /// 標準的な投与設計 - 1g/回を6時間毎に点滴静注

#32.

静注セファロスポリン 5/5 セフタジジム / ⼀般には“第3世代”セファロスポリン,だが - 緑膿菌に指向性のある少し特殊なポジション - 他の”第3世代“と⽤途が異なる = 便宜的に”第3.5世代”と理解 // 中枢神経系への移⾏性: 有 /// 腎機能障害時の⽤量調節: 要 //// 肝機能障害時の⽤量調節: 不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

#33.

静注セファロスポリン 5/5 セフタジジム / 抗菌スペクトラムを把握する - ”PEK” + “PMSECK” + 「腸炎」の原因菌 + 緑膿菌 [excellent] ・Pseudomonas aeruginosa [good] ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca ・”PMSECK”: Providencia rettgeri, Morganella morganii, Serratia marcescens, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Klebsiella aerogenes [poor] ・グラム陽性菌(肺炎球菌,⻩⾊ブドウ球菌など)

経口抗菌薬の注意点とアレルギーリスク

#34.

静注セファロスポリン 5/5 セフタジジム / ⾎中半減期: およそ2時間 // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー(⽐較的稀) → アズトレオナムとの交差アレルギー留意 /// 標準的な投与設計 - 1g/回を6時間毎に点滴静注

#35.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

#36.

静注セファマイシン 1/1 セフメタゾール / 本邦唯⼀のセファマイシン - 基本は”anti-ESBLs” // 中枢神経系への移⾏性: 無 /// 腎機能障害時の⽤量調節: 要 //// 肝機能障害時の⽤量調節: 不要 ///// 妊婦への投与: 可 ////// 溶解液: ⽣理⾷塩⽔または5%ブドウ糖液

総評と各薬剤の評価

#37.

静注セファマイシン 1/1 セフメタゾール / 抗菌スペクトラムを把握する - ESBLs産⽣菌に指向性あり [excellent] ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca - 特にESBLs産⽣株 [good] ・Bacteroides spp.などの”横隔膜より下“の嫌気性菌 [fair] ・A, B, G群β溶⾎性レンサ球菌およびEnterococcus spp.を除くその他のレンサ球菌 ・Streptococcus pneumoniae ・Staphylococcus aureus(ただしMSSAに限る)

#38.

静注セファマイシン 1/1 セフメタゾール / ⾎中半減期: 1.3時間 - 他のセフェムに⽐べて短い = 頻回投与 // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー(⽐較的稀) /// 標準的な投与設計 - 1g/回を6時間毎に点滴静注

#39.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

β-ラクタム系抗菌薬のまとめと今後の展望

#40.

経口セファロスポリン 1/1 セファレキシン 主たる標的臓器: ⽪膚,尿路 / 第1世代セファロスポリン系薬剤 // バイオアベイラビリティ: 90%以上 /// ⻑時間作⽤型の剤形(複合顆粒)があるのが⾮常に便利 - 1⽇2回投与が可能(カプセルは通常1⽇4回投与) //// 互換性のある静注薬: セファゾリン 処⽅例(正常腎機能の成⼈において) 蜂窩織炎・丹毒: 顆粒1回2g(⼒価1g)を1⽇2回(朝⼣⾷後)内服を5-14⽇ 急性膀胱炎: 顆粒1回2g(⼒価1g)を1⽇2回(朝⼣⾷後)内服を7⽇

#41.

経口セファロスポリン 1/1 セファレキシン / 抗菌スペクトラムを把握する - グラム陽性菌 + “PEK” [excellent] ・Staphylococcus aureus(ただしMSSAに限る) [good] ⽪膚軟部組織感染症の原因菌 ・ A, B, G群β溶⾎性レンサ球菌 ・Enterococcus spp.を除くその他のレンサ球菌 ・”PEK”: Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae/oxytoca [fair] ・グラム陽性偏性嫌気性菌 – ”横隔膜より上の嫌気性菌” 尿路感染症の原因菌

#42.

経口セファロスポリン 1/1 セファレキシン // 臨床使⽤する場合の注意点 - β-ラクタムアレルギー → 本剤は他のβ-ラクタムとの交差アレルギーは少ない /// 標準的な投与設計 - 顆粒2g(1g⼒価=2包)/回を朝・⼣⾷後に内服

#43.

経口抗菌薬 各論 ‒ TIPS - セファクロルについて / 第2世代セファロスポリン - 「帯に短し襷に⻑し」感のある抗菌スペクトラム /// アレルギーの頻度に懸念あり アナフィラキシー: セファレキシン・アンピシリンの約10倍1) ⾎清病様反応(Ⅲ型アレルギー):セファレキシン・アンピシリンの約180倍1) 1) 岡田正人著, 『レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル 第2版』,pp. 245, 医学書院, 2014.

#44.

経口抗菌薬 各論 ‒ TIPS - 経⼝第3世代セファロスポリンについて / 広域過ぎる抗菌スペクトラム - 明らかに市中感染症の原因とならない微⽣物までカバー // 低いバイオアベイラビリティ - 個々の抗菌活性は⾼いとされるものの, ⼗分なTime above MIC(TAM)を確保できるか不安あり /// ピボキシル基を有する薬剤は⼩児で重篤な低⾎糖のリスク1) //// 3世代セフェムに耐性獲得 ≠ 3世代セフェムだけに耐性獲得 - ほとんどの場合他の有⽤な薬剤を巻き込んで耐性となる 1)公益社団法人日本小児科学会 薬事委員会.ピボキシル基含有抗菌薬の服用に関連した低カルニチン血症に係る注意喚起. https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20190820pivoxil̲chuikanki.pdf.2022年3月18日閲覧.

#45.

もくじ / セフェム系抗菌薬のアウトライン // 静注用セフェム系抗菌薬 - セファロスポリン - セファマイシン 必須3種類 + 次点2種類 1種類 /// 経口セファロスポリン系抗菌薬 1種類

#46.

総評 / セファゾリン: ★★★★★ - 本邦における黄色ブドウ球菌感染症治療薬として最重要. // セフトリアキソン: ★★★★★ - 最も使用頻度が高い広域抗菌薬の一角. 経験的治療でも標的治療でも重要.ただし濫用しないこと. /// セフェピム: ★★★★☆ - AmpC過剰産生菌株への第一選択薬.脳症に注意. //// セフォタキシム: ★★★☆☆ - セフトリアキソンのバックアップがメイン.

#47.

総評 / セフタジジム: ★★★☆☆ - 緑膿菌の標的治療薬として重要.グラム陽性菌には無効. // セフメタゾール: ★★★★★ - ESBLs産生菌株への本邦における第一選択薬. 嫌気性菌もカバーされ,腹腔内臓器感染症と相性よし. /// セファレキシン: ★★★★★ - 皮膚や尿路感染症の外来治療に. 第2, 3世代も入手可能だが経口セフェムは基本これだけでOK.

#48.

終 ミニマム抗菌薬シリーズ β-ラクタム系抗菌薬 - ペニシリン系 -


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