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病棟での輸液の組み方!

投稿者プロフィール
永井友基
Award 2022 受賞者

長崎医療センター

3,060,945

4,955

概要

「維持輸液は3A 1500mLで!」を卒業しませんか?

研修医やNsのみなさんに知ってほしい輸液の組み方をご紹介しています。

それぞれの輸液の成分の意味、投与量の決め方などなど

これを読めば輸液がくめるようになるはず!

動画レクチャーもYoutubeに公開してますので是非!

https://youtube.com/playlist?list=PL6BaFFfTjtrc_McyKYkeWCbMVaIlmMfcC

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テキスト全文

病棟での輸液の基本と目的

#1.

研修医/Nsに知ってほしい~病棟での輸液~ レクチャー動画 あります

#2.

Lecture for junior residentsの目標 ・内科病棟管理の「基本」を症例ベースで学ぶ。 ・全体を通しての目標  PGY1:  病棟急変などを状況を正確に解釈し、理解できるようになる  PGY2:  病棟急変などを自分でマネジメントできるようになる

#3.

今回のテーマは! 輸液

輸液オーダー時の考慮事項

#4.

では、質問です。 輸液をオーダーするときに 色々考えながらオーダーしてるよー。 って人ー?

#5.

では、質問です。 3号液つないどけば どうにかなるやろーって思って オーダーしてる人ー?

#6.

ちょっと待ったー!!!

#7.

目標 ・輸液の基本を理解しよう。 ・適切に輸液を選択できるようになろう。

#8.

メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について

#9.

メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について

#10.

輸液ってたくさんありすぎる!! 日腎会誌 2008;50(2):100-109

細胞外液と細胞内液の理解

#11.

輸液の基本を理解するためには… 細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)と細胞内液(5%ブドウ糖液) 他の輸液は この2つの輸液の 組み合わせです! 自由水ともいう

#12.

例えば…

#13.

例えば…

#14.

つまり! 1号液 3号液       1    :    1       1    :    3 K入り

#15.

輸液についてお話する前に… 体液の組成を覚えていますか?

#16.

輸液についてお話する前に… 体液の組成を覚えていますか?

#17.

では、質問です。 ・細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)は、輸液すると  どこに分布するでしょうか?

#18.

では、質問です。 ・細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)は、輸液すると  どこに分布するでしょうか? 細胞外液の補充に有用

#19.

では、もう一つ質問です。 ・細胞内液(5%ブドウ糖液)は、輸液するとどこに分布する  でしょうか?

#20.

では、もう一つ質問です。 ・細胞内液(5%ブドウ糖液)は、輸液するとどこに分布する  でしょうか? 細胞内液の補充に有用

脱水の種類と輸液の補正方法

#21.

では、応用編です。 3号液 1000mlを投与すると、 どこにどういう風に分布しますか?

#22.

3号液は、細胞外液:細胞内液=1:3の組成でしたね。 つまり、ラクテック 250mlとブドウ糖 750mlですね。

#23.

つまり、3号液を1000ml投与すると… 細胞内液 750ml(細胞内に500ml+細胞外に250ml)  細胞外液 250ml  こういう風に 分布しますよ~

#24.

細胞外液/細胞内液って何で気にしなきゃ? 体液量を考慮した輸液を考えるときにとっても大事! メジャーなものとして、脱水を例に挙げると…

#25.

脱水とは? 細胞外脱水(Hypovolemia) 細胞内脱水(Dehydration)

#26.

細胞外脱水(Hypovolemia) ・みなさんが『脱水』という言葉でよく表現するもの。  身体の中から塩水が喪失されている状態。  例) 熱中症、出血性ショック

#27.

細胞外脱水(Hypovolemia) ・みなさんが『脱水』という言葉でよく表現するもの。  身体の中から塩水が喪失されている状態。  例) 熱中症、出血性ショック

#28.

細胞外脱水(Hypovolemia) より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版 p35

#29.

細胞内脱水(Dehydration) ・塩分は減っていないが自由水だけが喪失されている状態  例) 飲水行動ができない高齢者 ※大抵の場合はdehydrationの人はhypovolemiaを伴っている。

#30.

細胞内脱水(Dehydration) ・塩分は減っていないが自由水だけが喪失されている状態  例) 飲水行動ができない高齢者 ※大抵の場合はdehydrationの人はhypovolemiaを伴っている。

脱水の所見と診断の難しさ

#31.

脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 細胞外脱水

#32.

脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 細胞内脱水

#33.

脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 両方

#34.

脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 脱水の身体所見に特異的なものはない! Hypovolemiaとdehydrationを見分けるのはなかなか難しい!

#35.

じゃあ実際どうやって決めればいいの?

#36.

救急外来でよくある場面… Lac上昇してる! 吐血/下血してる! やばい! 血圧やばい! 急性腎障害ある!(腎前性っぽい)

#37.

この人達は体液のどこが足りてませんか?

#38.

この人達は体液のどこが足りてませんか?

#39.

救急外来でよくある場面… Lac上昇してる! 吐血/下血してる! やばい! 血圧やばい! 急性腎障害ある!(腎前性っぽい) 血管内が足りてない!!!!

#40.

つまり! 救急外来セッティングではほとんどの場合、   細胞外液を使う! ※アルブミンとHESが1stになることはほぼない

輸液の速度と使用する液体

#41.

ただし、 浮腫性疾患(心不全、ネフローゼ、肝硬変、腎不全)が 明らかにある場合には、 細胞外液の低下があっても輸液は少なめに! 早めに昇圧薬の使用の検討を!

#42.

輸液の速度 救急外来では、細胞外液を 使えばいいってのは分かったけど、 じゃあ、実際どのくらいの 速度で点滴つなげばいいの?

#43.

細胞外脱水(Hypovolemia)

#44.

輸液の速度 バイタルが安定する まで1-2Lは全開で! 不足分を50~100ml/hrで Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date

#45.

0.9%生理食塩水? or 乳酸リンゲル液? ・重症細胞外脱水の患者において、  0.9%生理食塩水 or 乳酸リンゲル液の大量輸液をしたときに  死亡率や急性腎障害が起こる確率は0.9%生理食塩水の方が  わずかに高いと報告している文献もある。 ・しかし!  メタ解析では明らかな有意差はなかった。 Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date

#46.

0.9%生理食塩水? or 乳酸リンゲル液? ・つまり、  基本的にはどっちでも良いが、リンゲル液が好まれる傾向あり ・ただ、生理食塩水を大量投与すると  高Cl性代謝性アシドーシスを起こす可能性があることに注意。 Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date

#47.

メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について

#48.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#49.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#50.

Step1:1日に必要な維持液を考える ①1日に必要な水分量を考える。 ②1日に必要な電解質量(Na、K)を考える。 今回は基本だけなので これ以外の電解質/栄養は 基本的に考えないです

過去の不足分の考慮と補正

#51.

Step1:1日に必要な維持液を考える① 1日の水分のOUTの量は、 不感蒸泄:10mL/kg/日  (不感蒸泄 15mL/kg/日-代謝水 5mL/kg/日) 尿量維持:20mL/kg/日  (最低でも10mL/kg/日は必要) より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版

#52.

Step1:1日に必要な維持液を考える① 1日の水分のOUTの量は、 不感蒸泄:10mL/kg/日  (不感蒸泄15mL/kg/日-代謝水5mL/kg/日) 尿量維持:20mL/kg/日  (最低でも10mL/kg/日は必要) つまり、 体重×20~30mL/日 の水分量が必要!

#53.

Step1:1日に必要な維持液を考える② 目安として、      Na:食塩 6g(60-100mEq/日)            K :KCl 3g(40-60mEq/日)  

#54.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#55.

Step2:過去の不足分を考える ①輸液を組む時点までで、すでに不足している  細胞外液量/細胞内液量を考える。      ex.嘔吐や下痢、食事摂取不良など  ②不足している電解質量(Kなど)を考える。

#56.

細胞外脱水の補正は? ・細胞外液で補正を行う。 ・細胞外脱水を疑う所見:  血圧低下、頻脈、腎前性腎不全、尿量低下など ・不足している外液量を測定する目安はなく、  バイタルや尿量、腎機能をみながら外液の補正を行う。

#57.

細胞内脱水の補正は? ・5%ブドウ糖液で補正を行う。 ・細胞内脱水を疑う所見:  口喝、腋窩乾燥、皮膚ツルゴール低下、高Na血症、体重減少 ・不足している細胞内液の量の目安  細胞内液欠乏量(L)=(血清Na濃度-140)÷140×体重×0.6 ・上記を3~5日間で補正する。 より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版

#58.

Step2:過去の不足分を考える② ・低K血症など電解質不足を合併している場合には補正を行う。

#59.

ここで、Kの投与の仕方について少し。 ・末梢から使用できるK製剤には色んな制限がある。 ・必ず覚えておきましょう! ・ちなみに、K 1mEq上げるためには100~200mEq必要。

#60.

具体的には… 低K血症があるから、 できるだけたくさんKを 補充したいな~。 何をどれだけ入れれば いいんだっけ…。

今後の喪失分の予測と補正

#61.

ラクテックにKを混ぜるとしたら… KCL 20mEqを 1キット これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。

#62.

ラクテックにKを混ぜるとしたら… アスパラギン酸カリウム 10mEqを2A これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。

#63.

3号液にKを混ぜるとしたら…

#64.

3号液にKを混ぜるとしたら… 元々 K 10mEq/500ml 入ってるよ~

#65.

3号液にKを混ぜるとしたら… KCL 20mEqを 0.5キット これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。

#66.

3号液にKを混ぜるとしたら… アスパラギン酸カリウム 10mEqを1A これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。

#67.

意外と末梢点滴からKの補充できない… ・本気でKの補充をしたい場合は、  中心静脈ルートを取ったり、内服で追加補充したり、  Mgの補充を検討したりしましょう! 1包 4mEq 1錠 8mEq

#68.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#69.

Step3:今後の喪失分を考える ・今後も発熱、嘔吐や下痢、多尿、ドレーンからの排液が続くか  を検討し、続く可能性がある場合には、  予測して補うか、追っかけで補うかを検討する。 ・基本的には、喪失する体液と同等の成分の輸液(水分量、電解質量)  で補いたい。 ・ただし、補正量が適切かは分からないため、  バイタルや、尿量、血液検査でフォローしながら  適切かを日々判断する必要がある。

#70.

Step3:今後の喪失分を考える ①今後喪失し得る細胞外液量/細胞内液量を考える。   ②今後喪失し得る電解質量(Kなど)を考える。    喪失する体液の  水の量    Na/Kなどの組成が大事

浸透圧比の計算と重要性

#71.

Step3:今後の喪失分を考える① ・発熱:  体温1℃上昇で不感蒸散量(12~15mL/kg)が15%上昇 ・下痢や多尿の病態、ドレーンからの排液が続く場合: 喪失量を予測してあらかじめ輸液負荷 or 喪失量を次の日に追っかけて補正する

#72.

Step3:今後の喪失分を考える② ・嘔吐や下痢、ドレーンからの排液の場合、  電解質も一緒に喪失するため、  あらかじめ喪失分を予測して補正する必要がある。 NGチューブやイレウス管も

#73.

体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版

#74.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#75.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える ただし!

#76.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える この考え方だと輸液が多めに… 実際は×0.8~1.0くらいの量を 投与することが多い。

#77.

病棟での輸液の組み方 3stepのまとめ Step1:1日に必要な維持液を考える  水分量→体重×20~30mL/日  Na→60~100 mEq/日  K →40~60 mEq/日 Step2:過去の不足分を考える  細胞外脱水:外液で補正  細胞内脱水:5%Gluで補正  電解質 :Na、Kなど Step3:今後の喪失分を考える  発熱、下痢、嘔吐、ドレナージなどがあれば補正 やや多めになるので ×0.8~1.0くらいを 目安に調節!

#78.

メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について

#79.

浸透圧比とは ・定義:  0.9%生理食塩水の浸透圧 285mOsmを『浸透圧比1』とする。  ※血液の浸透圧≒0.9%生理食塩水の浸透圧 ・末梢から投与できる輸液は浸透圧比3(約900mOsm)まで。  浸透圧比3以上だと、静脈炎のリスクが! 自分で輸液を作るときには浸透圧比も計算してみよう!

#80.

例えば、 ・3%生理食塩水の浸透圧比は?  0.9%食塩水(1) 400ml + 10%塩化ナトリウム(10) 120ml  =(400ml×1+120ml×10) / (400+120)  =3.07   →ぎりぎり末梢からの投与OK!

症例を通じた輸液の実践とまとめ

#81.

輸液、組めそうですか?

#82.

練習問題①

#83.

症例:80歳女性 【主訴】 発熱 【現病歴】 認知症がある施設入所中、ADLほぼ全介助の高齢女性。 来院2日前に38℃の発熱を認めた。 来院当日に発熱継続していたため前医を受診した。 尿検査で膿尿、細菌尿を認めたため尿路感染症と診断され、 入院加療目的に当院へ搬送された。

#84.

入院後経過 尿路感染症の診断でCTRX 2g+生食 100ml q24hrで加療を 開始した。 発熱によって意識レベルがあまり良くなかったため、 絶食輸液管理として入院とした。 入院後から翌日の朝までラクテック 80ml/hrを投与した。

#85.

入院翌日のデータ 【現症】 身長:150cm、体重:40kg 意識:E3V3M5(普段通り) 体温:38.0℃、血圧:121/76mmHg、脈拍数:120回/分、 SpO2:99%(RA) 尿量:15ml/hr(直近) 口腔内軽度乾燥、CRT>2sec 下痢や嘔吐はなし

#86.

血液検査

#87.

今後の予定 ・これまでむせがあったようで、明日嚥下機能評価を行う予定。  それまでは絶食輸液管理で。 ・抗菌薬は継続。 ・ちなみに既往は何もないこととします。

#88.

さあ!今日の輸液はどうしましょう? Let’s Discuss!

#89.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#90.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#91.

Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量  体重×20~30mL/日→800~1200mL/日 ②電解質  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日

#92.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#93.

Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全、Lac上昇  →細胞外脱水がありそう ②電解質  低Kはない

#94.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#95.

Step3:今後の喪失分を考える ①水分量  発熱が持続しているので不感蒸泄が増えているはず。  治療開始24時間くらいなので、解熱までもう少し時間が  かかりそう。  体温1℃上昇で不感蒸散量(12~15mL/kg)が15%上昇するので、  150~180mlが今後喪失され得ると予想される。 ②電解質  不感蒸泄が亢進しているのみなので、電解質の喪失は考えない。

#96.

今回の症例をまとめると… Step1:1日に必要な維持液を考える  ①800~1200ml/日  ②Na→60~100mEq/日、K→40~60mEq/日 Step2:過去の不足分を考える  ①細胞外脱水がありそう、②なし Step3:今後の喪失分を考える  ①150~180ml/日の喪失、②なし ①水分量の計算 ②電解質の計算

#97.

主な輸液

#98.

主な輸液 維持液として3号液を使ってみよう。

#99.

維持液+喪失分 不足分 ×2日分くらいかなぁ

#100.

維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:50.4mEq K:20mEq ×2日分くらいかなぁ

#101.

維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:50.4mEq K:20mEq ×2日分くらいかなぁ

#102.

維持液+喪失分 不足分 ×2日分くらいかなぁ

#103.

維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:85.9mEq K:40mEq ×2日分くらいかなぁ

#104.

維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:85.9mEq K:40mEq ×2日分くらいかなぁ

#105.

最後に必ずKの投与の仕方をチェック!

#106.

ちなみに浸透圧比は、 ソルデム3A(1) 500ml+10%NaCl(10) 20ml+アスパラK(6) 10ml =(500×1+20×10+10×6)/(500+20+10) =1.433 <3なのでOK!

#107.

めっちゃ頑張って輸液考えた…。

#108.

あれ???っていうか… 水分量も電解質量も 結構幅あったよね? 50mlとか 10mEqまで 細かく輸液の調整 しなきゃなの?

#109.

すごい細かい調整は不要です! ただし、 高度腎不全、重症心不全、肝硬変、 重症病態などでで代償機構が働きにくい人は、 厳密に管理をするかを検討しましょう。

#110.

しかし!!! 残念ながらこれで終わりでは ありません。

#111.

明日確認したい所見は?(現症、血液検査など) ちょっとだけ考えてみてください。

#112.

確認する所見 ・バイタル  頻脈、血圧、尿量、体重 ・身体所見  口腔内乾燥、浮腫 ・血液検査(必要に応じて採血をしよう)  腎機能、電解質

#113.

輸液を考えるときに大切なのは! ・日々、所見をフォローすること。 ・カルテの前で計算だけしていても患者さんは  助けられません。

#114.

練習問題②

#115.

症例:40歳男性 【主訴】 嘔吐 【現病歴】 腹部手術歴があるが、それ以外の既往がないADL自立した男性。 来院前日から嘔吐を繰り返し、飲食ができない状態が持続した。 そのため、来院当日に救急外来を受診した。

#116.

来院時のデータ 【現症】 身長:170cm、体重:60kg 意識:E4V5M6 体温:36.0℃、血圧:121/76mmHg、脈拍数:120回/分、 SpO2:100%(RA) 口腔内軽度乾燥あり、CRT>2sec

#117.

血液検査

#118.

経過 ・癒着性腸閉塞の診断で胃管挿入を行った。 ・保存的加療として絶飲食、輸液管理を行う方針となった。 ・胃管からは勢いよく排液が出ている。

#119.

さあ!今日の輸液はどうしましょう? 少し考えてみましょう。

#120.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#121.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#122.

Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量  体重×20~30mL/日→1200~1800mL/日 ②電解質  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日

#123.

Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量(必要量)  体重×20~30mL/日→1500mL/日 ②電解質(必要量)  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日 ×1 混注 3A 1500mLだと水分量1500mLだが Na 52.5mEq, K 30mEqとちょっと足りない 10%NaCl 20mLとアスパラK 1A追加すると 合計Na 86mEq, K 40mEqとなりいい感じ

#124.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#125.

Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全  →嘔吐による細胞外脱水がありそう ②電解質  K 3.3とやや低め

#126.

Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全  →嘔吐による細胞外脱水がありそう ②電解質  K 3.3とやや低め 細胞外液+K 20mEq ×2日分くらいかなぁ

#127.

病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える

#128.

Step3:今後の喪失分を考える ①水分量  入院後すぐなので、胃管排液が持続しそう。 ②電解質  胃液の中にはNa、Kも含まれているため、電解質が喪失される。

#129.

体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版

#130.

体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版

#131.

体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版 1号液 とか 3号液に 近い

#132.

Step3今後の喪失 追っかけ(例) 尿量や排液を8時間毎にカウントし、前の8時間に出た排液量を 次の8時間で追っかける。 指示の例:排液量が  0-500ml/8hrのとき→負荷なし  501ml-1000ml/8hrのとき   →ソルデム3A 500mlを次の8時間かけて側管から負荷  1001-1500ml/8hrのとき   →ソルデム3A 1000mlを次の8時間かけて側管から負荷 4時間毎でやる時もあり ちょっとoutbalance管理の例

#133.

輸液を3stepで組んだら、 必ず最後に Kと浸透圧比をチェック!

#134.

今回の症例では 維持液 不足分 喪失分 8時間毎におっかけ ×2日分くらいかなぁ ×1 混注 ×1 混注

#135.

Take home message ・これからは考えながら輸液をオーダーしてみよう! ・経過をフォローすることを忘れずに。 症例問題はあくまで1例です 提示したものが絶対正解とかではないですからねー よく考えて日々輸液を組んでみてください

#136.

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