病棟での輸液の組み方!

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永井 友基

長崎医療センター 

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「維持輸液は3A 1500mLで!」を卒業しませんか?
研修医やNsのみなさんに知ってほしい輸液の組み方をご紹介しています。

それぞれの輸液の成分の意味、投与量の決め方などなど
これを読めば輸液がくめるようになるはず!

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【公式】Antaa Slideへのアップロード方法

Antaa Slideは、医師・医学生のためのスライド共有プラットフォームです。 本スライドでは、Antaa Slideへのスライドアップロード方法を解説します。 ① Antaa Slideへのログイン方法 ② スライドのアップロード方法 ③ アップロードしたスライドの確認方法 ④ ご利用にあたっての注意点 勉強会やセミナーのために作ったスライドを、皆でシェアして知識をつないでいきましょう。アップロードをお待ちしています! ※登録には、医師資格登録年度または医学部卒業見込み年度の入力が必要です。 <以下のnoteもぜひご覧ください> Antaa Slideは、医師同士の“Giveの精神”でつながるスライド共有プラットフォーム https://note.com/antaa/n/n5fabdc34a32f Antaa Slideってどんなサービス? 反響をまとめてみました https://note.com/antaa/n/nd09bf6ed8f3f

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新型コロナウイルスワクチン(COVID-19ワクチン)Q&A

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誤嚥性肺炎の主治医力【診断編】

最近受け持った誤嚥性肺炎の患者さん、誤嚥の原因は何でしたか? 誤嚥性肺炎は結果であり、正しい診断のためには原因の見極めが必須です。 そのためのポイントを解説します。 ※本スライドは、2021年1月8日配信のAntaaNEWS「Short Lecture」の講演スライドです。 【このスライドの解説動画はこちら】 https://qa.antaa.jp/stream/contents/113

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ショックのまとめ【定義・分類・鑑別を中心に】

救急外来や病棟急変でよく出会うショックについて、確実に知っておくべき知識を理解していますか? ショック=血圧低値と誤解されることが多い、ショックの概念についてまとめました! 生理学や生化学から、ショックの定義や分類、鑑別を中心にまとめています。 初期研修医の先生方や看護師さんにとっては、きっと学びの多いスライドとなっているはずなので、参考にしていただければ幸いです◎

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それって本当に尿管結石?!

<ERで「尿管結石?」って思ったら> 1. 安易に決めつけるのはNG! 2. エコーで“らしい”所見をチェック! 3. 鑑別疾患を意識して、重篤な疾患を見逃すな! 本スライドは、「三銃士 指導医・研修医レクチャーシリーズ」vol.10です。質問・コメントは以下へお願いします。 http://bit.ly/39kNKUy ※「三銃士」は、救急・集中治療医の坂本壮、総合診療医の髙橋宏瑞、鎌田一宏により運営される、医学教育の課題解決を目指した教育ユニットです。 ▶三銃士Facebookページ https://www.facebook.com/dartagnanproject ▶坂本壮のAmazon著者ページ https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B079T41LV8

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病棟での輸液の組み方!

1. 研修医/Nsに知ってほしい~病棟での輸液~
2. Lecture for junior residentsの目標 ・内科病棟管理の「基本」を症例ベースで学ぶ。 ・全体を通しての目標  PGY1:  病棟急変などを状況を正確に解釈し、理解できるようになる  PGY2:  病棟急変などを自分でマネジメントできるようになる
3. 今回のテーマは! 輸液
4. では、質問です。 輸液をオーダーするときに 色々考えながらオーダーしてるよー。 って人ー?
5. では、質問です。 3号液つないどけば どうにかなるやろーって思って オーダーしてる人ー?
6. ちょっと待ったー!!!
7. 目標 ・輸液の基本を理解しよう。 ・適切に輸液を選択できるようになろう。
8. メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について
9. メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について
10. 輸液ってたくさんありすぎる!! 日腎会誌 2008;50(2):100-109
11. 輸液の基本を理解するためには… 細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)と細胞内液(5%ブドウ糖液) 他の輸液は この2つの輸液の 組み合わせです! 自由水ともいう
12. 例えば…
13. 例えば…
14. つまり! 1号液 3号液       1    :    1       1    :    3 K入り
15. 輸液についてお話する前に… 体液の組成を覚えていますか?
16. 輸液についてお話する前に… 体液の組成を覚えていますか?
17. では、質問です。 ・細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)は、輸液すると  どこに分布するでしょうか?
18. では、質問です。 ・細胞外液(生食や乳酸リンゲル液)は、輸液すると  どこに分布するでしょうか? 細胞外液の補充に有用
19. では、もう一つ質問です。 ・細胞内液(5%ブドウ糖液)は、輸液するとどこに分布する  でしょうか?
20. では、もう一つ質問です。 ・細胞内液(5%ブドウ糖液)は、輸液するとどこに分布する  でしょうか? 細胞内液の補充に有用
21. では、応用編です。 3号液 1000mlを投与すると、 どこにどういう風に分布しますか?
22. 3号液は、細胞外液:細胞内液=1:3の組成でしたね。 つまり、ラクテック 250mlとブドウ糖 750mlですね。
23. つまり、3号液を1000ml投与すると… 細胞内液 750ml(細胞内に500ml+細胞外に250ml)  細胞外液 250ml  こういう風に 分布しますよ~
24. 細胞外液/細胞内液って何で気にしなきゃ? 体液量を考慮した輸液を考えるときにとっても大事! メジャーなものとして、脱水を例に挙げると…
25. 脱水とは? 細胞外脱水(Hypovolemia) 細胞内脱水(Dehydration)
26. 細胞外脱水(Hypovolemia) ・みなさんが『脱水』という言葉でよく表現するもの。  身体の中から塩水が喪失されている状態。  例) 熱中症、出血性ショック
27. 細胞外脱水(Hypovolemia) ・みなさんが『脱水』という言葉でよく表現するもの。  身体の中から塩水が喪失されている状態。  例) 熱中症、出血性ショック
28. 細胞外脱水(Hypovolemia) より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版 p35
29. 細胞内脱水(Dehydration) ・塩分は減っていないが自由水だけが喪失されている状態  例) 飲水行動ができない高齢者 ※大抵の場合はdehydrationの人はhypovolemiaを伴っている。
30. 細胞内脱水(Dehydration) ・塩分は減っていないが自由水だけが喪失されている状態  例) 飲水行動ができない高齢者 ※大抵の場合はdehydrationの人はhypovolemiaを伴っている。
31. 脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 細胞外脱水
32. 脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 細胞内脱水
33. 脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 両方
34. 脱水を示唆する所見 JAMA. 1999 ; 281 : 1022. 脱水の身体所見に特異的なものはない! Hypovolemiaとdehydrationを見分けるのはなかなか難しい!
35. じゃあ実際どうやって決めればいいの?
36. 救急外来でよくある場面… Lac上昇してる! 吐血/下血してる! やばい! 血圧やばい! 急性腎障害ある!(腎前性っぽい)
37. この人達は体液のどこが足りてませんか?
38. この人達は体液のどこが足りてませんか?
39. 救急外来でよくある場面… Lac上昇してる! 吐血/下血してる! やばい! 血圧やばい! 急性腎障害ある!(腎前性っぽい) 血管内が足りてない!!!!
40. つまり! 救急外来セッティングではほとんどの場合、   細胞外液を使う! ※アルブミンとHESが1stになることはほぼない
41. ただし、 浮腫性疾患(心不全、ネフローゼ、肝硬変、腎不全)が 明らかにある場合には、 細胞外液の低下があっても輸液は少なめに! 早めに昇圧薬の使用の検討を!
42. 輸液の速度 救急外来では、細胞外液を 使えばいいってのは分かったけど、 じゃあ、実際どのくらいの 速度で点滴つなげばいいの?
43. 細胞外脱水(Hypovolemia)
44. 輸液の速度 バイタルが安定する まで1-2Lは全開で! 不足分を50~100ml/hrで Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date
45. 0.9%生理食塩水? or 乳酸リンゲル液? ・重症細胞外脱水の患者において、  0.9%生理食塩水 or 乳酸リンゲル液の大量輸液をしたときに  死亡率や急性腎障害が起こる確率は0.9%生理食塩水の方が  わずかに高いと報告している文献もある。 ・しかし!  メタ解析では明らかな有意差はなかった。 Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date
46. 0.9%生理食塩水? or 乳酸リンゲル液? ・つまり、  基本的にはどっちでも良いが、リンゲル液が好まれる傾向あり ・ただ、生理食塩水を大量投与すると  高Cl性代謝性アシドーシスを起こす可能性があることに注意。 Treatment of severe hypovolemia or hypovolemic shock in adults, up to date
47. メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について
48. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
49. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
50. Step1:1日に必要な維持液を考える ①1日に必要な水分量を考える。 ②1日に必要な電解質量(Na、K)を考える。 今回は基本だけなので これ以外の電解質/栄養は 基本的に考えないです
51. Step1:1日に必要な維持液を考える① 1日の水分のOUTの量は、 不感蒸泄:10mL/kg/日  (不感蒸泄 15mL/kg/日-代謝水 5mL/kg/日) 尿量維持:20mL/kg/日  (最低でも10mL/kg/日は必要) より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版
52. Step1:1日に必要な維持液を考える① 1日の水分のOUTの量は、 不感蒸泄:10mL/kg/日  (不感蒸泄15mL/kg/日-代謝水5mL/kg/日) 尿量維持:20mL/kg/日  (最低でも10mL/kg/日は必要) つまり、 体重×20~30mL/日 の水分量が必要!
53. Step1:1日に必要な維持液を考える② 目安として、      Na:食塩 6g(60-100mEq/日)            K :KCl 3g(40-60mEq/日)  
54. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
55. Step2:過去の不足分を考える ①輸液を組む時点までで、すでに不足している  細胞外液量/細胞内液量を考える。      ex.嘔吐や下痢、食事摂取不良など  ②不足している電解質量(Kなど)を考える。
56. 細胞外脱水の補正は? ・細胞外液で補正を行う。 ・細胞外脱水を疑う所見:  血圧低下、頻脈、腎前性腎不全、尿量低下など ・不足している外液量を測定する目安はなく、  バイタルや尿量、腎機能をみながら外液の補正を行う。
57. 細胞内脱水の補正は? ・5%ブドウ糖液で補正を行う。 ・細胞内脱水を疑う所見:  口喝、腋窩乾燥、皮膚ツルゴール低下、高Na血症、体重減少 ・不足している細胞内液の量の目安  細胞内液欠乏量(L)=(血清Na濃度-140)÷140×体重×0.6 ・上記を3~5日間で補正する。 より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版
58. Step2:過去の不足分を考える② ・低K血症など電解質不足を合併している場合には補正を行う。
59. ここで、Kの投与の仕方について少し。 ・末梢から使用できるK製剤には色んな制限がある。 ・必ず覚えておきましょう! ・ちなみに、K 1mEq上げるためには100~200mEq必要。
60. 具体的には… 低K血症があるから、 できるだけたくさんKを 補充したいな~。 何をどれだけ入れれば いいんだっけ…。
61. ラクテックにKを混ぜるとしたら… KCL 20mEqを 1キット これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。
62. ラクテックにKを混ぜるとしたら… アスパラギン酸カリウム 10mEqを2A これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。
63. 3号液にKを混ぜるとしたら…
64. 3号液にKを混ぜるとしたら… 元々 K 10mEq/500ml 入ってるよ~
65. 3号液にKを混ぜるとしたら… KCL 20mEqを 0.5キット これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。
66. 3号液にKを混ぜるとしたら… アスパラギン酸カリウム 10mEqを1A これを30分以上かけて投与。 1日に×6セットまで投与可。
67. 意外と末梢点滴からKの補充できない… ・本気でKの補充をしたい場合は、  中心静脈ルートを取ったり、内服で追加補充したり、  Mgの補充を検討したりしましょう! 1包 4mEq 1錠 8mEq
68. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
69. Step3:今後の喪失分を考える ・今後も発熱、嘔吐や下痢、多尿、ドレーンからの排液が続くか  を検討し、続く可能性がある場合には、  予測して補うか、追っかけで補うかを検討する。 ・基本的には、喪失する体液と同等の成分の輸液(水分量、電解質量)  で補いたい。 ・ただし、補正量が適切かは分からないため、  バイタルや、尿量、血液検査でフォローしながら  適切かを日々判断する必要がある。
70. Step3:今後の喪失分を考える ①今後喪失し得る細胞外液量/細胞内液量を考える。   ②今後喪失し得る電解質量(Kなど)を考える。    喪失する体液の  水の量    Na/Kなどの組成が大事
71. Step3:今後の喪失分を考える① ・発熱:  体温1℃上昇で不感蒸散量(12~15mL/kg)が15%上昇 ・下痢や多尿の病態、ドレーンからの排液が続く場合: 喪失量を予測してあらかじめ輸液負荷 or 喪失量を次の日に追っかけて補正する
72. Step3:今後の喪失分を考える② ・嘔吐や下痢、ドレーンからの排液の場合、  電解質も一緒に喪失するため、  あらかじめ喪失分を予測して補正する必要がある。 NGチューブやイレウス管も
73. 体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版
74. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
75. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える ただし!
76. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える この考え方だと輸液が多めに… 実際は×0.8~1.0くらいの量を 投与することが多い。
77. 病棟での輸液の組み方 3stepのまとめ Step1:1日に必要な維持液を考える  水分量→体重×20~30mL/日  Na→60~100 mEq/日  K →40~60 mEq/日 Step2:過去の不足分を考える  細胞外脱水:外液で補正  細胞内脱水:5%Gluで補正  電解質 :Na、Kなど Step3:今後の喪失分を考える  発熱、下痢、嘔吐、ドレナージなどがあれば補正 やや多めになるので ×0.8~1.0くらいを 目安に調節!
78. メニュー ①輸液の基本  ~細胞外液/細胞内液について~ ②病棟での輸液の考え方 ③浸透圧比について
79. 浸透圧比とは ・定義:  0.9%生理食塩水の浸透圧 285mOsmを『浸透圧比1』とする。  ※血液の浸透圧≒0.9%生理食塩水の浸透圧 ・末梢から投与できる輸液は浸透圧比3(約900mOsm)まで。  浸透圧比3以上だと、静脈炎のリスクが! 自分で輸液を作るときには浸透圧比も計算してみよう!
80. 例えば、 ・3%生理食塩水の浸透圧比は?  0.9%食塩水(1) 400ml + 10%塩化ナトリウム(10) 120ml  =(400ml×1+120ml×10) / (400+120)  =3.07   →ぎりぎり末梢からの投与OK!
81. 輸液、組めそうですか?
82. 練習問題①
83. 症例:80歳女性 【主訴】 発熱 【現病歴】 認知症がある施設入所中、ADLほぼ全介助の高齢女性。 来院2日前に38℃の発熱を認めた。 来院当日に発熱継続していたため前医を受診した。 尿検査で膿尿、細菌尿を認めたため尿路感染症と診断され、 入院加療目的に当院へ搬送された。
84. 入院後経過 尿路感染症の診断でCTRX 2g+生食 100ml q24hrで加療を 開始した。 発熱によって意識レベルがあまり良くなかったため、 絶食輸液管理として入院とした。 入院後から翌日の朝までラクテック 80ml/hrを投与した。
85. 入院翌日のデータ 【現症】 身長:150cm、体重:40kg 意識:E3V3M5(普段通り) 体温:38.0℃、血圧:121/76mmHg、脈拍数:120回/分、 SpO2:99%(RA) 尿量:15ml/hr(直近) 口腔内軽度乾燥、CRT>2sec 下痢や嘔吐はなし
86. 血液検査
87. 今後の予定 ・これまでむせがあったようで、明日嚥下機能評価を行う予定。  それまでは絶食輸液管理で。 ・抗菌薬は継続。 ・ちなみに既往は何もないこととします。
88. さあ!今日の輸液はどうしましょう? Let’s Discuss!
89. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
90. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
91. Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量  体重×20~30mL/日→800~1200mL/日 ②電解質  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日
92. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
93. Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全、Lac上昇  →細胞外脱水がありそう ②電解質  低Kはない
94. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
95. Step3:今後の喪失分を考える ①水分量  発熱が持続しているので不感蒸泄が増えているはず。  治療開始24時間くらいなので、解熱までもう少し時間が  かかりそう。  体温1℃上昇で不感蒸散量(12~15mL/kg)が15%上昇するので、  150~180mlが今後喪失され得ると予想される。 ②電解質  不感蒸泄が亢進しているのみなので、電解質の喪失は考えない。
96. 今回の症例をまとめると… Step1:1日に必要な維持液を考える  ①800~1200ml/日  ②Na→60~100mEq/日、K→40~60mEq/日 Step2:過去の不足分を考える  ①細胞外脱水がありそう、②なし Step3:今後の喪失分を考える  ①150~180ml/日の喪失、②なし ①水分量の計算 ②電解質の計算
97. 主な輸液
98. 主な輸液 維持液として3号液を使ってみよう。
99. 維持液+喪失分 不足分 ×2日分くらいかなぁ
100. 維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:50.4mEq K:20mEq ×2日分くらいかなぁ
101. 維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:50.4mEq K:20mEq ×2日分くらいかなぁ
102. 維持液+喪失分 不足分 ×2日分くらいかなぁ
103. 維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:85.9mEq K:40mEq ×2日分くらいかなぁ
104. 維持液+喪失分 不足分 水分量:1100ml Na:85.9mEq K:40mEq ×2日分くらいかなぁ
105. 最後に必ずKの投与の仕方をチェック!
106. ちなみに浸透圧比は、 ソルデム3A(1) 500ml+10%NaCl(10) 20ml+アスパラK(6) 10ml =(500×1+20×10+10×6)/(500+20+10) =1.433 <3なのでOK!
107. めっちゃ頑張って輸液考えた…。
108. あれ???っていうか… 水分量も電解質量も 結構幅あったよね? 50mlとか 10mEqまで 細かく輸液の調整 しなきゃなの?
109. すごい細かい調整は不要です! ただし、 高度腎不全、重症心不全、肝硬変、 重症病態などでで代償機構が働きにくい人は、 厳密に管理をするかを検討しましょう。
110. しかし!!! 残念ながらこれで終わりでは ありません。
111. 明日確認したい所見は?(現症、血液検査など) ちょっとだけ考えてみてください。
112. 確認する所見 ・バイタル  頻脈、血圧、尿量、体重 ・身体所見  口腔内乾燥、浮腫 ・血液検査(必要に応じて採血をしよう)  腎機能、電解質
113. 輸液を考えるときに大切なのは! ・日々、所見をフォローすること。 ・カルテの前で計算だけしていても患者さんは  助けられません。
114. 練習問題②
115. 症例:40歳男性 【主訴】 嘔吐 【現病歴】 腹部手術歴があるが、それ以外の既往がないADL自立した男性。 来院前日から嘔吐を繰り返し、飲食ができない状態が持続した。 そのため、来院当日に救急外来を受診した。
116. 来院時のデータ 【現症】 身長:170cm、体重:60kg 意識:E4V5M6 体温:36.0℃、血圧:121/76mmHg、脈拍数:120回/分、 SpO2:100%(RA) 口腔内軽度乾燥あり、CRT>2sec
117. 血液検査
118. 経過 ・癒着性腸閉塞の診断で胃管挿入を行った。 ・保存的加療として絶飲食、輸液管理を行う方針となった。 ・胃管からは勢いよく排液が出ている。
119. さあ!今日の輸液はどうしましょう? 少し考えてみましょう。
120. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
121. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
122. Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量  体重×20~30mL/日→1200~1800mL/日 ②電解質  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日
123. Step1:1日に必要な維持液を考える ①水分量(必要量)  体重×20~30mL/日→1500mL/日 ②電解質(必要量)  Na→60~100mEq/日  K →40~60mEq/日 ×1 混注 3A 1500mLだと水分量1500mLだが Na 52.5mEq, K 30mEqとちょっと足りない 10%NaCl 20mLとアスパラK 1A追加すると 合計Na 86mEq, K 40mEqとなりいい感じ
124. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
125. Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全  →嘔吐による細胞外脱水がありそう ②電解質  K 3.3とやや低め
126. Step2:過去の不足分を考える ①水分量  頻脈傾向、CRT延長、腎前性腎不全  →嘔吐による細胞外脱水がありそう ②電解質  K 3.3とやや低め 細胞外液+K 20mEq ×2日分くらいかなぁ
127. 病棟での輸液を考えるときの3step Step1:1日に必要な維持液を考える Step2:過去の不足分を考える Step3:今後の喪失分を考える
128. Step3:今後の喪失分を考える ①水分量  入院後すぐなので、胃管排液が持続しそう。 ②電解質  胃液の中にはNa、Kも含まれているため、電解質が喪失される。
129. 体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版
130. 体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版
131. 体液の電解質組成 単位はmEq/L より理解を深める体液電解質異常と輸液 改訂3版 1号液 とか 3号液に 近い
132. Step3今後の喪失 追っかけ(例) 尿量や排液を8時間毎にカウントし、前の8時間に出た排液量を 次の8時間で追っかける。 指示の例:排液量が  0-500ml/8hrのとき→負荷なし  501ml-1000ml/8hrのとき   →ソルデム3A 500mlを次の8時間かけて側管から負荷  1001-1500ml/8hrのとき   →ソルデム3A 1000mlを次の8時間かけて側管から負荷 4時間毎でやる時もあり ちょっとoutbalance管理の例
133. 輸液を3stepで組んだら、 必ず最後に Kと浸透圧比をチェック!
134. 今回の症例では 維持液 不足分 喪失分 8時間毎におっかけ ×2日分くらいかなぁ ×1 混注 ×1 混注
135. Take home message ・これからは考えながら輸液をオーダーしてみよう! ・経過をフォローすることを忘れずに。 症例問題はあくまで1例です 提示したものが絶対正解とかではないですからねー よく考えて日々輸液を組んでみてください