テキスト全文
アナフィラキシー研修の目的と目標
#1. 研修医/コメディカルに知ってほしい ~アナフィラキシー~ 2024 年version Presented by 手稲家庭医療クリニック奥山由梨佳
#3. 本日の目標 アナフィラキシーを速やかに疑って、 適切に初期対応ができる ⇩ アドレナリン投与が必要か、 速やかに判断して投与できる 3
アナフィラキシーの定義・疫学・病態
#4. 最新ガイドライン、チェックしていますか? ・診断基準 ・アドレナリン投与基準 ・アドレナリン投与量 に特に注目! 4
#6. 定義 アナフィラキシーガイドラインによると、 ・重篤な全身性の過敏性反応 ・通常は急速に発現し、死に至ることもある 「人体の生命を脅かすアレルギー反応」 6
#7. 定義 アレルギー :抗原曝露による免疫反応の結果起こる病的反応 アナフィラキシー :人体の生命を脅かすアレルギー反応 アナフィラキシーショック :アナフィラキシーにより循環不全に陥った状態 7
#8. 疫学 ・世界全体の生涯有病率は0.3〜5.1%と推定 ・アナフィラキシーで死亡する確率は100万人あたり 薬剤 :0.05〜0.51 食物 :0.03〜0.32 昆虫毒:0.09〜0.13 統計:アナフィラキシーガイドライン2022より 8
アナフィラキシーの疫学と症状
#9. 疫学 ・日本における 食物アナフィラキシー誘因 1位:牛乳(22%) 2位:鶏卵(20%) 3位:小麦(12%) ・食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは 小麦の他、甲殻類、果物が多い 統計:アナフィラキシーガイドライン2022より 9
#10. 病態 赤枠がⅠ型アレルギー:最多 図:アナフィラキシーガイドライン2022より 10
#11. 病態 アナフィラキシーは Ⅰ型アレルギーが多い 抗原曝露を契機とした マスト細胞活性化による ヒスタミン放出が原因 図:研修医のための内科診療ことはじめ 第9章 21 アナフィラキシー p848より 11
#12. 病態 ヒスタミン放出⇨全身の血管拡張 ↓ 血管内皮細胞の結合が緩くなる ↓ 血漿成分が細胞外に漏出 ↓ 間質浮腫⇨各種臓器症状 循環血漿量減少⇨失神・ショック 出典:研修医のための内科診療ことはじめ 第9章 21 アナフィラキシー p848 12
#13. 病態 間質浮腫がアナフィラキシーの臓器症状の病態! ・皮膚症状⇨膨疹 ・鼻粘膜症状⇨鼻汁、くしゃみ、鼻詰まり ・気道症状⇨咳嗽、喘鳴 ・消化管症状⇨下痢(消化管浮腫)、腹痛(消化管狭窄) 出典:研修医のための内科診療ことはじめ 第9章 21 アナフィラキシー p849 13
アナフィラキシー症例の紹介と考察
#15. 症例 とある夜間救急外来のこと。 「次の患者さんは9歳の女の子です。 主訴はくるみ食べた後からの咽頭痛です。 息も少し苦しいと言ってますよ。」 15
#16. 症例 9歳女児(体重 28 kg)来院時20:30 【現病歴】 来院当日19:00頃、くるみを食べた直後から咽頭痛、呼 吸苦、腹痛を自覚したため、母親に連れられて夜間救急 外来を受診した。 【既往歴】 以前くるみを食べて同様の症状が起こったことがあり、 いつもはくるみを避けていた。 16
#17. 症例 【来院時現症】 General Appearance 受け答えはできるが言葉数が少なく、元気がない。 Vital Signs 意識清明, 体温 36.4 ℃ , 脈拍数 84回/分, 血圧 111/86mmHg, 呼吸数 16回/分, SpO2 99%(室内気) 17
#18. 症例 【来院時現症】 身体所見 頭頸部:咽頭発赤を認めない 呼吸音:清, wheezesを聴取しない 腹部:平坦, 圧痛を認めない 皮膚:皮疹を認めない, 掻痒感なし 18
#19. ディスカッション1 1, 診断してみましょう! 診断基準は知っていますか? 2, 上記診断なら、初期治療は何をしますか? 具体的に何を、どのくらい使うのか、 パッと思い浮かびますか? 19
アナフィラキシーの診断基準と重要性
#21. 症状で一番多いのは皮膚症状!だが・・・ 皮膚粘膜症状 80-90% 気道症状 70% 消化器症状 45% 循環器症状 45% 中枢神経症状 15% ※つまり、10〜20%で皮膚症状は出現しない!! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 21
#22. アナフィラキシーの致死的反応 呼吸停止・心停止に至るまでの時間(中央値) 薬剤 (経静脈) ハチ毒(経皮下) 5分! 15分 食物 (経腸管) 30分 ※蘇生に成功しても、重篤な低酸素脳症を残すことも 迅速な対応が必要!! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 22
#24. 診断基準① 急速に(数分〜数時間)皮膚・粘膜症状 + 気道 or 循環器 or 重篤な消化器症状が出現 注意:アレルゲンはなくてもよい! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 Up To Date Anaphylaxis: Acute diagnosis 24
#25. 診断基準① 図:アナフィラキシーガイドライン2022より 25
#26. 診断基準② アレルゲンへの暴露 + 急速に(数分〜数時間) 血圧低下 or 気管支攣縮 or 喉頭症状が出現 注意:皮膚症状はなくてもよい! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 Up To Date Anaphylaxis: Acute diagnosis 26
#27. 診断基準② 図:アナフィラキシーガイドライン2022より 27
#28. 喉頭症状とは? ・喘鳴 ・発声変化 ・嚥下障害 ・咽頭違和感/咽頭痛 など 「喉頭がむくんで、腫れている」イメージ 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 Up To Date Anaphylaxis: Acute diagnosis 28
#29. つまり・・・ ・皮疹がなくても、 ・アレルゲンがなくても、 ・消化器症状でも、 ・咽頭違和感でも、 急速発症はアナフィラキシーを疑え! 29
#30. アナフィラキシーの診断 疑うことから全て始まる。 アナフィラキシーも! デカルト 30
アナフィラキシーの初期対応とアドレナリン投与
#32. 初期対応 1, 患者を評価する 2, 人を多く集め、必要物品を揃える 3, アドレナリンを筋注する 32
#33. 初期対応 1, 患者を評価する 何においても、まずは A・B・C・D・E A B C D E 気道:会話可能か? stridorの有無 呼吸:呼吸数、SpO2、 wheezesの有無 循環:血圧、脈拍数 意識:意識レベル 皮膚:蕁麻疹の範囲と部位 +問診で臓器別に症状の情報を集める 33
#34. 初期対応 2, 人を多く集め、必要物品を揃える ・アドレナリン製剤(1mg/mL) ・細胞外液バッグ ・酸素(酸素ボンベ・延長チューブ) ・リザーバー付きアンビューマスク ・経鼻エアウェイ、ラリンジアルマスク ・鼻カニューレ、フェイスマスク ・挿管用医療機器、吸引用医療機器 ・静脈ルート確保・輸液のための用具一式 ・手袋(ラテックス不使用のものを) ・バックボード 34
#35. 初期対応 3, アドレナリンを筋注する いつ:アナフィラキシーと診断、または強く疑う場合!! 何を:アドレナリン製剤(1mg/1mL) 量は:0.01mg/kg 成人は最大0.5mg、小児は最大0.3mg どこ:大腿外側に筋注 ※投与時間を記録すること! ※症状が消失するまで、5〜15分おきに何度でも筋注可能! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 35
#36. アドレナリンの薬理作用 α1作用:血管収縮・血管抵抗増加→血圧上昇 気道粘膜浮腫抑制 β1作用:心収縮力増大・心拍数増加 β2作用:気管支拡張 メディエーターの放出低下 ショックの防止・緩和 上気道閉塞の軽減 血管浮腫の軽減 出典:アナフィラキシー ガイドライン2022 36
#37. アナフィラキシーには直ちにアドレナリン筋注を! ヒスタミン放出⇨全身の血管拡張 ↓ 血管内皮細胞の結合が緩くなる アドレナリン ↓ ヒスタミン放出と間質浮腫を抑制する 血漿成分が細胞外に漏出 =症状の原因と根本に作用する ↓ 間質浮腫⇨各種臓器症状 循環血漿量減少⇨失神・ショック 出典:研修医のための内科診療ことはじめ 第9章 21 アナフィラキシー p848 37
アドレナリンの投与方法と注意点
#38. アナフィラキシーの致死的反応 再掲 呼吸停止・心停止に至るまでの時間(中央値) 薬剤 (経静脈) ハチ毒(経皮下) 5分! 15分 食物 (経腸管) 30分 ※蘇生に成功しても、重篤な低酸素脳症を残すことも 迅速な対応が必要!! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 38
#39. アドレナリンの有害事象 アナフィラキシーに対してのアドレナリン投与に 禁忌なし!!ためらうな!! 有害事象 :蒼白、振戦、不安、動悸、浮動性めまい、頭痛 →これらは薬理作用量が投与された指標でもある 過量投与では心室性不整脈、高血圧、肺水腫リスク! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 39
#40. アドレナリンの有害事象は回復する 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 40
#41. アドレナリン投与量 ・シリンジに吸う量は1回量 ・プレフィルドでは先に余剰分を破棄 必ず1回量だけシリンジ内 に入ってるようにしてから 投与する! 41
#42. アドレナリン 1回投与量は0.01mg/kg 以下のような投与量の簡素化も可能 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 42
#43. アドレナリン製剤:どれも1mg/mL(0.1%)製剤 43
#44. アドレナリン 大腿外側に筋注 静注ではないことに注意!(静注は心肺蘇生時のみ) 針は根本まで刺すこと! 44
#45. アナフィラキシー対応の流れ まずはアナフィラキシーと認識する 可能なら曝露要因を取り除く ↓ 患者を評価する(A・B・C・D・E) ↓ 助けを呼ぶ(可能なら院内救急を) ↓ 気道確保、仰臥位・下肢挙上して アドレナリン筋注! 図:アナフィラキシーガイドライン2022より 45
#46. アナフィラキシー対応の流れ 図:アナフィラキシーガイドライン2022より アドレナリンは投与時間を記録し、 必要に応じて5〜15分毎に再投与する ↓ 必要な場合は高流量酸素投与(6〜8L/分) (フェイスマスクか経口エアウェイで) ↓ 18G以上の留置針でルート確保・生食1〜2L急速投与 頻回にバイタルサインチェック、必要なら心配蘇生 ルート確保は筋注より後で!! 46
アナフィラキシーの治療と症例の実際
#47. 被疑薬が静注薬だった場合 まずはその薬剤投与をストップ!! →アドレナリン筋注→新たに輸液する! ・新しいルートを取ってから、被疑薬を投与していた ルートを抜去する! ・新しいルートが取れなければ、逆血を完全に引いて から使用する! 47
#48. アドレナリン筋注のポイント 再掲 いつ:アナフィラキシーと診断、または強く疑う場合!! 何を:アドレナリン製剤(1mg/1mL) 量は:0.01mg/kg 成人は最大0.5mg、小児は最大0.3mg どこ:大腿外側に筋注 ※投与時間を記録すること! ※症状が消失するまで、5〜15分おきに何度でも筋注可能! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 48
#49. 症例 ここまでを踏まえて考えてみましょう! 49
#50. 症例 9歳女児(体重 28 kg)来院時20:30 【現病歴】 来院当日19:00頃、くるみを食べた直後から咽頭痛、呼 吸苦、腹痛を自覚したため、母親に連れられて夜間救急 外来を受診した。 【既往歴】 以前くるみを食べて同様の症状が起こったことがあり、 いつもはくるみを避けていた。 50
#51. 症例 【来院時現症】 General Appearance 受け答えはできるが言葉数が少なく、元気がない。 Vital Signs 意識清明, 体温 36.4 ℃ , 脈拍数 84回/分, 血圧 111/86mmHg, 呼吸数 16回/分, SpO2 99%(室内気) 51
#52. 症例 【来院時現症】 身体所見 頭頸部:咽頭発赤を認めない 呼吸音:清, wheezesを聴取しない 腹部:平坦, 圧痛を認めない 皮膚:皮疹を認めない, 掻痒感なし 52
#53. 診断基準② アレルゲンへの暴露 + 急速に(数分〜数時間) 血圧低下 or 気管支攣縮 or 喉頭症状が出現 注意:皮膚症状はなくてもよい! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 Up To Date Anaphylaxis: Acute diagnosis 53
#54. 症例の実際・・・ 診断は? →既知のアレルゲン曝露後に急性発症 →診断はアナフィラキシー!! 54
#55. アドレナリン筋注のポイント 再掲 いつ:アナフィラキシーと診断、または強く疑う場合!! 何を:アドレナリン製剤(1mg/1mL) 量は:0.01mg/kg 成人は最大0.5mg、小児は最大0.3mg どこ:大腿外側に筋注 ※投与時間を記録すること! ※症状が消失するまで、5〜15分おきに何度でも筋注可能! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 55
#56. 症例の実際・・・ 治療は? →アナフィラキシーを強く疑ったら アドレナリン筋注をためらわない! アドレナリンは0.01mg/kgだから 0.3mgを筋注しよう! 56
アドレナリンが効かない場合の対処法
#57. 症例の実際・・・ えー、先生、この子に成人量 (0.3mg)のアドレナリン投与 するんですか??? バイタル落ち着いているんだから、 アドレナリンいらないよ! 57
#58. 症例の実際・・・ 21:00頃 ERで(やむなく)経過観察することに。 ⇩ 21:30頃 咳嗽・喘鳴、全身に蕁麻疹が出現! 腹痛も増悪し、眼瞼浮腫も認め、 SpO2 91%(室内気)まで低下! 58
#59. 症例の実際・・・ しかし、 アドレナリン筋注で速やかに症状消失! 来院時バイタルサインが安定していても、 アナフィラキシーを疑ったら アドレナリン投与をためらわない! 59
#60. ディスカッション2 1, アドレナリンが効かない!どうする?? 具体的にどんな要因が考えられますか? 2, 症状改善!さて、入院?帰宅? このまま帰宅させていいですか? 60
#61. アドレナリン筋注で効果不十分な時 <確認事項> ①体位は適切か、ショックなら輸液は十分か ②アドレナリンの使用方法は適切か ③アドレナリン阻害の薬剤歴はないか ④そもそもアナフィラキシーではないと言うことはないか 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 61
#62. アドレナリン筋注で効果不十分な時 <確認事項> ①体位は適切か、ショックなら輸液は十分か →臥位で足上げ、18G以上のルートで生食1〜2L全開 ②アドレナリンの使用方法は適切か →投与する量・部位・経路を確認 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 62
#63. アドレナリン筋注で効果不十分な時 <確認事項> ③アドレナリン阻害の薬剤歴はないか ・β 遮断薬(ビソプロロール、カルベジロールなど) ・α 遮断薬 ・ACE阻害薬など 出典:救急外来ただいま診断中!P95 63
#64. ④そもそも、本当にアナフィラキシー? アナフィラキシーとの鑑別リスト ・呼吸器症状:気管支喘息、異物誤飲、過換気症候群 ・皮膚症状:急性全身性蕁麻疹、血管性浮腫、接触性皮膚炎 ・循環器症状:急性冠症候群、肺血栓塞栓症、心不全 ・消化器症状:食中毒、好酸球性消化管障害 ・神経症状:血管迷走神経反射、神経調節性失神、てんかん 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 64
#65. アドレナリンに反応しないアナフィラキシー患者 βブロッカーが投与されている患者にはグルカゴンも! <グルカゴン投与> 投与量:成人は1〜5mg 小児は0.02〜0.03mg/kg(最大でも 1mgまで) 投与法:ゆっくり5分以上かけて静注 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 65
#66. なぜグルカゴンが効くのか? アドレナリンとは異なる経路でcAMPを活性化する アドレナリン グルカゴン Βブロッカー グルカゴン受容体 Β受容体 GTP結合蛋白 細胞膜 アデニル酸シクラーゼ cAMP 画像:救急外来ただいま診断中!P96改変 66
アナフィラキシーのフォローアップとまとめ
#67. アドレナリンとグルカゴンの比較 アドレナリン グルカゴン アナフィラキシーに対して 第一選択 アドレナリン繰り返し投与しても 無効なら検討 作用機序 β受容体などに作用して cAMP活性化 グルカゴン受容体に作用して cAMP活性化 成人投与量 最大0.5mg 1〜5mg 小児投与量 最大0.3mg 0.02〜0.03mg/kg (最大でも 1mgまで) 投与経路 大腿外側に筋注 ゆっくり5分以上かけて静注 まずはアドレナリン筋注を2回はトライすること!! 67
#68. アドレナリン以外はおまけ! 抗ヒスタミン薬 皮膚症状を緩和させるが、それ以外では効果はない! アナフィラキシーに対する治療推奨度:C ステロイド 二相性反応を予防するかもしれないが、効果発現に数時間かかる! エビデンスなし。むしろ有害な影響を及ぼすかもしれない。 アナフィラキシーに対する治療推奨度:C アナフィラキシーには何においてもアドレナリン! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 68
#69. アドレナリンを打った後のフォローは? アナフィラキシー患者は、 症状が消失しても基本的に経過観察が必要 二相性反応が起こらない可能性は ・1時間経過観察後:95% ・6時間経過観察後:97% 絶対的な入院基準はないので、施設ごとの基準に従うこと 出典:研修医のための内科診療ことはじめ 第9章 21 アナフィラキシー p852 69
#70. アドレナリンを打った後のフォローは? Up To Dateの入院推奨 ・重篤なアナフィラキシー患者はすべて入院 ・以下の二相性反応の危険因子のある患者は入院 ①アドレナリン筋注に速やかに反応しない ②アドレナリン筋注が2回以上必要 ③アドレナリン筋注が大幅に遅れた(60分以上) 出典:Up To Date Anaphylaxis: Emergency treatment 70
#71. アナフィラキシー初期対応の後は・・・ ①アレルゲンを特定する • アレルギー専門医に紹介する • 1/3で診断や疑いとなっていた原因の診断が変わる ② アナフィラキシー教育を行う • 可能性として、72時間は二相性に反応が起き得ると伝える • アナフィラキシーは命に関わる病気である • アレルゲンとなった薬剤使用は禁忌・食物は口にしない 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 71
#72. アナフィラキシー初期対応の後は・・・ ③エピペン処方の妥当性を検討する • • • • アレルゲンが特定できない場合 養蜂家等、アレルゲンを避けられない場合 ありふれた食物が原因の場合 運動誘発アナフィラキシーの場合 夜間救急外来ではエピペンは処方できないことも! 必ず次へつなぐこと! 出典:アナフィラキシーガイドライン2022 72
#73. エピペン処方について 出典:エピペンサイト 医療関係者用 オンライン講習を受けていないと処方できません!! 73
#74. 本日のまとめ アドレナリン筋注の適応は アナフィラキシーを疑ったタイミング! 74
#75. 本日のまとめ 来院時バイタルサインが安定していても、 アナフィラキシーを疑ったら アドレナリン筋注をためらわないこと! 75
#76. 本日のまとめ ガイドライン、 ぜひご一読ください! 76
#77. 参考資料 ・アナフィラキシーガイドライン2022 ・Up To Date Anaphylaxis:Acute diagnosis, Emergency treatment ・エピペンサイト 医療関係者用 ・塩尻俊明, 杉田陽一郎「研修医のための内科診療ことはじめ」(羊土社) ・坂本壮「救急外来ただいま診断中!」(中外医学社) 77