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曳舟ER診断カンファレンス第5回〜Eye of the Beholder〜

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17

2022/4/5
藤原

東京曳舟病院

東京曳舟病院救急科では診断・身体診察に関する勉強会を行っています。

実際にERで出会った難診断症例や、New England Journal of MedicineのClinical Problem-Solvingなどの症例を元にカンファレンス形式で実施しています。

ERでの診断学に興味がある方はぜひご参照下さい。勉強会の参加もお待ちしております。

東京曳舟病院 救急科医長

藤原 翔

mail: fujiwarackn@gmail.com


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曳舟ER診断カンファレンス第5回〜Eye of the Beholder〜

  1. 東京曳舟病院 救急科 藤原 翔 ER診断カンファレンス 第5回 Eye of the Beholder

  2. ※一部日本用にアレンジしています

  3. 主訴:左眼周囲の腫脹, 嚥下困難 既往歴:高血圧 現病歴:受診3日前から左眼周囲の腫脹と固形物の嚥下困難が出現し, 食べ物がつかえるようになったため, 救急外来を受診した. 症例 47歳男性

  4. ROS (-) :眼の痒み, 痛み, 羞明, 複視, 視力低下, 頭痛      発熱, 倦怠感, 消化器症状, 喘鳴, 呼吸苦 ROS (+):左眼の腫脹, 固形物の嚥下困難, 嗄声 Review of System

  5. もしこのような電話相談があったら この時点で何を疑う? 緊急性はあるか?

  6. ・3日前からの症状 ・左眼周囲の浮腫 ・固形物の嚥下困難 ・嗄声 ・発熱含む全身症状なし ・眼の症状なし System1直感的思考

  7. ・3日前からの症状  ⇨ アナフィラキシーは less likelyだが除外必須 ・発熱や疼痛なし  ⇨ 感染症など局所の炎症ではなさそう? ・片側の局所の浮腫+嗄声  ⇨ 左眼, 咽頭喉頭周囲の軟部組織腫脹?

  8. アナフィラキシーは除外必須 咽頭炎に処方された薬剤によるアレルギーの可能性も 血管浮腫による咽頭浮腫は気道緊急となり得る   ⇨急性〜亜急性の経過の嚥下困難は要注意 緊急性は?

  9. System1直感的思考 # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー 浮腫が両側性なら 甲状腺機能低下症も鑑別 著者は旋毛虫症も挙げている

  10. 内服歴:直近の受診歴なし, 市販薬の使用なし アレルギー歴:貝類, 直近の摂食なし 家族歴:母親 乳癌 生活歴:不動産関連の仕事, ボストン在住 動物暴露:ペット飼育なし, 特に動物暴露なし 渡航歴:過去3年間に中国, 日本, メキシコ渡航    直近6ヶ月間は渡航歴なし 嗜好歴:飲酒喫煙なし

  11. 来院時現症 BP130/80mmHg PR95bpm BT37.3℃, RR 18/min SpO2 100%(RA) GCS E4V5M6, 嗄声あるが会話可能 左眼周囲全体に浮腫, ごく軽度の紅斑あり 眼球運動正常,瞳孔3/3mm, 対光反射+/+, 瞳孔の変形なし 眼瞼結膜, 口腔粘膜に異常所見なし 舌は全体的に軽度腫脹あり 呼吸音清, cracklesなし, stridorなし 脳神経Ⅱ〜Ⅻ異常なし, 四肢MMT5/5, その他の皮疹, 浮腫なし

  12. A:左眼瞼周囲の紅斑 B:左眼周囲の浮腫

  13. Problem List # 3日間持続する左眼周囲の浮腫 # 左眼周囲の紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫

  14. # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー System1直感的思考

  15. 身体所見上は血管性浮腫が疑われた. 明らかな誘引がないため, 感染や炎症の評価のため炎症マーカー提出, また後天性C1-INH欠損症を考慮しC4を測定. 薬剤やアレルゲンへの暴露なく, 症状の持続時間からアレルギー性の可能性は低いが治療を行った.

  16. アレルギー性の機序を考慮し, H1 blockerとPSL40mgを3日間処方し, 漸減終了した. しかし症状は進行し, 発声障害, 咽頭の浮腫, 鼻汁の逆流, 肩と臀部の痛み, ジャンプ力の低下が出現し, 2週間後にERを受診した. 経過

  17. 新規の身体所見として... 前頸部, 側頸部の圧痛 両側上腕の浮腫 股関節の屈曲, 伸展, 外転 MMT4/5 座位からの立ち上がり困難 臀部, 大腿部に疼痛あり 触覚や振動覚問題なし, 深部腱反射の減弱亢進なし

  18. 頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  19. 頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  20. Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛

  21. Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛 ⇨ミオパチー, 特に筋炎を示唆 嚥下困難+筋力低下で重症筋無力症は鑑別. ただ筋肉の浮腫は伴わない.

  22. System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  23. System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  24. ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  25. ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  26. - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー  多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  27. - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  28. Vascular (血管系): Infection (感染症): Neoplasm (新生物): Degenerative (変性疾患): Iatrogenic/Idiopathic/Intoxication/Inheritance (医原性/特発性/中毒/遺伝性): Congenital (先天性): Allergy&Autoimmune (アレルギー, 自己免疫性疾患): Trauma (外傷性): Endocrinopathy/Metabolic/Else (代謝内分泌疾患, その他): 病因による分類 (VINDICATE)

  29. V: I:旋毛虫症, シャーガス病, 糸状虫症 N:傍腫瘍症候群としてのミオパチー D: I: C: A:特発性炎症性筋疾患(PM/DM含む), 筋ジストロフィー, 重症筋無力症 T: E:甲状腺機能低下症 病因による分類 (VINDICATE) 他にも挙げてみて下さい

  30. System2分析的思考 # 後天性ミオパチー D/D: 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群, 免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎

  31. System2分析的思考 # 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群 ⇨ 各種抗体, 身体所見, 筋生検 抗合成酵素症候群 ⇨ アミノアシル tRNA合成酵素に対する抗体陽性, DMと鑑別難免疫介在性壊死性ミオパチー ⇨ 急性〜亜急性, 対称性の四肢近位筋力低下,                  頚部筋力低下, 筋生検で壊死像 封入体筋炎 ⇨ 50歳以上, 慢性経過, 三角筋よりは手指や手首屈筋の筋力低下  皮膚筋炎に特徴的な身体所見 ・Gottron丘疹, Gottron徴候 ⇨ なし ・ショールサイン      ⇨ なし ・ホルスターサイン     ⇨ なし ・ヘリオトロープ疹     ⇨ 片側性は非典型的

  32. 検査所見 正常10-40mg/dL 抗Jo-1抗体を含む筋炎特異的抗体パネルは陰性

  33. 筋生検  左三角筋 筋生検 ・筋繊維に軽度の大小不同 ・筋膜周囲の萎縮は認めない ・HE染色では, 主に骨膜上血管の周囲に炎症性浸潤 ・主要組織適合性複合体(MHC)クラスⅠ染色は陽性 壊死していない線維に斑状に分布していた ・膜侵襲複合体(MAC)に特異的な染色では, 散在 する毛細血管を取り囲むように陽性を呈した

  34. 病理所見 (血管周囲の炎症, 筋繊維のMHCクラスⅠ陽性, 内皮細胞へのMAC沈着など) と臨床症状から皮膚筋炎と診断された. mPSL1000mg 3日間投与し, PSL60mg内服で治療を行った. 眼窩周囲の発疹と嗄声は改善, CKも低下したが, 近位筋の筋力低下は残存した. メトトレキサート20mg/週で開始し, CKは正常化, 筋力も改善した. 経過

  35. 症状と採血データの改善から6ヶ月が経過し, PSLを15mgまで漸減したところで症状が再燃した. 近位筋の筋力低下, CK上昇, Gottron丘疹が出現した. 免疫グロブリンとメトトレキサート25mg/週への増量で症状は軽快した. 経過中に悪性腫瘍は認めなかった. 経過

  36. 皮膚筋炎 最終診断

  37. 皮膚筋炎の身体所見

  38. 皮膚筋炎の身体所見 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  39. ・筋炎特異的自己抗体の中では, 抗ARS抗体が最も頻度が高い ・DM特異的自己抗体 DM-specific autoantibody(DMSA)は現在5種類  - 抗MDA5抗体, 抗TIF1-γ抗体, 抗Mi-2抗体,抗SAE抗体, 抗NXP-2抗体 ・各抗体で疾患の表現が異なる 皮膚筋炎 (DM)の抗体検査 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  40. ・MRIで筋生検の部位を検討  上腕二頭筋, 上腕三頭筋, 三角筋, 大腿四頭筋, 前脛骨筋が多い ・筋線維の大小不同 ・筋束周辺の萎縮 ・血管周囲の炎症細胞浸潤 (perifascicular atrophy; PFA) ・筋内鞘小血管への補体複合体沈着像 (membrane attack complex; MAC) ・主な浸潤リンパ球はCD4陽性T細胞 ・筋炎の多くでMHC classⅠ,Ⅱ陽性⇨ジストロフィーとの鑑別 皮膚筋炎の病理所見 N Engl J Med 1986; 314(6):329-334 J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2009;80(10):1060-8.

  41. ・片側の眼瞼浮腫, 嚥下障害を初発症状とした皮膚筋炎  ⇨ 稀な疾患の非典型例 ・初診時にミオパチーを疑うことは難しかったが,  症状の進展に伴い, 鑑別を挙げ直して診断に至った  ⇨ 繰り返し丁寧に診察することが大切 ・DMに特徴的な抗体検査や皮膚所見がなく, 筋生検を要した

  42. ・稀な疾患の非典型例は, 後から症状が揃うことがある ・筋炎の症状が現れにくい皮膚筋炎がある ・嚥下障害からミオパチーを想起できるように Take home message

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