医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide
診療科
特集

お知らせ

ログイン
曳舟ER診断カンファレンス第5回〜Eye of the Beholder〜 L001.png

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
ちゃんとできる!骨粗鬆症!

ちゃんとできる!骨粗鬆症!

ガラパゴス伊藤

続けて閲覧
研修医が救急外来で迷子になる症候はこれだ〜問診で救急迷子からの卒業〜

研修医が救急外来で迷子になる症候はこれだ〜問診で救急迷子からの卒業〜

ゆっくり救急医

続けて閲覧
投稿者

藤原翔

1/43

テキスト全文

  • #1.

    東京曳舟病院 救急科 藤原 翔 ER診断カンファレンス 第5回 Eye of the Beholder

  • #2.

    ※一部日本用にアレンジしています

  • #3.

    主訴:左眼周囲の腫脹, 嚥下困難 既往歴:高血圧 現病歴:受診3日前から左眼周囲の腫脹と固形物の嚥下困難が出現し, 食べ物がつかえるようになったため, 救急外来を受診した. 症例 47歳男性

  • #4.

    ROS (-) :眼の痒み, 痛み, 羞明, 複視, 視力低下, 頭痛      発熱, 倦怠感, 消化器症状, 喘鳴, 呼吸苦 ROS (+):左眼の腫脹, 固形物の嚥下困難, 嗄声 Review of System

  • #5.

    もしこのような電話相談があったら この時点で何を疑う? 緊急性はあるか?

  • #6.

    ・3日前からの症状 ・左眼周囲の浮腫 ・固形物の嚥下困難 ・嗄声 ・発熱含む全身症状なし ・眼の症状なし System1直感的思考

  • #7.

    ・3日前からの症状  ⇨ アナフィラキシーは less likelyだが除外必須 ・発熱や疼痛なし  ⇨ 感染症など局所の炎症ではなさそう? ・片側の局所の浮腫+嗄声  ⇨ 左眼, 咽頭喉頭周囲の軟部組織腫脹?

  • #8.

    アナフィラキシーは除外必須 咽頭炎に処方された薬剤によるアレルギーの可能性も 血管浮腫による咽頭浮腫は気道緊急となり得る   ⇨急性〜亜急性の経過の嚥下困難は要注意 緊急性は?

  • #9.

    System1直感的思考 # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー 浮腫が両側性なら 甲状腺機能低下症も鑑別 著者は旋毛虫症も挙げている

  • #10.

    内服歴:直近の受診歴なし, 市販薬の使用なし アレルギー歴:貝類, 直近の摂食なし 家族歴:母親 乳癌 生活歴:不動産関連の仕事, ボストン在住 動物暴露:ペット飼育なし, 特に動物暴露なし 渡航歴:過去3年間に中国, 日本, メキシコ渡航    直近6ヶ月間は渡航歴なし 嗜好歴:飲酒喫煙なし

  • #11.

    来院時現症 BP130/80mmHg PR95bpm BT37.3℃, RR 18/min SpO2 100%(RA) GCS E4V5M6, 嗄声あるが会話可能 左眼周囲全体に浮腫, ごく軽度の紅斑あり 眼球運動正常,瞳孔3/3mm, 対光反射+/+, 瞳孔の変形なし 眼瞼結膜, 口腔粘膜に異常所見なし 舌は全体的に軽度腫脹あり 呼吸音清, cracklesなし, stridorなし 脳神経Ⅱ〜Ⅻ異常なし, 四肢MMT5/5, その他の皮疹, 浮腫なし

  • #12.

    A:左眼瞼周囲の紅斑 B:左眼周囲の浮腫

  • #13.

    Problem List # 3日間持続する左眼周囲の浮腫 # 左眼周囲の紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫

  • #14.

    # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー System1直感的思考

  • #15.

    身体所見上は血管性浮腫が疑われた. 明らかな誘引がないため, 感染や炎症の評価のため炎症マーカー提出, また後天性C1-INH欠損症を考慮しC4を測定. 薬剤やアレルゲンへの暴露なく, 症状の持続時間からアレルギー性の可能性は低いが治療を行った.

  • #16.

    アレルギー性の機序を考慮し, H1 blockerとPSL40mgを3日間処方し, 漸減終了した. しかし症状は進行し, 発声障害, 咽頭の浮腫, 鼻汁の逆流, 肩と臀部の痛み, ジャンプ力の低下が出現し, 2週間後にERを受診した. 経過

  • #17.

    新規の身体所見として... 前頸部, 側頸部の圧痛 両側上腕の浮腫 股関節の屈曲, 伸展, 外転 MMT4/5 座位からの立ち上がり困難 臀部, 大腿部に疼痛あり 触覚や振動覚問題なし, 深部腱反射の減弱亢進なし

  • #18.

    頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  • #19.

    頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  • #20.

    Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛

  • #21.

    Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛 ⇨ミオパチー, 特に筋炎を示唆 嚥下困難+筋力低下で重症筋無力症は鑑別. ただ筋肉の浮腫は伴わない.

  • #22.

    System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  • #23.

    System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  • #24.

    ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  • #25.

    ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  • #26.

    - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー  多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  • #27.

    - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  • #28.

    Vascular (血管系): Infection (感染症): Neoplasm (新生物): Degenerative (変性疾患): Iatrogenic/Idiopathic/Intoxication/Inheritance (医原性/特発性/中毒/遺伝性): Congenital (先天性): Allergy&Autoimmune (アレルギー, 自己免疫性疾患): Trauma (外傷性): Endocrinopathy/Metabolic/Else (代謝内分泌疾患, その他): 病因による分類 (VINDICATE)

  • #29.

    V: I:旋毛虫症, シャーガス病, 糸状虫症 N:傍腫瘍症候群としてのミオパチー D: I: C: A:特発性炎症性筋疾患(PM/DM含む), 筋ジストロフィー, 重症筋無力症 T: E:甲状腺機能低下症 病因による分類 (VINDICATE) 他にも挙げてみて下さい

  • #30.

    System2分析的思考 # 後天性ミオパチー D/D: 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群, 免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎

  • #31.

    System2分析的思考 # 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群 ⇨ 各種抗体, 身体所見, 筋生検 抗合成酵素症候群 ⇨ アミノアシル tRNA合成酵素に対する抗体陽性, DMと鑑別難免疫介在性壊死性ミオパチー ⇨ 急性〜亜急性, 対称性の四肢近位筋力低下,                  頚部筋力低下, 筋生検で壊死像 封入体筋炎 ⇨ 50歳以上, 慢性経過, 三角筋よりは手指や手首屈筋の筋力低下  皮膚筋炎に特徴的な身体所見 ・Gottron丘疹, Gottron徴候 ⇨ なし ・ショールサイン      ⇨ なし ・ホルスターサイン     ⇨ なし ・ヘリオトロープ疹     ⇨ 片側性は非典型的

  • #32.

    検査所見 正常10-40mg/dL 抗Jo-1抗体を含む筋炎特異的抗体パネルは陰性

  • #33.

    筋生検  左三角筋 筋生検 ・筋繊維に軽度の大小不同 ・筋膜周囲の萎縮は認めない ・HE染色では, 主に骨膜上血管の周囲に炎症性浸潤 ・主要組織適合性複合体(MHC)クラスⅠ染色は陽性 壊死していない線維に斑状に分布していた ・膜侵襲複合体(MAC)に特異的な染色では, 散在 する毛細血管を取り囲むように陽性を呈した

  • #34.

    病理所見 (血管周囲の炎症, 筋繊維のMHCクラスⅠ陽性, 内皮細胞へのMAC沈着など) と臨床症状から皮膚筋炎と診断された. mPSL1000mg 3日間投与し, PSL60mg内服で治療を行った. 眼窩周囲の発疹と嗄声は改善, CKも低下したが, 近位筋の筋力低下は残存した. メトトレキサート20mg/週で開始し, CKは正常化, 筋力も改善した. 経過

  • #35.

    症状と採血データの改善から6ヶ月が経過し, PSLを15mgまで漸減したところで症状が再燃した. 近位筋の筋力低下, CK上昇, Gottron丘疹が出現した. 免疫グロブリンとメトトレキサート25mg/週への増量で症状は軽快した. 経過中に悪性腫瘍は認めなかった. 経過

  • #36.

    皮膚筋炎 最終診断

  • #37.

    皮膚筋炎の身体所見

  • #38.

    皮膚筋炎の身体所見 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  • #39.

    ・筋炎特異的自己抗体の中では, 抗ARS抗体が最も頻度が高い ・DM特異的自己抗体 DM-specific autoantibody(DMSA)は現在5種類  - 抗MDA5抗体, 抗TIF1-γ抗体, 抗Mi-2抗体,抗SAE抗体, 抗NXP-2抗体 ・各抗体で疾患の表現が異なる 皮膚筋炎 (DM)の抗体検査 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  • #40.

    ・MRIで筋生検の部位を検討  上腕二頭筋, 上腕三頭筋, 三角筋, 大腿四頭筋, 前脛骨筋が多い ・筋線維の大小不同 ・筋束周辺の萎縮 ・血管周囲の炎症細胞浸潤 (perifascicular atrophy; PFA) ・筋内鞘小血管への補体複合体沈着像 (membrane attack complex; MAC) ・主な浸潤リンパ球はCD4陽性T細胞 ・筋炎の多くでMHC classⅠ,Ⅱ陽性⇨ジストロフィーとの鑑別 皮膚筋炎の病理所見 N Engl J Med 1986; 314(6):329-334 J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2009;80(10):1060-8.

  • #41.

    ・片側の眼瞼浮腫, 嚥下障害を初発症状とした皮膚筋炎  ⇨ 稀な疾患の非典型例 ・初診時にミオパチーを疑うことは難しかったが,  症状の進展に伴い, 鑑別を挙げ直して診断に至った  ⇨ 繰り返し丁寧に診察することが大切 ・DMに特徴的な抗体検査や皮膚所見がなく, 筋生検を要した

  • #42.

    ・稀な疾患の非典型例は, 後から症状が揃うことがある ・筋炎の症状が現れにくい皮膚筋炎がある ・嚥下障害からミオパチーを想起できるように Take home message

曳舟ER診断カンファレンス第5回〜Eye of the Beholder〜

  • 総合診療科

  • 救急科

  • 眼科

  • 鑑別診断
  • 救急外来
  • ER
  • 診断推論
  • 総合診療
  • 診断
  • 救急科
  • 診断学
  • NEJM
  • Clini

24,283

30

更新

シェア

ツイート

投稿者プロフィール
藤原翔

医療法人伯鳳会東京曳舟病院

概要

東京曳舟病院救急科では診断・身体診察に関する勉強会を行っています。

実際にERで出会った難診断症例や、New England Journal of MedicineのClinical Problem-Solvingなどの症例を元にカンファレンス形式で実施しています。

ERでの診断学に興味がある方はぜひご参照下さい。勉強会の参加もお待ちしております。

東京曳舟病院 救急科医長

藤原 翔

mail: fujiwarackn@gmail.com

本スライドの対象者

研修医/専攻医

テキスト全文

  • #1.

    東京曳舟病院 救急科 藤原 翔 ER診断カンファレンス 第5回 Eye of the Beholder

  • #2.

    ※一部日本用にアレンジしています

  • #3.

    主訴:左眼周囲の腫脹, 嚥下困難 既往歴:高血圧 現病歴:受診3日前から左眼周囲の腫脹と固形物の嚥下困難が出現し, 食べ物がつかえるようになったため, 救急外来を受診した. 症例 47歳男性

  • #4.

    ROS (-) :眼の痒み, 痛み, 羞明, 複視, 視力低下, 頭痛      発熱, 倦怠感, 消化器症状, 喘鳴, 呼吸苦 ROS (+):左眼の腫脹, 固形物の嚥下困難, 嗄声 Review of System

  • #5.

    もしこのような電話相談があったら この時点で何を疑う? 緊急性はあるか?

  • #6.

    ・3日前からの症状 ・左眼周囲の浮腫 ・固形物の嚥下困難 ・嗄声 ・発熱含む全身症状なし ・眼の症状なし System1直感的思考

  • #7.

    ・3日前からの症状  ⇨ アナフィラキシーは less likelyだが除外必須 ・発熱や疼痛なし  ⇨ 感染症など局所の炎症ではなさそう? ・片側の局所の浮腫+嗄声  ⇨ 左眼, 咽頭喉頭周囲の軟部組織腫脹?

  • #8.

    アナフィラキシーは除外必須 咽頭炎に処方された薬剤によるアレルギーの可能性も 血管浮腫による咽頭浮腫は気道緊急となり得る   ⇨急性〜亜急性の経過の嚥下困難は要注意 緊急性は?

  • #9.

    System1直感的思考 # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー 浮腫が両側性なら 甲状腺機能低下症も鑑別 著者は旋毛虫症も挙げている

  • #10.

    内服歴:直近の受診歴なし, 市販薬の使用なし アレルギー歴:貝類, 直近の摂食なし 家族歴:母親 乳癌 生活歴:不動産関連の仕事, ボストン在住 動物暴露:ペット飼育なし, 特に動物暴露なし 渡航歴:過去3年間に中国, 日本, メキシコ渡航    直近6ヶ月間は渡航歴なし 嗜好歴:飲酒喫煙なし

  • #11.

    来院時現症 BP130/80mmHg PR95bpm BT37.3℃, RR 18/min SpO2 100%(RA) GCS E4V5M6, 嗄声あるが会話可能 左眼周囲全体に浮腫, ごく軽度の紅斑あり 眼球運動正常,瞳孔3/3mm, 対光反射+/+, 瞳孔の変形なし 眼瞼結膜, 口腔粘膜に異常所見なし 舌は全体的に軽度腫脹あり 呼吸音清, cracklesなし, stridorなし 脳神経Ⅱ〜Ⅻ異常なし, 四肢MMT5/5, その他の皮疹, 浮腫なし

  • #12.

    A:左眼瞼周囲の紅斑 B:左眼周囲の浮腫

  • #13.

    Problem List # 3日間持続する左眼周囲の浮腫 # 左眼周囲の紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫

  • #14.

    # 血管性浮腫  - 薬剤性, アレルギー性, HAE(遺伝性), 後天性 # ウイルス性咽頭炎+薬剤アレルギー # 固定薬疹 # アナフィラキシー System1直感的思考

  • #15.

    身体所見上は血管性浮腫が疑われた. 明らかな誘引がないため, 感染や炎症の評価のため炎症マーカー提出, また後天性C1-INH欠損症を考慮しC4を測定. 薬剤やアレルゲンへの暴露なく, 症状の持続時間からアレルギー性の可能性は低いが治療を行った.

  • #16.

    アレルギー性の機序を考慮し, H1 blockerとPSL40mgを3日間処方し, 漸減終了した. しかし症状は進行し, 発声障害, 咽頭の浮腫, 鼻汁の逆流, 肩と臀部の痛み, ジャンプ力の低下が出現し, 2週間後にERを受診した. 経過

  • #17.

    新規の身体所見として... 前頸部, 側頸部の圧痛 両側上腕の浮腫 股関節の屈曲, 伸展, 外転 MMT4/5 座位からの立ち上がり困難 臀部, 大腿部に疼痛あり 触覚や振動覚問題なし, 深部腱反射の減弱亢進なし

  • #18.

    頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  • #19.

    頭頸部MRI 左眼窩,顔面筋, 舌, 頸部筋群の浮腫

  • #20.

    Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛

  • #21.

    Problem List # 左眼周囲の浮腫, 紅斑 # 嗄声 # 嚥下困難 # 舌のびまん性浮腫 # 肩周囲の疼痛 # 臀部の疼痛 # 両側上腕の浮腫 # 下肢近位筋の筋力低下 # 顔面筋の浮腫 # 頸部筋群の浮腫, 圧痛 ⇨ミオパチー, 特に筋炎を示唆 嚥下困難+筋力低下で重症筋無力症は鑑別. ただ筋肉の浮腫は伴わない.

  • #22.

    System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  • #23.

    System2分析的思考 ・解剖学的アプローチ ・嚥下困難, 近位筋筋力低下の鑑別(フレームワーク) ・嚥下障害を生じる筋炎, 頸部筋群の筋炎 etc...(SQ) ・VINDICATE(病因による分類)

  • #24.

    ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  • #25.

    ・嚥下障害を生じる筋炎 (ミオパチー) ・頸部筋群の筋炎 ・眼瞼浮腫を伴う筋炎 Semantic Qualifier

  • #26.

    - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー  多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  • #27.

    - 遺伝性ミオパチー  筋緊張性ジストロフィー1,2型, 眼咽頭型筋ジストロフィー, ミトコンドリア性ミオパチー, 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー, Duchenne型筋ジストロフィー, 肢帯型筋ジストロフィー,  先天性ミオパチー, ポンペ病, 筋原線維性ミオパチー, MEGF10ミオパチー, 声帯咽頭ミオパチー etc.. - 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群,免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎 - 神経原性障害  ALS/PMA, 急性脊髄灰白髄炎(ポリオ後症候群), 脊髄性筋萎縮症1型, 球脊髄性筋萎縮症, 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群, 糖尿病) - 神経筋接合部障害  重症筋無力症, Lambert-Eaton症候群, 先天性筋ジストロフィー 嚥下障害を生じるミオパチー Neuromuscul Disord. 2021;31(1):5-20.

  • #28.

    Vascular (血管系): Infection (感染症): Neoplasm (新生物): Degenerative (変性疾患): Iatrogenic/Idiopathic/Intoxication/Inheritance (医原性/特発性/中毒/遺伝性): Congenital (先天性): Allergy&Autoimmune (アレルギー, 自己免疫性疾患): Trauma (外傷性): Endocrinopathy/Metabolic/Else (代謝内分泌疾患, その他): 病因による分類 (VINDICATE)

  • #29.

    V: I:旋毛虫症, シャーガス病, 糸状虫症 N:傍腫瘍症候群としてのミオパチー D: I: C: A:特発性炎症性筋疾患(PM/DM含む), 筋ジストロフィー, 重症筋無力症 T: E:甲状腺機能低下症 病因による分類 (VINDICATE) 他にも挙げてみて下さい

  • #30.

    System2分析的思考 # 後天性ミオパチー D/D: 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群, 抗合成酵素症候群, 免疫介在性壊死性ミオパチー, 封入体筋炎

  • #31.

    System2分析的思考 # 後天性ミオパチー 多発筋炎, 皮膚筋炎, Overlap症候群 ⇨ 各種抗体, 身体所見, 筋生検 抗合成酵素症候群 ⇨ アミノアシル tRNA合成酵素に対する抗体陽性, DMと鑑別難免疫介在性壊死性ミオパチー ⇨ 急性〜亜急性, 対称性の四肢近位筋力低下,                  頚部筋力低下, 筋生検で壊死像 封入体筋炎 ⇨ 50歳以上, 慢性経過, 三角筋よりは手指や手首屈筋の筋力低下  皮膚筋炎に特徴的な身体所見 ・Gottron丘疹, Gottron徴候 ⇨ なし ・ショールサイン      ⇨ なし ・ホルスターサイン     ⇨ なし ・ヘリオトロープ疹     ⇨ 片側性は非典型的

  • #32.

    検査所見 正常10-40mg/dL 抗Jo-1抗体を含む筋炎特異的抗体パネルは陰性

  • #33.

    筋生検  左三角筋 筋生検 ・筋繊維に軽度の大小不同 ・筋膜周囲の萎縮は認めない ・HE染色では, 主に骨膜上血管の周囲に炎症性浸潤 ・主要組織適合性複合体(MHC)クラスⅠ染色は陽性 壊死していない線維に斑状に分布していた ・膜侵襲複合体(MAC)に特異的な染色では, 散在 する毛細血管を取り囲むように陽性を呈した

  • #34.

    病理所見 (血管周囲の炎症, 筋繊維のMHCクラスⅠ陽性, 内皮細胞へのMAC沈着など) と臨床症状から皮膚筋炎と診断された. mPSL1000mg 3日間投与し, PSL60mg内服で治療を行った. 眼窩周囲の発疹と嗄声は改善, CKも低下したが, 近位筋の筋力低下は残存した. メトトレキサート20mg/週で開始し, CKは正常化, 筋力も改善した. 経過

  • #35.

    症状と採血データの改善から6ヶ月が経過し, PSLを15mgまで漸減したところで症状が再燃した. 近位筋の筋力低下, CK上昇, Gottron丘疹が出現した. 免疫グロブリンとメトトレキサート25mg/週への増量で症状は軽快した. 経過中に悪性腫瘍は認めなかった. 経過

  • #36.

    皮膚筋炎 最終診断

  • #37.

    皮膚筋炎の身体所見

  • #38.

    皮膚筋炎の身体所見 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  • #39.

    ・筋炎特異的自己抗体の中では, 抗ARS抗体が最も頻度が高い ・DM特異的自己抗体 DM-specific autoantibody(DMSA)は現在5種類  - 抗MDA5抗体, 抗TIF1-γ抗体, 抗Mi-2抗体,抗SAE抗体, 抗NXP-2抗体 ・各抗体で疾患の表現が異なる 皮膚筋炎 (DM)の抗体検査 多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020 年暫定版)

  • #40.

    ・MRIで筋生検の部位を検討  上腕二頭筋, 上腕三頭筋, 三角筋, 大腿四頭筋, 前脛骨筋が多い ・筋線維の大小不同 ・筋束周辺の萎縮 ・血管周囲の炎症細胞浸潤 (perifascicular atrophy; PFA) ・筋内鞘小血管への補体複合体沈着像 (membrane attack complex; MAC) ・主な浸潤リンパ球はCD4陽性T細胞 ・筋炎の多くでMHC classⅠ,Ⅱ陽性⇨ジストロフィーとの鑑別 皮膚筋炎の病理所見 N Engl J Med 1986; 314(6):329-334 J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2009;80(10):1060-8.

  • #41.

    ・片側の眼瞼浮腫, 嚥下障害を初発症状とした皮膚筋炎  ⇨ 稀な疾患の非典型例 ・初診時にミオパチーを疑うことは難しかったが,  症状の進展に伴い, 鑑別を挙げ直して診断に至った  ⇨ 繰り返し丁寧に診察することが大切 ・DMに特徴的な抗体検査や皮膚所見がなく, 筋生検を要した

  • #42.

    ・稀な疾患の非典型例は, 後から症状が揃うことがある ・筋炎の症状が現れにくい皮膚筋炎がある ・嚥下障害からミオパチーを想起できるように Take home message

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

藤原翔さんの他の投稿スライド

曳舟ER診断カンファレンス第3回〜Back to the history〜

曳舟ER診断カンファレンス第3回〜Back to the history〜

#鑑別診断 #救急外来 #ER #診断推論 #総合診療 #診断 #救急科 #診断学 #NEJM #Clinical Problem Solving

 藤原翔

藤原翔

51

52,033

最終更新:2021年11月9日

曳舟ER診断カンファレンス第4回〜Circling Back for the Diagnosis〜

曳舟ER診断カンファレンス第4回〜Circling Back for the Diagnosis〜

#鑑別診断 #救急外来 #ER #診断推論 #総合診療 #診断 #救急科 #診断学 #NEJM #Clinical Problem Solving

 藤原翔

藤原翔

36

22,006

最終更新:2021年11月10日

抗菌薬+αのコントロバシー

抗菌薬+αのコントロバシー

#抗菌薬 #総合診療 #感染症科 #感染症 #救急科 #感染性心内膜炎 #βラクタム系抗菌薬 #壊死性筋膜炎 #IE #ゲンタマイシン

 藤原翔

藤原翔

97

56,316

最終更新:2021年8月27日



このスライドと同じ診療科のスライド

喀血治療 BAEってどんな感じ?~患者さんの2通の手紙から学ぶ~

喀血治療 BAEってどんな感じ?~患者さんの2通の手紙から学ぶ~

#喀血 #BAE #異所性気管支動脈 #マイクロカテーテル #動脈塞栓術 #気管支動脈-肺動脈シャント #CTアンギオ #プラチナコイル #前脊髄動脈

石川秀雄

石川秀雄

31

7,765

最終更新:2024年1月15日

一般外来や救急外来で役立つ!壊死性筋膜炎から深める感染症診療 〜広域抗菌薬の適切な使いどころと経過観察の心得〜

一般外来や救急外来で役立つ!壊死性筋膜炎から深める感染症診療 〜広域抗菌薬の適切な使いどころと経過観察の心得〜

#抗菌薬 #蜂窩織炎 #壊死性筋膜炎 #筋炎 #NSTIs

山口裕崇

山口裕崇

182

48,786

最終更新:2023年12月21日

30代のキャリアチェンジ 〜スペシャリストかジェネラリストか?〜

30代のキャリアチェンジ 〜スペシャリストかジェネラリストか?〜

#キャリア #ジェネラリスト #転科 #キャリアチェンジ #30代 #スペシャリスト #キャリアパス

大向功祐

大向功祐

38

17,975

最終更新:2023年10月26日

一酸化炭素中毒〜不完全燃焼の罠〜

一酸化炭素中毒〜不完全燃焼の罠〜

#一酸化炭素中毒 #低酸素ストレス #HBO #高気圧酸素治療装置 #CO中毒 #火災

Dr.クルクル@救急&ICU

Dr.クルクル@救急&ICU

91

17,789

最終更新:2023年8月31日

喀血治療パラダイムシフト あなたの施設のBAE適応は猛烈に時代遅れ?

喀血治療パラダイムシフト あなたの施設のBAE適応は猛烈に時代遅れ?

#慢性反復性喀血 #Adamkiewicz動脈 #コイル #予兆出血 #ゼラチンスポンジ #脊髄梗塞

石川秀雄

石川秀雄

123

31,414

最終更新:2023年7月21日

有機リン中毒〜農薬とサリンとVXガスの秘密〜

有機リン中毒〜農薬とサリンとVXガスの秘密〜

#有機リン中毒 #農薬 #サリン #急性コリン作動性症候群 #テロ #2-PAM #VXガス #カーバメート中毒

Dr.クルクル@救急&ICU

Dr.クルクル@救急&ICU

75

8,256

最終更新:2023年6月30日



Antaa Slide Post Banner
今すぐ投稿
Antaa Slide Post Banner今すぐ投稿

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

投稿者インタビュー
Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter