#4.
めまいの初期対応 回転性めまいの診断のポイント 中枢性or末梢性? 体幹失調 救急外来など対応で大切なのは 中枢性を見逃さないことが重要 HINTS所見やMRI撮像などで必ず否定しましょう (今回は末梢性のトピックを扱うので割愛) 初期対応 「めまい発作」と「悪心・嘔吐」 が続いているのか? 必要に応じて 7%重曹水(メイロン)*) メトクロプラミド アタラックスP など投与 *)メイロンはエビデンスが確立されていないが経験的に使われている (個人的にはあまり使わない.....) 症状に応じて入院治療など検討 めまい症状が軽度であれば帰宅可能 この辺りは全ての末梢性めまいに共通!
#5.
めまいの診断 急性の末梢性めまい鑑別表(ざっくり) 内容 BPPV メニエール 前庭神経炎/突発性難聴 眼振 頭位変換眼振(減衰あり) 方向固定性眼振 方向固定性眼振 症状持続時間 数秒〜1分程度 10分程度〜数時間 数時間〜数日 反復 あり あり なし まずは4つを 押さえよう *眼振の性状で局在診断をするのですが、今回は煩雑な内容になると想定されるので割愛 過去にメニエールの「既往」がある人が めまいで来たときも必ず丁寧に問診する
#6.
めまいの診断 回転性めまいの問診のポイント ①起きた時の状況 ②持続時間 ③聞こえの症状 ④反復してるか? 寝た時、起きた時 起立時? 1、2分程度で めまい症状が 落ち着くのか 過去に同様の エピソードが 存在するか? 聞こえの悪さや 耳の詰まりは? この4つをしっかり問診する
#7.
めまいの診断 めまいの診断のポイント ①発症様式 ②持続時間 メニエール病に特定の発症様式はない 突然の発作が起こる メニエール病のめまいは 10分程度〜数時間続く BPPVは頭位の変換時など、 エピソードがあることが多い BPPVは頭位変換後、 数秒から数分で落ち着く 実際に頭位・頭位変換時に 症状が出るかやってみましょう めまい発作と気分不良は区別しよう 「気分不良」を「めまい」と訴える方います 反復するBPPVがメニエール病と誤診されていることが多い
#8.
めまいの診断 めまいの診断のポイント ③聞こえの症状の有無 発作的に耳閉感や難聴を伴うのは メニエール病を疑います 難聴がない「非定型型」の 前庭型メニエールという概念もある めまいの鑑別としては参考程度に! ④反復の有無 メニエール病は反復することが 診断基準になります。 突発性難聴はめまいを伴うことがある 持続するめまい疾患として 「前庭神経炎」も挙げられ 初発の場合は鑑別が困難です。 めまい発作がある時は眼振があるかも 必ずチェックしましょう
#9.
目次 01 めまい総論 02 末梢性めまいの診断/各論 03 末梢性めまいの治療/各論
#10.
末梢性めまいの診断/各論 良性発作性頭位めまい症 BPPV BPPVの病態 頭部の移動に伴い、剥がれ落ちた 耳石が三半規管内を移動すると 眼振が起こる 反復性めまいの代表格 骨粗鬆、女性、頭部外傷、VitDの低下 Q 高R脂 血 症 は リ ス ク フ ァ ク タ ー 患者さんの臨床像は イメージしておきましょう
#11.
末梢性めまいの診断/各論 前庭神経炎と突発性難聴 前庭神経炎とは? 内耳の前庭神経が急性に障害される めまいが「単発」で発症する 聴力障害はなし 突発性難聴 内耳の聴神経が急性に障害され難聴になる、 Qめ R まいを伴うことがある。 「反復」するとメニエール病を疑う (初診での鑑別は困難) 聴神経腫瘍の可能性もある
#12.
末梢性めまいの診断/各論 メニエール病 メニエール病とは? メニエール病の診断は難しい 実臨床でなんとなくメニエール病と 言われているケースが非常に多いです 2025のガイドラインでは 鑑別診断の項目が大幅加筆 内耳の内リンパ水腫が原因で めまいや難聴を反復する疾患です。 ①良性発作性頭位めまい症(BPPV) R作症 ② 前 庭Q発 ③前庭性片頭痛 ④持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)
#13.
末梢性めまいの診断/各論 メニエール病の診断基準 重要ポイント ①診断には「蝸牛症状」+「前庭症状」の 反復が症状と検査上で示さないといけない 厳密な診断はかなり難しい Equilibrium Res Vol. 76(3) 233~241,2017より引用 「前庭症状」のみ→前庭型 「蝸牛症状」のみ→蝸牛型 を非定型*)と定義している ②メニエール病のめまいは、 「めまい発作」の「反復」である。 めまい後に「ふわふわします」などの 所見の伴わない持続するめまいと 区別することが重要 *)非定型型は他疾患との鑑別が難しく内リンパ水腫に よるものと推定された時に診断とすると明記
#14.
目次 01 めまい総論 02 末梢性めまいの診断/各論 03 末梢性めまいの治療/各論
#15.
末梢性めまいの治療/各論 BPPVの治療の基本 BPPV 薬物療法 ガイドラインで「ベタヒスチン」などの記載はある が報告する文献も少なく推奨度は低い とりあえずアデメチとジフェニドール 毎食後服用で出しました 治療の基本は 「経過観察」と「耳石置換」 一番多い「後半規管型」BPPVの 63%は1週間で自然治癒 平均39日で自然治癒する*) 初発の人にそこまで たくさん薬出す必要 あるのかな? 基本的に自然軽快する疾患であり 直接的に予防する薬剤はない 安易な処方でのポリファーマシー注意 *ちなみにアデホスとメチコバールは どの末梢性めまい疾患に関しても根拠となる論文が乏しく *)BPPV診療ガイドライン2023より引用 個人的にはほとんど処方しません
#16.
末梢性めまいの治療/各論 メニエール病の治療 生活指導が重要 実際に使用してる 患者さん説明資料 めまい診療は生活指導が重要 CQ内の解説では睡眠時無呼吸との関連を 報告した論文も取り上げている 上質な睡眠、有酸素運動、減塩、 十分な水分摂取などが重要 治療の1stステップになります。 ガイドラインのCQにも記載あり 原本が欲しい方はXなどで *)メニエール診療ガイドライン2025より引用 DMいただければ差し上げます
#17.
末梢性めまいの治療/各論 メニエール病の薬物療法 ベタヒスチン 短期間(3ヶ月以内)高用量の投薬 めまい発作に対して有効性を示す エビデンスレベルAと強く推奨 長期間投薬に関しては十分な根拠なし 口渇など副作用なども留意する 海外と日本では分子量が異なる 日本の処方は18-36mg/dayと低容量である 本邦で使用するときは6mg 6T3Xでの処方が推奨 *)メニエール診療ガイドライン2025より引用 イソソルビド(浸透圧利尿薬) 内リンパ水腫の軽減により めまい発作予防目的に選択 90mlを分3からスタート 発作抑制で60ml→30mlと減量する 海外ではあまり使用されておらず 文献的報告は本邦が中心 苦い薬ということで 飲んでもらえないことも... アドヒアランス確認も重要!
#18.
末梢性めまいの治療/各論 前庭神経炎の薬物治療 ステロイド投与 半規管麻痺の回復を促進する可能性 前庭代償を促進する可能性がある (エビデンスレベルC) 十分な根拠がないぐらいの位置付け DMなどでは無理をしない 急性期:ジフェニドール 急性期治療として推奨(B) 悪心・嘔吐 抗コリン作用注意! メニエール病に対しては3週以内でめまいを抑制す可能性*) 慢性期 抗めまい薬は十分なエビデンスに乏しい ベタヒスチンの記載がある程度(C) 前庭神経炎後の平衡障害には 前庭リハビリテーションが有効(A) *)メニエール診療ガイドライン2025より引用
#19.
末梢性めまいの治療/各論 前庭神経リハビリテーション @jibiccoのインスタグラムでも紹介 2024年発刊 一側性前庭障害など慢性めまいを中心に 亜急性期、PPPDや加齢性障害に関しても記載 外来に移行した慢性期を中心として指導 亜急性期からリハビリする報告も掲載
#20.
まとめ 最後まで見てくれてありがとうございます! 末梢性めまいの基本と診療のポイントを紹介しました! 明日からの診療にお役立ていただけますと幸いです @hirajibi @jibicco
#21.
profile じびっこ 耳鼻咽喉科専門医 X 2022年8月に開始 医療者との交流目的 フォロワー2000人 SNS総フォロワー8000人 Instagram 2023年2月に開始 一般の方への啓蒙活動 フォロワー約6200人