#4.
急性感音難聴 定義と症状 急性感音難聴とは? 急性発症の内耳性難聴 *突発性難聴はここに含まれます 主要症状 耳閉感、耳鳴り、難聴、めまい(±) 低音の難聴は患者さんは 「耳が詰まった感じ」と表現します 感音難聴の急性発症を疑えば 「急性感音難聴」として対応する 心因性難聴、聴神経腫瘍などの感音難聴の鑑別は 耳鼻科でも初期段階では難しいことも.. → 治療と並行して評価を進めることが現実的 初期段階では鑑別診断が困難なケースが多いため、 耳鼻咽喉科への速やかな連携(当日〜数日以内)が推奨されます。
#5.
急性感音難聴 鑑別疾患 メニエール病 伝音難聴(中耳炎・耳垢) 内耳の内リンパ水腫が原因で めまいや難聴を反復する疾患です。 Rえ な く な っ た ! と い う 主 訴 で も 突 然 聞Qこ 意外と耳垢や中耳炎が原因のことは多い 「反復」するとメニエール病を疑う (初診での鑑別は困難) 耳鏡で鼓膜を見てみよう! (混合性もあるので聴力検査なしで否定はNG)
#6.
急性感音難聴 治療 ステロイド *確立したエビデンスはないが、 実質の標準治療と位置付け 疫学調査でも90%以上に投与されている 鼓室ステロイド *鼓室内ステロイド投与単独、または全身投与 との併用も初期治療の一つの選択肢として提案 *全身投与より有効とするRCTも存在する サルベージ治療として行う場合は20日以内 *)急性感音難聴 診療の手引き2018
#7.
急性感音難聴 治療 高圧酸素療法 よくある質問 色々な治療がありますね。 実際はどうしてますか? 早期なら全身ステロイド 1週間程度で治りが悪い時 サルベージで鼓室ステロイド *)発症2週間以内に行えば、有意に聴力を改善 回数などに明確な報告はない 3割負担で1回1万円程度かかる 鼓室ステロイドや高圧酸素のサルベージの可能性を 考えると、やはり早めに耳鼻科には来てほしい *一方でエビデンスある治療はなく、 週末などであれば週明け受診でも良いかも? *)急性感音難聴 診療の手引き2018
#8.
目次 01 急性感音難聴(突発性難聴) 02 顔面神経麻痺 03 まとめ
#9.
顔面神経麻痺 顔面神経の機能 運動機能 味覚機能 副交感機能 顔面筋麻痺・あぶみ骨筋 涙液分泌低下、口腔乾燥 (閉眼不全、口角下垂・聴覚過敏) QR 舌前 2/3 と軟口蓋の味覚障害 *両側からの支配あり 完全になくなるわけではない 「 兎 眼 ( と が ん )」 と 言 っ て う さ ぎ の 目 と 表 現 さ れ る 。 閉眼不全と乾燥が同時に起こることで真っ赤になる
#10.
顔面神経麻痺 診察ポイント 中枢性or末梢性? 前額筋は両側支配のため 中枢性では障害されない 収縮不良があれば末梢性の可能性が高い 末梢性顔面麻痺の中での鑑別 難聴/めまい・耳介皮疹の有無 Q Ra m s a y H u n t 症 候 群 を 疑 い → Hunt症候群は予後不良 治療内容にも大きく影響する
#11.
顔面神経麻痺 顔面神経麻痺の病因 血清診断 ウイルスが主たる原因 HSV、VZV IgG 抗体価測定で ペア血清(2週間以上空ける) 2倍以上(EIA 法)の上昇 4倍以上(FA 法)の上昇 HSV:単純ヘルペスウイルス VZV:帯状疱疹ウイルス 基本的にはウイルス再活性が主体 再活性が主体のためIgMの診断価値は限定的 陰性でもウイルス再活性化は否定できない 単回で50以上(EIA法) 単回で32倍以上(FA法) HSV・VZVの再活性化を裏付ける根拠 治療開始や投与量には影響しない
#12.
顔面神経麻痺 顔面神経麻痺の重症度 柳原法 項目 0 2 4 1. 安静時非対称(額し わ・鼻唇溝・口角) □ □ □ 2. 額のしわ寄せ □ □ □ 3. 軽い閉眼 □ □ □ 4. 強い閉眼 □ □ □ 5. 片目つぶり □ □ □ 6. 鼻翼を動かす □ □ □ 7. 頬をふくらませる □ □ □ 8. 口笛(口をすぼめ る) □ □ □ 9. 「イー」で歯を見せ る □ □ □ 10. 口をへの字に曲げ る □ □ □ ほぼ正常:4点 部分麻痺:2点 高度麻痺:0点 合計40点満点 重症度判定 8点以下(重症) 10~18点(中等症) 20点以上(軽症) *麻痺は1週間程度は増悪する。最終判定は1週頃 重症度判定と随伴症状を元に 治療方針を決定する 閉眼の麻痺の見方 ポイント 下眼瞼の収縮の有無 上眼瞼の挙上には動眼神経と 顔面神経の影響 下眼瞼の収縮は顔面神経に依存している →麻痺かの判断は下眼瞼をみて判断する
#13.
顔面神経麻痺 顔面神経麻痺の治療 抗ヘルペス薬 ステロイド全身投与 軽症 →30mg(内服) 中等症→60mg(内服) 重症 →120mg~200mg(点滴) *重症例は原則入院 基礎疾患があれば、鼓室内投与も選択肢 早期の投与するほど有効 発症当日や翌日、遅くとも7日以内の投与が好ましい Bell麻痺とHunt症候群で投与量が変わる Bell麻痺→HSV用量 5日間 Hunt症候群→VZV用量 7日間 *耳痛や耳介の発赤などあれば 不全型HuntとしてVZV用量で投与 早期であるほど有効、遅くとも3日以内 いずれにしても早めの治療が推奨 *土日でも治療開始したい...(個人の意見です)
#14.
顔面神経麻痺 ステロイド治療の後 ENoG(電気神経図) 発症1-2週間程度で行う 顔面神経の予後測定 健側と比較し、 ENoG値>40%以上であれば 後遺症なく1ヶ月以内で治癒 chat GPTで生成 あくまでイメージ図で実際とは異なります 全ての医療機関で実施できるわけではないが 顔面神経の予後測定・手術適応の判断に重要 顔面神経減価術 ENoG値<10%の場合は手術の適応 もちろん早期手術(2週以内)が好ましい 本邦の臨床の場では2週以降も施行 *顔面神経変性の阻止を目的としており、 再生促進効果はない 症例毎に個別の判断 対応できる耳鼻科の施設も限られる
#15.
顔面神経麻痺 生活上の注意 強大運動は控える 顔を無理やり動かそうとするのは 「病的共同運動」の原因になります 指先で頬や口元を優しく撫でる 蒸しタオルを当てるなどは 拘縮予防に有効です 無理やり動かそうとはしない。 優しく血流を良くするイメージでマッサージは良い 鍼治療は急性期はNG 「鍼治療」の位置付けは 回復の促進よりも後遺症の予防・軽減 検索などで、病院より先に鍼治療に たどり着いた患者さんで治療が遅れる... ということもあったりします 患者さんに聞かれた場合は、 病院で急性期治療を優先するよう伝える
#16.
まとめ 突発性難聴 聴力検査などないと、難聴の厳密な診断は難しい ステロイド治療自体のエビデンスはやや弱いが、2次治療の推奨時期を考慮 総合的に早めに耳鼻科受診を推奨 顔面神経麻痺 抗ウイルス薬やステロイド投与のタイミングや推奨量は具体的に示されてお り、病態からも早期治療導入が好ましい 後治療も考慮し早めに耳鼻科へ紹介(可能ならENoGできる施設)を
#17.
profile じびっこ @hirajibi @jibicco 耳鼻咽喉科専門医 X 2022年8月に開始 医療者との交流目的 フォロワー2000人 SNS総フォロワー8000人 Instagram 2023年2月に開始 一般の方への啓蒙活動 フォロワー約6200人