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“眼窩底骨折”救外やるなら知っておきたいシリーズPart 5

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  • 下直筋絞扼
  • 眼瞼縫合

38,273

144

2022/3/18
2022/3/18 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

眼窩底骨折は救急外来でもしばしば遭遇する頻出症例です。

典型例 『ケンカで顔を殴られてから物が二重に見える』『野球のボールが目に当たった』 などのエピソードで受診します。

このスライドを読み、眼窩底骨折の患者が来ても自信を持って対応できるようになりましょう。

◎目次

・はじめに

・目次

・眼窩骨折の特徴

・Blowout骨折

・Blowoutと線状骨折の比較

・線状骨折で下直筋絞扼

・画像検査

・他の検査

・眼部外傷時の注意点

・注意点:重篤な合併症

・眼瞼の縫合 

・患者への説明

・治療(手術適応)

・手術適応判断の1例

・プレート挿入

・上顎洞バルーン法

・アプローチの選択

・Take home message

shun@形成外科

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“眼窩底骨折”救外やるなら知っておきたいシリーズPart 5

  1. 救外やるなら知っておきたいシリーズ Part 5 “眼窩底骨折” shun@形成外科

  2. はじめに こんにちは! shun@形成外科です。 眼窩底骨折は救急外来でもしばしば遭遇する頻出症例です。 典型例 『ケンカで顔を殴られてから物が二重に見える』 『野球のボールが目に当たった』 などのエピソードで受診します。 このスライドを読み、眼窩底骨折の患者が来ても自信を持って 対応できるようになりましょう。それでは早速始めていきます。 Twitter ID @shun46618111

  3. 目 次 <Contents> ・眼窩骨折の特徴 ・Blowoutと線状骨折 ・下直筋絞扼 ・画像と他の検査 ・眼部外傷時の注意点 ・重篤な合併症 ・眼瞼縫合 ・患者への説明 ・手術適応 ・手術時期 ・プレート挿入術 ・上顎洞バルーン法 ・アプローチの選択

  4. 眼窩骨折の特徴 眼窩内骨折の発生のメカニズム ※ 眼窩内骨折:骨折が眼窩内部のみに限局し、眼窩縁の骨折は無い場合。 ① Hydraulic theory:眼窩内圧の上昇に伴う圧力による破裂。 ② Global to wall contact theory:外力により眼球が壁に衝突する。 ③ buckling theory:眼窩の外からの外力が介達的に内部の壁にかかりたわむ。 これらのメカニズムが単独ではなく複合的に働くと考えられています。 視神経 眼窩骨折の特徴 ・下壁は上顎洞、内壁は篩骨洞と薄い骨で仕切られているため 篩骨洞 圧が加わると眼窩下壁と内壁が骨折しやすい。 ・下壁骨折が圧倒的に多く、次に内壁骨折が多い。 上顎洞 下直筋 ・用語の分類は様々ですが今回は、Blowout骨折=眼窩底吹き抜け骨折とします。 ・線状骨折には、下壁が少しずれているようなTrap door骨折も含めます。 ・絞扼とは、組織や血管が圧迫で締め付けられることです。

  5. Blowout骨折 典型的なBlowout(眼窩底吹き抜け)骨折: 眼窩の底が抜けると眼窩内容物や下直筋などが上顎洞へ落ち込みます。 すると ① 下直筋や眼窩内容物が引っ張られ眼球運動制限 → 複視 ② 眼球も後退 → 眼球陥凹 などの症状がでます。 主な症状 頬部知覚異常 (39%) 複 視 (19%) 眼球運動制限 (1.7%) 眼球陥凹 他の症状 (1.7%) 眼窩下神経が眼窩底(眼窩下溝~眼窩下管)を通るため 頬や上口唇部などに知覚異常を生じる。三叉神経第2枝領域。 眼球位置異常、眼球運動制限、血腫や腫脹など様々な原因で生じる。 眼窩内容物が引っかかる、腫脹など様々な原因で動きに制限がでる。 眼窩内容物が上顎洞に脱出するため、眼球が後方へ引き込まれる。 腫脹、皮下出血、皮下・眼窩気腫、眼痛、鼻出血(副鼻腔から)など。 骨折線が眼窩下孔を通らない or 転位が少ない時は知覚異常が出ないこともあるよ。

  6. Blowout骨折と線状骨折の比較 Blowout骨折 絞扼(-)眼窩内容物の脱出 線状骨折(Trapdoor骨折も含む) 絞扼(+) 下直筋挟まる 成人 小児 絞扼なし 下直筋が絞扼する場合がある 骨が固い (柔軟性が低い) 上転障害が多い 成人の骨は”固い”ため、枯れ木の枝の様に “ポキッ”と折れた後は下壁が戻らないため 筋肉が挟まり絞扼することはありません。 ※ 引っかかることはあります。 可塑性がある (柔軟性が高い) 絞扼時は上転+下転障害 小児の骨は”可塑性(柔軟性)”があり “若木や竹を曲げてもしなる”様に 折れた下壁が戻るため、骨と骨の間に 下直筋が挟まると絞扼する場合があります。

  7. 線状骨折で下直筋絞扼 下直筋が絞扼したときの症状 ① 下直筋が挟まる → 眼球運動制限 → 複視 ・著名な眼球上転障害は “white eyed blowout fracture”と呼ばれる。 ② 眼迷走神経反射(oculo-vagal reflex) ・症状:嘔気、嘔吐、徐脈、低血圧、一過性失神を認める。 ・機序:下直筋が挟まる → 眼神経(三叉神経)が刺激される → 網様体から迷走神経に伝達 → 迷走神経を介し消化器や心臓の症状が出現。 <19才未満の眼窩底骨折の報告(Cohenら) > ・ 下直筋の絞扼 17.5%(29/166例) ・平均年齢 12.7才(4-18才) ・ 嘔気/嘔吐 27.6% ・線状骨折 (Trapdoor骨折) 51.7% ・ 嘔気/嘔吐を認めた場合の下直筋絞扼の陽性的中率 83.3%(p=0.002) と高い相関関係あり。 小児で受傷機転が不明な場合に、悪心嘔吐を伴いぐったりしているときは 頭蓋内病変だけでなく、絞扼を伴う眼窩底骨折も疑おう!

  8. 画像検査 CT MRI ・眼窩脂肪は低吸収域(黒)。外眼筋と血腫は少し高いCT値(グレー)に描出されます。 4本の直筋の走行を確認し、下直筋の絞扼がないか冠状断・矢状断でよくみましょう。 ※ missing rectus:存在するはずの下直筋が描出されない所見。線状骨折であれば 下直筋絞扼の疑いが増し、眼球運動制限も伴えば早期手術が必要。 ・眼窩下壁(内側壁)の骨折、眼窩内容物と骨片の上顎洞や篩骨洞への脱出を評価する。 ・上顎洞の液体貯留、眼窩気腫、外眼筋の変形があれば骨折を疑う。 ・ 嵌頓や軟部組織の逸脱の評価に優れるため、嵌頓を疑う場合は追加する。 ・ 外傷性視神経損傷では、MRIでT2強調像で高信号を呈する。 ・Waters法…眼窩下壁、外側壁は比較的良好。内側壁は鼻骨と重なり読影困難。 ・Fueger1法…眼窩壁骨折の診断に有用で、こちらは内側壁骨折にも有用。 X 線 ・上顎洞・篩骨洞(内壁骨折)が出血や眼窩内容脱出で白く映る所見・左右差。 ・眼窩縁の骨の連続性が保たれているか。※ X線のみの判断は難しい。 ・眼瞼・眼窩内気腫を認めることあり。

  9. 他の検査 Hessチャート 眼球運動制限を評価に有用。 両眼注視野検査 複視の評価に有用。 Hertel(ヘルテル)眼突出計 Naugle眼突出計 Traction test (Forced duction test:FDT) 眼窩外側縁を基準として突出度(眼球の位置)を計る。 眼窩上縁および下縁を基準とする。 頬骨骨折合併例などヘルテルが使用できない場合に用いる。 外眼筋絞扼を直接牽引して抵抗の有無を確認する。 ・眼科の検査は専門外だと評価が難しいです。 よく分からない場合は直接眼科の先生と話して意見を聞いてみましょう。 ・missing rectusと眼窩内壁骨折は 疑って見ないと見逃す可能性があります。 しっかり注意してCTを確認しましょう。

  10. 眼部外傷時の注意点 ・眼窩骨折には何らかの眼球損傷(7.6-25%)が見られます。 症状として、急性視力傷害(1.7%)、瞳孔反射異常が重要です。 ・Blowout骨折:眼窩内容脱出による眼球運動障害が主。眼球・視神経損傷は稀。 ・眼窩縁も骨折を伴う:眼球・運動障害・眼窩内合併症をきたす場合があり注意を。 ・視機能を確認 :まず見えるかどうかを確認。※腫脹していても指で開くと見えることあり。 ・瞳孔サイズ :通常の眼窩底骨折では瞳孔異常はない。 (散瞳の有無) 瞳孔異常あり → 動眼神経・眼球・頭蓋内の障害を考える。 ※局麻のエピネフリン入りで瞳孔散大することあり局麻前に評価を行う。 ・眼球運動の確認:眼球運動時の痛み・眼球運動制限・複視の有無を確認する。 ・眼球をよく見る:眼球に張りがない(低眼圧)場合は、眼球損傷も考慮する。 ・異物に注意 :金属・木材・砂・眼鏡のフレームやガラスなど、問診時に詳細を確認する。 ※ MRIを行う場合は特に金属片がないか、必ずCTなどを確認する。 ・涙小管断裂 :眼瞼(涙点より)内側の挫創の場合に注意。

  11. 注意点:重篤な合併症 外傷性視神経症 ・頬骨前頭縫合部(眉毛外側)の強打で多く見られる。 ・骨折線が眼窩尖部へ及ぶ場合は視神経損傷を確認する。※ 視神経損傷はMRIで確認。 ・眼窩外側壁が転位して神経を圧迫した場合や視神経管骨折を認めなくても発症する事がある。 ・診断は交互対光反射試験で行う。異常がある場合(RAPD陽性)は視神経障害を疑います。 ※ RAPD: relative afferent pupillary defect (相対的瞳孔求心路障害) <交互対光反射試験> ① 健側にライトを当てる。→ 患側(両側)が縮瞳。(間接対光反射は正常) ② 患側にライトを当てる。→ 患側が散瞳。(直接対光反射の異常、正常であれば縮瞳する) ③ 健側にライトを当てる。→ ①と同じ反応。異常では視交叉より末梢の視神経障害を疑う。 ① 左目に視神経障害がある例 健側 素早く光を移動 ② 素早く光を移動 患側 健側 ③

  12. 注意点:重篤な合併症 眼窩内出血(外傷性球後出血) ・骨膜下や眼窩内の高度出血により視神経圧迫や網膜中心動脈閉塞が生じると 視力障害を引き起こす。 ・疼痛、視力低下、眼球突出、直接対光反射消失などを生じ、速やかな処置を 要するためCTで血腫の確認を。 Purtscher網膜症(外傷性網膜血管症) ・網膜動脈が空気・脂肪塞栓で閉塞するとされる。急な視力低下を起こすことがあり 眼底検査が必要。

  13. 眼瞼の縫合 眼瞼の縫合時の糸の選択 ・皮膚:6-0,7-0ナイロンで縫合。 ・真皮:真皮縫合は不要。 ・瞼板:6-0,7-0ナイロン or 合成吸収糸(PDSなど)で縫合。抜糸は不要。 ・結膜:8-0バイクリルなどで縫合。(※ 結膜は丸針が裂けにくい) ※ 瞼板を縫合した場合や小範囲であれば結膜は縫合不要。 眼瞼の縫合時の注意点 ・眼瞼の皮膚は血流が良いため、デブリは控えなるべく温存しましょう。 ・眼瞼縁がずれない様に先に合わせましょう。 ・縫合部が眼球に近く、切った糸の先端が目に当たりそうな場合は糸を長く 残し、ステリテープなどで頬に固定します。 ・眼球を刺す事が心配な場合は、角膜保護板で眼球を保護しましょう。

  14. 患者への説明 <入院 or 帰宅の判断> ・眼窩底骨折単独では基本的には帰宅可能。 ・入院する場合 ‣小児で悪心・嘔吐がひどく、絞扼が疑われる場合。 ‣何らかの視力障害があり治療や手術が必要な場合。 ‣頭部外傷・他の骨折・意識消失など、他の理由で入院することもある。 <患者に説明する注意事項> ・鼻をかまない。※ 眼窩と副鼻腔が交通し鼻をかむと眼窩気腫となる。逆行性感染に注意する。 ・眼部を圧迫しない。 ・出血・腫脹の予防に血圧が上昇することは避ける。※ 飲酒・運動・入浴(シャワー可) ・眼科も必ず受診を。頭部外傷時は症状増悪あれば脳外科受診を指示する。 視神経症や網膜剥離による障害は遅れて発症する場合があります。 患者にも視力低下・眼痛・飛蚊症・光視症(光が飛ぶ感じ)に注意喚起をしましょう。

  15. 患者への説明 <処方> ・痛みがあれば鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)を処方する。 ・抗生剤は眼窩底骨折のみであれば不要です。 ※ ただし、創部・上顎洞・眼窩などに感染の可能性がある場合は処方を考慮します。 ・神経障害にビタミンB12(メチコバール)を処方するが、これは救外では不要です。 <眼球運動エクササイズでのリハビリ> ・複視で経過観察する時に受傷直後から眼球運動エクササイズ を行い、上顎洞に脱出した眼窩内組織の引き戻しを図ります。 ・方法は天井から紐でおもりや5円玉などを吊るし、寝転がり、 眼球運動障害のある方向(上下上下など)に振り子運動させて 患側の目で追いかけることで目を動かします。 1回 5-10分を1日3-5セット程度行いましょう。

  16. 治療 (手術適応) ※ 治療の詳細に関しては、形成外科以外の先生は覚える必要はありません。 <手術適応あり> ※ 明確な基準はない。眼球運動制限(複視)と眼球陥凹の程度で判断する。 ・下直筋の絞扼が疑われる または、高度な複視の場合。 ・経過観察しても複視などの症状が改善せず、日常生活に支障がでる場合。 ・眼球陥凹 左右差 2-3mm以上。(整容的に本人の希望があれば) ※ 受傷後早期は血腫や腫脹を認めるため、腫脹の消退とともに眼球陥凹が出現することあり。 <手術適応なし>※ 手術を行わない場合は、1か月程でそのまま骨癒合するのを待ちます。 ・経過とともに複視や眼球陥凹などの症状が改善し、生活に支障がない場合。 ・片目の視力がないなど、複視が出ない場合。 ・眼球陥凹が1mm以下 または 2mm以上でも整容的に本人が気にならない場合。

  17. 患者への説明 <手術時期> ・視力(視神経)障害や外眼筋絞扼の所見が無ければ緊急性はない。 ・小児の絞扼例 → 48時間でも遅い可能性があり 可及的速やかな緊急手術が望ましい。 ※ 筋が絞扼により不可逆的な変性を来すと手術で絞扼を解除しても 眼球運動障害は残ります。 ・絞扼なし → ① 複視残存 ② Traction test(FDT: Forced duction test)陽性、 ③ CTで嵌頓所見を伴う 場合は2週以内の手術を推奨とされる。 ※ まだ一定の見解はなく今後も検討が必要です。 手術日程調整の必要があり、早めの形成外科受診をお願いします。

  18. 手術適応判断の1例 手術適応判断の1例を紹介します。 眼球運動制限 画像所見 手術適応の判断 絞扼(+) ➡ 手術 高度 眼窩内容 の脱出 (10日後) 不変 ➡ 手術 中等度改善 ➡ フォロー (10日後) 絞扼(+) 不変 不変 ➡ 手術 改善 ➡ フォロー 不変 ➡ 改善 ➡ フォロー ➡ 手術 改善傾向 ➡ フォロー 中等度 軽度 (さらに10日後) 眼窩内容 (20日後) の脱出 不変 ➡ 改善 ➡ フォロー ( 6週後 ) 不変 ➡ 改善 ➡ フォロー (さらに10日後) 手術 手術 手術 引用:形成外科診療プラクティス 顔面骨骨折の治療の実際. p94

  19. 手術 (プレート挿入) <プレート挿入術による再建方法> 眼窩底の再建には “プレート” と “バルーン” で手術する方法があります。 ・下眼瞼の皮膚 or 結膜を切開。 ・眼窩側から眼窩底部へ到達。 ・直視下に挟まった筋肉や上顎洞へ落ちた眼窩内容物 を眼窩へ戻す。 ・眼窩底欠損部にプレートを挿入して再建する。 プレート ※欠損がなければ絞扼の解除のみの場合もある。 ※人工物と自家組織は適切に用いればどちらでもよい。 ※人工物はチタンと吸収性プレートが適切とされている。 自 家 組 織 人 工 物 ・ 骨 (腸骨・頭蓋骨・上顎洞前壁・肋骨) ・軟骨 (鼻中隔軟骨・耳介軟骨) ・筋膜 (側頭筋膜) ・非吸収性プレート(チタン・シリコン) ・吸収性プレート メリット デメリット メリット デメリット ・長期的にも感染しにくい。 ・採取部の瘢痕・疼痛。 ・ドナーサイト(組織採取部)の犠牲がない。 ・再建の精度が高い。(微調整しやすい) ・長期的での炎症反応。(異物反応) ・感染のリスク。

  20. 手術 (上顎洞バルーン法) <バルーンによる再建方法> ・上口腔前庭(上歯肉の頭側)を切開。 ・上顎洞前壁に穴をあけ、上顎洞へ到達。 ・上顎洞へバルーンを留置。 バルーン ・バルーンを膨らませ、眼窩内容物と骨片を持ち上げ眼窩底欠損を再建。 ・バルーンは2-6週間程度留置し、局麻下に抜去。 ※ 内視鏡を用いて鼻から上顎洞へアプローチする方法もあります。 ※ バルーンには尿道バルーン(丸形)や上顎洞バルーン(三角型)がある。 ※ 眼球運動障害や眼窩底欠損が改善しない時はプレート挿入、下眼瞼からのアプローチを併用する場合あり。 メリット 上顎洞バルーン法 デメリット 経眼窩法 (プレート挿入術) メリット デメリット ・手術侵襲が少ない。 ・眼瞼を切開した場合の瘢痕、眼瞼の外反・内反をおこさない。 ・眼窩内に異物を残さない。(感染・異物反応なし) ・適応が限られる。 ・上顎洞の穴からの処置や視野となるので操作しにくい場合がある。 ・正確な眼窩底の形態再建は困難。 ・上顎洞炎、球後視神経炎、眼窩下神経痛、整復後戻り、上歯槽神経切断。 ・眼窩側から直視下に行うため、術中の操作や正確な眼窩底再建がしやすい。 ・切開部の瘢痕、眼瞼の外反・内反症。 ・プレートは固定しない時に移動する場合がある。 ・異物使用時に、感染・異物反応で取り出す場合がある。

  21. 手術(アプローチの選択) ・アプローチの選択は、瞼縁切開(睫毛下切開・瞼板下切開)と経結膜切開がある。 ・本邦では瞼縁切開が標準的アプローチと認知されていたが、経結膜切開が標準的アプローチとして認知されてきた。 ・それぞれのアプローチで、下眼瞼の内反・外反のしやすさや瘢痕が目立つなどの長所・短所・合併症がある。 ・患者の特徴として、高齢者は瘢痕は目立たたない、余剰皮膚や眼瞼内反・外反症を持つ患者もいる。 若年者は瘢痕が目立ちやすい。 ・以上の特徴と術者の得意・不得意な手技なども考慮し、アプローチを選択する。 経皮アプローチ 瞼 縁 切 開 睫毛下 ・本邦で多い。 切開 ・瘢痕は目立たないが、下眼瞼外反は瞼板下より多い。 瞼板下 切開 ・下眼瞼外反は少ないが、瘢痕は睫毛下より目立つ。 ・上顎洞炎、球後視神経炎、眼窩下神経痛、整復後戻り、上歯槽神経切断。 下眼瞼切開 ・瘢痕が目立つ。※ 瞼縁切開法が推奨されている。 経結膜アプローチ 経結膜切開 ・皮膚に瘢痕ができない。 ※ 若干切開する場合あり。 ・下眼瞼外反は少ないが、下眼瞼内反が多い。 経上顎洞アプローチ 口腔前庭切開 (経鼻) ・手術侵襲が少ない。 ・瘢痕・下眼瞼の外反・内反症の問題が起きない。

  22. Take home message ・複視・頬部知覚障害・眼部腫脹を認めたら眼窩底骨折を疑おう。 ・小児で悪心嘔吐を伴う場合は、絞扼を伴う眼窩底骨折も疑おう。 ・絞扼がなければ、「鼻をかまないように」伝えて形成と眼科受診を。 ・絞扼があれば48時間以内で可及的速やかに手術を。

  23. 参考文献 ・形成外科診療ガイドライン 2021年版. ・田嶋定夫. 形成外科手術手技シリーズ 顔面骨骨折の治療. ・形成外科診療ガイドライン 2021年版. 改訂第2版. 克誠堂出版, 1999. 顔面骨骨折の治療. 改訂第2版. 克誠堂出版, 1999. ・田嶋定夫. 形成外科手術手技シリーズ ・平野明喜. 形成外科診療プラクティス 顔面骨骨折の治療の実際. ・平野明喜. 形成外科診療プラクティス 顔面骨骨折の治療の実際.文光堂, 2010. 文光堂, 2010. ・尾崎 峰. 顔面骨骨折を知り尽くす. PEPARS. No180. 2021. ・医学大辞典 第2版. 医学書院, 2009. ・医学大辞典 第2版. 医学書院, 2009. ・Cohen SM. Pediatric orbital floor fractures: nausea/vomiting as signs of entrapment. Otolaryngol Head Neck Surg. 2003 Jul;129(1):43-7.

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