アナグマでもわかるフルオロキノロンの話

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高野 哲史

公立昭和病院

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診療所、大病院問わず外来で極めてよく処方されるフルオロキノロンですが、そんなフルオロキノロンの少しコアでデリケートな部分について、レボフロキサシンを例にアナグマでもわかるようにまとめてみました。

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https://qa.antaa.jp/stream/contents/159

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タコでもわかる静注抗菌薬の話

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ショックのまとめ【定義・分類・鑑別を中心に】

救急外来や病棟急変でよく出会うショックについて、確実に知っておくべき知識を理解していますか? ショック=血圧低値と誤解されることが多い、ショックの概念についてまとめました! 生理学や生化学から、ショックの定義や分類、鑑別を中心にまとめています。 初期研修医の先生方や看護師さんにとっては、きっと学びの多いスライドとなっているはずなので、参考にしていただければ幸いです◎

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それって本当に尿管結石?!

<ERで「尿管結石?」って思ったら> 1. 安易に決めつけるのはNG! 2. エコーで“らしい”所見をチェック! 3. 鑑別疾患を意識して、重篤な疾患を見逃すな! 本スライドは、「三銃士 指導医・研修医レクチャーシリーズ」vol.10です。質問・コメントは以下へお願いします。 http://bit.ly/39kNKUy ※「三銃士」は、救急・集中治療医の坂本壮、総合診療医の髙橋宏瑞、鎌田一宏により運営される、医学教育の課題解決を目指した教育ユニットです。 ▶三銃士Facebookページ https://www.facebook.com/dartagnanproject ▶坂本壮のAmazon著者ページ https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B079T41LV8

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アナグマでもわかるフルオロキノロンの話

1. アナグマでもわかるフルオロキノロンの話 2021年版
2. この講義の目標 正しく使おうフルオロキノロン * フルオロキノロン(FQ)の立ち位置を知ろう * フルオロキノロンを使うべき / 避けるべきタイミングを知ろう なるべく専門的にならないようにお話ししたいと思います
3. 先生方のフルオロキノロンのイメージ
4. 手軽・便利 先生方のフルオロキノロンのイメージ よく効く 「とりあえず出せる」薬 この印象は合ってる(合ってた)と思います
5. フルオロキノロンの立ち位置は かなり変わってきています だがしかし 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2016-2020): https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000152795.pdf 「減らせ!」 でも「決まりだから」だと 響かないと思うので
6. ですので,耐性菌事情はいったん抜きにして なんで控えるべきなのか? 逆に処方すべきタイミングは? この2点を核にして,レボフロキサシンを例に話をしていきましょう 臨床的に
7. レボフロキサシン(levofloxacin) * 本邦では1993年発売,国内で開発(第一三共) * フルオロキノロン(ニューキノロン)系 * 腸管吸収率: ほぼ100% * 腎排泄 * 1錠250mgで65.8円 * 大動脈解離・大動脈瘤のリスク * 高齢者では腱障害のリスク “Crave it” -> CRAVIT(クラビット) 渇望されてできた薬なんですね すごいね ここから引用しました
8. 読んだこと,ありますか? 添付文書 (第一三共エスファ株式会社より許諾の上掲載)
9. 読んだこと,ありますか? 添付文書 (第一三共エスファ株式会社より許諾の上掲載) 案外最近改訂されているのです
10. 結構重大,副作用の欄 添付文書 いちいち「指導」が必要です 2019年1月改訂 2019年9月改訂 (第一三共エスファ株式会社より許諾の上掲載)
11. 既報 大動脈解離のリスク(OR 2.79; 95%CI 2.31-3.37) フルオロキノロンの暴露が アメリカで行われたメタアナライシス 大動脈瘤のリスク(OR 2.25; 95%CI 2.03-2.49) リスクは小さいが有意な増加である である The American Journal of Medicine (2017) 130, 1449–1457 これが使いにくい理由その①
12. 更に フルオロキノロンの経口薬は 多価金属イオンでキレートされる その② レボフロキサシンだと Al, Mg, Fe(一部のFQはCaも) [レボフロキサシンの添付文書] Al3+: AUC 44 %低下 Mg2+: AUC 22 %低下 Fe2+: AUC 19 %低下 同時投与で効果減弱 投与時間を2時間ずらして投与 (同じFQでも程度は異なる) (クラビット細粒10%のデータ,インタビューフォームをもとに作成) (FQが先) (第一三共エスファ株式会社より許諾の上掲載)
13. 更に フルオロキノロンの経口薬は多価金属イオンでキレートされる やっぱり外来診療に向いてなくない? 制酸薬・消化性潰瘍治療薬として処方されるアルミニウム製剤 便秘薬として処方されるマグネシウム製剤 貧血治療に処方される鉄剤 処方薬を患者ごとに判別し,その都度内服方法を指導できるか? 多くは高齢であろう患者が,内容を理解し実践できるか? 忙しい外来の中ではなかなか厳しいんじゃないかと思います (先生が処方したキノロン,うんちになっているかもしれません)
14. さーらに更に レボフロキサシンは結核症のセカンドライン治療薬である その③ 安易なレボフロキサシンの投与により まとめますと 結核の発見が遅れる・治療薬を潰す 可能性がある 公衆衛生上,治療選択上の大きな問題になります 処方するならば必ず結核症の除外を
15. 大動脈瘤・大動脈解離,また高齢者では腱障害のリスクである 一部の多価金属イオンとキレート形成するため, 常用薬として頻用されがちな他薬と相性が悪い 一部は結核治療薬の役割を担っており,安易な投薬により 患者とその周囲へ不利益をもたらす可能性がある 処方を避ける三大動機 フルオロキノロンは 頻用するには少々リスクが大きい けれども
16. PK/PD的にはめちゃくちゃ優れた薬 限られるけど 使うべきタイミングでは 絶大な効果を発揮します ネガキャンしたい放題でしたが よくある具体的なタイミングをいくつか
17. レジオネラ症 マイコプラズマ肺炎 急性前立腺炎 β-ラクタムアレルギー患者での切り替え 耐性菌治療時のステップダウンで感受性があれば 比較的よく出会うのはこれらのケースではないでしょうか
18. レジオネラ症 マイコプラズマ肺炎 急性前立腺炎 β-ラクタムアレルギー患者での切り替え 耐性菌治療時のステップダウンで感受性があれば 赤字の2つは一般外来でもよく出会うので頭にあると便利です ドキシサイクリン 100mg 1日2回10日間も良いです
19. フルオロキノロンの処方には 必然性 が特に重要です フルオロキノロンでなければだめか? β-ラクタム薬はじめ他薬は選択できないか? ・・・・・・・・ 他の抗菌薬でも重要なんですけど
20. 散々レボフロキサシンの話をしてきてお気づきかもしれませんがフルオロキノロンはレボフロキサシンだけ知っていれば(一般感染症診療では)困ることはほぼほぼないと思います 他のフルオロキノロンを選ぶ必然性が見出せない,ということです
21. アナグマでもわかるフルオロキノロンの話 2021年版 おしまい