子癇について、なお語るべきこと。

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山本 大介

山本 大介

聖隷浜松病院

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子癇はじめ、周産期の中枢神経系イベントについて説明します。まとまって勉強しにくい、ニッチ分野である子癇を、なるべくわかりやすく解説します。

子癇について、なお語るべきこと。

1. Department of Neurology, Seirei Hamamatsu General Hospital Daisuke Yamamoto About Eclampsia 子癇について、 なお語るべきこと。
2. Introduction 子癇(しかん)という言葉の定義の曖昧さが 理解しにくさの一因です。 妊娠中や産褥期に[けいれん]すると、子癇とされそうですが、 それは実際に起こっていることの[表層]を見ているのみです。 このスライドは、 周産期に起こる中枢神経系イベントについて 子癇の病態理解について MRI画像所見PRESについて 説明し、理解するためのスライドです。
3. まずは、 [けいれん]問題から。 [けいれん]は、Seizureで言い換えられます。 一方、[てんかん]は、Epilepsyで言い換えられます。 周産期に認める症候は、Seizureです。 周産期のSeizureは、[急性症候性発作]という言葉で説明するのが妥当で、[一過性の大脳皮質障害によって引き起こされるけいれん]です。 てんかんとは異なり、永続的な抗てんかん薬は通常、必要ありません。
4. けいれんが起こる局在は、 [大脳皮質]障害による。 大脳皮質にいずれの原因でも傷がつけば、けいれんは起こりえます。 逆にけいれんをみた場合には、[大脳皮質障害を来たすイベントが起こっている]、と想起することが大切です。 周産期のけいれんでは、[大脳皮質障害イベント]が起こっている、[障害された皮質から異常電気信号が発生し、けいれんしている]と理解して下さい。 よって、画像評価(頭部MRI)は必須と言えます。
5. Introduction けいれんは、大脳障害が起こった結果であり、 その原因評価が必要である。 [けいれん=子癇]は成立しない ことを、まずは知る事。 では、何が起こっているか、原因について知る必要がある。 原因によって、行動も変わってくる。
6. ここからは、具体的な病態/疾患に 分けて解説していきます。
7. PIHに伴う病態(PRES) 脳外科疾患による 周産期脳梗塞 周産期に、[元々妊婦が合併していた脳外科疾患が増悪]することがあります。具体的には、[脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血]、[もやもや病による脳出血]などです。ここでは脳外科医との連携が重要です。 PIHとは関連乏しく、周産期に脳梗塞を発症する場合があります。 一方、PIH/PRES病態と共に脳梗塞を発症する場合もあります。 妊娠高血圧症候群(PIH)の[進行に伴い出現]する大脳障害。画像はPRESという所見になります。PRESは画像診断病名ですが、このスライドではこの病態を[PRES]として説明していきます。 周産期に大脳障害を来たす疾患/病態は3つに分類
8. PRESとは画像診断病名です。ここではPIHの進行によって合併する大脳障害病態を[PRES]と表現していきます。 PRESは[血管内皮障害]による、と考えると理解しやすいです。 PIHによる[全身血管の血管内皮障害]が、[中枢血管にまで及んだ病態]と考えて下さい。 PRESの画像所見は、血管内皮障害によって、血管から水分がしみ出して浮腫性になり、 [大脳白質に白い画像変化]が認められるわけです。 #1 PRES(PIHに伴う病態)
9. 血管内皮障害から、 読み解くPRES。 血管内皮障害が全身血管に広がり、多臓器障害を引き起こす。 血管内皮障害により、血管の[spasm]がおきて高血圧になる。 血管内皮障害により、DIC様の病態になる(血栓傾向)。 血管spasmと臓器血流障害にともない (Vasoconstriction/Hypo perfusion theory)、 腎血管障害による、腎機能悪化 肝血管障害による、HELLP症候群 中枢血管障害による、PRES(子癇) へ、病態は進行していく。 日産雑誌 2006;58:61-70
10. Hyper tention/Hyper perfusion theory PRESを説明するのに、最もシンプルでわかりやすい仮説。 通常では、脳血管には[自動調節能]が備わっており、血圧上昇や低下に寄らず、 脳血流を一定に保つことができる。 血管内皮障害により、自動調節能の脆弱性が、PRESではあると想定される。 [全身血管spasmにより、血圧上昇]を認めたとき(Hyper tention)、 自動調節能の限界を超えた時点で、脳血流の過灌流状態(Hyper perfusion)となる。 結果として、[脳浮腫状態(PRES)]となる。古典的PRES発症機序のTheory。 AJNR 2008;29:1043-1049
11. AJNR 2008;29:1043-1049 PRESにおける血圧上昇は、 病態のmodulatorである。 血管内皮障害が全身血管に広がった状態では、血流障害による臓器障害が起こっているはずである。すべてHyper tension/ Hyper perfusion説で説明するには無理がある。 PRES発症のもう一つの仮説が、Vasoconstriction/Hypoperfusion説である。これは、血圧上昇を伴わないPRESも存在する(免疫抑制剤によるPRESなど)場合の説明となっている。 急に血圧上昇を認め、それに伴い子癇(PRES)を発症していくことは臨床的に経験する。双方の仮説が併存していると捉えると、すっきり理解できるかもしれない。 背景の血管内皮障害があり、血管攣縮と臓器血流障害を認める。その病態の進展過程で、血管攣縮によって、血圧上昇を発症する。その血圧上昇が病態のmodulatorとなり、PRES発症に関与していると、理解するのがいいのではないか。
12. PRESとRCVSはペア。 他疾患においても、PRESはRCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)と併存することが知られている。 RCVSが良性所見なのか、悪性所見なのかはわからない。脳血流を保とうとする保護的反応の可能性もある。 ただし、血流障害から脳梗塞発症に至る可能性があり、RCVS所見には注意が必要である。 全身血管のspasm所見の一つ、と言っていいものかどうかはわからないが、中枢血管にもspasmを呈する。 AM J Neuroradiol 2008;29:447-455
13. 血管内皮障害から PRESを理解しよう PIHの中枢神経系血管までの病態進展が、PRESである。 Hyper tension/Hyper perfusion Theoryについて。 Vasoconstriction/Hypo perfusion Theoryについて。 二つのTheoryを何となくイメージする。 PRESにおける血圧上昇は、病態のmodulatorである。 よって、血圧上昇とともに、PRESは発症してくる。 また、PRESとRCVSはペアである。 SUMMARY 1
14. PRESで知っておくべき知識
15. 後頭部にPRES所見を認める。MRIは落ち着いたら撮影でよい。 MRI所見はPRES! 大半はbenignであるといってよい。ただし、一部、そうでないこともある。 Benignな場合と、そうでない場合があることを知ること。 これら三つの症状をみたら、PRESを想起すること。すべて重要。痙攣がなくても注意したほうがいい。 症状;視覚異常!頭痛!そして、けいれん! 妊婦の状態、胎児の状態を勘案しながら、分娩前なら妊娠の終了を検討。 妊娠の終了が治療! これは最重要事項の一つとして喚起されている。血圧上昇は発症のヒント。 血圧上昇とともに発症! 降圧管理も最重要事項の一つとして喚起されている。先述の病態(高血圧は病態のmodulator)を理解し、降圧の重要性を再確認する。 適切な降圧管理が重要! ガイドラインにも明記されている内容。 初産婦に多い! 脳血管攣縮(RCVS)も合併することを知ること。脳血管のれん縮も伴い、脳梗塞を発症するから注意。 MRA所見はRCVS! 04 02 08 06 03 01 07 05
16. 具体的な行動と思考について
17. 血圧上昇が最終的な[Trigger]となって、 中枢症状を顕在化させる。 血管内皮障害に伴うBBB破綻状態から、 血圧上昇がPRES病態の[breakthrough]になる。 血圧上昇 急激な血圧上昇を認めたら注意! 全身けいれんを発症。 [コードブルー]、救急カート準備。 病態が進行すると… けいれん発症! PRESは[後頭葉]に発症する。 よって、視覚異常を訴えたら[真]の症状を想起。 頭痛や、目がチカチカする(視覚異常) 子癇発症時の行動と思考 1 けいれん前駆症状
18. けいれんが起こっただけでは、3病態の中の、 いずれのイベントが起こったかが分かりません。 [脳出血を来している場合(脳外科疾患による)]には 治療方針が大幅に変わりますので(脳外科手術も検討) 頭部CTは速やかに施行する必要があります。 ABC安定したら 頭部CTは迅速に施行すること 降圧療法はPRESのコントロールに有効である。硫酸マグネシウムはけいれん抑制に有効である。RCVSの合併もあり、[血管拡張作用のある]、Ca blocker&硫酸マグネシウムはRCVS合併症の脳梗塞予防にも理にかなっている。 子癇(PRES)の治療開始 ニカルジピンで降圧療法+硫酸マグネシウム投与 自然頓挫しなければ、ジアゼパムを少量ずつIV。[呼吸抑制]に注意して下さい。 まずは、ABCの安定が最も重要! けいれんの対応 子癇発症時の行動と思考 2
19. 状態安定が得られたらMRIは施行すること。 MRIは[MRA]も追加して、[RCVS]も評価すること。 また、[ADC MAP]という条件も追加すること。 ADC MAPは機能予後評価に使えます。 MRIは、発症1-2週間後位を目処に、[再検]すること。 MRIについて 落ち着いたら、MRIは施行する必要がある 妊娠中、分娩中なら妊娠の終了も検討。 出産後PRES発症の場合はここはskip。 妊娠の終了が治療である。 妊娠の終了を検討 FINISH 子癇発症時の行動と思考 3
20. 子癇発症時の行動を 時系列で整理しよう。 後頭葉にPRESが起こる。 けいれんが起こるとは限らない。 血圧上昇によって、PRES病態が増悪していく。 けいれん等、イベント発症時には人/モノを集める。 ジアゼパムは使えるように。 頭部CTは可及的速やかにに施行する必要がある。 ニカルジピン、硫酸マグネシウムの血管拡張機序も確認。 変な所見が残っていなければ、MRIは落ち着いてから施行でよい。 SUMMARY 2
21. PRESのMRI所見について
22. 典型的PRES所見 について。 好発部位は後頭葉白質です。 ただし、皮質も含んでもよいです。 PRES所見は[FLAIR]で評価します。 DWIとADC MAPも見ます。FLAIR病変が、DWI highの場合は、画像的悪性所見の可能性あり。ただし、ADC MAPとの組み合わせで情報量が増えます。 DWI high + ADC highの場合は、画像的良性所見(vasogenic edema)と言えます。 DWI high + ADC lowの場合は、画像的悪性所見(cytotoxic edema)と言えます。 DWI FLAIR ADC MAP ADCはhigh. BRAIN and NERVE 2017;69:129-141
23. PRES所見の知識 PRES所見は、子癇においては、 [後頭葉]と[頭頂部の分水嶺領域]に 認められるのが一般的です。 [脳幹]や[基底核]に認められる場合もありますが、 非典型的です。 ※“脳幹型PRES”やAtypical patternのPRESは悪性所見なのではないかと、個人的には考えています。後述しますが、HELLP症候群との相関があることも言われています。HELLP症候群に伴う脳出血はこの障害パターンに関連するのではないかと考えています。 TYPICAL ATYPICAL BRAIN and NERVE 2017;69:129-141
24. 合併するRCVS所見 について。 先述通り、PRESとRCVSはペアです。提示画像では初回MRAからRCVS所見があります。 一方、RCVSの重要な知識としては、[RCVSは後から顕在化してくる]ことがあるという事実です。 RCVSは頭蓋内の末梢血管から始まり、中枢血管に及んできます。よって、MRAで認識できるようになるのは、[発症後しばらく経ってから]になることがあります。 この現象を[ centripetal propagation ]といいます。 DAY 1 DAY 30 初回MRAでは全体的な血管狭小化が目立つ。一ヶ月後には末梢血管まで追えるようになっている。 発症後、1週間後撮影するとよりRCVS所見が顕在化する症例も多い。 BRAIN and NERVE 2017;69:129-141
25. Centripetal propagation 初回MRAでは[末梢のRCVS所見]が強く、 その後、[中枢のRCVS所見]の顕在化があります。そして、最終的には消失します。 PRESは2回目のMRIでは改善していますが、 RCVSは2回目MRAで顕在化しています。 MRIは少なくとも、 初回、フォローアップ、最終確認(発症一ヶ月後) の3回施行が丁寧だと思います。 DAY 1 DAY 11 DAY 60 Intern Med 2017;56:1119-1120
26. RCVSの経過を踏まえた 入院管理方針について Headache. 2013;53:570-6. Curr Neurol Neurosci Rep. 2013;13:319. Emerg Med Int. 2012. doi: 10.1155/2012/303152. 子癇のデータではありませんが、他疾患におけるRCVSのレビューでは以下が述べられています。 [1週間以内]に起こる合併症として、 SAH、頭蓋内出血、てんかん、PRESがある。 (脳出血系が多い。) [2週間以内]に起こる合併症として、 TIA、脳梗塞がある。 (脳梗塞系が多い。) 90%の臨床経過は良好であるとされる。   10%は後遺症を来す。 4-40%で脳梗塞、6-20%で脳出血、   22-34%でSAH、10%でPRESを合併する。 → PRESでの明確な推奨はありませんが、上記RCVSの特徴を踏まえて、    入院経過観察を行う必要があると思われます。
27. PRES+RCVS 典型的PRESは後頭部と頭頂部(分水嶺領域)に。 Atypical lesionには注意した方がよい(重症例?)。 RCVSは後から顕在化してくる特徴がある。 よって、MRIは経時的に捉える必要性がある。 (他疾患の)RCVSを参考にして、入院管理を行う。 子癇におけるPRESは基本的には予後はいいが、 一部予後不良もあることは知っておく必要がある。 SUMMARY 3
28. 周産期には、元々併存していた脳外科疾患による脳出血を来しうることが知られています。 母体治療をどうするのか、妊娠継続/終了の判断をどうするのか。 母体優先の原則にのっとり、行動されると思いますが、ケースによって行動は変わってくると思います。 脳外科疾患が背景にある場合には、勘案事項は複雑です。 とにかく、変調時に早急に施行した頭部CTで[出血性病変があった場合には、方針がかなり変わってくる]ので、まずはその事実をよく理解しましょう。 また、その意味でも、[なるべく早いタイミングで頭部CTを施行する必要性]があると言えます。 #2 脳外科疾患による
29. 妊婦の頭蓋内出血 について。 動静脈奇形>脳動脈瘤破裂(SAH)>もやもや病 が、出血性疾患の上位原因疾患で、これらのほとんどが、[妊娠までに未診断であった]という報告があります。 PRES病態の延長にある脳内出血の場合もあり得ます。 出血性病変をみた場合には、多様な鑑別を要するため、中枢系専門医にすぐにコンサルテーションする必要性があります。 脳外科疾患が背景にある場合には、脳外科的手術適応が検討されます。妊娠の継続方針にも影響が大です。 MB Med Reha 2014;172:7-12
30. 妊婦のくも膜下出血 (SAH)について 心拍出量が増大する[3rd trimester]に動脈瘤破裂は多いとされています。循環血液量と血圧上昇がこの時期に多くなることが原因のようです。 SAHを発症した場合には、[非妊娠患者と同様]に対応されます。よって、動脈瘤に対する[手術後]に、帝王切開を行うことが推奨されています。ただし、母体状況によっては、帝王切開を先行させる場合もあります。 患者状況や胎児状態、施設のマンパワーなどを総合的に判断し、柔軟に方針決定せねばならず、緊急対応時にはコマンダーの頭の中では事前に、問題点が整理されている必要性があります。 Neurol Med Chir 2013;53:549-554
31. とにかく、 CT施行後に 脳出血を見たときには。 [脳外科的治療介入の必要性]が生じてきます。一見、普通の脳内出血に見えても、特別な脳外科疾患(動脈瘤破裂、脳動静脈奇形破裂、もやもや病、脳静脈洞血栓症…….)が背景にある出血の可能性もあり、その場合には対応が異なってきます。 イベント発生時には、[CTで出血があるかないか]、が重要な情報になります。また、出血時の方が生命/機能予後に関わる可能性が高いです。イベント発生時には、頭部CTをなるべく早く施行することが重要です。 地域医学 2017;31:196-199 脳卒中の外科 2013;41:60-64 もやもや病+脳出血 AVM+脳出血
32. 脳表限局型SAHの場合。 PRES+RCVSの合併症として起こりえます。 脳動脈瘤破裂によるSAHとは[区別する]必要があります。 [PRES時に、脳表限局型SAHを生じうる]ことは、知っておく必要があります。 ただし、いずれにせよ脳動脈瘤の評価はする必要があります。 Neurological Surgery 2013;41:135-141
33. HELLP症候群に 合併する脳出血。 PIH、PRES病態の延長線上にある脳内出血の場合もあります。この場合の脳出血は[重症化する可能性]があり、注意が必要です。 先述のPRESにおける[Atypical lesion]に脳出血を発症しうるため、Typical PRESとは病態が部分的に異なると思っています。Typical PRESとAtypical PRESを規定する因子については、興味があります。恐らく、[先述の二つのPRES発症Theory]のいずれかにより傾いているかが関係しているのではないかと考えています。 日本神経救急学会雑誌 2005;18:62-64 BRAIN and NERVE 2017;69:129-141 Atypical PRES (CT) HELLP+脳出血
34. 脳出血には注意。 脳外科疾患による頭蓋内出血の可能性。 PIH病態に関連する脳出血の可能性。 前者は、方針がまったく違う。 後者はHELLP症候群に合併することがあり、予後不良な傾向である。 前者も後者も、脳外科での緊急手術を要する場合がある。 いずれにせよ、頭部CTを迅速に行うことが、最重要事項と言ってもいい。 脳外科医と一緒に、妊娠継続/終了も議論しなければならない。 SUMMARY 4
35. 妊婦が脳梗塞を発症する場合には、[血栓性素因]を合併している場合が多いです。 先天性要因として、アンチトロンビン欠乏症、プロテインC/S欠乏症、 また後天性要因として[抗リン脂質抗体症候群]が重要です。 これら血栓性素因のある患者が脳梗塞を発症する可能性があります。 また、[PIH/PRES病態のなかで、脳梗塞を発症する場合]もあります。 [tPA療法、血管内治療]も妊婦であっても適応になるので、即座にコンサルテーションが必要です。 #3 周産期脳梗塞
36. 血栓性素因による 脳梗塞。 [塞栓性機序]の脳梗塞となります。 塞栓性機序とは、血栓が、突然頭蓋内血管にとんで、血管閉塞を来す病態です。 この場合は、脳深部ではなく、脳表に近い末梢血管閉塞による脳梗塞が特徴的になります。 また、発症パターンから、[突発発症のエピソード]であることも重要です。 [抗リン脂質抗体症候群]を中心とした、血栓性素因の検索が必要になります。 現代産婦人科 2012;61:287-290
37. RCVSに伴う脳梗塞。 PRESに併存するRCVSに伴い、脳梗塞を発症する。 穿通枝と呼ばれる細い血管のspasmによる血流障害で、[脳深部]の脳梗塞を発症しうる。 脳卒中 2015;37:21-25 SPASM あり 改善
38. 妊娠中の脳梗塞 血栓性素因の検索が必要。 APSが代表選手。 梗塞病変が、大脳表層に近い場合は、塞栓性機序であり、血栓性素因を考慮。 大脳深部にある場合には、RCVSに伴う脳梗塞を考慮。 妊婦でも、tPA療法や血管内治療が選択肢になりうることは、知っておく必要がある。 SUMMARY 5
39. PRES病態はシステミックでかつ、ダイナミックな経過を認め、 神経内科医としても興味深い内容と思っています。 このスライドが、産婦人科の先生、神経内科の先生、脳神経外科の先生の ニッチを埋める手助けになれば、と思います。 PRESにかかわる知識を整理していただき、 緊急イベント発生時に少しでも役に立つならとても嬉しいです。 TAKE HOME MESSAGE!