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手塚宜行

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抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~

  • 内科

  • 感染症科

  • 初期研修医

  • グラム染色
  • 感染症
  • 肺炎
  • 喀痰培養

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手塚宜行

岐阜大学大学院医学系研究科 感染症寄附講座

内容

喀痰培養についてのまとめスライドです。採取方法など、患者さんや看護師さんなど多くの人の協力が必要になります。そのために押さえてほしいポイントをまとめました。

本スライドの対象者

研修医

テキスト全文

  • 1.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~ 岐阜大学大学院医学系研究科 感染症寄附講座 手塚宜行 2022/1/18

  • 2.

    喀痰培養検査とは? 1 下気道感染症の原因微生物を特定するために重要な検査 喀痰から微生物が同定されても、原因ではない可能性がある(常在細菌叢の一部かも) 検体採取と結果解釈への 合理的なアプローチが必要 Clin Infect Dis. 1998 Mar;26(3):742-8.

  • 3.

    喀痰培養偽陽性の影響 2 偽陽性の結果は、患者への不必要な負担の増加につながる 診断の過ち、診断の遅れ 不必要な検査の追加 不必要な抗菌薬治療 不必要な入院期間の延長 患者自身だけでなく 社会全体への負担も大

  • 4.

    感染症診療のロジック 3

  • 5.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~<outline> 4 喀痰培養の適応:「肺炎」を疑ったら採る 喀痰培養検査の流れ 喀痰培養を採取する際の注意事項

  • 6.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~<outline> 5 喀痰培養の適応:「肺炎」を疑ったら採る 喀痰培養検査の流れ 喀痰培養を採取する際の注意事項

  • 7.

    喀痰培養を採取するのは「肺炎」を疑ったとき 6

  • 8.

    肺炎の定義 7 画像検査で肺野に不透明部分あること Clin Infect Dis. 1998 Mar;26(3):742-8. 肺野に異常所見がない場合もある 脱水 慢性肺障害 高度肥満  など

  • 9.

    喀痰培養でもグラム染色は重要 8

  • 10.

    グラム染色での診断能力は検体の質に直接相関する 9 良質な喀痰の提出は適切な診断と治療に直結 Clin Infect Dis. 2020; 71: 499–513.

  • 11.

    喀痰培養の重要性と限界 10 Clin Infect Dis. 2000; 31: 869-74. 喀痰培養の限界 市中肺炎で入院した患者でも、40-60%は喀痰が得られない 得られても40-60%は口腔内常在菌の混入あり 先行抗菌薬投与で、感度・特異度とも低下する 限界はあっても非侵襲的かつ簡便 適切な検体採取で診断・経験的治療に役立つ

  • 12.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~<outline> 11 喀痰培養の適応:「肺炎」を疑ったら採る 喀痰培養検査の流れ 喀痰培養を採取する際の注意事項

  • 13.

    喀痰培養検査の流れ 12

  • 14.

    Miller&Jones分類:喀痰の質を肉眼で評価する 13 Am Rev Respir Dis. 1963; 88: 473-83.

  • 15.

    Geckler分類:喀痰の質を顕微鏡で評価する 14 J Clin Microbiol. 1977;6:396-9. 100倍で観察、1視野あたりの細胞数で評価する ×:培養の意義なし ○:培養の意義あり 6群:気管支肺胞洗浄液なら〇

  • 16.

    グラム染色で菌体を認めない場合は? 15 そもそも細菌性肺炎ではない例1:気管支炎である(ほとんどの場合、原因微生物はウイルス)例2:病原体が違う(ウイルス、真菌、抗酸菌など) 細菌性肺炎だがグラム染色陰性になる病原体である例:レジオネラ、マイコプラズマなど 先行抗菌薬投与がある

  • 17.

    16 Arch Pediatr Adolesc Med. 2012; 166: 700-706.より改編 RSV: respiratory syncytial virus, HRV: human rhinovirus, ADV: adenovirus, CoV: coronavirus, HMPV: human metapneumovirus, EV: enterovirus, PIV: parainfluenza virus, FLU: influenza virus グラム染色で菌体を認めない場合は? そもそも細菌性肺炎ではない例1:気管支炎である(ほとんどの場合、原因微生物はウイルス) % 気管支炎で入院した2歳未満 原因微生物と検出された患者の割合

  • 18.

    グラム染色で菌体を認めない場合は? 17 そもそも細菌性肺炎ではない例2:病原体が違う(ウイルス、真菌、抗酸菌など) Radiology. 2020; 296: E72-78. COVID-19での肺炎

  • 19.

    グラム染色で菌体を認めない場合は? 18 市中肺炎の原因微生物 細菌性肺炎だがグラム染色陰性になる病原体である例:レジオネラ、マイコプラズマなど 成人肺炎診療ガイドライン2017

  • 20.

    19 フォーカスがはっきりしないなら、 肺野の画像評価、喀痰培養の提出を検討

  • 21.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~<outline> 20 喀痰培養の適応:「肺炎」を疑ったら採る 喀痰培養検査の流れ 喀痰培養の注意事項

  • 22.

    良質な喀痰を得るためのアプローチ 21 抗菌薬投与前に検体を採取する 喀痰採取前に口を漱ぐ 喀痰採取前1-2時間は食事を避ける 検体採取後は迅速に微生物検査室へ搬送する 微生物検査室では検体を迅速に培地に接種する

  • 23.

    喀痰の色では菌名はわからないかも 22 インフルエンザ菌 肺炎球菌 モラクセラ パラインフルエンザ菌 黄色ブドウ球菌 肺炎桿菌 緑膿菌 他のヘモフィルス属 Eur Respir J. 2012; 39: 1354-60. 慢性気管支炎の患者の喀痰 喀痰の「色」では鑑別できないかも

  • 24.

    市中肺炎の治療期間 23 Clin Infect Dis. 2007 Mar 1;44 Suppl 2:S27-72. 以下の3つの項目を満たす期間(おおよそ5-7日間) 最低5日間治療されている 解熱して48-72時間経過している 臨床的安定性を示す項目を全て満たす

  • 25.

    肺炎に比較的特異的な指標 24 CRPや白血球数 ➡非特異的 レントゲン再検 ➡基本的は必要なし

  • 26.

    良くならないときは? 25

  • 27.

    感染症診療のロジック 26

  • 28.

    抗菌薬を使用する前に培養をとろう!~喀痰培養編~<outline> 27 喀痰培養の適応:「肺炎」を疑ったら採る 喀痰培養検査の流れ 喀痰培養を採取する際の注意事項

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