テキスト全文
糖尿病診療の概要と目次
#3. 糖尿病診療 CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン
#4. CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン 糖尿病診療
糖尿病治療の目標とエビデンス
#5. CHAPTER1
目標 HbA1cの目標値は? そもそも何のために治療?
#6. 治療目標 予後15年以上 予後5〜15年 予後5年未満 QOLの維持 大血管イベント予防 血糖で死なない
#7. エビデンスでわかっていること 1 HbA1c<7%で微小血管合併症予防 2 特定の薬で大血管イベント予防 3 HbA1c<7% vs <8%で死亡率同じ
#8. ガイドライン比較 日本糖尿病学会 ガイドライン
#9. ガイドライン比較 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標
#10. ガイドライン比較 米国糖尿病学会(ADA) ガイドライン2020 非高齢者 高齢者
#11. 治療イメージ <65歳
合併症軽い
生活自立 患者イメージ 治療目標 目標HbA1c 65〜80歳
合併症まぁまぁ
生活なんとか >80歳
合併症重い
介護必要 微小血管
合併症予防 大血管イベント
予防 血糖緊急症
予防 < 7% < 8% < 9%
#12. 目標値で大事なこと 目標値を個別化する! 目標値をカルテに書く! 治療の害と天秤にかける!
糖尿病合併症の種類と予防
#13. 糖尿病診療 CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン
#14. CHAPTER2
合併症 微小血管 大血管 し 神経障害 め 網膜症 じ 腎症 え 壊疽 の 脳卒中 き 狭心症
#17. 神経障害 症状によるスクリーニング 20点満点で4点以上で陽性(ただし3,4,9,10のうちいずれか2点が必須) Acta Diabetol 1995;32:7
#18. 神経障害 身体所見によるスクリーニング 8点満点で2点以上で陽性 Diabetes Care 1994;17:1281 Jendrassik手技 スクリーニングは年1回行う!
#20. 腎症 治療 血糖値・血圧管理徹底
高血圧あればACE-I/ARB導入 CKDとして対応
貧血・尿酸・P・Ca・HCO3 etc. 透析も含めた
ACPを深める
高血圧と脂質異常症の管理
#21. 高血圧 目標値 75歳未満 < 130/80mmHg 75歳以上 < 130/80mmHg 難しい場合 < 140/90mmHg
#22. 高血圧 治療 1st ACE阻害薬 or ARB 2nd カルシウムブロッカー
or サイアザイド系利尿薬
#23. 脂質異常症 目標値・治療 1次予防 LDL < 120mg/dL 2次予防 LDL < 70mg/dL 1st スタチン(2次予防はストロング) 2nd エゼチミブ
#24. フットケア ポイント 初診時に足を診る 看護師にフットケア依頼 患者にも毎日見てもらう
#25. その他 がん検診 大腸がん 胃がん 乳がん 子宮頸がん (肺がん/膵がん/肝臓がん) 喫煙 本数の確認 禁煙指導 1型糖尿病 抗GAD抗体
#26. カルテ例 【問題リスト】 # 2型糖尿病 神(+) 眼(-) 腎(+) 目標HbA1c<7% # 高血圧 目標<130/80mmHg # 脂質異常症 目標LDL<120mg/dl # 喫煙 20本/日 関心期
#27. カルテ例 【検査】 採血:1,③,5,7,⑨,11月
採尿:3,9月
胸部Xp:5月
ECG:5月
胃カメラ:7月
便Hb:7月
腹部エコー:11月 【生活環境】 食事:3食 間食なし
調理者:妻 栄養指導未
運動:ウォーキング週2
仕事:事務職
アルコール:焼酎1合/日
フットケア:指導済
(住まい/ADL/主介護者) フルオーダー
#28. 糖尿病診療 CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン
内服薬の種類と使用法
#31. ビグアナイド薬 選択薬 メトホルミン 使い所 糖尿病治療の第1選択薬
#32. ビグアナイド薬 第一選択の理由 大血管イベント・死亡率抑制のエビデンスがある 低血糖などの副作用が少ない 他剤と併用しやすい 薬価が低い
#33. ビグアナイド薬 処方できない人 腎不全 (Cre 男性>1.3mg/dL 女性>1.2mg/dL) 高齢者 (75歳以上の新規処方は控える) アルコール多飲 脱水・重症感染症 重度心不全・肝不全 乳酸アシドーシス
#34. ビグアナイド薬 注意点 胃腸障害が多い ビタミンB12欠乏
#35. ビグアナイド薬 処方例 メトホルミン(250mg) 2T 1〜2×で開始
徐々に増量 最大9T3×(2250mg) 下痢や嘔気に注意!
必要であれば整腸剤、制吐薬も
DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の特徴
#37. DPP-4阻害薬 選択薬一覧 腎・肝代謝で一つずつ
#38. DPP-4阻害薬 使い所 メトホルミンの上乗せ 高齢者・腎不全では第1選択
#39. DPP-4阻害薬 長所 副作用が少ない 投与回数が少ない 腎不全でも使える 短所 薬価が高い 大血管イベント抑制の
エビデンスがない
#40. DPP-4阻害薬 注意点 SU薬と併用で低血糖増える 心不全・鼻咽頭炎・尿路感染増える可能性あり
#41. DPP-4阻害薬 処方例 腎不全なし ジャヌビア®︎(50mg) 1〜2T 1×
腎不全あり トラゼンタ®︎(5mg) 1T 1×
#43. SGLT2阻害薬 選択薬一覧 投与回数は1日1回
中等度以上の腎障害では効果乏しい
#44. SGLT2阻害薬 使い所 メトホルミンの上乗せ 肥満体型・非高齢者 心不全・軽度腎不全 大血管症ハイリスク
GLP-1受容体作動薬の効果と注意点
#45. SGLT2阻害薬 エビデンス EMPA-REG OUTCOME エンパグリフロジン(ジャディアンス®︎) vs プラセボ 心血管イベント・心血管死・総死亡抑制 CANVAS program カナグリフロジン(カナグル®︎) vs プラセボ 心血管イベント抑制 DECLARE-TIMI ダバグリフロジン(フォシーガ®︎) vs プラセボ 心血管イベント抑制有意差なし
#46. SGLT2阻害薬 エビデンス 前述3つのメタアナリシス 心血管イベントの1次予防に有意差なし 心・腎保護作用を示唆 2次予防は有意差をもって抑制 結論:心血管症2次予防の効果はありそう
心・腎保護作用はあるかも Lancet 393(10166): 31-39. 2019
#47. SGLT2阻害薬 長所 体重を減らす 投与回数が少ない 心・腎保護作用 短所 薬価が高い 副作用多め 心血管症予防
#48. SGLT2阻害薬 注意点 脱水・DKA・サルコペニアのリスク増 性器感染・尿路感染が増える 高齢者・女性には処方注意
#49. SGLT2阻害薬 処方例 ジャディアンス®︎(10mg) 1T 1×
効果不十分な場合は25mgまで増量
#52. GLP-1受容体作動薬 使い所 メトホルミンの上乗せ 肥満体型 注射OKな人 大血管症ハイリスク
SU薬とαGI薬の使用法と注意点
#53. GLP-1受容体作動薬 長所 体重を減らす 短所 薬価が高い 注射製剤 心血管症予防
#54. GLP-1受容体作動薬 注意点 食欲が下がる 胆石症・急性膵炎のリスク増
#55. GLP-1受容体作動薬 使い分け 1st ビクトーザ®︎ 2nd トルリシティ®︎ 1.8mgで心血管イベントの抑制
食欲低下も比較的マイルド 心血管イベント抑制エビデンスは日本の倍量
週1回注射 在宅で使いやすい
#56. GLP-1受容体作動薬 vs DPP4阻害薬 エビデンス面ではGLP-1受容体作動薬が優位
しかし注射へのハードルが高い
基本はDPP-4阻害薬
ハイリスク群はGLP-1受容体作動薬
#57. GLP-1受容体作動薬 vs SGLT2阻害薬 エビデンス面ではほぼ互角
副作用はSGLT2阻害薬 > GLP-1受容体作動薬
しかしGLP-1受容体作動薬は注射
副作用リスク低ければSGLT2阻害薬
#58. GLP-1受容体作動薬 注意点 内因性︎インスリンがないと効果薄い
できれば開始前にCペプチド確認
DPP-4阻害薬と併用できない
#59. GLP-1受容体作動薬 処方例 ビクトーザ®︎ 1日1回皮下注
0.3mg/日から開始
1週間以上空けて0.3mg/日ずつ増量
最大1.8mg/日
グリニド薬とチアゾリジンの使い方
#61. SU薬 グリベンクラミド (第二世代;オイグルコン®︎) 選択薬 グリクラシド (第二世代;グリミクロン®︎) グリメピリド (第三世代;アマリール︎®︎)
#62. SU薬 使い所 基本的に使わない 2,3剤使用してダメな時 非高齢者・肝腎不全がない・痩せ型
#63. SU薬 長所 効果が強い 短所 低血糖リスクがある 効果が遷延する 薬価が安い 体重が増える
#64. SU薬 注意点 少量から開始する 漫然と処方されていることが多い
#66. αGI薬 ボグリボース (ベイスン®︎) 選択薬 ミグリトール (セイブル®︎) アカルボース (グルコバイ®︎)
#67. αGI薬 使い所 2,3剤使用してダメな時 服薬コンプライアンスがよい人 高齢者・腎不全でも使用できる
#68. αGI薬 長所 副作用が少ない 短所 内服回数多い
(毎食直前) 薬価が安い
インスリン療法とシックデイの管理
#69. αGI薬 注意点 初期に放屁・下痢・腹満がでる 肝硬変では高アンモニア血症リスク増 イレウスの既往あれば禁忌
#71. グリニド薬 使い所 ほとんど使わない ピンポイントで食後血糖高い時
#73. チアゾリジン 使い所 基本的に使わない
(膀胱癌↑ 心不全↑) 予後限られていて他剤使用できない時
#74. 非インスリン療法 非高齢 and 腎機能正常 高齢 and/or 腎不全 大血管症ハイリスク メトホルミン DPP-4阻害薬 SGLT2阻害薬 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害薬 DPP-4阻害薬 少量メトホルミン 少量SU薬 αGI薬 その他(チアゾリジン以外) 個別にアレンジする! or or NO YES
#76. 糖尿病診療 CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン
#77. CHAPTER4
インスリン 糖尿病リソースガイド
#80. 超速効型インスリン どれでもOK! 個人的には持効型のデバイスと合わせる
#81. どんな人に導入? ① 1型糖尿病 ② DKA・HHS ④ 3剤以上でも目標未達成 ③ 糖毒性状態 専門医紹介 入院加療 外来導入
#82. 外来導入 BOT (Basal Supported Oral Therapy) 血糖値 時間 持効型インスリン
#83. BOT (Basal Supported Oral Therapy) やり方 持効型インスリンを1日1回で開始 打つ時間はどこでもOK 1回4単位から開始 2単位ずつUP 内服はSU薬・グリニド薬以外継続 初回は必ず手技指導!
#84. BOT (Basal Supported Oral Therapy) SMBG (自己血糖測定) ちゃんとできる人 普通の人 できなそうな人 1日3〜4回 1日1回 最初はなし
#85. BOTでダメな時 入院させる 専門医に紹介 高いところだけ超速効型併用
#87. おまけ シックデイ 基本原則 できるだけ食べる 持効型インスリンはやめない
#88. おまけ シックデイ 全く食べれない時 持効型インスリン以外全て中止 入院も考慮
#89. おまけ シックデイ 半分くらい食べれる時 DPP-4阻害薬は継続 速効型インスリン、SU薬は半量 それ以外は中止
#91. 糖尿病診療 まとめ CHAPTER1
目標 CHAPTER2
合併症 CHAPTER3
内服 CHAPTER4
インスリン 目標の個別化 Check & Follow メトホルミン1St まずはBOT