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フローサイトメトリーの読み方 ~研修医からジェネラリストまで~

投稿者プロフィール
はらD

東海大学医学部付属病院

258,362

342

概要

表面抗原をチェックできるフローサイトメトリー、結果の解釈できますか?骨髄やリンパ節だけでなく、胸水腹水、なんでも検査できるのでとっても便利な検査です。読み方をポイント絞って解説します。

youtubeに動画での解説もありますので、詳しく丁寧に解説してますのでぜひどうぞ。

https://youtu.be/OYltVSLUIRc

2.

3. 細胞の大きさ、顆粒の多さ、蛍光抗体の光り方、この3つを検出します

4. FSCとSSCの値を二次元展開するとこんな感じ。1つ1つの点は1個1個の細胞のパラメーターです。細胞数にもよりますが、骨髄では数百万個くらいチェックします

5. 各分画の特徴的な名札。赤字だけ覚えれば十分。

6. FSC/SSCの展開だとリンパ球分画が明瞭になる。A図の囲った部分がリンパ球分画。ここの細胞集団の表面抗原をチェックしてT細胞とかB細胞の割合を確認します

7. B細胞は成熟過程でBCRを発現します。BCRはκ、λからランダム50%の確率で選ばれた軽鎖をもつので、通常κとλの比は約1:1です。リンパ腫はある1つのB細胞が増えるので、この比がおかしくなります

8. DLBCLの症例。リンパ節なので組成はほぼリンパ球。表面抗原みると、κλの乖離を認めます。悪性リンパ腫の所見

9. SSCとCD45で展開すると青マルのとこに芽球分画ができるので、白血病はここを注目

10. CD34とHLADRは未分化マーカー

11. AMLかALLか、診断がつけられます。

12. AML初発時は骨髄がほぼ芽球。芽球分画に細胞集団を認めます(CD45/SSCで展開した右図)。

13. 骨髄系マーカーを発現。AMLと診断できます。CD19は異常発現。

14. APLの症例。前骨髄球はアズール顆粒豊富。SSCの値が大きいところに細胞集団があります(右図)

15. 少し成熟してるので、未分化マーカー陰性です

16.

17. たくさん細胞をチェックできるので、目視よりも残存病変を検出する感度が高い

18. 治療後、芽球分画に異常な発現をもった芽球が残存していれば”MRDあり”です。こういう症例は再発します

19. 表面抗原をみて、各種分子標的薬が使えるかどうかの判断もできます。

20. 参考文献

21. 動画の方が分かりやすいと思います。ぜひリンクからどうぞ。

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

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テキスト全文

  • #1.

    血液内科レクチャー for residents表面抗原とフローサイトメトリー 原田介斗 スライド1

  • #2.

    表面抗原とフローサイトメトリー 細胞は表面に「名札」をつけている (=表面抗原) 顕微鏡による目視に加え、その名札をフローサイトメーターで確認することで細胞の種類や質を評価できる スライド2

  • #3.

    前方散乱光 (FSC) = 細胞の大きさ側方散乱光 (SSC) = 細胞の複雑さ (顆粒の多さ) 大きい細胞ほどレーザー通過に時間がかかる 顆粒の多い細胞ほどレーザーが散乱する レーザーが当たると光る抗体 スライド3 前方散乱光 Forward scatter 前方散乱光 Side scatter

  • #4.

    FSC + SSCはリンパ球と骨髄球系を うまく分けられる 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド4

  • #5.

    各白血球分画のマーカー例 CD45: すべての白血球が大なり小なりもっているマーカー     発現の具合はリンパ球系>骨髄球系>>赤芽球  1桁 20前後 スライド5

  • #6.

    Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Disease Center Komagome Hospital 例:リンパ球のサブセット 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド6

  • #7.

    B細胞はκかλのどちらかを発現する κ λ κ λ λ κ κ κ λ λ 普通の状態 リンパ腫 κ κ λ κ κ κ κ κ κ κ エッセンシャル免疫学より抜粋 スライド7

  • #8.

    Case1: びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 スライド8

  • #9.

    SSCとCD45発現を見ると芽球分画が判別できる 骨髄球系 リンパ球 単球 芽球 赤芽球・血小板 SSC CD45 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた 造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド9

  • #10.

    骨髄球系の分化に伴う細胞抗原の推移 未分化なマーカー スライド10

  • #11.

    フローサイトメトリーの目的① 初発時診断の補助 AML?ALL? →白血病細胞のCD13/33/MPOやCD19/20, CD3           などの発現を確認する 異常な抗原発現 (aberrant expression)の確認 Ex. B細胞性ALLなのにCD13を発現している AMLなのにCD7やCD19を発現している 白血病細胞はしばしばこのような本来発現しないはずの表面抗原を発現しているため、正常な芽球との区別が可能になる スライド11

  • #12.

    Case 2 急性骨髄性白血病 SSC CD45 SSC FSC ・65歳男性。発熱、労作時息切れで受診。 ・WBC68000(芽球75%), Hb5.6, Plt2.2 ・骨髄検査で骨髄芽球を80%認めた 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド12

  • #13.

    CD14 CD19 CD7 CD13 CD10 CD33 CD34 CD20 HLA-DR CD38 Case 2  急性骨髄性白血病 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた 造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド13

  • #14.

    Case 3 SSC SSC FSC ・50歳男性。出血傾向で受診。 ・WBC12000, Hb6.2, Plt1.2 ・FDP202、Fib 50とDICを認めた ・骨髄検査ではアズール顆粒が豊富な前骨髄球を90%認めた CD45 急性前骨髄球性白血病(APL) 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド14

  • #15.

    Case 3 APL CD7 CD13 CD10 CD33 CD34 CD20 HLA-DR CD38 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた 造血器腫瘍の診断より抜粋 スライド15

  • #16.

    Case 2 AMLにもどって考えます CD45 SSC CD7 CD13 CD10 CD33 CD14 CD19 CD34 CD20 ・65歳男性。発熱、労作時息切れで受診。 ・WBC68000(芽球75%), Hb5.6, Plt2.2 ・骨髄検査で骨髄芽球を80%認めた スライド16 医薬ジャーナル社 フローサイトメトリーを用いた 造血器腫瘍の診断より抜粋

  • #17.

    Aberrant expressionを利用して 微小残存病変 (MRD: minimal residual disease) の有無を検索する 1012 109 106 103 0 寛解導入療法 寛解 (5%未満) =正常造血の回復 フローサイトメトリーや、遺伝子検査でMRD+か-か判断 地固め療法 再発 治癒 フローサイトメトリーの目的② 顕微鏡の検出限界 フローサイトメトリーの 検出限界 < スライド17

  • #18.

    CD45 CD45 SSC SSC 寛解導入療法で寛解達成 ここの領域に異常な発現をもつ芽球(この症例の場合はCD19)がいればMRDあり、いなければMRDなし スライド18

  • #19.

    特定の表面抗原に結合する抗体治療薬 (+抗がん物質のセット)が使えるかどうかの判断 CD19 B細胞性ALL CD19受容体 ブリナツモマブ (ビーリンサイト) CD20 B細胞性リンパ腫 抗CD20抗体 リツキシマブ (リツキサン) ①オプソニン化 CD3受容体 T細胞 フローサイトメトリーの目的③ ②補体活性化 抗がん剤をぶちこむ! スライド19

  • #20.

    参考文献 スライド20

  • #21.

    Take home message フローサイトメトリーは細胞の大きさ、細胞の複雑さ、光る抗体で各種細胞を見分ける B細胞性については、κ/λ比のバランスが崩れてるかどうかで異常の有無を判断する 白血病細胞はしばしば異常な発現"aberrant expression"を持ち、正常芽球と区別できる 診断補助だけでなく、顕微鏡観察以上の精度で微小残存病変のチェックに応用できる 動画でのスライド解説もあります→ youtubeで「はらDちゃんねる」で検索 もしくは概要欄のリンクをチェック! スライド21

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