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医師必見!免疫関連有害事象(irAE)逆引きマニュアル ver5.0

投稿者プロフィール
呼吸器ドクターN

市立長浜病院

7,289

32

投稿した先生からのメッセージ

患者さんの症状から、irAE病名を推測する逆引きマニュアルとして、夜間・救急でもぱっと使えることを念頭に作成しました。ver5.0では、irAE病名を超緊急・緊急・準緊急に分類し、副作用のグレード、対処法、フォローアップまでできるように大幅に加筆。irAE対策はこのマニュアルのみでワンストップでできることを目指しました。

他にもいろいろ呼吸器情報発信しています。

■YouTube「呼吸器ドクターNの肺がんチャンネル」

https://www.youtube.com/@resdoctorn

■呼吸器情報総合サイト:呼吸器ドクターNのHP

https://resdoctorn.jimdofree.com/

■呼吸器の最新論文の紹介:呼吸器ドクターNのブログ(アメブロ)

https://ameblo.jp/resdoctorn

■肺がん診療のリアル 金芳堂から好評発売中です。

http://www.amazon.co.jp/dp/4765320103

概要

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用に伴う免疫関連有害事象(irAE)を早期に発見し、適切に対応するための「irAE逆引きマニュアル ver5.0」をご紹介します。このマニュアルは、特に症状から病名を推定するために設計されています。頭痛や意識障害、呼吸困難など、患者が訴える主な症状をもとに、関連する疾患を効率的に見極める手助けとなる情報を提供します。ver5.0では、irAE疾患ごとの具体的な対処法や推奨される検査項目についても触れています。irAEを理解し、実臨床での診療に役立ててください。早期発見・早期治療が患者さんの症状改善につながります。ぜひ、マニュアルを活用して、より良い医療を実践しましょう。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

参考文献

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テキスト全文

#1.

irAE逆引きマニュアル ver5.0 市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 2024.9.18

#2.

はじめに 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は患者さんの免疫力を上げてがん細胞を攻撃する、今までの抗がん剤とは全く作用機序が異なる薬です。 さまざまながんに適応が追加されています。 一方、免疫力が上がりすぎることで体のさまざまなところに免疫関連の副作用(irAE)が起こります。 irAEは早期発見・早期治療が重要です。 そこで、症状から病名を推定する「irAE逆引きマニュアル」を作成しました。 内容の改変をしなければ、個人の使用は自由です。転載の際には下記出典を明示してください。 ver 5.0では、各irAE疾患に対する具体的な対処法を追加しました。 (irAE逆引きマニュアル ver5.0  ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男)

#3.

免疫チェックポイント阻害薬の副作用として予測される症状 まとめ 頭痛(下垂体機能障害、脳炎・髄膜炎、心筋炎、点滴時の過敏症反応) 意識障害(1型糖尿病、脳炎・髄膜炎) 口の中や喉が渇きやすい・多飲(1型糖尿病、下垂体機能障害) 歯ぐきや口内の出血(免疫性血小板減少性紫斑病) くしゃみ(点滴時の過敏症反応) 声のかすれ(甲状腺機能障害) くちびるのただれ(重度の皮膚障害) 咳(間質性肺疾患、心筋炎) 呼吸困難(間質性肺疾患、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、点滴時の過敏症反応、心筋炎、溶血性貧血、赤芽球癆など) 胸の痛み(心筋炎) 吐き気やおう吐(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害、点滴時の過敏症反応、膵炎、脳炎・髄膜炎、1型糖尿病、心筋炎) 食欲低下(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害) 手足の筋力低下(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症) 手指のふるえ(甲状腺機能障害など) 眼の動きが悪い(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症) まぶたのむくみ(甲状腺機能障害) 見え方の異常(下垂体機能障害、ぶどう膜炎) まぶたが重い・顔の筋肉が動きにくくなる(重症筋無力症) 全 身 発熱(間質性肺疾患、腎機能障害、1型糖尿病、重度の皮膚障害、心筋炎など) 疲れやすい・だるい(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、甲状腺機能障害、副腎機能障害、溶血性貧血、赤芽球癆など) 黄疸(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、膵炎、溶血性貧血) 発疹などの皮膚症状(点滴時の過敏症反応、重度の皮膚障害、腎機能障害、免疫性血小板減少性紫斑病、硬化性胆管炎など) 体重の減少(副腎機能障害、1型糖尿病など) 体重の増加(甲状腺機能障害) むくみ(腎機能障害) しびれ(ギラン・バレー症候群) けいれん(脳炎・髄膜炎) 月経がない・乳汁分泌(下垂体機能障害) 下痢(大腸炎、副腎機能障害など) ネバネバした便・血便(大腸炎) 便秘(甲状腺機能障害、副腎機能障害) 腹痛(大腸炎、膵炎、1型糖尿病、副腎機能障害、硬化性胆管炎) トイレが近い(下垂体機能障害、1型糖尿病) 尿量の減少(腎機能障害)

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