Hoffman JR, et al. Validity of a set of clinical criteria to rule out injury to the cervical spine in patients with blunt trauma. National Emergency X-Radiography Utilization Study Group.N Engl J Med. 2000. Jul 13;343(2):94-9.
軽症にはNEXUSも l NEXUS基準 the National Emergency X-Radiography Utilization Study(NEXUS)は、外傷患者に対 して脊椎損傷を疑った時に、X線撮影の必要性を考える基準 1)意識障害なし 2)頚部正中の圧痛なし 3)アルコールなどの薬剤の影響なし 4)⿇痺や痺れなどの神経所⾒なし 5)頚部以外に、注意が逸らされるような痛みのある外傷なし 全てが揃うと、XPでの異常所⾒はほぼないと判断できる。 →頸椎カラーを外すための⼀つの指標に Hoffman JR, et al. Validity of a set of clinical criteria to rule out injury to the cervical spine in patients with blunt trauma. National Emergency X-Radiography Utilization Study Group.N Engl J Med. 2000. Jul 13;343(2):94-9.
頚椎3⽅向の⾒⽅【正⾯】【開⼝位】 ① ① ② 【開⼝位】 ①▶部分の幅に左右差がないか ②アライメントに不整がないか ② レントゲンは⾒逃しの多い 検査です。 怪しい所⾒がある場合は、 CT撮影を推奨 読影の資料の詳細は最終P 【正⾯】 ①棘突起アライメントに不整がないか ②外側アライメントに不整がないか
外傷性頚部症候群の⼀般論 <定義と診断> 外傷性頚部症候群は、受傷時に頚椎に対する損傷を避けるために、筋 が緊張して損傷を⽣じたもの。 「画像的な異常」「神経的な異常」がないことを確認する。 <患者への病態説明> l 受傷⽇より後から痛みが強くなる l 実際の症状は23ヶ⽉持続する l 頚椎カラーを装着することで、病悩期間が伸びると⾔われてお り、余程の症状でなければ、カラーを使わない(つまり、専⾨医 に任せたほうがいい) l 初期はNSAIDsで経過観察。痛みが続くなら整形外科外来へ
同乗してきた警察への対応 l 勝⼿に診察室までついてくる →診察は個⼈情報なので、速やかに退去して控え室で待っていてもらう。 l 患者の病状を聞いてくる →個⼈情報なので、患者の診察結果を⼝頭で教えることはできません。必要 であれば、然るべき書類を準備してください。 l 患者と話がしたいと⾔ってくる →全ての診察が終わって、病院を出てからでお願いします。 l 重体ですか︖重症ですか︖ →我々の診断に重症の程度を説明する⽅法がありません。然るべき書類をお 持ちください。 l 急いで今すぐ診断書をください →診断書を急ぐのは警察の都合です。時間のない間に無理して書く必要はあ りません。
【診断書作成に必要な情報】 <診断書に必要なポイント> 診断書は「警察提出⽤」「⾃賠責」「保険会社に提出⽤」などがあり ます。それぞれ特徴があります。 以下のことを診察時に押さえておくと、後⽇診断書作成時に楽になり ます。 l l l l l l 来院時には痛いところのXPは残す 既往歴に脊椎疾患がないことを確認する 神経所⾒(ちょっと痺れる等)があれば、カルテに書いておく 意識障害の有無を書いておく(⾃賠責で聞かれる) 警察に提出する診断書は加療期間を14⽇未満にしておく 急いで即⽇診断書を出す必要はない
まとめ l 最もシンプルな救急外来「外傷性頚部症候群」 l 頚椎カラー(ポリネックカラー)は極⼒処⽅しない。 l 警察への診断書は、加療⽇数を14⽇以内にした⽅が無難 l このスライドを参考に、カルテを記録しましょう。 l IC、紹介状もDENSOのQRコードリーダーがあれば、 そのままカルテ登録が可能です︕ 頚椎XP画像出典と、詳しい読み⽅は International Emergency Medicine Education Project https://iem-student.org/how-to-read-c-spine-x-ray/