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CTRだけじゃない! 胸部レントゲンを使いこなして正しく体液量を評価しよう

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和田 武

2020/09/11
(2021/01/03 更新)

和田 武

千葉大学医学部附属病院放射線科

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胸部レントゲンで患者さんの体液量を評価するために必要な画像知識をまとめました.本プレゼンテーションでは,①血管内体液量,②血管外体液量(肺水腫),③血管外体液量(その他)に分類して,適切に評価する方法を伝授します.
このプレゼンテーションを学べば,CTRの計測だけではなく,様々な指標を用いて体液量の推定を行うことができるようになります.胸部レントゲンを使いこなして一歩上の読影力をつけましょう.

※本スライドの内容をご紹介したAntaaオンライン配信のアーカイブ動画も以下よりご覧いただけます。ぜひあわせてご視聴ください。
https://qa.antaa.jp/stream/contents/54

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CTRだけじゃない! 胸部レントゲンを使いこなして正しく体液量を評価しよう

1. 千葉大学医学部附属病院放射線科 和田武
2. PURPOSE この資料の目的 胸部レントゲンを,読み尽くそう 胸部レントゲンで患者さんの体液量を評価するために 必要な画像知識をまとめました.
3. スマートフォンの方は, 横向きでの閲覧がオススメです.
4. このプレゼンテーションの対象 医学生〜初期研修医〜各診療科の専攻医やコメディカルの方々 心不全患者の読影力をレベルアップしたい人
5. ある日の循環器内科外来 若手Dr.「呼吸が苦しそうで心不全の既往があるな.レントゲン撮ろう.」 5
6. 胸部単純X線写真(立位) ① どんな画像所見がありますか? ② 肺水腫はありますか? ③ 体液貯留はどのぐらいですか?
7. 若手Dr.「CTRは56%で心拡大があります(`ω´)キリッ!!」
8. 指導医「心拡大のほかに肺血流の再分布所見があるね. 過去の単純X線写真と比較してみよう.間質性肺水腫も生じていて, 体液管理に介入する必要がありそうだ.」
9. 過去画像と比較してみると... 過去画像(立位) 今回(立位)
10. 若手Dr.「確かになんか違うのは分かるけど...」
11. 大丈夫!! このプレゼンテーションで体液貯留の評価法を学べば, 単純X線写真の情報をしっかりと読み取ることができるようになります.
12. 胸部単純X線写真(以下,単純写真)は,CTR*の計測以外にも 体液貯留に関する多くの情報を持っています. *CTR: cardiothoracic ratio 12
13. ただし,単純写真の画像所見には個人差があり, 体位や呼吸の深度によっても画像は変化します. → 過去画像との比較が非常に重要です. 13
14. 過去画像との比較には, ① その人の正常時と比較して異常所見を発見する ② 画像所見の変化や傾向をつかむ という意味があります. 14
15. 胸部単純写真のどこを見て体液量を評価する?
16. 体液量を評価するための構造や指標 血管内 血管外 心陰影 肺血管陰影 奇静脈弓 VPW* 肺(肺胞/広義間質) 胸水 心嚢水 軟部組織陰影 VPW: vascular pedicle width 血管内と血管外にわけると整理して考えやすいです. 全てが同じ傾向を示すとは限りませんので,総合的に評価しましょう. 16
17. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 17
18. 単純写真の情報を適切に読み取り, 自信を持って体液貯留の評価を行えるようになりましょう. 18
19. Table of contents 1 血管内体液量の指標 2 血管外体液量の指標(肺水腫) 3 血管外体液量の指標(その他)
20. Table of contents 1 血管内体液量の指標 2 血管外体液量の指標(肺水腫) 3 血管外体液量の指標(その他)
21. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ② ⑧ ⑦ ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 21
22. 心陰影の拡大 Ø 血管内体液量が増加 → 心陰影は拡大 ④/⑤ Ø CTR=心陰影横径/胸郭横径(%) ② ⑧ ⑦ ⑨ Ø CTR > 50% → 心拡大 ③ ⑥ ① ⑩ Ø 個人差や体位,呼吸深度の影響 が大きい(肥満患者や漏斗胸患 者ではCTRが増加する). ⑪ 22
23. CTR (cardiothoracic ratio) の計測 正常(CTR: 44%) 心不全患者(CTR: 57%)
24. CTR (cardiothoracic ratio) の計測 正常(CTR: 44%) 心不全患者(CTR: 57%)
25. 簡便な心拡大の評価法 心拡大なし (A < B) 心拡大あり (A ≧ B) A: 心臓右縁から椎体右縁までの距離, B: 心臓左縁から左肺外側縁までの距離
26. うっ血を評価するための画像所見のまとめ ④/⑤ ② ⑧ ⑦ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ⑨ ③ ⑥ ① ⑩ ⑪ ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 26
27. 奇静脈弓の拡大 Ø 奇静脈は腰背部の静脈を集め, 上大静脈合流部で前方へ走行. ④/⑤ ⑧ ⑦ Ø 単純写真で奇静脈弓と呼ぶ. ⑨ ③ Ø 気管・右気管支横にある オタマジャクシ状陰影. ⑥ ① ⑩ Ø 正常な厚み(立位)は7mm以下. ⑪ 27
28. 同一患者における奇静脈弓の変化 正常時 (5mm径) うっ血時 (11mm径)
29. 同一患者における奇静脈弓の変化 正常時 (5mm径) うっ血時 (11mm径)
30. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ② ⑧ ⑦ ③ ⑨ ⑥ ① ⑪ ⑩ ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 30
31. VPW (Vascular Pedicle Width) ④/⑤ Ø 血管内体液量の指標 ② ⑧ ⑦ ③ Ø 平均値(立位) = 48±5mm ⑨ Ø 体液が増加 → VPWは拡大 Ø 臥位では平均 17% 拡大する ⑥ ① ⑩ Ø 絶対値ではなく傾向をチェック! ⑪ 31
32. VPWの計測方法 VPW = 図の①が②から引いた 垂線と交わる点までの距離 ① 上大静脈と右気管支が交差する点* ② 左鎖骨下動脈分岐部 *①は上大静脈や腕頭静脈の右縁を代用してもOK 32
33. VPWの計測方法 VPW = 図の①が②から引いた 垂線と交わる点までの距離 ① 上大静脈と右気管支が交差する点* ② 左鎖骨下動脈分岐部 *①は上大静脈や腕頭静脈の右縁を代用してもOK 33
34. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④ ② ⑧ ⑦ ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 34
35. 肺血流の再分布 Ø 立位の健常者において, 血流は下肺優位に分布. ④ Ø 上肺の血管径:下肺の血管径 ② ⑧ ⑦ ⑨ =1 ③ Ø 上肺の血管径 : 下肺の血管径 ⑥ ① ⑪ : 2 (立位の健常者) ⑩ =1 : 1 (うっ血+,平衡) = 2 : 1 (うっ血++,逆転) 35
36. 肺血流の再分布を評価するために 肺血管径には個人差が大きく, 一枚の単純写真のみでは判断に困ることもあります. 同一患者の安定している時点での単純写真と比較してみましょう. 同じ血管同士の径を比較するのがポイントです. 36
37. 肺血流の再分布(上肺と下肺の比較) 正常時 上肺 : 下肺 = 1 :2 うっ血時 上肺 : 下肺 = 1 :1
38. 肺血流の再分布(過去画像との比較) 正常時 うっ血時 同一の血管で正常時と比較すると,肺血流の再分布が評価しやすい. 38
39.
40. 練習問題 この患者さんの血管内体液量を 評価してみましょう.
41. 練習問題 ① CTR 58% → 拡大!! ② 奇静脈弓 7mm → 微妙.. ③ VPW → 52mm → 微妙.. ④ 肺血流 → 再分布!! これだけでも体液量の増加を 疑うことはできますが...
42. 練習問題 ① CTR 58% → 拡大!! ② 奇静脈弓 7mm → 微妙.. ③ VPW → 52mm → 微妙.. ④ 肺血流 → 再分布!! これだけでも体液量の増加を 疑うことはできますが...
43. 練習問題 ① CTR 58% → 拡大!! ② 奇静脈弓 7mm → 微妙.. ③ VPW → 52mm → 微妙.. ④ 肺血流 → 再分布!! これだけでも体液量の増加を 疑うことはできますが...
44. 練習問題 ① CTR 58% → 拡大!! ② 奇静脈弓 7mm → 微妙.. ③ VPW → 52mm → 微妙.. ④ 肺血流 → 再分布!! これだけでも体液量の増加を 疑うことはできますが...
45. 練習問題 ① CTR 58% → 拡大!! ② 奇静脈弓 7mm → 微妙.. ③ VPW → 52mm → 微妙.. ④ 肺血流 → 再分布!! これだけでも体液量の増加を 疑うことはできますが...
46. 過去画像と比較すると... 今回の画像 無症状時の画像
47. 過去画像と比較すると... 今回の画像 無症状時の画像
48. 比較するとバッチリ分かりますね!!
49. Table of contents 1 血管内体液量の指標 2 血管外体液量の指標(肺水腫) 3 血管外体液量の指標(その他)
50. 50
51. 肺水腫の画像診断(単純写真) 水が貯留する場所によって ① 間質性肺水腫 ②肺胞性肺水腫 に分類して考えましょう. *本日は主に心原性肺水腫についてお話します.
52. 間質性肺水腫とは 肺の間質には静脈やリンパ路があります. 肺うっ血により貯留した液体成分は,間質から排泄されていきます. 排泄しきれず留まった水分によって間質性肺水腫が生じます.
53. 肺胞性肺水腫とは さらにうっ血が進行すると,肺胞内へと水分が漏出し, 肺胞性肺水腫の状態となります.
54. 肺水腫の進行 静水圧上昇による肺水腫(心原性肺水腫など)では, 間質性肺水腫 → 肺胞性肺水腫 の順に進行していきます*. *両者は移行・混在します.
55. 体液量が増加している患者をみたら 前述してきたような,血管内体液が貯留傾向にある患者を見たら, まずは間質性肺水腫に至っていないか確認する必要があります.
56. 間質性肺水腫の画像所見 広義間質 対応する 画像所見 小葉間隔壁 Kerley B line (Kerley line) 臓側胸膜下間質 気管支血管 周囲間質 気管支血管 周囲間質 胸膜下水腫 (subpleural edema) 気管支周囲 陰影の増強 (peribronchial cuffing) 肺門陰影の ぼけ像(perihilar haze) perihilar haze と subpleural edema は急性の間質性肺水腫!!. Kerley B line は慢性間質性肺炎などでも見られる. 56
57. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ⑤ ⑦ ⑧ ② ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ 間質性肺水腫 ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing 57
58. perihilar haze Ø 肺門部のぼけ像 ⑤ ⑦ ⑧ Ø 肺血管周囲間質に浮腫が生じる ことにより,肺血管の輪郭が 不明瞭化し,ぼけて見える (肺血管を一筆で描けない) ② ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ Ø 急性期の間質性浮腫を示唆 Ø 所見を拾うには慣れが必要 58
59. perihilar haze うっ血(+),間質性肺水腫(-) うっ血(+),間質性肺水腫(+) 59
60. perihilar haze うっ血(+),間質性肺水腫(-) うっ血(+),間質性肺水腫(+) 60
61. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ⑦ ⑧ ② ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ 間質性肺水腫 ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing 61
62. Kerley B line Ø 下肺野外側で胸膜から連続する 細い線状の陰影 ④/⑤ ⑦ ⑧ ② Ø 長さ: 1 cm,厚み: 1 mm 程度 ⑨ ③ Ø 小葉間隔壁の肥厚による ⑥ ① ⑪ ⑩ Ø 急性期間質性肺水腫のほか, 慢性的なうっ血や癌性リンパ管 症,肺線維症などでも生じる 62
63. Kerley B line 右下肺野外側に,胸膜から連続 する多数の平行な線状影あり → Kerley B line 63
64. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ⑦ ⑧ ② ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ 間質性肺水腫 ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing 64
65. subpleural edema Ø 胸膜下水腫による葉間胸膜の 肥厚として描出される ④/⑤ ⑦ ⑧ ② Ø minor fissure で評価しやすい ⑨ ③ Ø 急性期の間質性肺水腫を示唆 ⑥ Ø 葉間胸水との鑑別に注意 ① ⑪ ⑩ Ø 正面像で minor fissure が 見えにくい人は側面像が有用 65
66. subpleural edema subpleural edema (-) subpleural edema (+) 66
67. subpleural edema subpleural edema (-) subpleural edema (+) 67
68. うっ血を評価するための画像所見のまとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ⑦ ⑧ ② ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ 間質性肺水腫 ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing 68
69. peribronchial cuffing ④/⑤ ⑦ ⑧ Ø 気管支周囲間質に貯留した水に より気管支壁が厚く見える* ② ⑨ ③ *実際には気管支周囲間質が肥厚 Ø 観察に適した気管支は右B3b ⑥ ① ⑩ Ø チクワの断面状に描出される ⑪ 69
70. 右B3bの解剖 Ø 右 B3bが外側,A3bが内側* *Bは気管支,Aは肺動脈 Ø 背側→腹側へと走行し,X線束と 平行になりやすい(接線方向) Ø 断面が輪切りに描出される X線束 70
71. peribronchial cuffing peribronchial cuffing (-) 右B3b peribronchial cuffing (+) 右A3b 右B3b 右A3b
72. うっ血を評価するための画像所見のまとめ ⑨ ④/⑤ ② ⑧ ⑦ ③ ⑤ 〜 ⑧ 間質性肺水腫 ⑥ ① ⑪ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: 肺胞性肺水腫 ⑩ ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 72
73. 肺胞性肺水腫 Ø 肺胞腔内に水が貯留 Ø 気道あるいは Kohn 孔(肺胞腔 同士をつなぐ小孔)を介して進展 Ø 胸膜下には,静脈やリンパ管な どのドレナージが発達しており, 陰影が及びにくい → 肺門から両側に羽を広げたよ うな陰影になると,蝶形陰影 (butterfly shadow)と呼ばれる 73
74. 肺胞性肺水腫の単純写真所見 Ø 区域性あるいは非区域性分布 ④/⑤ Ø 病変の辺縁が不明瞭 ② ⑧ ⑦ ⑨ Ø 病変の癒合性 ③ Ø air bronchogram ⑥ ① ⑪ ⑩ Ø butterfly shadow Ø 気腔結節 74
75. butterfly shadow 両肺野の肺門優位に広範な陰影. 胸膜下は spare され,いわゆる butterfly shadow を示す. perihilar haze とは異なり,肺門部 で肺血管は透見出来なくなってお り,濃度の高い陰影が生じている. 75
76. butterfly shadow 両肺野の肺門優位に広範な陰影. 胸膜下は spare され,いわゆる butterfly shadow を示す. perihilar haze とは異なり,肺門部 で肺血管は透見出来なくなってお り,濃度の高い陰影が生じている. 76
77. butterfly shadow 両肺野の肺門優位に広範な陰影. 胸膜下は spare され,いわゆる butterfly shadow を示す. perihilar haze とは異なり,肺門部 で肺血管は透見出来なくなってお り,濃度の高い陰影が生じている. 77
78. Table of contents 1 血管内体液量の指標 2 血管外体液量の指標(肺水腫) 3 血管外体液量の指標(その他)
79. 血管外への体液貯留 血管や肺以外にも体液貯留の程度を評価できます. ① 胸水 ② 心嚢水 ③ 軟部組織 を必ずチェックするようにしましょう.
80. うっ血を評価するための画像所見のまとめ ④/⑤ ② ⑧ ⑦ ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 80
81. 胸水 Ø CPA の鈍化として検出 CPA: costophrenic angle Ø 胸水 200ml 以上(立位正面) Ø 臥位での CPA 鈍化は,立位より かなり多くの胸水が貯留 Ø 葉間胸水,肺下胸水に注意
82. 葉間胸水 Ø 右 minor fissure に連続する レンズ状の陰影 Ø 右CPA鈍化があり,胸壁沿い にも胸水あり. Ø 葉間胸水は minor fissure に 多く,胸水と連動して増大・減少 するのが特徴的. 82
83. うっ血を評価するための画像所見まとめ 血管内: ① 心拡大 ② 奇静脈弓の拡大 ③ VPWの拡大 ④ 肺血流再分布 血管外: ④/⑤ ② ⑧ ⑦ ⑨ ③ ⑥ ① ⑪ ⑩ ⑤ perihilar haze ⑥Kerley B line ⑦ subpleural edema ⑧ peribronchial cuffing ⑨ butterfly shadow ⑩ 胸水 ⑪ 軟部組織の浮腫 83
84. 軟部組織の浮腫 ④/⑤ Ø 軟部組織浮腫が生じると,胸腹 壁の軟部影の厚みが増加する ② ⑧ ⑦ ⑨ ③ Ø 軟部組織の厚さには個人差あり ⑥ ① → 過去画像との比較が重要 ⑩ ⑪ 84
85. 軟部組織の浮腫 軟部組織浮腫 (-) 軟部組織浮腫 (+) 85
86. 胸部単純写真をしっかり読影して, 患者さんの体液バランスを正しく評価しましょう.
87. 冒頭の症例 ① どんな画像所見がありますか? ② 肺水腫はありますか? ③ 体液貯留はどのぐらいですか?
88. 冒頭の症例 ① どんな画像所見がありますか? → 心拡大,肺血流再分布(1:1) → perihilar haze,胸水 ② 肺水腫はありますか? → 間質性肺水腫が生じている. ③ 体液貯留はどのぐらいですか? → 間質性肺水腫が生じており, 介入が必要な体液貯留.
89. 胸部単純写真を読み尽くして 体液量をバッチリ評価しましょう!
90. 参考文献 1. 和田武,坂本壮. 救急画像ただいま読影中 第6回保存版! 胸部単純 X 線 写真てわかる,うっ血・ 肺水腫所見のまとめ, J-COSMO2巻1号:44-53,2020 2. Keat TE. Mensuration of the arch of the azygos vein and its application to cardiopulmonary disease. Radiology 1968; 90: 990-994. 3. Ely EW, Haponik EF. Using the chest radiograph to determine intravascular volume status: the role of vascular pedicle width. Chest. 2002;121(3):942-950. 4. 黒﨑喜久(編):単純X線写真の読み方・使い方.医学書院,2013:124-133. 5. Wiener-Kronish JP, Matthay MA, Callen PW, Filly RA, Gamsu G, Staub NC. Relationship of pleural effusions to pulmonary hemodynamics in patients with congestive heart failure. Am Rev Respir Dis. 1985;132(6):1253-1256. 6. Gehlbach BK, Geppert E. The pulmonary manifestations of left heart failure. Chest. 2004;125(2):669-682.
91. みんなで学ぶ「画像診断クラブ」 Ø 「AntaaQA」上のグループ. Ø 知見を共有して切磋琢磨する限定コミュニティです. Ø 実際の症例画像の共有や解説を行っています. Ø 詳しくは https://med.antaa.jp/gazousindannclub へ!! 91
92. このプレゼンテーションを作った人 和田 武(わだ たけし) 千葉大学病院放射線科 画像診断・IVR(画像下治療) 「画像診断をもっと身近に,面白く」 がモットーの放射線科医です. ご質問・講演依頼などは rbkyw444@gmail.com まで ご連絡ください.
93. Twitter(@wadase2) 和田 武(わだ たけし) Ø 画像診断やIVRについてポツポ ツとつぶやいています. Ø フォローよろしくお願いします!! Ø ご質問・講演依頼をご連絡いた だいてもかまいません.
94. CTRだけじゃない!! 胸部レントゲンを使いこなして正しく体液量を評価しよう Takeshi Wada (@wadase2/rbkyw444@gmail.com)