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健康診断で要精査 ピロリ菌の対応方法

投稿者プロフィール
湯浅駿

順天堂大学医学部附属順天堂医院

1,969

20

概要

健康診断でピロリ菌感染が疑われた際の対応方法をまとめました。

フローチャートに沿って対応することで

ピロリ菌の感染診断から除菌治療、治療後のフォローまでを学ぶことができます。

ピロリ菌診療の入り口としてぜひこのスライドをご活用ください。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

参考文献

  • H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社)

  • Common Diseases Up to date(南山堂)

  • ホスピタリストのための内科診療フローチャート 第3版(有限会社シーニュ)

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テキスト全文

健康診断でのピロリ菌対応方法とその重要性

#1.

健康診断で要精査 ピロリ菌の 対応方法

#2.

本スライドではHelicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌:以下ピロリ菌) が「健康診断」で疑われた際の対応について解説する 健康診断でピロリ菌が主に疑われるケースは以下の3つである はじめに 2 ピロリ菌が健康診断で疑われた際の対応を解説 胃がん検診で胃炎の指摘 人間ドック等で抗体検査 ABC検診(胃がんリスク検査) ABC

#3.

・ピロリ菌感染は下記の疾患との関連が報告されている ・日本は他国に比べて胃がんの罹患率、死亡率が高い2,3) ピロリ菌感染が理由の一つであり、胃がんの予防を主目的に除菌治療を行う はじめに 3 胃がんの予防を主目的として除菌治療 部位別の年齢調整死亡率(人口10万人対)3) 1)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社) 2)がんの統計2025. https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2025_fig_J.pdf 閲覧日:2025/07/20 3)公衆衛生がみえる2022-2023(メディックメディア) ピロリ菌感染と関連する疾患1) 胃がん胃潰瘍、十二指腸潰瘍胃MALTリンパ腫、胃過形成性ポリープ機能性ディスペプシア、胃食道逆流症慢性蕁麻疹、パーキンソン病、アルツハイマー病糖尿病、骨粗鬆症、動脈硬化症 など

ピロリ菌感染診断の方法とフローチャート

#4.

健康診断でピロリ菌疑い <感染診断>胃カメラ+ピロリ菌検査(①〜⑥) ①尿素呼気試験    ②抗体測定法 ③便中抗原測定法 ④迅速ウレアーゼ試験 ⑤鏡検法   ⑥培養法 *①、④ではPPI、P-CABを2週間休薬、①では抗菌薬を4週間休薬 <一次除菌> ▶︎ボノサップ®️パック400 7日間 <二次除菌> ▶︎ボノピオン®️パック   7日間 <除菌判定>①尿素呼気試験 ②便中抗原測定法 <除菌後>胃カメラを1年毎に実施 内服終了後4週間 陰性(除菌成功) 陽性(二次除菌実施) ピロリ菌対応フローチャート 胃カメラでピロリ菌感染疑い + ①〜⑥いずれか陽性

#5.

健康診断でピロリ菌疑い <感染診断>胃カメラ+ピロリ菌検査(①〜⑥) ①尿素呼気試験    ②抗体測定法 ③便中抗原測定法 ④迅速ウレアーゼ試験 ⑤鏡検法   ⑥培養法 *①、④ではPPI、P-CABを2週間休薬、①では抗菌薬を4週間休薬 <一次除菌> ▶︎ボノサップ®️パック400 7日間 <二次除菌> ▶︎ボノピオン®️パック   7日間 <除菌判定>①尿素呼気試験 ②便中抗原測定法 <除菌後>胃カメラを1年毎に実施 内服終了後4週間 陰性(除菌成功) 陽性(二次除菌実施) 胃カメラでピロリ菌感染疑い + ①〜⑥いずれか陽性 ピロリ菌対応フローチャート

#6.

・胃カメラでピロリ菌感染を疑う所見があり、ピロリ菌検査も陽性であれば除菌治療を行う ・抗体測定法やABC検診でのスクリーニングは、広く実施されているが推奨はされていない1) 該当した場合も、胃がんの確認目的に胃カメラ実施が望ましい 感染診断 6 胃カメラ+ピロリ菌検査での診断が基本 胃がん検診で胃炎の指摘 人間ドック等で抗体測定法 ABC検診(胃がんリスク検査) ABC ピロリ菌検査(保険適用) 胃カメラ 1)科学的根拠に基づくがん検診推進のページ. 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所. [閲覧日:2025/7/19]. https://canscreen.ncc.go.jp

ピロリ菌検査の保険適用と注意点

#7.

下記の疾患ではピロリ菌検査を保険診療で行える  ・内視鏡検査または造影検査で、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断 ・胃MALTリンパ腫 ・特発性血小板減少性紫斑病 ・早期胃がんに対する内視鏡的治療後 ・内視鏡検査で胃炎(H.pylori感染胃炎)の確定診断   ・内視鏡検査は6ヶ月以内の施行や、他院実施でも可 ・機能性ディスペプシア、胃過形成性ポリープなども除菌療法のエビデンスがある1,2) 臨床的に機能性ディスペプシアを認める場合は、 胃カメラでピロリ菌感染の有無を確認する ピロリ菌検査 保険適用 7 内視鏡で胃炎を認めればピロリ菌検査可能 1)Ford AC, et al. Efficacy of Helicobacter pylori eradication therapy for functional dyspepsia: updated systematic review and meta-analysis. Gut. Published online January 12, 2022.  2)Ouyang Y, et al. Effect of Helicobacter pylori eradication on hyperplastic gastric polyps: A systematic review and meta-analysis. Helicobacter. 2021;26(5):e12838.

#8.

ピロリ菌検査 8 非専門医は尿素呼気試験、抗体測定法が使いやすい ピロリ菌感染診断法(感度、特異度は除菌前の値)1) 1)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社)

#9.

・抗体測定法は判定に注意を要する  ≧10U/mL  :陽性  3-9.9U/mL :約20%にピロリ菌感染例があるため、他の検査で再確認を検討1)  <3U/mL   :陰性 ・抗体測定法は過去の感染や、自然除菌でも陽性になる →必ず胃カメラや、他のピロリ菌検査の結果と矛盾しないことを確認して除菌する2) ・PPI、P-CABは尿素呼気試験、迅速ウレアーゼ試験を偽陰性にする可能性がある →2週間休薬した上で検査を実施する  休薬できない場合は、H2ブロッカー(ファモチジンなど)に変更する3) ・抗菌薬は尿素呼気試験を偽陰性にする可能性がある →4週間休薬した上で検査を実施する ピロリ菌検査 9 抗体値やPPI内服による偽陰性に注意 1)Toyoshima O, et al. Helicobacter pylori infection in subjects negative for high titer serum antibody. World J Gastroenterol. 2018;24(13):1419-1428. 2)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社) 3)Graham DY, et al. False negative urea breath tests with H2-receptor antagonists: interactions between Helicobacter pylori density and pH. Helicobacter. 2004;9(1):17-27. 

一次除菌と二次除菌の治療法

#10.

尿素呼気試験 10 外来でも簡便に実施可能 1)尿素呼気試験の呼気採取法. BML. https://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3802783 閲覧日:2025/07/21

#11.

健康診断でピロリ菌疑い <感染診断>胃カメラ+ピロリ菌検査(①〜⑥) ①尿素呼気試験    ②抗体測定法 ③便中抗原測定法 ④迅速ウレアーゼ試験 ⑤鏡検法   ⑥培養法 *①、④ではPPI、P-CABを2週間休薬、①では抗菌薬を4週間休薬 <一次除菌> ▶︎ボノサップ®️パック400 7日間 <二次除菌> ▶︎ボノピオン®️パック   7日間 <除菌判定>①尿素呼気試験 ②便中抗原測定法 <除菌後>胃カメラを1年毎に実施 内服終了後4週間 陰性(除菌成功) 陽性(二次除菌実施) ピロリ菌対応フローチャート 胃カメラでピロリ菌感染疑い + ①〜⑥いずれか陽性

#12.

・3剤併用療法で一次除菌を行う アドヒアランスの観点からパック製剤を推奨  処方例:ボノサップ®️パック400 7日間 ・パック製剤でなければ以下を処方  ボノプラザン(タケキャブ®️)20mg2錠分2 クラリスロマイシン200mg2錠分2 アモキシシリン250mg6錠分2                 計7日間 *ボノサップ®️パック800もあるが、効果は同等で、副作用が多いため使用しない1)  一次除菌 12 ボノサップ®️パック400 7日間を処方 1)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社)

除菌治療の副作用と注意点

#13.

・一次除菌、二次除菌ともに成功率は約90%1) ・喫煙は除菌率を低下させるため禁煙する2) ・副作用1)  下痢、軟便 :約10%に生じる最も多い副作用、整腸剤併用で軽減  味覚異常  :ほとんどは除菌終了時に改善  皮疹      口内炎、舌炎  出血性腸炎 :腹痛、下痢、血便、発熱を生じる、疑った場合は除菌中止   一次除菌 注意点 13 下痢、軟便が最も多い副作用 1)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社) 2)Yu J, et al. Impact of smoking on the eradication of Helicobacter pylori. Helicobacter. 2022;27(1):e12860.

#14.

・3剤併用療法で二次除菌を行う アドヒアランスの観点からパック製剤を推奨  処方例:ボノピオン®️パック 7日間 ・パック製剤でなければ以下を処方  ボノプラザン(タケキャブ®️)20mg2錠分2 メトロニダゾール250mg2錠分2 アモキシシリン250mg6錠分2                 計7日間 *メトロニダゾール服用中の飲酒で腹痛、嘔吐、紅潮が生じるため禁酒 二次除菌 14 ボノピオン®️パック 7日間を処方

#15.

▶︎一次除菌1)  ・CCr10-50mL/min   ボノプラザン20mg2錠分2   クラリスロマイシン200mg2錠分2   アモキシシリン250mg2-4錠分2   計7日間 ▶︎二次除菌1)  ・CCr10-50mL/min   ボノプラザン20mg2錠分2   メトロニダゾール250mg2錠分2   アモキシシリン250mg2-4錠分2   計7日間 腎機能障害の処方 15  ・CCr<10mL/min   ボノプラザン20mg2錠分2   クラリスロマイシン200mg1錠分1   アモキシシリン250mg1-2錠分1   計7日間  ・CCr<10mL/min   ボノプラザン20mg2錠分2   メトロニダゾール250mg1錠分1   アモキシシリン250mg1-2錠分1   計7日間 1)H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社)

除菌判定とその後のフォローアップ

#16.

健康診断でピロリ菌疑い <感染診断>胃カメラ+ピロリ菌検査(①〜⑥) ①尿素呼気試験    ②抗体測定法 ③便中抗原測定法 ④迅速ウレアーゼ試験 ⑤鏡検法   ⑥培養法 *①、④ではPPI、P-CABを2週間休薬、①では抗菌薬を4週間休薬 <一次除菌> ▶︎ボノサップ®️パック400 7日間 <二次除菌> ▶︎ボノピオン®️パック   7日間 <除菌判定>①尿素呼気試験 ②便中抗原測定法 <除菌後>胃カメラを1年毎に実施 内服終了後4週間 陰性(除菌成功) 陽性(二次除菌実施) ピロリ菌対応フローチャート 胃カメラでピロリ菌感染疑い + ①〜⑥いずれか陽性

#17.

・除菌治療薬の内服終了後、4週間以上経過した後に除菌判定を行う ・尿素呼気試験、便中抗原測定法が望ましい 抗体測定法は除菌終了後も数ヶ月は陽性が持続するため一般的には使用しない ・尿素呼気試験でカットオフ値周辺(2.5-5‰)の際は偽陽性の可能性あり →3ヶ月後に再検査を行う ・PPI、P-CAB、抗菌薬は尿素呼気試験の結果に影響を与える可能性あり                          *前スライド参照 ・二次除菌に失敗した場合は、三次除菌目的に専門医へ紹介する(自費診療) 除菌判定 17 尿素呼気試験、便中抗原を用いる

#18.

健康診断でピロリ菌疑い <感染診断>胃カメラ+ピロリ菌検査(①〜⑥) ①尿素呼気試験    ②抗体測定法 ③便中抗原測定法 ④迅速ウレアーゼ試験 ⑤鏡検法   ⑥培養法 *①、④ではPPI、P-CABを2週間休薬、①では抗菌薬を4週間休薬 <一次除菌> ▶︎ボノサップ®️パック400 7日間 <二次除菌> ▶︎ボノピオン®️パック   7日間 <除菌判定>①尿素呼気試験 ②便中抗原測定法 <除菌後>胃カメラを1年毎に実施 内服終了後4週間 陰性(除菌成功) 陽性(二次除菌実施) ピロリ菌対応フローチャート 胃カメラでピロリ菌感染疑い + ①〜⑥いずれか陽性

ピロリ菌除菌後のリスクと参考文献

#19.

・除菌により胃がんのリスクは低下するが、胃がんが発生する可能性はある1) →1年に1回は胃カメラを実施する ・ピロリ菌除菌後も年間1.45%の再感染リスクがある2) →ピロリ菌感染を疑う胃カメラの所見や、抗体測定法が陽性の場合は  尿素呼気試験や便中抗原測定法など複数の検査で感染を確認し、必要なら除菌する ・抗体測定法は除菌後6ヶ月経過すると抗体価が除菌前の50%以下に低下する 一方で、除菌から6年以上経過しても抗体陽性が11%存在するとの報告もある3,4) ・除菌後に逆流性食道炎、肥満、脂質異常症が増加する可能性あり 除菌後 19 胃カメラを1年毎に実施 1)Sugano K, Suzuki C, Ota M, Iwakiri R. Gastric cancer risk after Helicobacter pylori eradication in gastritis and peptic ulcer: a retrospective cohort study in Japan. BMC Gastroenterol.   2025;25(1):463. Published 2025 Jul 1.  2)Niv Y, Hazazi R. Helicobacter pylori recurrence in developed and developing countries: meta-analysis of 13C-urea breath test follow-up after eradication. Helicobacter. 2008;13(1):56-61. 3)Kosunen TU, et al. Diagnostic value of decreasing IgG, IgA, and IgM antibody titres after eradication of Helicobacter pylori. Lancet. 1992;339(8798):893-895. 4)Tanaka S, et al. Long-term Response of Helicobacter pylori Antibody Titer After Eradication Treatment in Middle-aged Japanese: JPHC-NEXT St

#20.

・H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2024改訂版(先端医学社) ・Common Diseases Up to date(南山堂) ・ホスピタリストのための内科診療フローチャート 第3版(有限会社シーニュ) ・ Up To Date 閲覧日:2025/07/23  Helicobacter pylori: Epidemiology, pathophysiology, and overview of disease associations  Approach to the diagnosis of Helicobacter pylori infection in adults  Treatment of Helicobacter pylori infection in adults 参考文献 20

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