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11月:百日咳

投稿者プロフィール
小林聡史

はるな生活協同組合通町診療所

19,597

30

概要

11月にギリギリ間に合いませんでしたが、百日咳についてまとめてみました。引き続き、勝手に月1目標でスライドをアップさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

本スライドの対象者

研修医

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テキスト全文

  • #1.

    百日咳 ゆきあかり診療所所長 小林聡史

  • #2.

    概要

  • #3.

    百日咳菌の特徴 飛沫感染と接触感染 感染形式 麻疹(12-18)と同程度、インフル(2-3)よりかなり高い *1人の感染者が周囲に感染させる数 高い感染力:基本再生産数*12-17 Pertussis, Dynamed

  • #6.

    症状

  • #7.

    典型的経過 カタル期:1-2週間 発作期:1-6週間 回復期;週~月単位 潜伏期: 5-10日が典型的 最大21日 感染性のある期間: 発症してから発作期開始後3週間 https://www.cdc.gov/pertussis/clinical/features.html

  • #8.

    カタル期 最初の1-2週間のフェーズ 上気道感染に一致した非特異的な前駆症状 鼻汁、咳、微熱など Pertussis, Dynamed

  • #9.

    発作期 1-6週間、最大10週間持続することも 発作的咳嗽、吸気時喘鳴、咳嗽後嘔吐が典型的 特に夜間に悪化しやすい 小児だと(特に口唇の)チアノーゼを呈することも 発熱は見られないことが多い Pertussis, Dynamed

  • #10.

    回復期 数週間~最大12週間程度持続 徐々に咳の頻度や強度が減っていく 他の呼吸器疾患により遷延したり悪化したりすることも Pertussis, Dynamed

  • #11.

    非典型例が増えているため注意! 特にワクチン接種例や成人例においては 遷延性咳嗽のみが唯一の症状のこともある

  • #12.

    成人百日咳症例の特徴@日本の一般診療所 成人の遷延性咳嗽(3-8週) PT-IgG抗体価測定 396例 除外:胸部レントゲンで明らかな他疾患あり   気管支喘息による咳嗽と診断 採血希望しない PT-IgG抗体価100以上 926例 530例 52例 日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018 20人に1人が百日咳 (ペア血清での診断を含めていないため、実際はもっと多いかも)

  • #13.

    日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018 3割は発作期の3徴が どれもみられない 4割は初期から咳嗽のみでカタル症状なし 40代が多いが、 幅広く分布している

  • #14.

    合併症

  • #15.

    特に乳児では合併症が多く、重症化しやすい 二次性の細菌性肺炎(最多の合併症) 百日咳症例の5%にみられ、6か月未満の乳児だと10-25%にみられる 1-5か月の乳児の百日咳合併肺炎症例において、院内死亡が12.5%であった 無呼吸→乳幼児突然死症候群 ほか肺高血圧症、痙攣、脳症など Pertussis, Dynamed

  • #16.

    診断

  • #17.

    症状だけで確定や除外が難しいので・・・ 検査が大事

  • #19.

    培養 鼻咽頭スワブや吸引検体を培養に提出 口腔液はコンタミのため信頼性が低い 検体取得後は、すぐに検査に提出する 感度58%、特異度100% 発症2週間を超えると感度がさらに下がる 年齢が上がるほど感度が下がる(菌量が減るため) 結果が出るのに通常4-5日、最大12日かかる BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

  • #20.

    PCR:日本では保険適応なし 鼻咽頭スワブを提出 感度77-97%、特異度88-97% 発症4週間以内が最も成績が良い BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

  • #21.

    LAMP法(Loop-Mediated Isothermal Amplification) Loop-Mediated Isothermal Amplificationの略 遺伝子を増幅させて検出させる方法 栄研化学が商標権を有しており、海外の文献ではほとんど記載が見られない Real time PCR法に対する相関は、感度が71.4%、特異度が100% ウイルス, 第54巻, 第1号, pp107-112, 2004 診療と新薬 2015; 52 (12) : 1133 - 1140.

  • #22.

    IgG測定 発症2-8週の間が成績が良い 感度88-92%、特異度98-99% ワクチン接種の影響を受けるため、ワクチン接種から1年以内の血清診断は推奨されない BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

  • #24.

    24 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

  • #25.

    個人的な検査指針まとめ 発症4週程度まで:LAMP法 国内のデータしかないが、培養は時間がかかるしPCRは保険適用外なので 発症4週以降:IgG測定 IgA/IgMやLAMPとの同時算定不可 IgA/IgMは海外では行われてないし、感度も悪い 1年以内のワクチン歴がある人はIgA/IgMの方がいいかも 25

  • #26.

    届け出

  • #27.

    7日以内に届け出を~基準は2パターン 臨床的特徴(前述)が合致し、かつ検査陽性(分離同定、PCR、抗体のいずれか) 死亡者の場合でも届け出る 臨床的特徴が合致し、かつ検査確定例と接触がある https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-23.html 2019年11月6日時点

  • #28.

    マネジメント

  • #29.

    抗生剤の効果は? 臨床経過には影響しないかもしれない 発症初期(特にカタル期)に治療すると症状のある期間や重症度が減るかもしれない 感染拡大を予防する効果はあるかもしれない 抗生剤治療開始から2日すると、感染性がなくなるかもしれない Pertussis, Dynamed Pertussis infection in adolescents and adults: Treatment and prevention, UpToDate Pertussis infection in infants and children: Treatment and prevention, UpToDate

  • #30.

    誰を治療すべき?~主に感染拡大防止目的 発症4週以内:全例に対して投与を推奨 乳児、妊婦、医療従事者:発症6-8週後でも投与を推奨 N Engl J Med. 2005 Mar 24;352(12):1215-22.

  • #31.

    治療:AZMが第一選択 アジスロマイシン500mg(小児10mg/kg)分1×3日間 Sanfordなど海外では初回500、2日目から250で計5日間という記載が多い→感染症の専門の先生に聞くと、どちらでも大差はないというコメントが多い(ただしどちらも添付文書外使用で、特に後者は保険で切られるかもしれない) クラリスロマイシン1000mg(小児15mg/kg)分2×7日間 ST合剤4錠分2×14日間(=トリメトプリム320mg/日)(小児:トリメトプリム換算で8mg/kg/日) 以下を参考に筆者作成 Am Fam Physician. 2013 Oct 15;88(8):507-514. サンフォード感染症治療ガイド2018 各薬剤添付文書 1か月未満児への投与は推奨されない 1か月未満児への投与は推奨されない

  • #32.

    登校登園基準 特有な咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了した後。 AZMを使う場合は、投与開始から5日間は休ませた方が文章との整合性が合わせやすいかも??

  • #33.

    予防

  • #34.

    小学校入学前に3種混合ワクチンを! 日本小児科学会は通常の4混4回接種に加え、 5-7歳と11-12歳で3種混合ワクチンの追加接種を推奨 *ただし任意接種 https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf

  • #35.

    おまけ

  • #36.

    豆知識~歴史 1578年 Guillaume de Baillou らがパリでの流行を最初の報告 1670年 初めて激しい咳を表すラテン語の "per-tussis" が使用された 日本では文政(1818~1831年)の頃、百日咳と呼ばれる 1906年 ジュール・ボルデがオクターヴ・ジャングと共に百日咳菌を分離 1952年 ボルデにちなんだ学名(Bordetella)が付いた https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E6%97%A5%E5%92%B3#%E6%AD%B4%E5%8F%B2

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