医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide
診療科
特集

お知らせ

ログイン
11月:百日咳 L001.png

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
ID-Gym2020〜感染症治療のイロハ〜 vol.6

ID-Gym2020〜感染症治療のイロハ〜 vol.6

萩谷英大

続けて閲覧
救急外来で活かせる!血液培養の知識

救急外来で活かせる!血液培養の知識

手塚宜行

続けて閲覧

1/37

関連するスライド

とっても簡単な、破傷風予防の対応

とっても簡単な、破傷風予防の対応

松浦良樹

29864

343

11月:百日咳

投稿者プロフィール
小林聡史

はるな生活協同組合通町診療所

21,249

30

概要

11月にギリギリ間に合いませんでしたが、百日咳についてまとめてみました。引き続き、勝手に月1目標でスライドをアップさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

本スライドの対象者

研修医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください

関連するスライド

とっても簡単な、破傷風予防の対応

とっても簡単な、破傷風予防の対応

松浦良樹

松浦良樹

29,864

343

SNS初心者による初心者のための効率的な勉強法講座 - twitterを中心に -

SNS初心者による初心者のための効率的な勉強法講座 - twitterを中心に -

黒田浩一

黒田浩一

113,273

95

カメでもわかるCRPの話(2022年新訂版)

カメでもわかるCRPの話(2022年新訂版)

高野哲史

高野哲史

1,166,850

1,327

【一生使える知識】ステロイド副作用と対処法 究極の覚え方伝授します

【一生使える知識】ステロイド副作用と対処法 究極の覚え方伝授します

はらD

はらD

86,190

319


小林聡史さんの他の投稿スライド

すべて見る


テキスト全文

百日咳の概要と流行状況

#1.

百日咳 ゆきあかり診療所所長 小林聡史

#2.

概要

#3.

百日咳菌の特徴 飛沫感染と接触感染 感染形式 麻疹(12-18)と同程度、インフル(2-3)よりかなり高い *1人の感染者が周囲に感染させる数 高い感染力:基本再生産数*12-17 Pertussis, Dynamed

百日咳の症状と経過

#6.

症状

#7.

典型的経過 カタル期:1-2週間 発作期:1-6週間 回復期;週~月単位 潜伏期: 5-10日が典型的 最大21日 感染性のある期間: 発症してから発作期開始後3週間 https://www.cdc.gov/pertussis/clinical/features.html

#8.

カタル期 最初の1-2週間のフェーズ 上気道感染に一致した非特異的な前駆症状 鼻汁、咳、微熱など Pertussis, Dynamed

#9.

発作期 1-6週間、最大10週間持続することも 発作的咳嗽、吸気時喘鳴、咳嗽後嘔吐が典型的 特に夜間に悪化しやすい 小児だと(特に口唇の)チアノーゼを呈することも 発熱は見られないことが多い Pertussis, Dynamed

#10.

回復期 数週間~最大12週間程度持続 徐々に咳の頻度や強度が減っていく 他の呼吸器疾患により遷延したり悪化したりすることも Pertussis, Dynamed

成人百日咳の特徴と合併症

#11.

非典型例が増えているため注意! 特にワクチン接種例や成人例においては 遷延性咳嗽のみが唯一の症状のこともある

#12.

成人百日咳症例の特徴@日本の一般診療所 成人の遷延性咳嗽(3-8週) PT-IgG抗体価測定 396例 除外:胸部レントゲンで明らかな他疾患あり   気管支喘息による咳嗽と診断 採血希望しない PT-IgG抗体価100以上 926例 530例 52例 日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018 20人に1人が百日咳 (ペア血清での診断を含めていないため、実際はもっと多いかも)

#13.

日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018 3割は発作期の3徴が どれもみられない 4割は初期から咳嗽のみでカタル症状なし 40代が多いが、 幅広く分布している

#14.

合併症

#15.

特に乳児では合併症が多く、重症化しやすい 二次性の細菌性肺炎(最多の合併症) 百日咳症例の5%にみられ、6か月未満の乳児だと10-25%にみられる 1-5か月の乳児の百日咳合併肺炎症例において、院内死亡が12.5%であった 無呼吸→乳幼児突然死症候群 ほか肺高血圧症、痙攣、脳症など Pertussis, Dynamed

百日咳の診断方法と検査

#16.

診断

#17.

症状だけで確定や除外が難しいので・・・ 検査が大事

#19.

培養 鼻咽頭スワブや吸引検体を培養に提出 口腔液はコンタミのため信頼性が低い 検体取得後は、すぐに検査に提出する 感度58%、特異度100% 発症2週間を超えると感度がさらに下がる 年齢が上がるほど感度が下がる(菌量が減るため) 結果が出るのに通常4-5日、最大12日かかる BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

#20.

PCR:日本では保険適応なし 鼻咽頭スワブを提出 感度77-97%、特異度88-97% 発症4週間以内が最も成績が良い BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

#21.

LAMP法(Loop-Mediated Isothermal Amplification) Loop-Mediated Isothermal Amplificationの略 遺伝子を増幅させて検出させる方法 栄研化学が商標権を有しており、海外の文献ではほとんど記載が見られない Real time PCR法に対する相関は、感度が71.4%、特異度が100% ウイルス, 第54巻, 第1号, pp107-112, 2004 診療と新薬 2015; 52 (12) : 1133 - 1140.

#22.

IgG測定 発症2-8週の間が成績が良い 感度88-92%、特異度98-99% ワクチン接種の影響を受けるため、ワクチン接種から1年以内の血清診断は推奨されない BMJ. 2019 Feb 22;364:l401.

百日咳の届け出とマネジメント

#24.

24 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

#25.

個人的な検査指針まとめ 発症4週程度まで:LAMP法 国内のデータしかないが、培養は時間がかかるしPCRは保険適用外なので 発症4週以降:IgG測定 IgA/IgMやLAMPとの同時算定不可 IgA/IgMは海外では行われてないし、感度も悪い 1年以内のワクチン歴がある人はIgA/IgMの方がいいかも 25

#26.

届け出

#27.

7日以内に届け出を~基準は2パターン 臨床的特徴(前述)が合致し、かつ検査陽性(分離同定、PCR、抗体のいずれか) 死亡者の場合でも届け出る 臨床的特徴が合致し、かつ検査確定例と接触がある https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-23.html 2019年11月6日時点

百日咳の治療法と登校基準

#28.

マネジメント

#29.

抗生剤の効果は? 臨床経過には影響しないかもしれない 発症初期(特にカタル期)に治療すると症状のある期間や重症度が減るかもしれない 感染拡大を予防する効果はあるかもしれない 抗生剤治療開始から2日すると、感染性がなくなるかもしれない Pertussis, Dynamed Pertussis infection in adolescents and adults: Treatment and prevention, UpToDate Pertussis infection in infants and children: Treatment and prevention, UpToDate

#30.

誰を治療すべき?~主に感染拡大防止目的 発症4週以内:全例に対して投与を推奨 乳児、妊婦、医療従事者:発症6-8週後でも投与を推奨 N Engl J Med. 2005 Mar 24;352(12):1215-22.

#31.

治療:AZMが第一選択 アジスロマイシン500mg(小児10mg/kg)分1×3日間 Sanfordなど海外では初回500、2日目から250で計5日間という記載が多い→感染症の専門の先生に聞くと、どちらでも大差はないというコメントが多い(ただしどちらも添付文書外使用で、特に後者は保険で切られるかもしれない) クラリスロマイシン1000mg(小児15mg/kg)分2×7日間 ST合剤4錠分2×14日間(=トリメトプリム320mg/日)(小児:トリメトプリム換算で8mg/kg/日) 以下を参考に筆者作成 Am Fam Physician. 2013 Oct 15;88(8):507-514. サンフォード感染症治療ガイド2018 各薬剤添付文書 1か月未満児への投与は推奨されない 1か月未満児への投与は推奨されない

#32.

登校登園基準 特有な咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了した後。 AZMを使う場合は、投与開始から5日間は休ませた方が文章との整合性が合わせやすいかも??

百日咳の予防と歴史

#33.

予防

#34.

小学校入学前に3種混合ワクチンを! 日本小児科学会は通常の4混4回接種に加え、 5-7歳と11-12歳で3種混合ワクチンの追加接種を推奨 *ただし任意接種 https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf

#35.

おまけ

#36.

豆知識~歴史 1578年 Guillaume de Baillou らがパリでの流行を最初の報告 1670年 初めて激しい咳を表すラテン語の "per-tussis" が使用された 日本では文政(1818~1831年)の頃、百日咳と呼ばれる 1906年 ジュール・ボルデがオクターヴ・ジャングと共に百日咳菌を分離 1952年 ボルデにちなんだ学名(Bordetella)が付いた https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E6%97%A5%E5%92%B3#%E6%AD%B4%E5%8F%B2

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter