#4.
本日の学習目標 • 感染症のトライアングルの使い方を マスターする • 抗菌薬を選択する上で注意すべき敵に ついて知る • コンタミを判断できる • 感冒と細菌感染症を区別できる • de-escalationを検討できる • SABという病態の概念と対応がわかる
#5.
おしながき 抗菌薬入門 第3夜 演習編 抗菌薬の選び方 注意すべき敵 コンタミネーション 症例検討
#6.
抗菌薬の選び方
#7.
抗菌薬の選び方のお約束 ①感染症のトライアングルを活用する ②そこにいる菌とは何かを考える ③抗菌薬を選ぶ上で注意すべき敵を考える(大きく6種) ④感受性の表だけから抗菌薬を選ばない ⑤コンタミを判断する
#8.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 腎臓?大腸?髄液?前立腺? ① 微生物 の推定のため ② 臓器移行性 感染臓器 選択すべき 抗菌薬 微生物 どんな微生物が感染している? 細菌?ウイルス?真菌? 宿主 「そこにいる」微生物が感染する どんな宿主に感染している? 若い健康な人?超高齢者? 入院中?デバイス挿入? 免疫不全?経口摂取できる? これらの情報を基にして抗菌薬を一つに絞ることができる
#9.
感染症と起炎菌(そこにいる菌とは?) 【肺】 肺炎球菌 HeM(Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalis) +非定型菌 *誤嚥性肺炎のとき→嫌気性菌 【皮膚】 ●●球菌(Staphylococcus aureus, 溶連菌(GAS)) 【尿路】 PEK(Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae) *嫌気性菌のカバーは不要 【腸内細菌】PEK+S(PA)CE+腸球菌+嫌気性菌
#10.
#11.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 尿路感染症にCMZ(セフメタゾール)を投与したが奏功しなかった。 起炎菌として想定しなければならない菌は次のうちどれか。 ◆A: Proteus mirabilis ◆B: Klebsiella pneumoniae ◆C: 腸球菌 ◆D: MSSA
#12.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 尿路感染症にCMZ(セフメタゾール)を投与したが奏功しなかった。 起炎菌として想定しなければならない菌は次のうちどれか。 ◆A: Proteus mirabilis ◆B: Klebsiella pneumoniae ◆C: 腸球菌 ◆D: MSSA
#13.
抗菌薬選択のポイントとなる菌 ①黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) ②腸球菌(Enterococcus) ③緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) ④嫌気性菌(特にBacteroides fragilis) ⑤ESBL産生菌(PEKのE, K, まれにPも) ⑥AmpC産生菌(SPACEのS, C, E)
#14.
①黄色ブドウ球菌という敵
#15.
①黄色ブドウ球菌という敵 • 市中感染も院内感染も起こし、免疫状態によらず感染し得る • 病原性が極めて高く、菌血症になると非常に重篤 → Staphylococcus aureus bacteremia(SAB)は 内科的emergency(後述) バンコマイシン • MRSAは耐性が強く VCM (など抗MRSA薬)を選択 しなければならない • 市中においてもMRSAの占める割合は急増している
#16.
黄色ブドウ球菌って実は… • ●●球菌イコール皮膚の常在菌?? • 実は 健常皮膚の上にはそれほどいない (=transient bacteria) Br J Dermatol. 2008 Mar;158(3):442–455. • 傷ついた皮膚など湿潤環境に住みやすい • (既存の知識として)黄色ブドウ球菌毒素の感染症は、 手に傷のある人が素手で握ったおにぎり を食べると起こりやすい • 血培1セット陽性でも真の菌血症と考えるのはこのため
#17.
②腸球菌という敵 • 腸内細菌の一種だがGPCであり特異的な存在 (腸内細菌科に分類されない) • 最大の特徴は セフェム系が無効 である点 バンコマイシン • さらにE.faeciumは耐性が強くVCM が必要 • 複雑性尿路感染で頻度が増加(15-20%) • 尿路感染では 亜硝酸を還元できない → 複雑性尿路感染+亜硝酸塩(-)の時はG染 • 心内膜炎、髄膜炎、FNをきたした場合は ゲンタマイシン シナジー効果を狙ってGMなどの併用を行う E.faecalis E.faecium 林俊誠 et al. 腸球菌のペニシリン感受性をグラム染色所見の「落花生サイン」で推定. 感染症学雑誌, 2019年, 93巻, 3号, p.306-311.
#18.
③緑膿菌という敵 • 元来人の体の中には存在しないと考えてよい (水場にいる菌である) ⇒ 『保菌機会』×『重症度』で関与を考える • カバーできる抗菌薬を把握しておくことが重要 紹介した抗菌薬の中では タゾバクタムピペラシリン セフタジジム セフェピム メロペネム レボフロキサシン TAZ/PIPC , CAZ, CFPM, MEPM, LVFX
#19.
緑膿菌
#20.
④(横隔膜下)嫌気性菌という敵 • 嫌気性菌は存在の証明が難しい ⇒ 存在が想定される環境ではカバーが必要 ①横隔膜より下の腹腔内感染 ②深部皮下感染症(『壊死』×『汚染』) ③膿瘍 ④誤嚥性肺炎 • 中でも最も耐性が強いのがBacteroides fragilis • 混合感染も多い • カバーできる抗菌薬は、 MNZ, βラクタマーゼ阻害(/SBT, /TAZ), CMZ, MEPM メトロニダゾール スルバクタム タゾバクタム セフメタゾール メロペネム
#21.
⑤ESBL産生菌という敵 • 大腸菌 とクレブシエラが検出されたら注意 • ESBL産生かどうかは感受性の表を見て判断することになる • 抗菌薬選択は、 1st MEPM:できれば使いたくない 2nd CMZ :バイタルが悪くなければまずこれから メロペネム セフメタゾール タゾバクタムピペラシリン (3rd TAZ/PIPC):原則使わない。一応カバーできてるな、くらい メロペネム (*MEPMとの非劣性試験で非劣性を証明できず)
#22.
ESBL産生菌
#23.
⑥AmpC産生菌という敵 • 抗菌薬投与をトリガーとして耐性が誘導される • S(PA)CE+Mが検出されたら注意 (Serratia/Providencia/Acinetobacter/Citrobacter/Enterobacter /Morganella) • 耐性が誘導されるかもしれないのでこれらの菌は 原則AmpC産生菌として対応する必要がある • 抗菌薬選択は 1st MEPM 2nd CFPM メロペネム セフェピム *Citrobacter koseriは例外的にAmpCの産生がないと考えてよい
#24.
AmpC産生菌 Sだが投与しない! (投与によりI~Rに なる可能性がある)
#25.
抗菌薬選択のポイントとなる菌(まとめ) ① 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) MRSAならVCMなど。MSSAならCEZに変更 ② 腸内細菌 (a) ESBL産生菌(PEKのE, K, まれにPも) 感受性の表で判断する。重症でなければCMZで (b) AmpC産生菌(SPACEのS, C, E) 検出されたらセフェム系感受性でも諦めてCFPM (c) 腸球菌(Enterococcus) 腸球菌はセフェム無効!E.faeciumならVCMなど ③(横隔膜下)嫌気性菌(特にBacteroides fragilis) 嫌気性菌が存在する環境を押さえる。MNZやABPC/SBT,CMZなど ④ 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) 『保菌』×『重症度』。TAZ/PIPC,CAZなど ⑤ 非定型菌 ⑥ インフルエンザ桿菌 非定型肺炎を疑う条件を押さえよう 日本ではBLNARが主流。どの耐性でもCTRXは感受性あり
#26.
感染症と起炎菌(そこにいる菌とは?) まとめ 【肺】 肺炎球菌 HeM(Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalis) +非定型菌 *誤嚥性肺炎のとき→嫌気性菌 【皮膚】 ●●球菌(Staphylococcus aureus, 溶連菌(GAS)) MRSA 【尿路】 PEK(Proteus mirabilis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae) ESBL *嫌気性菌のカバーは不要 【腸内細菌】PEK+S(PA)CE+腸球菌+嫌気性菌 ESBL AmpC E.faecium
#27.
その他大事なことの整理 ① 抗菌薬感受性の表(MIC表)の使い方 ② コンタミネーションの判断 ③ 抗菌薬の交差反応
#28.
感受性の表だけで抗菌薬を選択するべからず • MIC(minimum inhibitory concentration)=最小発育阻止濃度 • MICが低い=低濃度でも菌の発育を阻止できる =抗菌薬が効く可能性が高い • 抗菌薬により感受性ありとするMIC値は異なる • ただしこれらは最大容量を用いた前提の数字 →抗菌薬は最大容量を十分な期間投与する という原則は順守している前提
#29.
緑膿菌にどの抗菌薬を 選びますか? S:Susceptible(sensitiveではない) I:Intermediate R:Resistant
#30.
緑膿菌にどの抗菌薬を 選びますか? シプロフロキサシン • なんとなく、CPFXのMICが一番低いから これが一番効きそうな気がしますが… S:Susceptible(sensitiveではない) I:Intermediate R:Resistant
#31.
緑膿菌にどの抗菌薬を 選びますか? シプロフロキサシン • なんとなく、CPFXのMICが一番低いから これが一番効きそうな気がしますが… • MICの判定は菌と抗菌薬の1対1対応 → MICを縦に読んで抗菌薬を 決定してはいけない (俗にいう『MICの縦読みは厳禁!』) 感受性の表は選択しようとした抗菌薬に 感受性があるのかどうかをチェックする 目的で利用すること S:Susceptible(sensitiveではない) I:Intermediate R:Resistant
#32.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 血液培養2セットのうち1セットだけから培養された場合、 コンタミネーションと判断してもよい菌は次のうちどれ? ◆A: 黄色ブドウ球菌 ◆B: Staphylococcus epidermidis ◆C: Candida albicans ◆D: Haemophilus influenzae
#33.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 血液培養2セットのうち1セットだけから培養された場合、 コンタミネーションと判断してもよい菌は次のうちどれ? ◆A: 黄色ブドウ球菌 ◆B: Staphylococcus epidermidis ◆C: Candida albicans ◆D: Haemophilus influenzae
#34.
コンタミを判断する • コンタミ(contamination)=常在菌が検体に混入すること • 血液培養1setではコンタミを判断できないため2set採取する • 基本的に皮膚常在菌が1setだけ陽性ならコンタミと判断 • 黄色ブドウ球菌はその病原性の高さからも、1set陽性であっても コンタミではなく真の菌血症(true)と判断する • その他、コンタミと判断するかどうかに対しては、 各細菌に対してエビデンスが存在する • また元来無菌でない検体(痰や尿)ではcolonizationの判断も必要
#35.
血培1セット陽性でコンタミを疑う状況 • GPC 黄色ブドウ球菌、A/B/G群溶連菌、肺炎球菌、腸球菌はtrue CNS、緑色連鎖球菌は1set陽性ならコンタミ GPC菌血症でcluster(ブドウ球菌様)が1setでも陽性なら黄色ブドウ球菌バンドルに沿って 治療開始するが、培養の結果それがCNSと判明すればコンタミとして治療終了する (CNSが1set陽性の時のコンタミの確率は82%) • GNR 全例true • GPR Clostridioides、リステリアはtrue Corynebacteriumはコンタミ • GNC 髄膜炎菌、淋菌はtrue • 真菌 全例true
#36.
血培2セットから 同じ菌 血培1セットだけ 陽性 GPC (●●球菌) 例外なく 真の菌血症 皮膚の常在菌は コンタミ(原則) 治療開始 CNS 緑色連鎖球菌 Micrococcus 黄色ブドウ球菌 病原性が強いので 真の菌血症 S. lugdunensis 皮膚に常在しないので 真の菌血症 腸球菌(腸) 肺炎球菌(口腔) 溶連菌(咽頭) 皮膚に常在しないので 真の菌血症 治療開始 治療しない! (状況で判断) GPR グラム陰性菌 (GNC, GNR) 治療開始 (CNSだが病原性強) GPRは コンタミ(原則) GPRの例外 真の菌血症 治療しない! (状況で判断) Listeria 治療開始 治療開始
#37.
×:側鎖が同一であり使えない ×:側鎖が類似しており使うべきでない β-ラクタム薬の側鎖から判断する交差性 P C G PCG ペ ニ シ リ ン 系 A B P C A M P C × × × × × ABPC × AMPC(内服) × × × × P I P C C E Z C E X C M Z C T R X C A Z C F P M × × × PIPC 第 1 世 代 セ フ ェ ム 系 CEZ CEX(内服) × 2.5 CMZ 3 CTRX 3.5 CAZ × 4 CFPM × カルバペネム系 MEPM × × M E P M
#38.
PCG CEZ β-ラクタム環 ABPC CEX CTRX CAZ AMPC PIPC セファマイシン系の 特徴のメトキシ基 CMZ CFPM MEPM
#39.
ペニシリンアレルギーで大事なこと • 抗菌薬は重要なweaponなので、本当にアレルギーだったのか どうかは厳密に判断する必要がある • 自称ペニシリンアレルギー患者に経口チャレンジを実施したとき反 応を示したのは3.5% (PMID:39283610) • 上述の交差の話はあくまで“リスク”の話だと理解する • 命に関わるほどのアナフィラキシーを起こしたことがある人に (確率が低いとはいえ)交差を起こす可能性のあるβラクタムを選択 すべきではない • 逆にいつ起こったかもどの薬だったかもあやふやで、症状も皮疹が 少し出た程度なら上述の“交差”を考えて投与するのは正しいだろう
#40.
演習問題
#41.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 腎臓?大腸?髄液?前立腺? ① 微生物 の推定のため ② 臓器移行性 感染臓器 選択すべき 抗菌薬 微生物 どんな微生物が感染している? 細菌?ウイルス?真菌? 宿主 「そこにいる」微生物が感染する どんな宿主に感染している? 若い健康な人?超高齢者? 入院中?デバイス挿入? 免疫不全?経口摂取できる? これらの情報を基にして抗菌薬を一つに絞ることができる
#42.
初 級 編
#43.
①12歳男性 咽頭痛 • 昨日からの39.5℃の発熱と咽頭痛で外来受診 • 咽頭が赤く発赤しており、扁桃腺に白苔を認めた 風邪でいいのかな? 風邪だったら抗菌薬 出したくないな…
#44.
風邪 vs 細菌性感染症 • 感冒の特徴 ⇒『ノド・ハナ・セキ』が 同程度にある • どれかの症状が突出 ⇒ 細菌感染症の可能性が 高まる
#45.
風邪 vs 細菌性感染症 • どれかの症状が突出していても、 それでもウイルス性の可能性の方が高い • ハナ は鼻汁の色で判断できない • セキ は喀痰の有無で判断できない • ノド はRed flag(*1)を除外した後 Centor Criteria で評価 • 細菌性を疑うのは 二峰性の経過のとき • (感冒の咳は3週間続くことも:感染後咳嗽) (*1 最悪の痛み、突発、つばが飲めない、開口障害、嗄声、呼吸困難、嘔吐、咽頭所見に乏しいなど)
#46.
Centor Criteria(Mclsaac score) • 溶連菌咽頭炎のスコアリング 年齢<15歳 (+1) 年齢>45歳 ( -1) 発熱・悪寒 (+1) 咳嗽がない (+1) 扁桃の腫大、白苔の付着 (+1) 前頚部リンパ節の有痛性腫大 (+1) 溶連菌咽頭炎の可能性は… -1~0点: 1点 : 8% 14% →検査しない。可能性低い 2点 : 23% 3点 : 37% →迅速テスト実施 4~5点: 55% →抗菌薬投与 *溶連菌咽頭炎はリウマチ熱への進展予防の観点でも抗菌薬投与する
#47.
①12歳男性 咽頭痛 • 昨日からの39.5℃の発熱と咽頭痛で外来受診 • 咽頭が赤く発赤しており、扁桃腺に白苔を認めた
#48.
①12歳男性 咽頭痛 • 昨日からの39.5℃の発熱と咽頭痛で外来受診 • 咽頭が赤く発赤しており、扁桃腺に白苔を認めた • Centor Criteriaがfull score(5点) • ダメ押しの溶連菌迅速検査が陽性 →溶連菌咽頭炎と診断した どの抗菌薬を投与しますか? サワシリン®(AMPC) フロモックス®(第3世代セフェム) クラビット®(LVFX) 抗菌薬は不要
#49.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 感染臓器 咽頭炎 どんな微生物が感染している? 選択すべき 抗菌薬 微生物 咽頭炎→溶連菌(検査的に) 要注意の菌→特になし 宿主 「そこにいる」微生物が感染する どんな宿主に感染している? 生来健康な子供 重篤ではない
#50.
抗菌薬を決める • 溶連菌 →
#51.
抗菌薬を決める • 溶連菌 →PCGが最適 →実臨床では代わりに ABPC(AMPC) を選択す ることが多い(PCGは1 日6回投与の仁義の薬) ペニシリンG アンピシリン アモキシシリン 処方薬 サワシリン®(AMPC) 6T分3を10日間 *注:実際は小児なので体重による用量調整が必要
#52.
②85歳男性 呼吸困難 • 施設入所中の男性。本日朝より活気がなくなり、検温すると 38.5℃の発熱 • 今までもたびたび誤嚥性肺炎で入院歴があった • COPDの既往あり • 救急外来ではCTで右下肺野に浸潤影を認め、誤嚥性肺炎で矛盾 ないと考えられる。酸素2L投与、バイタルは大きくは問題ない どの抗菌薬を投与しますか? セフトリアキソン®(CTRX) スルバシリン®(ABPC/SBT) ゾシン®(TAZ/PIPC) メロペン®(MEPM)
#53.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 感染臓器 肺炎(誤嚥性肺炎) どんな微生物が感染している? 選択すべき 抗菌薬 微生物 誤嚥性肺炎→肺炎球菌+HeM 宿主 「そこにいる」微生物が感染する 要注意の菌→嫌気性菌 どんな宿主に感染している? たびたび誤嚥を繰り返している 施設入所中 COPDの既往あり
#54.
抗菌薬を決める
#55.
抗菌薬を決める • βラクタマーゼを考えて ABPC/SBTを選択する ことが多い アンピシリンスルバクタム
#56.
抗菌薬を決める • βラクタマーゼを考えて ABPC/SBTを選択する ことが多い • COPDがあれば緑膿菌の 関与も考慮して TAZ/PIPCもよいが、 バイタルが悪くないの で最初から投与しない • 前回の入院の培養結果 もあれば参考にする アンピシリンスルバクタム タゾバクタムピペラシリン 処方薬 スルバシリン® 1回3g1日4回 5日間
#57.
③62歳男性 右上腹部痛 • 主訴は発熱+悪寒と右上腹部痛 • 救急外来でCT撮影し、総胆管に胆石を認め胆管も拡張していた ため急性胆管炎の診断で入院となった • 採血では肝胆道系酵素軽度上昇、腎機能は正常 • 体温以外の大きなバイタルの崩れはない(ショックではない) ①今後の治療方針は? ②入院時の抗菌薬投与はどうしますか? スルバシリン®(ABPC/SBT) セフトリアキソン®(CTRX) セフメタゾール®(CMZ) ゾシン®(TAZ/PIPC)
#58.
閉塞起点があればドレナージが基本 • 抗菌薬は血管を通って感染巣に到達する • 閉塞起点内部には直接血流が届かない →内部で増える細菌に抗菌薬が到達しにくい • 膿瘍の外部から抗菌薬が効いていくが、 内側の細菌繁殖の勢いが強ければ治癒しない可能性 →必ず閉塞した内部にドレーンを置いてドレナージすることが 治療の基本となる • 翌朝ERCPを実施し、胆管ステントを留置する方針となった
#59.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 感染臓器 胆管炎・胆管閉塞あり どんな微生物が感染している? 選択すべき 抗菌薬 微生物 宿主 「そこにいる」微生物が感染する 胆管炎→腸内細菌 PEK+S(PA)CE+腸球菌+嫌気性菌 要注意の菌→腸球菌、嫌気性菌 ESBL, AmpC どんな宿主に感染している? 生来健康 重篤ではない
#60.
抗菌薬を決める
#61.
抗菌薬を決める • 腸内細菌+嫌気性菌の カバーで、 CMZかABPC/SBT セフメタゾール アンピシリンスルバクタム
#62.
抗菌薬を決める • 腸内細菌+嫌気性菌の カバーで、 CMZかABPC/SBT セフメタゾール アンピシリンスルバクタム セフメタゾール • CMZならESBL産生菌を カバーでき、 ABPC/SBTなら腸球菌 をカバーする アンピシリンスルバクタム
#63.
抗菌薬を決める • 腸内細菌+嫌気性菌の カバーで、 CMZかABPC/SBT セフメタゾール アンピシリンスルバクタム セフメタゾール • CMZならESBL産生菌を カバーでき、 ABPC/SBTなら腸球菌 をカバーする アンピシリンスルバクタム • 緑膿菌、AmpC産生菌、 E.faeciumのカバーが ないことは留意する
#64.
CMZ1回2g1日2回で開始 (することにした) セフメタゾール • 各種培養を取得した後、CMZ投与開始 • 翌日ERCPを実施し、胆管ステント留置
#65.
CMZ1回2g1日2回で開始 (することにした) セフメタゾール • 各種培養を取得した後、CMZ投与開始 • 翌日ERCPを実施し、胆管ステント留置 • 同日血液培養からE.coliが培養された • ステント留置翌日から食事開始したが腹痛などなく経過 • E.coliの感受性が判明し、ABPCにも感受性があることが判明 アンピシリン
#66.
CMZ1回2g1日2回で開始 (することにした) セフメタゾール • 各種培養を取得した後、CMZ投与開始 • 翌日ERCPを実施し、胆管ステント留置 • 同日血液培養からE.coliが培養された • ステント留置翌日から食事開始したが腹痛などなく経過 • E.coliの感受性が判明し、ABPCにも感受性があることが判明 アンピシリン セフメタゾール アンピシリン CMZからABPCへde-escalationを検討します。 de-escalationしますか? する しない
#67.
ABPCへのde-escalationはしない アンピシリン アンピシリン • たしかにE.coliはABPCに対して感受性を有するのでABPCに de-escalationできそうだが…
#68.
ABPCへのde-escalationはしない アンピシリン アンピシリン • たしかにE.coliはABPCに対して感受性を有するのでABPCに de-escalationできそうだが… • もともとの感染症が胆管炎であったため 嫌気性菌の存在を無視することはできない
#69.
ABPCへのde-escalationはしない アンピシリン アンピシリン • たしかにE.coliはABPCに対して感受性を有するのでABPCに de-escalationできそうだが… • もともとの感染症が胆管炎であったため 嫌気性菌の存在を無視することはできない • 嫌気性菌のカバーも考えると、ABPC/SBT or CMZ継続 アンピシリンスルバクタム セフメタゾール
#70.
ABPC/SBT1回3g1日4回投薬の方針 アンピシリン アンピシリン • たしかにE.coliはABPCに対して感受性を有するのでABPCに de-escalationできそうだが… • もともとの感染症が胆管炎であったため 嫌気性菌の存在を無視することはできない • 嫌気性菌のカバーも考えると、ABPC/SBT or CMZ継続 • 経過良ければ内服治療(オグサワ)に変更して帰宅することも 視野に入れて、ABPC/SBTを選択することにした • 抗菌薬の投与期間はERCP実施後1週間までとした アンピシリンスルバクタム アンピシリンスルバクタム セフメタゾール
#71.
④72歳男性 発熱+頭痛+意識障害 • 救急外来で当直中 • 昨日から発熱し、頭痛を伴った。意識状態が悪化したため救急要請 • 話しかけても有意な返答はなく、JSC II-10、39℃ • 項部硬直とKernig徴候が陽性 →細菌性髄膜炎を強く疑った この次にすべきことは何? 頭部CT ルンバール(腰椎穿刺) 抗菌薬投与 上級医に報告
#72.
①項部硬直 感度30% 特異度68% ②Kernig徴候 感度5% 特異度95% なので、項部硬直を知っていれば十分 ③Brudzinski徴候 感度5% 特異度95%
#73.
細菌性髄膜炎 • 致死率の非常に高い、内科的emergency • 疑えばすぐにルートを確保し、採血・血液培養2セットを取得して 髄液穿刺をする前に抗菌薬を投与する (超重要!) 抗菌薬投与 抗菌薬投与が1時間 遅れると死亡率が 13%上昇するという 恐るべきデータが…
#74.
細菌性髄膜炎 • 致死率の非常に高い、内科的emergency 意識障害 • 疑えばすぐにルートを確保し、採血・血液培養2セットを取得して 神経巣症状 髄液穿刺をする前に抗菌薬を投与する (超重要!) 異常な呼吸様式 瞳孔左右差 など 抗菌薬投与 • 抗菌薬を投与してから、脳ヘルニアの徴候があれば頭部CTを実施 • 脳ヘルニアがなければ腰椎穿刺 必ずその前に 血糖測定 →髄液糖との比較のため 髄液検査+髄液培養提出
#75.
細菌性髄膜炎の起炎菌 • 3か月以下 B群溶連菌、大腸菌、黄ブ菌、リステリア • 3か月~幼児 インフルエンザ桿菌(Hib)、肺炎球菌、黄ブ菌 • 年長児~青年 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、髄膜炎菌 • 成人 肺炎球菌、髄膜炎菌 • 高齢者>50歳 肺炎球菌、黄ブ菌、グラム陰性桿菌、リステリア
#76.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 感染臓器 セファゾリン 髄液→CEZなどは移行性なし どんな微生物が感染している? 選択すべき 抗菌薬 微生物 肺炎球菌、MSSA、GNRなど 要注意の菌→MRSA、Listeria 宿主 「そこにいる」微生物が感染する どんな宿主に感染している? 50歳以上
#77.
細菌性髄膜炎(>50歳)の治療レジメン • 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌(GNR)、髄膜炎菌、MSSA CEZはBBBを通過しない→ CTRX が第一選択 • 黄ブ菌 もちろんMRSAの可能性があるので VCM • Listeria Listeriaと腸球菌は セフェム系無効! → ABPC を加える (*CTRX+ABPCをMEPMで代用することもある) セファゾリン セフトリアキソン バンコマイシン アンピシリン セフトリアキソン アンピシリン メロペネム もちろん感受性検査結果がでたらde-escalationを忘れずに。
#78.
上 級 編
#79.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 病棟で患者が発熱したときの行動として適当でないものはどれ? ◆A: 抗菌薬をMEPMに変更 ◆B: 排便回数のチェック ◆C: ルート刺入部の観察 ◆D: 薬剤歴の確認
#80.
TRIAL Extra 50:50 B BACTERIONAIRE 病棟で患者が発熱したときの行動として適当でないものはどれ? ◆A: 抗菌薬をMEPMに変更 ◆B: 排便回数のチェック ◆C: ルート刺入部の観察 ◆D: 薬剤歴の確認
#81.
④入院患者の発熱!どう動く? 食思不振を主訴に入院している80歳女性。 PICC(*)を挿入し中心静脈栄養を実施していた。 ある日39℃の発熱を呈したため看護師からドクターコール。 悪寒戦慄を訴えているという。 血圧の低下はない。 さて、現場に向かったあなたは 何をしますか? (*) PICC Peripherally Inserted Central venous Catheter 上腕から取った中心静脈カテーテル
#82.
入院中の患者の発熱を見たときにすること 6Dを想起する! Drug(薬剤熱) →比較3原則「比較的徐脈、比較的元気、比較的CRP低い」 CDI →便回数の増加(>3行)・質の変化・PPI・経管栄養 Device(カテ感染) →留置されているデバイスは毎日診察! CPPD(偽痛風) →関節に熱感や発赤はないか DVT(深部静脈血栓) →腓腹筋の把握痛。炎症でD-dimerが上昇する点には注意 Decubitus(褥瘡) →背中も診察
#83.
PICCの挿入部分に発赤が… 悪寒戦慄を伴っており、菌血症の可能性が高い。Device! 今のところ血圧は保たれているようである。 PICCから感染するとしたら起因菌は? 次にすべきことは?
#84.
CRBSIを疑ったときの『型』 catheter-related blood stream infection • カテーテル刺入部に発赤や膿が見られなくてもCRBSIは否定できない (特に緑膿菌やカンジダでは見られないことも多い) • 感染を疑えば なにはともあれ血液培養(2set) 末梢×2setまたは末梢+カテーテルから1setずつ カテーテルからの培養が2h以上早く陽性化すればCRBSIと診断可 * カテーテルからの培養はコンタミしやすいので通常はしない • カテーテル抜去は vital安定ならこの時点では必須ではない • カテーテル抜去した場合の先端培養は必須ではない 先端培養は極めてコンタミしやすい →感染も疑わないのに『PICC抜去記念培養』は絶対にしないこと
#85.
感染症のトライアングルで抗菌薬を選択 どの臓器に感染している? 感染臓器 カテーテル感染症 どんな微生物が感染している? 選択すべき 抗菌薬 微生物 宿主 「そこにいる」微生物が感染する 皮膚→●●球菌 要注意の菌→MRSA デバイス感染なので緑膿菌も考慮 カンジダの関与も考慮 どんな宿主に感染している? 入院中 PICC挿入中 食思不振で経腸栄養あまりできない
#86.
抗菌薬を決める
#87.
抗菌薬を決める • CRBSIではMRSAや CNSでも耐性の場合が 多いため、VCM の投与 が望ましい バンコマイシン
#88.
抗菌薬を決める • CRBSIではMRSAや CNSでも耐性の場合が 多いため、VCM の投与 が望ましい • 重症なら緑膿菌など カバーして CFPM併用 • さらに重篤なら カンジダのカバーも バンコマイシン セフェピム 処方薬 バンコマイシン 35mg/kgで開始 (TDMのためのトラフ採血を指示)
#89.
その日の夕方ごろ…
#90.
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)という敵 • GPCの分類 黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) Cluster グラム 陽性球菌 *Staphylococcus lugdunensisのみ例外的に 病原性が高い 連鎖球菌 Chain (連鎖状) MSSA (MR)CNS (Staphylococcus epidermidisなど) (ブドウの房状) GPC MRSA (Streptococcus) 腸球菌 (Enterococcus) 肺炎球菌
#91.
SABは内科的emergency (Staphylococcus aureus bacteremia) • 黄色ブドウ球菌の菌血症は極めて危険 半日で死亡することも • 血液培養が1セットでも陽性であれば 真の菌血症として治療開始 → 黄色ブドウ球菌バンドルに沿った治療を行う
#92.
黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く 72時間以内の解熱 48-96時間以内の血培陰性 心内膜炎がない 血液播種性病変なし 人工物の留置なし MSSA CEZ セファゾリン SAB VCM+CEZ バンコマイシン+セファゾリン MRSA VCM バンコマイシン 血培フォローアップ 侵入門戸の検索 合併症の検索 ソースコントロール 心エコー 非複雑性として 2週間以上の抗菌薬投与 複雑性として 4週間以上の 経静脈的抗菌薬投与 鈴木純. 抗菌薬の適正使用に向けた感染症医と病棟薬剤師の連携. 週間医学新聞. 2016年7月18日.第3183号
#93.
Japanese Board of General Medicine 黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く1 MSSA CEZ SAB VCM+CEZ • 血液培養から1セットでもGPC(ブドウ球菌様)が 検出されたらSABとしてすぐに治療! • 抗菌薬はVCMでMRSAもMSSAもカバーはできて いるのだが、VCM+CEZで開始する (∵MSSAだった場合、CEZがVCMより 抗菌活性が強いため) MRSA VCM • MSSAと判明→ CEZ 単剤にde-escalation • MRSAと判明→VCM 単剤にde-escalation *VCM単剤でも死亡率は上昇しなかった報告も : Clinical Infectious Diseases, Volume 61, Issue 3, 1 August 2015, Pages 361–367
#94.
Japanese Board of General Medicine 黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く1 MSSA CEZ SAB VCM+CEZ MRSA VCM • GPC菌血症でcluster(ブドウ球菌様)が 1setでも陽性なら黄色ブドウ球菌バンドルに 沿って治療開始するが、培養の結果それが CNSと判明すればコンタミとして治療終了 • 黄色ブドウ球菌が1set陽性の時 真の菌血症である確率は87% • CNSが1set陽性の時のコンタミの確率は88% Clin Infect Dis 1997;24:584-602
#95.
Japanese Board of General Medicine 黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く2 MSSA CEZ 血培フォローアップ 侵入門戸の検索 合併症の検索 ソースコントロール 心エコー MRSA VCM • GPCは血管壁に付きやすい →持続菌血症(IE)になりやすい →血液培養の再検が必要 (再度陽性になれば持続/ 陰性なら一過性) →持続/一過性で治療期間が変わる • なぜ菌血症になったかの吟味も重要 (歯科治療?アトピー?ルート?)
#96.
Japanese Board of General Medicine 黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く3 • GPCが血培から生えた報告があれば 速やかにCEZ+VCMを開始し、 48-96時間以内に血培再検 • 新規の心雑音を聴取しないことを 確認し、さらに心エコーで疣贅が ないことを確認してIEを除外 (*経胸壁心エコーの感度70%である ことには留意) • Janeway lesionやOsler結節、脊柱叩打痛、 結膜出血、Roth斑、麻痺など評価し 血液播種性病変の有無を確認する →場合によっては造影CT/頭部MRIも 72時間以内の解熱 48-96時間以内の血培陰性 心内膜炎がない 血液播種性病変なし 人工物の留置なし 非複雑性として 2週間以上の抗菌薬投与 複雑性として 血培陰性確認から 4週間以上の 経静脈的抗菌薬投与
#97.
Japanese Board of General Medicine 黄色ブドウ球菌バンドルを読み解く3 • SABの治療期間は原則4週間であると考える • 4週間の治療の開始は、血液培養が陰性化した 時点なので、血培再検しないと治療が開始されない • 抗菌薬を投与し、 ①72時間以内に解熱 ②48-96時間以内に再検した血培が陰性 ③IEらしさがない ④血液播種性病変がない ⑤人工物の留置がない を満たせば非複雑性として2週間治療に短縮できる • IEがあったり、血液播種性病変があれば その標準的な治療期間へ延長する 72時間以内の解熱 48-96時間以内の血培陰性 心内膜炎がない 血液播種性病変なし 人工物の留置なし 非複雑性として 2週間以上の抗菌薬投与 複雑性として 血培陰性確認から 4週間以上の 経静脈的抗菌薬投与
#98.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも遠隔塞栓は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#99.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも遠隔塞栓は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#100.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも遠隔塞栓は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#101.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも血液播種は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#102.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも血液播種は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#103.
その後の経過 乳酸リンゲル液をつなぎ、血液培養を2セット採取 同時にVCM+CEZ開始。PICCはこの時点では温存 夕方血液培養からGPC(cluster)2set陽性と報告あり、抗菌薬継続。解熱認めた その翌日GPCがMSSAと判明。PICC感染によるSABと診断。 VCMを中止しCEZのみにde-escalation。フォローの血液培養採取 PICCは速やかに抜去 身体診察的にも血液播種は否定的、新規心雑音もなく、心エコーでも 明らかな疣贅を認めなかったためIEは否定的と判断 フォローした血液培養が5日後に最終陰性と判明 →非複雑性のSABとしてCEZは合計2週間の投与とした
#104.
細菌感染症治療の型(まとめ) • 感染のトライアングルを考え「どんな宿主のどの臓器にどんな 細菌が感染しているか」を考える(そこにいる菌が感染する) • 感染のトライアングルから導き出される適当な抗菌薬を選ぶ • 抗菌薬投与する前に必要な培養を取る • 抗菌薬を投与する(治療期間と用量は本で調べる) • 患者を観察し、抗菌薬が奏効しているかアセスメントする • 培養結果が出たら適切にde-escalation(狭い抗菌薬に変更)する • 抗菌薬が奏効していなさそうであれば、①診断が間違っている、 ②外科的な処置が必要か、③抗菌薬が当たっていない の順に考える
#105.
#106.