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いつまで続ける?終末期の抗菌薬

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42,590

79

2020/3/31
2020/4/1 更新
友田 義崇

済生会福岡総合病院

いわゆる終末期の患者さんが発熱を来している時、感染症なのか疾患の自然経過なのか判断に悩むことは珍しくありません。また抗菌薬投与についても耐性菌や副作用の問題から安易な投与は避けるべきなのか、投与する基準をどうするのか、繰り返す感染症に対していつまで治療を行うのか、モヤモヤすることが多々あるでしょう。一緒にモヤモヤしつつ、その解決方法について探ってみたいと思います。


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いつまで続ける?終末期の抗菌薬

  1. ~第7回 救急×緩和ケアセミナー with Antaa~ いつまで続ける?終末期の抗菌薬 (ギリ) 済生会福岡総合病院 総合診療部 友田 義崇

  2. 友田 義崇 43, M MD, PhD H13 広島大学卒 総合診療 + 呼吸器内科 広島大学病院:呼吸器内科 吉島病院:呼吸器、結核 忠海病院:地域医療 東京大学:基礎研究 北九州総合病院:急性期医療 済生会福岡総合病院:総合診療 (板橋中央総合病院 4月~) 総合内科専門医 呼吸器指導医、呼吸器内視鏡指導医 ICD 暗算1級取得

  3. 救急×緩和ケアセミナー (飯塚病院、済生会福岡総合病院)

  4. 済生会福岡総合病院 総合診療部 スタッフ募集中!  中洲に徒歩5分

  5. Agenda 終末期における感染症治療はなぜ難しいのか? 終末期における感染症治療の考え方 (各段階別)

  6. 今回のGOAL 終末期の感染症に対して  “緩和ケアの顔”をもって診療できるようになる

  7. ICT ラウンドでよく遭遇した悩み 終末期膵臓がん・繰り返す胆管炎の抗菌薬 終末期肺癌による閉塞性肺炎の抗菌薬 誤嚥を繰り返す認知症患者の抗菌薬

  8. あなたならどうしますか? 80歳、男性 終末期肺癌患者、PS 4 癌による無気肺あり 推定予後は数日~週間 喀痰からはMRSA 2+ 10日前より38℃の発熱出現 メロペネムを7日間投与し解熱。 しかし3日後に再度発熱出現、 メロペネムを再開したが 発熱が持続している。

  9. A B C D 血液培養2セット 喀痰グラム染色 バンコマイシンに変更 お祈り

  10. A B C D 血液培養2セット 喀痰グラム染色 バンコマイシンに変更 お祈り 今日はこのような話ではありません!

  11. “感染症”といえば急性期の代表ですが・・ 終末期の場面ではどうしましょう?  感染症→ 急性期の顔

  12. “感染症”といえば急性期の代表ですが・・ 終末期の場面ではどうしましょう?  感染症→ 急性期の顔      +  終末期→ 緩和ケアの顔

  13. なぜ終末期感染症はモヤモヤするのか?

  14. でも現実は: 感染症なのでとりあえず漫然と抗菌薬を使用 ギャップ こうありたい: 終末期にふさわしい感染症治療を行いたい なぜ終末期感染症はモヤモヤするのか? ① ギャップ

  15. モヤモヤする 何が問題なのか・・ なぜ終末期感染症はモヤモヤするのか? ② うまく言語化できない

  16. なぜ終末期感染症はモヤモヤするのか? ③ 指標 (ガイドライン) がない

  17. (まとめ) なぜモヤモヤするのか? ① 理想と現実のギャップ ② 問題点がうまく言語化できていない ③ 参考にする指標がない

  18. ではどうすればよいのか? 段階別に終末期感染症を考えてみましょう。

  19. -

  20. それぞれの段階での問題点を 自分なりに認識する

  21. -

  22. -

  23. 終末期の感染症診断が難しい要因 1 症状 ①  感染症なのに熱がないことがある  (NSAIDs、ステロイド) 2 症状 ② 感染症ではないのに熱がでることがある 3 検査値  感染症ではないのにWBC, CRP上昇がありえる

  24. 終末期の感染症はコモン 50% 尿路 39% 呼吸器 36% 皮膚 12% 【頻度: 感染症】 Pereria J, et al. J Pain Symptom Manage 1998.

  25. 本当に感染症か? 33% 【頻度:非感染症】 E Toussaint, et al. Support Care Cancer 2006. 不明熱 30% 腫瘍熱 27% 薬剤熱 18% 術後熱 17% 血栓 8%

  26. 感染症確定診断:抗菌薬使用例の15% Albrecht JS, et al. J Pain Symptom Manage 2012 抗菌薬使用 感染症

  27. まとめ ① ・終末期の感染症はよくあるが、診断は難しい ・感染症以外で発熱を起こす場合もある  → 常に診断力は鍛えておく必要がある

  28. -

  29. どこまで検査するのか? 血液培養2セット? 吸引して喀痰培養? PCR? 培養検体提出率: 30% 喀痰培養提出率: 10% 安田俊太郎、ほか. 日本緩和医療薬学雑誌 2010

  30. 終末期と耐性菌 MRSA: ESBL産生菌: Prentice W, et al. Palliat Med 1998. 4~8% (ホスピス) 5% (緩和ケア病棟) Helde-Flankling M, et al. Cancer (Basel) 2016. 終末期の抗菌薬使用は耐性菌発生リスク (OR: 2.62) Levin PD, et al. Chest 2010. 多剤耐性緑膿菌、カルバペネム耐性腸内細菌:不明

  31. Prentice W, et al. Palliat Med 1998. 緩和ケア病棟において ・多剤耐性菌は介護者の悲しみ・落胆と関連 ・接触予防策は死別のプロセスを複雑化させる

  32. まとめ ② ・培養検査は侵襲を伴うことを忘れない ・終末期は耐性菌が検出されることも多い ・耐性菌による感染対策は患者/家族の負担になり得る

  33. -

  34. Do not hasten death. Do not prolong it needlessly. ~死期を早めてはならない、 不必要に死期を延ばしてはならない~ ドクターズルール 425 医師の心得集

  35. 何のために治療する?

  36. 何のために治療するのか? (終末期) 予後延長? 症状緩和?

  37. 抗菌薬は予後改善につながる? Macedo F, et al. Supportive Care in Cancer 2018 報告者によって様々

  38. 抗菌薬は予後改善につながる? 報告者によって様々 不変 改善

  39. 抗菌薬の反応性と予後 Thai V, et al. J Pain Symptom Manage 2012 反応不良 部分反応 反応良好 【日】 治療なし

  40. 抗菌薬は症状緩和につながる? Rosenberg JH, et al. J Palliat Med 2013 を改変. 報告者によって様々

  41. 抗菌薬は症状緩和につながる? White PH, et al. J Pain Symptom Magage 2003 を改変. 終末期がん患者 255名

  42. 抗菌薬は症状緩和につながる? White PH, et al. J Pain Symptom Magage 2003 を改変. 尿路感染は症状緩和が得られやすい傾向

  43. 抗菌薬のデメリット ・副作用/有害事象   アレルギー、薬疹、CD腸炎 ・投与経路の確保   静脈ルート確保による疼痛、静脈炎   血管外漏出   ルート保持の必要性 ・薬物相互作用   特にオピオイド、ステロイド 

  44. まとめ ③ ・終末期抗菌薬投与の目的を考える (予後改善、症状緩和) ・抗菌薬による反応が予後に影響する可能性がある ・感染部位によって症状緩和の割合に差がある ・抗菌薬投与のデメリットも考える

  45. -

  46. “抗がん剤”は躊躇するけど “抗菌薬”って躊躇しませんよね

  47. 亡くなる直前まで抗菌薬が 投与された割合は?

  48. 終末期の抗菌薬はやめにくい Vallard A, et al. Oncology 2019. 亡くなる直前まで抗菌薬が投与された割合 78%

  49. 終末期の抗菌薬はやめにくい Thompson AJ, et al. Am J Hosp Palliat Care 2012. 抗菌薬中止が検討されたのは 亡くなる1日前

  50. 抗菌薬ははじめやすく、やめにくい     やめることに医師も悩んでいる・・・ Stiel S, et al. Support Care Cancer 2012.

  51. まとめ ④ ・抗菌薬ははじめやすいがやめにくい ・亡くなる直前まで投与されることが多い ・抗菌薬中止については医師も悩んでいる

  52. ここまでのまとめ 終末期の感染症はコモンだが診断は難しい 耐性菌は患者家族の悲しみ・落胆と関連 抗菌薬が症状緩和につながるか不明 抗菌薬治療ははじめやすいが、やめにくい    と、自覚しておくことが大事

  53. では結局どうすればよいのか?

  54. Baghban A, et al. Infect Dis Clin N Am 2017.

  55. 治療ゴールの話し合い 生存期間延長 症状緩和 抗菌薬治療、評価 見込める 見込めない 抗菌薬治療 治療検査なし

  56. Time Limited Trial: お試し期間 Quill E, et al. JAMA 2011.  例:   末期心不全に対する人工呼吸  重症COPDに対するBiPAP  身体機能低下・腎不全に対する透析  :3~7日  :4~7日  :1~3か月  終末期患者に対する抗菌薬 :3~7日?

  57. Time Limited Trialに必要な要素

  58. モヤモヤへの対応 ① 理想と現実のギャップ  → 緩和ケアの顔を持つ   ② 問題点がうまく言語化できていない  → 段階別に問題点を認識しておく ③ 参考にする指標がない  → ゴール設定、time limited trial

  59. あなたならどうしますか? 80歳、男性 終末期肺癌患者、PS 4 癌による無気肺あり 推定予後は数日~週間 喀痰からはMRSA 2+ 10日前より38℃の発熱出現 メロペネムを7日間投与し解熱。 しかし3日後に再度発熱出現、 メロペネムを再開したが 発熱が持続している。

  60. 肺炎による発熱と思われた。 喀痰からのMRSAに対しては 標準予防策を行った。 症状緩和を治療のゴールとした。 数日のtime limited trialを行ったが 解熱せず、抗菌薬による症状緩和は 困難であると判断した。 本人・家族と相談し抗生剤投与は 中止し、解熱剤投与の方針とした。

  61. Take Home Message 終末期の感染症は診断に注意し 緩和ケアの顔を持ちながら、検査の侵襲・耐性菌に考慮し  治療のゴール・抗菌薬のメリットを考え治療を行いましょう

  62. yoshisoph@gmail.com

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