#4.
H.pylori 感染の検査は? 検査法 感度(%) 特異度(%) 尿素呼気試験 血清抗体測定 尿中抗体測定 便中抗原測定 97.7-100 88-100 85-96 96-100 97.9-100 50-100 79-90 97-100 非侵襲的,感度,特異度の面で尿素呼気試験,便中抗原測定が第一選択! 偽陰性となる場合もあり,必要に応じて複数の検査法を組み合わせる.
#5.
尿素呼気試験 尿素呼気試験の手順 ①検査薬の服用前に,呼気採取バッグに呼気を採取する. ②検査薬(ユービット錠)1錠を水100mlで服用する. ③5分間,左側臥位とする. ④15分座位とする. ⑤別の呼気バッグに再度呼気を採取する. 検査前日の21時以降の食事は禁止で当日は絶食.
#6.
H.pylori 除菌療法は? プロトンポンプ阻害薬(PPI)もしくはボノプラザン(P-CAB)+ アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)もしくは メトロニダゾール(MNZ)の3種類の薬剤を7日間投与する. ü 一次除菌には,ボノプラザンを用いたボノサップパック (P-CAB20mg+AMPC750mg+CAM200mg 1日2回 7日間) が最も用いられており, 除菌成功率は92.6%である. ü 二次除菌には,CAMをMNZに変更したボノピオンパック (P-CAB20mg+AMPC750mg+MNZ250mg 1日2回 7日間) が最も用いられており,除菌成功率は98.0%である.
#7.
H.pylori 除菌の注意事項は? ü 副作用として, 下痢,軟便(約10-20%),また味覚異常,舌炎,口内炎 (5-15%),皮疹(2-5%)などの報告がある. ü 喫煙は除菌率を低下させる報告があり,除菌治療中の禁煙が必要. ü MNZの服用中,腹痛,嘔吐が出現する場合があり,禁酒が必要. ü ペニシリンアレルギー患者には下記レジメンが推奨される. PPI/P-CAB+CAM200mg/400mg+MNZ250mg1日2回 7日間 ü 三次除菌以降は保険適応外であり,自費治療(約4-5万円)となる.
#8.
H.pylori 除菌判定は? ü 除菌判定には尿素呼気試験および便中抗原測定が有用 であるが,尿素呼気試験が用いられる機会が多い. ü 抗菌薬,PPI/P-CABはH.pylori に対する静菌作用を有し, 偽陰性となる場合があり,除菌判定前2週間は中止が必要. ü 偽陰性となる場合があり,除菌治療後4週以降に行う.
#9.
除菌による胃癌発生の抑制効果 ü H.pylori 未感染者に比べた現感染者の胃癌リスクは15倍 以上とされている. ü 除菌によりその後の胃癌の発生を約3分の1に抑制するこ とが出来るとの報告がある. ü 一方で,除菌後にも一定の確率で胃癌が発見される. =除菌後(発見)胃癌のリスクがある. 少なくとも,年1回の内視鏡による経過観察が必要である.
#10.
H.pylori 感染の診断/治療のフローチャート 上部消化管内視鏡検査 感染診断 H.pylori 陽性 H.pylori 陰性 一次除菌(7日間) 他のH.pylori 検査を検討 陰性 自然消退 除菌判定 陽性 二次除菌(7日間) 陰性 除菌成功 自然消退でも, 年1回の内視鏡検査は必要!
#11.
まとめ üH.pylori の感染,除菌判定には尿素呼気試験の信頼度 が高い. ü抗菌薬,PPI/P-CABは尿素呼気試験前に2週間の休薬 が必要 ü除菌後胃癌のリスクはあり,除菌後も定期的な内視鏡 でのフォローが必要である. 参考文献 H.pylori 感染の診断と治療のガイドライン,2016