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C. difficile感染症 Updates

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2022/3/15
番場祐基

新潟大学医歯学総合病院 高度救命災害治療センター

C(Clostridioides). difficile感染症(CDI)の検査と治療について、臨床検査技師向けに行った講演スライドの抜粋です。最近出た海外のガイドラインと比較しながら、本邦におけるCDI検査・治療の提案を(私見込みで)解説しました。嫌気性菌のプロではないので、間違いなどあればご指摘いただければ幸いです。


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C. difficile感染症 Updates

  1. Clostridioides difficle infection Updates 本邦および各施設の実情に合わせた診断・治療戦略を考える 新潟大学医歯学総合病院 高次救命災害治療センター/ 呼吸器・感染症内科 番場祐基

  2. 嫌気性菌 Anaerobes 2 総論から。。。

  3. 常在菌としての嫌気性菌 口腔内 消化管 膣粘膜 3 European Manual of Clinical Microboilogy 1st edition, ESCMID

  4. 嫌気性菌が関与する感染症はmajorではない 4 European Manual of Clinical Microboilogy 1st edition, ESCMIDより作図 膿瘍 術後感染症

  5. 5 Fusobacterium Porphyromonas Prevotella Actinomyces Bacteroides Clostridium(Clostridioides) 基本は 内因性感染 外因性感染がありうる

  6. 症候から Classification ガス壊疽 破傷風 食中毒 急性腸炎 C. perfringens, C. Septicum, C. novyi, (less) C. histolyticum, C. fallax C. tetani C. perfringens(type A, C)C. botulinum C(Clostridioides). difficile

  7. C.difficile 感染症(CDI) 2021年 ACG(米国消化器病学会) IDSA/SHEA(米国感染症学会/米国医療疫学学会) のガイドラインが改訂 ESCMID(欧州臨床微生物会議)の治療ガイドラインも改訂 Am J Gastroenterol 2021;116:1124–1147. Clin Infect Dis 2021;73(5):e1029-e1044. Clin Microbiol Infect 2021;27(2):S1-21.

  8. C.difficile 感染症(CDI) CDIの病態、病原性 疫学・リスク 診断 治療 感染対策

  9. CDのやっかいなところ 偏性嫌気性菌 分離・同定に嫌気培養が必要で、 すべての検査室・病院で実施できるわけではない 有芽胞菌 熱・消毒・抗菌薬に強い 環境中に長期に生存 アルコール消毒は無効 9

  10. 北米で最多、欧州でも増加傾向 binary toxin産生(後述) TcdC遺伝子欠損(ToxinA/Bの過剰産生) フルオロキノロン耐性(選択圧?) 重症化しやすい可能性 MNZが奏功しにくい?(後述) 10 N Engl J Med 2005; 353:2442-2449 Clin Microbiol Infect. 2019; 25: 474-480. BI/NAP1/027株(通称027株)

  11. CDIの病態 Virulence ・TcdB(TcdA) ・binary Toxin ・鞭毛 11 Nat Rev Microbiol. 2016; 14(10): 609–620. doi:10.1038/nrmicro.2016.108. 細胞の突起と 細胞表面へのフィブロネクチン送達を強化 細胞骨格 タイトジャンクションの破壊

  12. 12 腸管の正常細菌叢が乱れた状況下で 毒素産生性のC. difficileが感染・増殖し発症する 成因 抗菌薬下痢症の20-30% 入院患者の感染性下痢で最多 ほとんどの患者は2w以内に抗菌薬投与歴 疫学 高齢、入院期間、抗菌薬使用、PPI、化学療法 など 発症リスク 下痢(1日3行以上)、下腹部痛、発熱、食欲低下 症状 C. difficileassociateddiarrhea(CDAD) Clostridium difficile infection in the United States. NEJM, 2015.

  13. 13 合併症 抗菌薬 の使用 下痢 再発 白血球増多 発熱 使用から数日以内が最多 無症状〜劇症型まで様々 本症を疑う根拠の1つ 白血病以外でWBC>3万となる感染症はCDIと百日咳のみ 中毒性巨大結腸症 腸軸捻転、消化管穿孔 →致死的になりうる 20%で再発を認める 多くはないが、忘れがちな 「不明熱」の原因の1つ CDIの臨床像

  14. 抗生物質使用に関連するCDI 14 原因になりやすい ペニシリン系 セフェム(セファロスポリン)系 クリンダマイシン マクロライド系 テトラサイクリン系 ST合剤 従来、キノロン系抗菌薬はCDIを起こしにくいと考えられてきたが、近年キノロンに関連したCDIの報告は増加している また、027株などの強毒株はキノロンに耐性を持つものが多く、強毒株が選択されてしまう懸念がある 原因になりにくい メトロニダゾール 抗真菌薬 アミノグリコシド系 リファンピシン フルオロウラシル メトトレキサート ドキソルビシン シクロホスファミド 抗癌剤などは 腸管壊死により腸管の嫌気環境を生み、CDIを増加させる

  15. 抗菌薬使用に関連しないCDI 嘔吐のない下痢で救急外来を受診した患者の10%がCDI 典型的なリスクファクターを有さない症例でも6.9%がCDI 対策により、入院患者のCDIは減少している印象だが、外来診断例が増加傾向? 15 Ann Emerg Med, 2017

  16. 診断

  17. 診断法 17 ELISAやイムノクロマト法 比較的高感度だが、培養検査に比べると劣る トキシン検出 1 EIA法とラテックス凝集法 無毒株でも陽性となる 感度は他と比べるとやや低い(偽陰性) ディフィシル抗原検出(GDH) 2 トキシンB遺伝子の検出キット 感度・特異度共に高く、かつ簡便である 1回あたりのコストが高い 毒素遺伝子検査(NAAT) 3 選択培地に接種する 培養陽性だけでは毒素産生の有無は不明:追加検査 培養 4 培養細胞に試料を含む培養液を接種し、細胞毒性を判定する 感度は非常に高い 時間とコストがかかる 細胞培養検査 5 偽膜性腸炎の有無を観察する 便が得られないような患者でも診断できる 内視鏡 6

  18. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases 8th edition.

  19. ACG、IDSA/SHEAのガイドラインは ESCMIDガイドラインに準拠 19 Clinical Microbiology and Infection 22 (2016) S63eS81

  20. ACG、IDSA/SHEAのガイドラインは ESCMIDガイドラインに準拠 20 Clinical Microbiology and Infection 22 (2016) S63eS81 NAATが困難な場合

  21. では、本邦のガイドラインでは? Japan 21 ESCMID ACG IDSA/SHEA

  22. Clostridioides(Clostridium)difficile 感染症 診療ガイドライン 日本化学療法学会雑誌 Vol. 66 No. 6,2018 日本化学療法学会/日本感染症学会 22 ただし、 アウトブレイク時、好中球減少、移植後患者などでは NAAT、培養検査をより積極的に行う GDH/Toxin and 培養 and/or NAAT

  23. いつ、誰に検査を行うべきか 入院3日後以降の下痢症状 抗菌薬投与中、後の下痢 炎症性腸疾患患者の下痢 免疫抑制薬を投与中の患者の下痢・発熱 CDIリスクを有する高齢者の長引く下痢 熱源検索として 23 漏れがないように 院内ルール・アルゴリズム を作っておくと良い 典型例!

  24. 24 独特の臭気 「馬小屋のにおい」 「酸味と苦味の混ざったにおい」

  25. 最適な検査アルゴリズムは? 施設、患者情報によって異なる 25 最も感度/速度を上げる方法 培養提出 NAAT Toxin A/B 同時に提出 迅速検査陽性なら中止 迅速検査陰性かつ培養陽性ならToxin検査 いずれか陽性なら診断確定

  26. 最適な検査アルゴリズムは? 施設、患者情報によって異なる 26 培養はできるが、NAATは非導入⇨Three-steps GDH トキシン A/B 培養⇨毒素検査

  27. 最適な検査アルゴリズムは? 施設、患者情報によって異なる 27 培養もNAATも困難⇨Two-stepsGDH→Toxin(ただし必要に応じて繰り返す)Toxin検査反復で感度を向上できる可能性 Ann Intern Med ,1995 培養の場合もToxinも「CDIを強く疑っている」旨を きちんと検査室に届ける必要がある

  28. 免疫不全患者、移植患者などハイリスクかつ重症化リスクのある患者を診療する施設では NAAT(培養)は必須 28 どうしても導入困難なら、臨床診断するしかない…

  29. 29 CDI診断まとめ より高感度を目指すならNAATは必須 導入・運用コスト面からNAATが困難ならGDH・トキシン検査の繰り返しで補うことは可能 むしろ重要なのは「どうやってCDI疑い患者を拾い上げるか?」

  30. 重症度評価 治療選択に関わる…かも?

  31. 2017IDSA/SHEAガイドラインACGも追随 31 確固たるエビデンスはなく、 重症かどうかは 臨床医が判断して良い (待てるか、待てないか)

  32. 2021ESCMIDガイドラインほぼIDSA/SHEAと同じ 32

  33. 本邦には重症度分類はない 33 三鴨廣繁ほか. 嫌気性菌感染症誌 2017; 47:41-42. MN分類 検証は不十分

  34. 34 白血球数 腎機能障害 見た目の重症度

  35. 治療 35 各ガイドラインを比較する

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  38. 代表的な治療薬  38 安い(36円x6錠) 経口投与困難な場合、点滴も使用可能 蓄積による神経毒性(2回目は使用しない) メトロニダゾール(MNZ) 高い(2000円/瓶、ジェネリック900円/瓶) 効果はMNZ<VCM VCM パルス/漸減療法 苦い…(シロップを混ぜる) バンコマイシン(VCM) 高い!!(4000円/錠 1日2回) VCMと同等の治療成績 再発はVCMより少ない フィダキソマイシン(FDX) 基本は10日間(改善乏しければ14日まで) 抗トキシンB抗体(Bezlotoxumab , ジーンプラハ®️):330,500円!!!

  39. より重症である可能性(イレウス、偽膜性腸炎) Clin Infect Dis.2014; 58: 1394-400 Clin Infect Dis. 2015; 61: 233–241. MNZの場合、再発しやすい Clin Microbiol Infect. 2019; 25: 474-480. MNZ耐性 Diagn Microbiol Infect Dis. 2018; 91: 105-111. 39 027株について ただし、本邦では稀

  40. 実際のところ本邦での治療はどうするべきか? 初回・併存症少ない (待てる+再発リスク少ない) ⇨1st choice:MNZ 重症・併存症多い(待てない+再発リスク高い) ⇨1st choice:FDX(or VCM) 経口投与不可(イレウス) MNZ点滴±VCM注腸 <Evidence> 効果  MNZ<VCM<FDX 再発リスク  VCM>FDX 値段  MNZ≪VCM<FDX  再発した場合のコストまで含めると、VCM>FDX 40 糞便移植、Bezlotoxumabのハードルは高い…

  41. MNZ脳症 小脳症状、精神状態の変化、痙攣が代表的な症状 稀に末梢神経障害を来す 神経毒性は血中濃度ではなく、過剰な累積投与量が原因とされている。 発症まで中央値13日 41 Radiology. 2019; 293: 473-479 J Clin Neurosci. 2021;91:131-135. 腎障害など累積量が増える病態や 10日以上の投与、再投与に注意

  42. 腸管外CDI Extraintestinal CDI

  43. 43 Clinical Infectious Diseases 2013;57(6):e148–53 腸管外CDI(Extraintestinal CDI) 非常に稀(本文献ではCDIの0.17%) 菌血症、腹部など術後や創傷感染が多い(検体:血液、腹水、膿瘍、創部) 混合感染が多い 基礎疾患あり(死亡リスク)

  44. 44 腸管外CDI(Extraintestinal CDI) 腸管穿孔(外傷含む)による腹膜炎(従って、混合感染が多い) 腸管から血流感染(Crohn病など基礎疾患) 治療 Metronidazole Vancomycin 治療選択肢が少ないので できれば感受性まで検索できたほうが良い

  45. 45 CDI治療まとめ エビデンスから言えばFDXが最も手堅い(妊婦・周産期を除く) 027株が稀な本邦では、増悪・再発リスクの少ない症例ならMNZを第一選択として良い (個人的には、治療失敗が許されない/経口投与が困難な症例を除いて、第一選択はMNZ) 現時点でC. dfficileの感受性まで評価する必要性は乏しいが、治療選択肢が乏しい場合(特に無菌材料から得られた場合)には評価が必要かもしれない

  46. 院内感染対策

  47. 47 感染対策Bundle 接触感染対策 隔離 手洗い 環境清掃 無症候性キャリア

  48. 感染コントロール 48 接触予防策 手袋、エプロン 下痢が改善してから48時間まで 手袋を外した後に必ず手洗いを 隔離 疑ったらその時点で隔離(可及的速やかに、2時間以内と言われている) 個室が望ましい トイレを共有しない 病棟間の移動は避ける 手洗い アルコールは芽胞形成菌には効かない 石鹸と流水による手洗い 環境清掃 有効塩素濃度1000ppm(=0.1%)次亜塩素酸で細心の清掃と消毒を行う 特に患者周囲、芽胞が生じうる場所(流し、トイレ、便器、風呂など) 清掃用具は使い捨てか使用のたびに洗浄 無症候性キャリア 治療は不要だが、感染対策は同様 長期にわたり保菌状態が継続する可能性があり、退院・転院時の情報提供が必要

  49. 予防 49 不必要な広域抗菌薬の使用をさける、必要十分なPK/PD、投与期間 抗菌薬の適正使用 1 Evidence乏しいが、choosing wiselyの観点からも重要 不必要なPPIの中止 2 プロバイオティクスによる1次予防のEvidenceは乏しい VCM、FDXによる2次予防のevidenceは少しずつ蓄積(主に高リスク患者でDataあり。最近はVCM<FDX CID, 2019 etc) ジーンプラハ:高い!!! 糞便移植 予防投与 3

  50. CDI 気にしないと 見落とす ・ 拡散する CDIを意識し、常日頃から適切な抗菌薬使用を 疑ったら隔離と適切な検査 培養の連発は慎む 接触予防策の徹底

  51. 各ガイドラインの主な改訂ポイント 51 NAATの優先度が上昇 1 重症度判定がシンプルに 2 FDXのエビデンスが蓄積され、第一選択薬に 3

  52. 52 各々の施設の実情(検査体制・コスト・患者層)に合わせて検査アルゴリズムを見直してみてはいかがでしょう。 どの検査を選択するか以上に、誰に検査を行うかが大事です。 Blog: 内科医のジレンマ <https://viceversa888.exblog.jp/>

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