Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

ログイン

アプリだとスライドの中のお気に入りの1ページを保存できます

インストール

1/60

COVID-19の治療まとめ

  • 感染症科

  • 感染症
  • COVID-19
  • 治療薬
  • アビガン
  • ベクルリー
  • プラケニル
  • カレトラ
  • ストロメクトール
  • アクテムラ

40,063

24

2020/5/24
2020/8/18 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

COVID-19の治療についてのスライドです。下記のクリニカルクエスチョンについてエビデンスベースでまとめています。【1】・COVID-19に有効な治療薬はあるか?【2】ACE阻害薬/ARBは中止するべきか?【3】抗凝固療法は行うべきか? 岡山大学 原田洸先生と協力して作成しました。(2020年5月24日)

山田悠史

The Mount Sinai Hospital


山田悠史さんの他の投稿スライド

COVID-19の症状

#感染症 #新型コロナウイルス感染症 #COVID-19 #症状 #味覚障害 #嗅覚障害 #消化器症状

53

69,015

最終更新:2020年8月18日

COVID-19の血液検査

#感染症 #新型コロナウイルス感染症 #COVID-19 #D-dimer #トロポニンT #リンパ球減少 #血液検査

46

69,781

最終更新:2020年8月18日

COVID-19の予防薬・ワクチンまとめ

#ワクチン #予防 #新型コロナウイルス感染症 #COVID-19

16

17,462

最終更新:2020年8月18日

もっと見る



診療科ごとのスライド

内科(300)

消化器内科(48)

循環器内科(69)

呼吸器内科(69)

血液内科(29)

糖尿病内分泌代謝内科(41)

腎臓内科(23)

アレ膠リウマチ内科(24)

脳神経内科(86)

総合診療科(112)

救急科(314)

外科(29)

消化器外科(2)

呼吸器外科(1)

乳腺外科(0)

整形外科(73)

脳神経外科(13)

泌尿器科(21)

形成外科(15)

皮膚科(23)

眼科(17)

耳鼻咽喉科(12)

歯科口腔外科(8)

リハビリテーション科(7)

心臓血管外科(3)

小児科(37)

産婦人科(42)

精神科(57)

放射線科(44)

麻酔科(12)

緩和ケア科(20)

感染症科(173)

産業医(6)

初期研修医(258)

その他(260)


COVID-19の治療まとめ

  1. COVID-19の治療まとめ 2020年5月24日作成 (6月21日 一部修正) 原田 洸 / 山田 悠史

  2. 症例提示:70歳男性 発熱、咳嗽 ・高血圧でオルメサルタン内服中。 ・5日前から続く発熱、咳嗽、呼吸困難あり。 ・CTで両側のびまん性すりガラス影あり。 ・SARS-CoV2の鼻咽頭PCR検査が陽性であり COVID-19と診断。 ・患者の治療にはどの薬剤が有効だろうか? ※架空の症例です

  3. クリニカルクエスチョン ・COVID-19に有効な治療薬はあるか? ファビピラビル (アビガン®)、レムデシビル(ベクルリー®) ヒドロキシクロロキン(プラケニル®)、ロピナビル/リトナビル(カレトラ®) イベルメクチン(ストロメクトール®)、回復期血漿療法 トシリズマブ(アクテムラ®)、モノクローナル抗体 ・ACE阻害薬/ARBは中止するべきか? ・抗凝固療法は行うべきか?

  4. COVID-19に有効な治療薬はあるか?

  5. クリニカルクエスチョン ・COVID-19には有効な治療薬はあるか? ファビピラビル (アビガン®)、レムデシビル(ベクルリー®) ヒドロキシクロロキン(プラケニル®)、ロピナビル/リトナビル(カレトラ®) イベルメクチン(ストロメクトール®)、回復期血漿療法 トシリズマブ(アクテムラ®)、モノクローナル抗体 ACE-I/ARBは中止するべきか? 凝固異常の対応・抗凝固療法はどうするべきか?

  6. ファビピラビル (アビガン®) ・富士フイルム富山化学が開発し、2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。 ・COVID-19に関する使用は、1日目に3600mg/日、2日目以降は1600mg/日を10日間、最長14日間投与する。

  7. ファビピラビル (アビガン®) ① Favipiravir versus Arbidol for COVID-19: A Randomized Clinical Trial https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.17.20037432v3

  8. ファビピラビル (アビガン®) ① ・中国 武漢で中等症~重症のCOVID-19患者 240名を対象とした 多施設非盲検ランダム化比較試験。査読前論文。 ・116人の患者にファビピラビル、別の120人には アルビドールを投与し、7日目での臨床的改善の割合を比較した。 ・臨床的改善:腋窩温≦36.6℃、呼吸回数≦24回/分 酸素吸入なしでSpO2≧98%、軽度咳嗽 or 咳嗽なし。 Favipiravir versus Arbidol for COVID-19: A Randomized Clinical Trial https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.17.20037432v3

  9. ファビピラビル (アビガン®) ① Favipiravir versus Arbidol for COVID-19: A Randomized Clinical Trial https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.17.20037432v3 ・中等症患者群では統計学的に有意な臨床的改善がみられたが、 重症を含めた全体では、有意な差はみられなかった。

  10. ファビピラビル (アビガン®) ② Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809920300631 ※本論文は、2020年4月8日に一時撤回の状態になっていたが、4月16日に差替え版が再掲載され、再び閲覧可能になっている。

  11. ファビピラビル (アビガン®) ② ・COVID-19患者 80人を対象にした非ランダム化比較試験。 ・ファビピラビル(アビガン®)投与の35人の患者と ロピナビル/リトナビル(カレトラ®)投与の45人の患者の 胸部CT所見、ウイルスの消失率などを2群間で比較した。 ・ベースラインの特徴はすべて両群間で同等であった。 Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809920300631

  12. ウイルスの消失率 ・アビガン® 4日 (IQR: 2.5-9日) ・カレトラ® 11日(IQR: 8-13日) ファビピラビル群の方が有意に短かかった。 アビガン® カレトラ® Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809920300631

  13. 胸部CTの改善率 ・14日目でのCT所見の改善率は、アビガン®投与群で 有意に高かった (p=0.004)。 ・「非ランダム化比較試験」という研究デザインに  起因する研究限界が存在する。 Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809920300631

  14. ファビピラビル (アビガン®)の副作用 ・催奇形性 妊婦や妊娠する可能性のある女性には禁忌。男女ともに投与期間中~投与終了後10日間は有効な避妊を行う。 ・高尿酸血症 (4.8%)、下痢 (4.8%)、好中球減少 (1.8%) ・肝機能障害: AST上昇 (1.8%)、ALT上昇 (1.6%)

  15. ファビピラビル (アビガン®)のまとめ ・ファビピラビルの有効性を示す、十分信頼できる 臨床試験の結果はまだ存在しない。 ・藤田医科大学を代表研究機関として全国の医療機関が参加する 多施設非盲検ランダム化臨床試験をはじめ 国内での臨床試験、治験が進行中である。

  16. レムデシビル(ベクルリー®) ・エボラ出血熱の治療薬として 開発されていた抗ウイルス薬。 ・細胞内で代謝された後、ウイルスの RNAポリメラーゼを阻害することで SARS-CoV-2の増殖を抑制すると考えられている。 ・2020年5月7日に日本での使用が特例承認された。

  17. レムデシビル(ベクルリー®) ① Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trialhttps://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31022-9

  18. レムデシビル(ベクルリー®) ① ・中国 武漢で、COVID-19で 入院した患者 237名を対象とし レムデシビル群とプラセボ群に 割り付けを行った 二重盲検ランダム化比較試験。 ・累積改善率は有意差なし。 Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trialhttps://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31022-9

  19. レムデシビル(ベクルリー®) ① ・症例登録数が予定よりも少なかったため パワー不足であった可能性が残る。 Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trialhttps://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31022-9

  20. レムデシビル(ベクルリー®) ② Remdesivir for the Treatment of Covid-19 — Preliminary Reporthttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007764 この論文は取り下げになりました

  21. レムデシビル(ベクルリー®) ② ・COVID-19 で下気道病変を認めた成人患者を対象にした レムデシビル静注の二重盲検無作為化プラセボ対照試験。 ・患者1063人が無作為化された。 ・データ入手が可能な1059人 を解析 レムデシビル(538人)、プラセボ(521人)。 Remdesivir for the Treatment of Covid-19 — Preliminary Reporthttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007764 この論文は取り下げになりました

  22. レムデシビル(ベクルリー®) ② 11日 15日 7.1% 11.9% 回復までの日数 (中央値) p<0.001 Remdesivir for the Treatment of Covid-19 — Preliminary Reporthttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007764 レムデシビル プラセボ 7.1% 11.9% 14日までの死亡率の Kaplan-Meier推定値 HR: 0.70、95% CI: 0.47~1.04 レムデシビル投与群で 回復までの期間が有意に短い 死亡率は統計学的な有意差なし この論文は取り下げになりました

  23. レムデシビル(ベクルリー®)の副作用 ・肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く 重篤な副作用として多臓器不全、敗血症性ショック、 急性腎障害、低血圧が報告されている。 ・急性腎障害、肝機能障害があらわれることがあるので 投与前および投与中は毎日腎機能・肝機能検査を行い 患者の状態を十分に観察する。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き 第2版より

  24. レムデシビル(ベクルリー®)のまとめ ・レムデシビルの投与により回復までの 日数が短くなるというランダム化比較試験の報告があるが 死亡率の低下を示す臨床試験結果の報告はまだない。 ・投与する際は腎障害、肝障害に注意する。

  25. ヒドロキシクロロキン(プラケニル®) ① Observational Study of Hydroxychloroquine in Hospitalized Patients with Covid-19https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2012410

  26. ・NY市で1,446人のCOVID-19患者を対象に した観察研究。 ・生存時間解析における挿管率、 死亡率の複合エンドポイントを評価。 ・挿管が180 人、うち66 人が死亡。 ・ヒドロキシクロロキンの使用と 挿管の回避率や死亡率の低下とに 有意な相関は認めず。 Observational Study of Hydroxychloroquine in Hospitalized Patients with Covid-19https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2012410 ヒドロキシクロロキン(プラケニル®) ①

  27. ヒドロキシクロロキン(プラケニル®) ② Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6 この論文は取り下げになりました

  28. ・診断後48時間以内に、COVID-19の治療にヒドロキシクロロキン またはクロロキンを使用した症例の多国間レジストリの観察研究。 ・96,032人が基準を満たし、そのうち14,888人の患者が治療群 (クロロキン: 1,868人、マクロライド+クロロキン: 3783人、ヒドロキシクロロキン: 3,016人  マクロライド+ヒドロキシクロロキン: 6,221人)で 81,144人がコントロール群に属していた。 ・10,698 例(11.1%)の患者が入院中に死亡した。 ヒドロキシクロロキン(プラケニル®) ② Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6 この論文は取り下げになりました

  29. クロロキン ヒドロキシクロロキン クロロキン+マクロライド ヒドロキシクロロキン+マクロライド 死亡リスク低下 死亡リスク上昇 ・クロロキンやヒドロキシクロロキンの使用は 院内生存率低下と心室性不整脈の増加と関連していた。 ・これらの薬剤の使用による有益性は確認できなかった。 ヒドロキシクロロキン(プラケニル®) ② Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6 この論文は取り下げになりました

  30. ロピナビル/リトナビル(カレトラ®) A Trial of Lopinavir–Ritonavir in Adults Hospitalized with Severe Covid-19 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282

  31. ロピナビル/リトナビル(カレトラ®) ・COVID-19患者199人を カレトラ®群(99人)と 標準治療群(100人)に 割り付けた無作為化比較非盲検試験。 ・両群間で臨床的改善が 得られるまでの期間に差はなかった。 A Trial of Lopinavir–Ritonavir in Adults Hospitalized with Severe Covid-19 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282

  32. イベルメクチン(ストロメクトール®) Usefulness of Ivermectin in COVID-19 Illness https://ssrn.com/abstract=3580524 ※プレプリント論文 この論文は取り下げになりました

  33. ・国際多施設共同医療データベースを用いて  イベルメクチン投与群と 非投与群それぞれ704名を比較した 傾向スコアマッチ症例対照研究。 ・総死亡率はイベルメクチン投与群の方が 低かった。 ・ランダム化比較試験の結果が待たれている。 イベルメクチン(ストロメクトール®) Usefulness of Ivermectin in COVID-19 Illness https://ssrn.com/abstract=3580524 この論文は取り下げになりました

  34. 回復期血漿療法 Effectiveness of convalescent plasma therapy in severe COVID-19 patientshttps://www.pnas.org/content/117/17/9490.long

  35. 回復期血漿療法 ・中国武漢市の3病院で、COVID-19の重症例 10例を対象とし 回復期血漿療法を行った。 ・安全性や臨床症状の改善を評価し、治療の妥当性を検討。 ・臨床症状は3日以内に急速に改善し、肺野のCT画像所見は 7日以内に全ての患者で改善がみられた。 ・重篤な有害事象なし。RCTの結果が待たれている。 Effectiveness of convalescent plasma therapy in severe COVID-19 patientshttps://www.pnas.org/content/117/17/9490.long

  36. トシリズマブ(アクテムラ®) Effective Treatment of Severe COVID-19 Patients With Tocilizumab https://www.pnas.org/content/117/20/10970

  37. トシリズマブ(アクテムラ®) ・中国でのケースシリーズ。 ・重症COVID-19の患者21名にトシリズマブを単回投与した。 ・90.5%でCT所見の改善、75%で呼吸器治療の減少がみられ 発熱患者は全員24時間以内に解熱した。 ・ランダム化比較試験や観察研究が進行中。 Effective Treatment of Severe COVID-19 Patients With Tocilizumab https://www.pnas.org/content/117/20/10970

  38. モノクローナル抗体 A human monoclonal antibody blocking SARS-CoV-2 infection https://www.nature.com/articles/s41467-020-16256-y

  39. モノクローナル抗体 ・まだin vitroの段階だが SARS-CoV-2の中和抗体の モノクローナル抗体が開発され、  有効性が示唆されている。 ・First-in-human試験が 計画されている。 A human monoclonal antibody blocking SARS-CoV-2 infection https://www.nature.com/articles/s41467-020-16256-y

  40. 治療薬のまとめ RCTで死亡率改善を認めた薬剤はなく、多くの薬剤でRCTの結果待ち。 大雑把にまとめると ファビピラビル (アビガン®) :RCT(vs アルビドール)で中等症の症状改善 レムデシビル(ベクルリー®) :RCT (vs プラセボ)で回復期間を短縮 ヒドロキシクロロキン(プラケニル® ) :大規模観察研究で利益なし ロピナビル/リトナビル(カレトラ®) :RCTで利益なし イベルメクチン(ストロメクトール®) :観察研究で死亡率改善             回復期血漿療法:小規模の観察研究で症状改善              トシリズマブ(アクテムラ®):小規模の観察研究で症状改善           モノクローナル抗体:in vitroの研究で有効性示唆

  41. 症例の続き:70歳男性 COVID-19 ・高血圧でオルメサルタン内服中。 ・PCR陽性であり、COVID-19と診断。 ・ARBであるオルメサルタンは 中止するべきだろうか?

  42. ACE阻害薬/ARBは中止するべきか?

  43. ACE阻害薬/ARB問題の背景 ・COVID-19は細胞表面のACE2を 介して感染することが知られている。 ACE阻害薬/ARBによってACE2の発現が増加するという動物実験の報告があるため、当初からこれらの薬剤の使用を懸念する声が上がっていた。

  44. ACE阻害薬/ARBは? ① Renin-Angiotensin-Aldosterone System Blockers and the Risk of Covid-19. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2006923

  45. ACE阻害薬/ARBは? ① ・イタリアで行われた住民ベースの症例対照試験。 ・SARS-CoV-2の感染者6,272人と非感染者30,759人を対象に 年齢、性別、居住地でマッチさせて調査を行った。 ・感染者は対照群に比べてARB(22.2% vs 19.2%)や ACE阻害薬(23.9% vs 21.4%)の使用頻度が高かったが 多変量調整後、これらの薬剤はCOVID-19の感染と関連性は みられず、重症化や死亡とも関連していなかった。 Renin-Angiotensin-Aldosterone System Blockers and the Risk of Covid-19. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2006923

  46. ACE阻害薬/ARBは? ② Cardiovascular Disease, Drug Therapy, and Mortality in Covid-19 https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2007621

  47. ACE阻害薬/ARBは? ② ・COVID-19で入院した8,910人の国際データベースを使用し 心血管疾患との関連を調査。 ・多変量モデルでは、院内死亡リスクの上昇は65歳以上、 冠動脈疾患、うっ血性心不全、不整脈、COPD、 現在の喫煙と関連していた。 ・ACE阻害薬やARBの使用は院内死亡リスクの上昇と 関連はみられなかった。 Cardiovascular Disease, Drug Therapy, and Mortality in Covid-19 https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2007621

  48. ガイドラインでは 米国:HFSA/ACC/AHA心不全や高血圧など効果が証明されている適応症に対して、ACE阻害薬やARBの継続投与を推奨。https://professional.heart.org/professional/ScienceNews/UCM_505836_HFSAACCAHA-statement-addresses-concerns-re-using-RAAS-antagonists-in-COVID-19.jsp 欧州:ESCCOVID-19感染によりACE阻害薬やARBを中断するべき根拠はなく、従来の降圧薬治療を継続することを強く推奨。https://www.escardio.org/Education/COVID-19-and-Cardiology/ESC-COVID-19-Guidance

  49. ACE阻害薬/ARBのまとめ ・ACE阻害薬/ARBの使用と、COVID-19の感染リスク上昇や 死亡率上昇との関連を示す報告はない。 ・もともとACE阻害薬/ARBを内服していた患者は、 内服を継続するべきである。

  50. 症例の続き:70歳男性 COVID-19 ・高血圧でオルメサルタン内服中。 ・PCR陽性であり、COVID-19と診断。 ・D-dimer: 10.0 μg/mLと上昇あり。 ・下腿浮腫などDVTを疑う所見なし。 ・抗凝固療法は行うべきか?

  51. 抗凝固療法は行うべきか?

  52. 抗凝固療法 ・COVID-19 では、特有の内皮障害や敗血症、低酸素による 内皮傷害により血栓症が高頻度に発症するとされる。 ・フィブリノゲンの異常高値を示す例もあり これも発症に寄与する。 ・欧米では、ICU においてヘパリンの予防投与下でも  VTE の発症率が約20%という頻度も示されている。 新型コロナウイルス感染による血栓症発症リスク増大の警鐘http://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/20200513_2.pdf

  53. Association of Treatment Dose Anticoagulation with In-Hospital Survival Among Hospitalized Patients with COVID-19 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109720352189 抗凝固療法

  54. 抗凝固療法 (抗凝固あり vs 抗凝固なし) NYの大学関連病院にCOVID-19の診断で入院した2773名の観察研究。 特に人工呼吸を受けた患者で、院内死亡率の低下と関連。(29.1% vs 62.7%) 出血事象は3% vs 1.9%。 観察研究としての限界あり。 Association of Treatment Dose Anticoagulation with In-Hospital Survival Among Hospitalized Patients with COVID-19 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109720352189

  55. 抗凝固療法:軽症患者 ・国際血栓止血学会D-dimerが正常上限の3-4倍高値であれば無症状でも入院。低分子量ヘパリンの予防投与を推奨。 ・日本血栓止血学会D-dimer上昇等の血栓症の所見がある場合、抗凝固薬使用による血栓症予防療法を考慮。その他は弾性ストッキング、運動など一般的なDVT予防を。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jth.14810 http://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/20200513_2.pdf

  56. 抗凝固療法:中等症患者 (酸素療法を要する) ・国際血栓止血学会 禁忌がなければ早期の低分子量ヘパリンの予防投与を推奨。 ・日本血栓止血学会 COVID-19が血栓症発症の重要なリスクであることを考慮し 臨床症状、D-dimer、フィブリノゲン、血小板数を考慮して 抗凝固療法を実施する。 http://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/20200513_2.pdf https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jth.14810

  57. 抗凝固療法:重症患者 (人工呼吸器やECMO) ・国際血栓止血学会出血リスクを勘案した上で低分子量あるいは未分画ヘパリンの治療量による抗凝固療法を推奨。 ・日本血栓止血学会臨床症状、D-dimer、フィブリノゲン、血小板数を考慮した上で、抗凝固療法を実施することを推奨。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jth.14810 http://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/20200513_2.pdf

  58. 抗凝固療法のまとめ ・COVID-19は血栓症発症の重要なリスクであり、 VTEの発症が多いことに注意する。 ・一般的なDVT予防を忘れずに行う。 ・臨床症状、D-dimer、フィブリノーゲン、血小板などを みながら、積極的に抗凝固療法を行う。

  59. 症例の転帰:70歳男性 COVID-19 ・治療薬はICTと相談し、治験に則って行う方針に。 ・オルメサルタン(ARB)は継続した。 ・DVT予防のためのヘパリン皮下注射を開始。 ・経過に応じて治療量の抗凝固療法を 検討する方針となった。

  60. COVID-19 治療のまとめ ・確立した有効な治療薬はない。 (レムデシビルで回復までの期間が短くなるかも) ・ACE阻害薬/ARBは他に理由がなければ 使用を控える必要はない。 ・血栓リスクが高いためDVT予防を忘れずに。

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.