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苦手克服!潰瘍性大腸炎 基礎編

投稿者プロフィール
くるとん@消化器内科

総合病院

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195

概要

潰瘍性大腸炎の概要、注意点、治療方法についてまとめたスライドです。適応となる薬物療法、生物学的製剤や内科治療の知識の整理にも役立ちましたら幸いです。

◎目次

・潰瘍性大腸炎とは?

・潰瘍性大腸炎の疫学

・潰瘍性大腸炎の症状

・潰瘍性大腸炎の合併症

・潰瘍性大腸炎の分類

・5-ASA製剤-メサラジン製剤

・副腎皮質ステロイド

・免疫調節薬

・免疫抑制剤

・抗TNF-α抗体製剤

・抗IL12/23抗体製剤

・抗α4インテグリン抗体製剤

・ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

・血球成分除去療法

・内科治療のまとめ

・手術療法

・食事療法

・潰瘍性大腸炎関連癌

・Take Home Message

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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テキスト全文

潰瘍性大腸炎の基礎知識と原因

#1.

苦⼿克服︕潰瘍性⼤腸炎 基礎編 くるとん@消化器内科 twitter︓@Dr_Claude_Japan

#2.

潰瘍性⼤腸炎とは︖ ü ⼤腸の粘膜に炎症が起こり,びらんや潰瘍などを⽣じる 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease︓ IBD)と呼ばれる疾患の⼀つである ü 病変部は⼤腸に限局し,通常直腸から⼝側に連続性に 広がっていくことが特徴である

#3.

潰瘍性⼤腸炎とは︖ 現時点では,潰瘍性⼤腸炎の原因は解明されていない ただし①遺伝的要因, ②⾷事や化学物質などの環境因⼦, ③腸内細菌,④免疫異常などの要因が重なり合って発症する と考えられている →現時点では完治する治療法はなく,規則正しい⽣活習慣 と薬物療法などにより寛解維持を⾏うことが治療⽬標

潰瘍性大腸炎の疫学と症状

#4.

潰瘍性⼤腸炎の疫学 厚⽣労働省によって難病(特定疾患)に指定されており, 認定患者には「医療受給者証」が交付されている 交付件数は年々増加し続けており,毎年10000-15000⼈ ずつ増加している 男⼥差はなく,発症年齢は20-30歳代に多く認める また癌を併発した場合などを除いて,⽣存率は罹患していない 患者と⽐較して変わりない

#5.

潰瘍性⼤腸炎の症状 ü 腹痛の他,ゼリー状の粘液便,下痢を認めるが,粘液量が 増加し⾎液が混じったり(粘⾎便),⾎便が⽣じる ü 症状が更に増悪すると,1⽇10回以上⾎便や発熱,体重減 少などを来す ü その他貧⾎,倦怠感,肛⾨痛などの症状や合併症を⽣じる 場合がある

#6.

潰瘍性⼤腸炎の合併症 合併症には,腸管に⽣じる「腸管合併症」と腸管以外に⽣ じる「腸管外合併症」がある 腸管合併症 出⾎,狭窄,中毒性巨⼤結腸症,癌など 腸管外合併症 虹彩炎,結膜炎,⼝内炎 原発性硬化性胆管炎,胆⽯,膵炎,腎炎 関節炎,結節性紅斑,壊疽性膿⽪症

潰瘍性大腸炎の分類と病期

#7.

潰瘍性⼤腸炎の分類 症状の程度や炎症の範囲などによって,いくつかに分類される 病変範囲による分類 直腸から連続する炎症の範囲により, 「直腸炎型」 「左側⼤腸炎型」(脾彎曲部付近まで) 「全⼤腸炎型」に分類される

#8.

潰瘍性⼤腸炎の分類 重症度による分類 軽症 中等症 重症 排便回数 4回以下 6回以上 顕⾎便 (+)〜(―) (+++) 発熱 (―) 頻脈 (―) 90/分以上 貧⾎ (―) Hb10g/dL 以下 ⾚沈 正常 30mm/h以上 重症と軽症との間 37.5℃以上 軽症︓上記の6項⽬をすべて満たすもの 中等症︓重症と軽症の中間にあたるもの 重症︓1)および2)のほか,3)または4)のいずれかを満たし,かつ6項⽬のうち4項⽬以上を満たすもの

#9.

潰瘍性⼤腸炎の分類 病期による分類 活動期 症状があり, ⼤腸粘膜にびらんや潰瘍を認める状態 寛解期 症状が消失し,内視鏡的にもびらんや潰瘍が消失して, ⾎管透⾒像が出現した状態 主に,病変範囲,重症度分類を⽤いて治療⽅針を検討する

潰瘍性大腸炎の治療法の概要

#10.

潰瘍性⼤腸炎の治療

#11.

薬物療法

#12.

5-ASA製剤-メサラジン製剤 5-ASA(5-アミノサリチル酸) は1940年代から⽤いられており, 炎症性腸疾患(IBD)治療薬の中で最も歴史の古い薬剤である 活性酸素の除去作⽤やロイコトリエンの産⽣を抑制することで, 炎症を抑制する作⽤を有する 投与⽅法は経⼝・注腸・坐剤と様々であり,軽症〜中等症の潰 瘍性⼤腸炎では50-80%の症例で本剤のみで寛解導⼊が可 能であり,IBD治療のキードラッグである

薬物療法の詳細と効果

#13.

5-ASA製剤-メサラジン製剤 ①ペンタサ 時間依存型と呼ばれ,⼩腸で徐々に吸収される クローン病にも適応がある ②アサコール pH依存型(pHの低い胃では溶解されない)の被膜でコーティング された錠剤で,回腸末端から⼤腸にわたって徐々に溶解し⼤腸 に到達してから5-ASAが放出される ③リアルダ メサラジン含有量が最も多く,1⽇1回の投与が可能

#14.

副腎⽪質ステロイド ロイコトリエンやプロスタグランジンの産⽣を抑制することで炎症を抑 制する作⽤を有する 即効性があり,5-ASA製剤でコントロールできない中等症〜重症 の寛解導⼊に使⽤される ステロイド依存例(減量に伴い症状が増悪する),ステロイド抵抗例 (1週間投与しても改善なし)場合には他の治療法を検討する 寛解維持効果もなく,漫然と投与しない

#15.

免疫調節薬 ⼀般名 アザチオプリン 商品名 イムラン *6-メルカプトプリン(商品名 ロイケリン)のプロドラッグ 潰瘍性⼤腸炎で⽣じている過剰な免疫反応を調節する ステロイドの減量や中⽌を⾏うために,中等症または重症の患者 の寛解維持⽬的で使⽤される 有⽤性は⾼いが,効果発現は緩徐であり副作⽤に注意が必要

免疫抑制剤と生物学的製剤

#16.

免疫抑制剤 ⼀般名 タクロリムス 商品名 プログラフ ステロイドで効果が得られない中等症または重症の患者の寛解 維持⽬的で使⽤される経⼝剤 カルシニューリンというT細胞の活動の制御に重要な酵素を阻害 し,インターロイキン(IL-2)を産⽣する遺伝⼦の転写を抑制するこ とで免疫抑制効果が発揮される

#17.

⽣物学的製剤

#18.

抗TNF-α抗体製剤 潰瘍性⼤腸炎で⽣じている過剰な免疫反応を調節する ステロイドの減量や中⽌を⾏うために,中等症または重症の患者 の寛解維持⽬的で使⽤される 有⽤性は⾼いが,効果発現は緩徐であり副作⽤に注意が必要

抗体製剤の種類と特徴

#19.

抗TNF-α抗体製剤 ①⼀般名 インフリキシマブ 商品名 レミケード 世界初の抗TNF-α抗体製剤 点滴薬 マウス蛋⽩を含むキメラ型の抗体であり,アレルギー反応や⻑期 使⽤での効果減弱が⽣じやすい ②⼀般名 アダリムマブ 商品名 ヒュミラ 完全ヒト型の抗体 ⾃⼰での⽪下注射可能 ③⼀般名 ゴリムマブ 商品名 シンポニー 完全ヒト型の抗体 ⽪下注射 (医師の妥当と判断すれば⾃⼰注射可能)

#20.

抗IL12/23抗体製剤 ⼀般名 ウステキヌマブ 商品名 ステラーラ 過剰な免疫反応を引き起こすサイトカインであるIL(インターロイ キン)12とIL23の作⽤を阻害する 既存治療で効果不⼗分な中等症または重症の患者の 寛解導⼊と寛解維持に⽤いられる 寛解導⼊のみ点滴投与で,維持療法では⽪下注射を⾏う

#21.

抗α4インテグリン抗体製剤 ⼀般名 ベドリズマブ 商品名 エンタイビオ 炎症の要因となるTリンパ球の表⾯に⽣じ,Tリンパ球の⼤腸組 織への移動に関与しているα4β7インテグリンの作⽤を阻害する 既存治療で効果不⼗分な中等症または重症の患者の 寛解導⼊と寛解維持に⽤いられる 抗TNF-α抗体製剤,JAK阻害剤と異なり,腸管選択性が⾼い

新しい治療法と血球成分除去療法

#22.

抗α4インテグリン抗体製剤 ⼀般名 カロテグラストメチル 商品名 カログラ エンタイビオが阻害するα4β7インテグリンだけでなく, α4β1インテ グリンにも作⽤する 経⼝投与可能な抗α4インテグリン抗体製剤 症状の激しくないステロイド依存例, 5-ASA不耐例がターゲット 進⾏性多巣性⽩質脳症のリスクがあり,投与期間は6ヶ⽉以内 で維持療法には使⽤できない

#23.

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤 ⼀般名 トファシチニブ 商品名 ゼルヤンツ JAKは炎症性サイトカインによる刺激が細胞内に伝達される際に 関与する酵素で,JAK阻害剤はこの作⽤を阻害する 既存治療で効果不⼗分な中等症または重症の患者の 寛解導⼊と寛解維持に⽤いられる 経⼝薬であることが最⼤の特徴

#24.

⾎球成分除去療法 潰瘍性⼤腸炎の患者の⼤腸の粘膜では⾎球成分の⼀つであ る⽩⾎球が過剰に活性化し,炎症の増悪や持続に関与している ⾎球成分除去療法(cytapheresis︓CAP)は⾎液中から ⽩⾎球と共に⾎⼩板を除去するLCAPと 単球,顆粒球を選択的に除去するGCAPに分類される 治療時間は約60分で,10回or11回施⾏出来る 副作⽤が少なく,⾼齢者にも使⽤でき他の治療法と併⽤する ただし効果は緩徐であり,効果発現まで時間を要する

内科治療と手術療法のまとめ

#25.

内科治療のまとめ 軽症 寛 解 導 ⼊ 寛 解 維 持 中等症 重症 5ASA製剤 ステロイド依存例 ステロイド抵抗例 (難治例) ステロイド ⾎球成分除去療法 ⽣物学的製剤 タクロリムス・シクロスポリン* 5ASA製剤 ステロイド依存例 ステロイド抵抗例 (難治例) 免疫調節薬 ⽣物学的製剤 *保険適応外

#26.

⼿術療法 絶対的⼿術適応 ü ⼤腸穿孔,⼤量出⾎,中毒性巨⼤結腸症 ü 重症型,劇症型で内科治療が無効な例 ü ⼤腸癌およびhigh grade dysplasia 相対的⼿術適応 ü 腸管外合併症︓保存的治療に抵抗する壊疽性膿⽪症など ü ⼩児の成⻑障害 ü ⼤腸合併症(狭窄,瘻孔など)

#27.

⾷事療法 寛解期 暴飲暴⾷を避ければ,⾷事制限は特に必要ない 活動期 ⾼エネルギー⾷(⽩⽶,うどん,お粥など) 鶏⾁,⼤⾖⾷品,卵,⽩⾝の⿂などのタンパク質が 良いと考えられている 乳製品や菓⼦類などの⾼脂肪⾷は下痢を起こしやすく, 出来るだけ避けた⽅がよい

潰瘍性大腸炎関連癌と注意点

#28.

潰瘍性⼤腸炎関連癌 潰瘍性⼤腸炎の10年以上の⻑期経過例では,⼤腸癌の発⽣を 認めることが少なくなく、定期的な内視鏡検査が必要である. リスク因⼦として以下の患者は注意が必要 ü 若年発症(40-50歳)︓罹患期間が⻑い ü 病変範囲の広さ︓全⼤腸炎型>左側⼤腸炎型>直腸炎型 ü ⼤腸癌の家族歴 ü 原発性硬化性胆管炎の合併

#29.

Take Home Message ü ⼤腸癌の罹患リスクがあり,定期的な内視鏡検査を⾏おう︕ ü ステロイドは寛解維持効果もなく,漫然と使⽤しない︕ ü ⾎球成分除去療法は安全で副作⽤が少なく,⾼齢者にも使⽤ できる

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