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キズの呼び方

  • 救急科

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  • 創傷

32,940

118

2021/2/12
2021/2/13 更新

本スライドの対象者

研修医

内容

患者さんの「ケガ」、適切な名称でカルテ記載していますか?

「転んで頭を『切った』」と言ったので「切創」?

「挫創」と「挫傷」の違いは?

実は大学時代に習っています・・・「法医学」で!

中村磨美

滋賀医科大学


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キズの呼び方

  1. キズの呼び方 滋賀医科大学法医学 中村磨美

  2. はじめに 創傷の呼び方、カルテへの記載、ちゃんとできていますか? 「転倒してアスファルトの路面で額を切った」       ⇒「『切った』と言ってるんだから『切創』でしょ?」 違います

  3. 「傷の呼び方なんて、大学では外科でも救急でも教わったことない・・・」 ⇒実は、ちゃんと大学の授業でやってます 法医学で

  4. 今回の参考書籍

  5. 「創」と「傷」の違い 一般的に法医では 皮膚の損傷を「創」 皮下の組織損傷を「傷」 と使い分けている (「脳挫傷」「筋挫傷」とは言うが、「脳挫創」「筋挫創」とは言わない。  皮膚にできた「挫創」「切創」とは言うが、皮膚に対して「挫傷」「切傷」とは言わない)

  6. 成傷器による区分 鋭器損傷:刃物またはこれに匹敵する鋭い辺縁をもったもの(ガラス、缶の切り口など)、先端の尖ったもの(錐、針、アイスピックなど)で生じた損傷 鈍器損傷:鋭器以外のもの(拳などの人体、階段や机の角含む)で生じた損傷 銃創

  7. 鋭器損傷

  8. 切創 刃またはそれに匹敵する鋭利な辺縁を、人体組織の表面に押し当て刃の長軸方向に牽引させてできた創 組織を鋭的に切断するため、創の淵(創縁)の形状は整(平滑)で創の断面(創面)は整(平滑)である

  9. 通常の切創 弁状切創 面状切創 「フラップ形成してる」 というやつ スライサーで指を一緒に スライスしたときのやつ

  10. 刺創 先端の鋭利な長物を長軸方向に組織に刺入してできた創 表皮の創を「刺入口」、内部の組織損傷部を「刺創管」と呼ぶ(臨床では覚えなくても良い)

  11. 刺切創 刺創+切創 先端鋭利で刃を有するもの(有尖刃器)を長軸方向に刺入しつつ刃の長軸方向に牽引させてできた創 ナイフ、出刃包丁などを「刺した」創は、刺入時および抜去時に切りながら創を形成するため、刺切創となる

  12. 割創 重量のある刃器を打ち込まれてできた創 切創より深く、骨傷を伴うこともある 斧、鉈、日本刀など 鋭器損傷なので創の淵(創縁)の形状は整で創の断面(創面)は整であるが、打ち下ろした際に創縁に表皮剥脱形成することもある(刃厚が厚いもので生じやすい)

  13. 鈍器損傷

  14. 表皮が損傷するもの 表皮剥脱 挫創 裂創 杙創 表皮が保たれているもの 皮下出血 (デコルマン)

  15. 表皮剥脱 鈍体が皮膚の表面に作用して表皮が剥離・欠損し、真皮を露呈した状態 ≠擦過傷 強い圧迫や長時間の圧迫、熱傷水泡の自壊なども表皮剥脱に含まれる 受傷機転がわかるなら、「擦過傷」などと記載してももちろんOK

  16. 挫創 鈍体の打撃によって、皮膚が挫滅されて離開した創 鈍的な損傷なので、創の淵(創縁)の形状は不整で創の断面(創面)は不整である。創縁に表皮剥脱や皮下組織の挫滅を伴う 皮下組織の架橋状残存を伴う

  17. 裂創 皮膚が過度に伸展されて、その弾性限界を超えて生じた皮膚の離開(作用方法からのネーミングで「伸展創」と呼ぶこともある) 外力が作用した部位と創の部位が同一でない 創の淵(創縁)の形状は整で創の断面(創面)は整、創縁に表皮剥脱を伴わない。皮下組織まで及ぶことは少ないが、皮下組織の損傷には架橋状残存を伴う

  18. (挫裂創) 挫創+裂創 挫創を生じさせた外力に牽引が加わって、創の一端が裂創の性質を持っているもの

  19. 杙創よくそう 先端が鈍な長物を長軸方向に組織に刺入してできた創 パイプや杭、柵などで生じる 刺創の特殊型とする見解もある

  20. 皮下出血 鈍体の打撃・圧迫により、皮膚組織そのものには離開がないが、皮下の血管が破綻して皮下組織内に出血した状態 打撃・圧迫部に一致して生じるものと、打撃・圧迫部の辺縁に生じるもの(二重条痕、タイヤマークなど)がある

  21. (デコルマン) 皮膚が圧迫的に伸展され、皮膚には離開がないが、脂肪織内や脂肪織と筋膜の間で組織離開した状態 臨床ではあまり聞かないが、救急医学会の医学用語集にも(一応)含まれている

  22. 挫傷 筋、脳、肝など皮膚以外の組織・臓器の鈍的損傷に対する呼び方 決して、皮膚の挫滅のことではない!

  23. -

  24. 「転倒してアスファルトで擦り剝いて、筋層までえぐれてる」  ⇒受傷機転で表現するなら「擦過傷」、創傷の形態上は「挫創」になるが、「皮膚が○○大で欠損し、露出する筋層まで挫滅している」などと表現すれば伝わりやすい

  25. 「皮膚がずる剥けている」 機械などに巻き込まれて広範に皮膚が剥離した状態:「デグロービング」  指先を機械に挟まれた時に手指の皮膚が手袋を脱ぐように剥離することから 熱傷によりふやけた指先の皮膚が剥離した状態:「蝉脱」  

  26. おまけ 事件性のある創傷(特に他害性のあるもの)は、受診後可能な限り早い段階で写真撮影を! 人体のどの部位にあるかが分かるように遠目の撮影 創傷の形状がわかるように接写 メジャー、もしくは大きさの比較になるもの(コイン、ボールペンなど)を並べて写す 皮膚張力により開いている切創や刺創は、皮膚を寄せて撮影(創面を接触させた状態の長さが、刃物の刃幅上限。創の両端の形状から、刃と峰の方向も見分けられる)

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